深川市議会 平成24年第2回定例会 2012年6月19日
農地の流動化の促進
2012年6月19日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「農地の流動化の促進」について質問し、農業委員会会長 河合義則、経済・地域振興部長 藤田正男が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 農業委員会会長 河合義則、経済・地域振興部長 藤田正男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 辻本智
次に移ります。農地流動化の促進についてであります。地区農業者の高齢化に伴う農地移動・集積の予測に関しましては、本年度第1回定例会で同僚小田議員から一般質問がなされておりますし、昨年第3回定例会で当公政クラブ東出会長からも、課題の整理と解決の緊急性の観点での質問が出されております。今後における耕作放棄地の未然防止と、農業生産力の高い水準での維持という課題は、深川市経済の根幹にかかわることであり、これは午前中の楠議員への市長答弁の中でも一致したところであります。こうした認識から、私からは少し視点を変えて、この農地流動化の課題を立体的にとらえる立場で質問させていただきます。これまで、水田に関しての市内農業者の将来予測を表現する手法として、農業者の年齢構成と耕作面積を、ある程度の年齢構成で割り返して、その上で、例えば65歳以上の農業者の面積を40歳から50歳代にかぶせて、今後担い手に求められる平均的な耕作面積というような資料が出されております。そのことは、指標として一つの有効性を持つわけでありますが、現場の実態としては、例えば水稲作業の一工程、耕起作業でありますとか、田植え作業、これは水田1枚1枚ごとに行われるわけでありますし、通常の管理、水の出し入れ、排水などは、水路系列ごとに行われるわけであります。でありますから、作業効率だとか、家族労働力の集中と分散などを勘案した上での農地の移動を考える場合、現実には、その農家が現在1枚の面積が何アールの水田を何枚所有しているのか、さらにはそこに通い耕作地、いわゆる団地と言われるものでありますが、そういったものを幾つ所有しているのか、出し手・受け手双方にそうした議論がなされるわけであります。具体的な事例ということで、私の近隣の一つの農家を事例として出させていただきますと、近隣で農業を営まれている54歳のAさんは、昨年度、平成23年度の作付実態で申しますと、28ヘクタールの水稲を68枚の水田でつくり、16ヘクタールのソバを53枚の転作田にまき、地区内6カ所に分散する農地、合わせて139枚を夫婦2人で耕作しております。こうした事例は特殊なものではなく、大体15ヘクタールから20ヘクタールあたりの水田を現状のまま1戸の担い手に集積させようとすると、水田の枚数換算でおおよそ100枚前後の水田を、その1枚1枚に附属する畦畔、農道用排水路等をあわせて管理責任が生ずることになるわけであります。そうした現状認識に立った上でお聞きしたいと思います。まず一つ目に、市内農業者のこうした現状について、農業者1戸当たりが耕作する平均的な水田枚数及び1枚当たりの平均的な面積、さらに耕作地の分散状況、これは当然地域的特性があると思いますが、そうした状況についてお示し願いたいと思います。次に、今後の課題という点についてであります。たしか、昨年の第3回定例会での農業委員会会長の答弁の中で、毎年の農地移動面積がこれまで過去最高を更新し続けているという答弁がありました。既に受け手の側にもかなり限界に近づいているという声も聞こえてくるわけであります。その一方で、同じ答弁の中でありますが、さまざまな努力は続けるけれども、事業としての交換分合、これは互いに耕作地を交換し合い、1カ所にまとめるという事業でありますが、事業としての交換分合を断念したといった趣旨の答弁があったわけでわけであります。私は、現状のままで農地を小分けしながら動かしていくという従来の手法は、受け手である担い手の経営を将来的には窮屈なものにするのではないか、そのように危惧するわけであります。であれば、農地流動化を仕掛けていく組み立てをもっと多面的に、さまざまな手法を同時進行で仕掛けていくという必要があるのではないかと思うわけであります。例えば、耕作団地をそれぞれある程度の固まりとして集約する、今お話ししました交換分合、これとあわせる形での基盤整備、耕作する農地、移動する農地1枚当たりの面積を大きく広げ、管理しやすくする、そういった事業。さらには、農地の受け手となる担い手の労働力をもっと組織的なものにする。これには経営体の法人化などの手法が考えられます。今、3点ばかり例示しましたが、当然ほかにもあるのかもしれませんが、このような手法のメリット、現在国としてもさまざまな誘導施策を出していると聞いておりますので、そうした有効性を地域の中の出し手・受け手双方に、今以上に情報発信していくことが求められていると考えるわけでありますが、ぜひ農業委員会としての課題認識をお聞かせいただきたいと思います。3点目として、現在、農林水産省で進めている人・農地プランに関してであります。現在取り組んでいるいわゆる農地プラン、地域マスタープランの自治体レベルでの作成作業を、ただ単に今後の補助事業を受けるための手段としてとらえるのではなく、そこでの話し合いを地域住民の耕作者の意識づけ、あるいは経営体づくりのたたき台として、常に地域と行政の共同の道具とする扱いが必要かと考えますが、市としては当プランをどのように位置づけ活用しようと考えているのか、またプラン作成の現在の進行状況と今後の見通しについてもお伺いいたします。
答弁 農業委員会会長 河合義則(農業委員会会長は2014年6月まで)
農地の流動化の促進について、2点について順次お答えさせていただきます。議員ご指摘のとおり、これまでも農家数の減少により、農地の流動化は大きな問題とされ、集積に伴い1戸当たりの耕作面積は大きく増加していただかないと、団塊世代の離農に伴う供給増加に対応し切れないとお話させていただいたところであります。一方で、規模の大きな農家が離農となると、大きな面積の土地が一気に出て、これを1戸の農家が取得するには、人手、機械力、資金等、各種困難が伴うことから、周囲の農家に分けて取得せざるを得ない状況にもあります。しかし、これは一方で、農地を分散することとなり、団地数の増加につながってしまう一面があるのが実態であります。したがって、集積するに伴い、団地数の増加というのは避けられない状況にあります。空知管内の農家の団地数の平均は2.7団地だそうでありますが、農家台帳のデータによると、深川市の団地数の平均は3.1団地と、それより少し高い状況にあります。大きな差ではないという見方もありますが、これは地域別に見ますと、メムは2.4団地、一已3.3団地、納内2.9団地、音江2.8団地となっておりますが、多度志に至っては4.2団地と特に多い状況にあります。もう一つの指標であります圃場の枚数に関しては、共済組合からのデータでございますが、市内の農家1戸当たりの圃場枚数は38枚であり、これを地域別に見ますと、メム地区が25枚、一已が31枚、納内34枚、音江37枚に対し、多度志は47枚と一段と多い状況であります。飛び地も多く、枚数も多いという、これ以上の集積を求めるには容易ではない状況に達しておりますことは、議員のお見込みのとおりであります。国もこのような農地の集積を図り、また分散を解消するべく、農地集積協力金という制度を打ち出し、その中で経営転換協力金、分散錯圃解消協力金という二つの制度を打ち出したところであります。しかし、いずれも地主の10年の白紙委任と6年以上の賃貸が基本条件であり、北海道の流動化の基本は所有権の移動であることから、集積を加速させる力は少ないと思われます。多度志地域の特に厳しい現状は、沢沿いに農地が延びており、大きな平野を形成していないといった地理的条件だけではなく、他の地域より先に離農、集積が進んだ結果であると認識いたしております。深川市の平均耕作面積はようやく15ヘクタールに達したところでございますが、この地域の面積は既に21ヘクタールを超えており、集積が進んだあかしであり、団地数の解消に向けた第2ステップに入る必要があるということを如実に物語っています。議員も今後の課題として、交換分合、基盤整備、法人化と3点掲げておられるように、大きな効果が期待できるのですが、交換分合は所得税5,000万円控除や登録免許税の非課税などがありますが、田の1枚ごとの評価が難しく、なかなか同意が得られず、よって水田地帯では手が挙がらないのが状況であります。基盤整備もあわせて行う換地処分により、集積と団地化が同時に進み、非常に大きな効果がありますが、個人負担も大きく、以前のように一斉に面で入ることは厳しい状況にあります。さらなる規模拡大には、個人では限界があり、法人化という発想になるところでありますが、組織化というのは難しく、なかなか進まない現状にあります。しかし、分散錯圃の解消には、交換分合が有効な手段で、集まることにより、土地改良も可能となり、圃場の大型化にもつながるものです。団地数、圃場枚数の増加は、今後の集積を困難にさせていく要因であることを踏まえ、改めて交換分合への理解を深め、再度、地域の中でも検討していただく時期に来ているのではないかと認識いたしております。できれば、小さな面積でもよいので、実際に取り組んでいただいて、検証していただく地域が出てくることを期待するものです。また、新たな国の制度も賃貸が主であり、使いがたい面もありますが、戸別所得補償制度の規模拡大加算や農地集積協力金等を上手に活用しながら、団地数削減と集積に積極的に取り組んでいきたいと考えております。現状は厳しい状況にあることの実態を、農協、改良区など、市を含めた各農業団体が共通の認識に立ち、協力し合っていきたいと考えております。今日までも議会の場で農家の現状についての質問をいただき、そのことがメディアに乗り、危機意識が広がり、流動化が促進されてきた経過から、今回の新たな視点に立った課題の認識が、次の一手につながることを期待してやまないものであります。今後も分散錯圃解消に努力をしていく所存であります。
答弁 経済・地域振興部長 藤田正男(経済・地域振興部長は2015年3月まで)
私からは農地流動化の促進についての3点目、人・農地プランの取り組み状況と今後の行政対応についてお答え申し上げます。人・農地プランにつきましては、全国的な農業者の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加などから、農業者が5年後、10年後の展望を描けない状況にあるため、今後の中心となる経営体はどこになるのか、中心となる経営体へどのように農地を集積していくのか、中心となる経営体とそれ以外の農業者を含めた地域農業のあり方など、人と農地の問題について集落・地域で真剣に考え、話し合いを行い、未来の設計図を策定するものであります。こうして策定された本プランには、さまざまなメリットがあり、農業者が本プランに位置づけられますと、新規就農者などに対する青年就農給付金や中心となる経営体に農地を提供する方に対する農地集積協力金、認定農業者へのスーパーL資金の当初5年間無利子化などの支援を受けることができるものであります。次に、本プランの取り組み状況と今後の見通しについてでありますが、昨年11月に国から制度の説明を受けた後、本年2月に市内の営農組合長会議において本プランの説明を行い、その後、各地域において話し合いをしていただいた内容を市が素案として整理いたしまして、4月にJAきたそらちや空知農業改良普及センター北空知支所、土地改良区などの関係団体を含めた検討会を経て、現在は基本プランの策定を終え、青年就農給付金などの交付手続が円滑に行われるよう取り組んでいるところでございます。今後におきましては、9月末までに、基本プランをもとに、農地の集積計画表と農地利用図を完成させた後、本プランを決定し、国などに提出する予定となっております。また、市といたしましては、本プランを策定するに当たり、地域での話し合いを深めることで、各農業者がそれぞれの地域で適切な役割を果たし、将来の営農展望を持つことができるものと認識しておりますことから、今後において本プランが深川市の農業の振興や発展を促すためのさまざまな施策の基礎となるだけでなく、地域と行政の共通の基本計画であるととらえ、その上で、地域の実情に即した取り組みを推進する必要があると考えているところでございます。