江別市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月3日
市立病院の経営健全化について
2025年3月3日、江別市議会の一般質問で、佐々木聖子議員が「市立病院の経営健全化について」質問し、市長 後藤好人、病院事業管理者 長谷部直幸が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木聖子 議員
- 答弁者
- 市長 後藤好人、病院事業管理者 長谷部直幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 佐々木聖子
佐々木でございます。よろしくお願いいたします。ただいま、議長より許可を頂きましたので、地域医療について質問をさせていただきます。件名1、市立病院の経営健全化について、公益社団法人全国自治体病院協議会は、昨年末、会員病院846施設において、2024年上半期収支及び通期決算見込み調査を実施し、結果を公表されています。経営状況は、特に人件費と材料費の増加が影響し、医業収益が増加しても、それを上回る医業費用の上昇によって経営が悪化しており、新型コロナウイルスの分類変更に伴う医業収益の減少や物価高騰が経営に負の影響を与えており、収益改善が難しい状況であります。また、現在の診療報酬が物価高騰や人口減少の影響を十分にカバーできていないため、さらなる見直しを求める声が多く挙げられていることから、国に対し、自治体病院が持続可能な医療を提供できるよう、物価高騰対策の継続・拡充やさらなる財政措置を要望されています。医療を取り巻く環境が厳しさを増す一方、会員病院における経営状況の改善に向け、患者単価を向上させる取組のほか、人員採用の強化や外部委託費用の見直しによるコスト削減策、効率的な病床運営や稼働率の向上、平均在院日数の適正化、訪問診療の強化といった収益向上策の取組が紹介されています。2月7日に、全国都市会館で、公益社団法人全国自治体病院協議会と株式会社自治体病院共済会の共催で開催されました地方議会議員セミナーに、民主・市民の会から、吉田議員と私の2名が参加してまいりました。城西大学経営学部の伊関教授によるアフターコロナの自治体病院、人口減少時代にどう対応するかのテーマで講演が行われました。一部、講演の内容を御紹介いたします。公立病院経営強化ガイドラインの内容で、改革の名称が経営強化に変更され、自治体のプランも改革プランから経営強化プランに変更されました。これは、今回、多くの自治体病院が新型コロナウイルスへの積極的な対応を行い、国民の自治体病院に対する評価は確実に高まったことから、総務省として、地域の医療において自治体病院は必要であり、持続可能な医療提供体制を確保する見地から、経営強化の用語が使われたと考えられること。これまで、税金が投入されている自治体病院は要らないのではないかと批判されてきましたが、新型コロナウイルスへの対応で、積極的に患者を受け入れた自治体病院の必要性は国民に理解されたこと。自治体の繰出金が巨額となり、自治体財政が破綻するのは問題ではありますが、交付税プラスアルファで病院を運営できるなら問題はないこと。医療機関は地域の生命線であり、地域で外来機能を有する開業医が引退して、医療機関がなくなればその地域の住民は生活できないため、ある程度の病院を維持する必要があること。高齢化が進む中、地域にとって病院や福祉施設は数少ない将来を見込める産業であり、地域の重要な雇用先という面があること。職員採用の必要性として、総務省の公立病院経営強化ガイドラインでは、病院事業においては、単なる人件費の抑制、削減では収益改善につながらず、むしろ積極的に医師・看護師等を確保することで収益改善につながるケースがあることも留意すべきと指摘されています。また、人手がいなければ、新型コロナウイルスなどの新興感染症に対応できないため、非常時への対応の観点から、ある程度の余裕を持った人員配置が必要であること、知恵とお金を使って存続させていくことが重要であるといった内容でした。さて、江別市立病院の歴史は、昭和23年に国立札幌病院附属江別診療所が設置されたことにより始まりました。昭和26年に江別町立病院、昭和29年に市立江別国民健康保険病院、昭和32年に市立江別総合病院となり、平成10年に江別市立病院に改称され、現在に至っています。この間、準用再建や内科医ゼロなど幾多の困難や問題を乗り越え、市民の皆様に守られ、現在に至ります。平成26年度以降、大幅な収支の赤字を計上し、危機的な経営状況に直面している江別市立病院は、令和元年に設置された江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を受けて、令和2年度から令和4年度までの3年間を経営再建に向けた集中改革期間に設定するとともに、令和3年3月には、江別市立病院経営再建計画ロードマップ2023を策定して、経営改善に向けた具体的な取組を進めてきました。この間、令和元年の診療収益約44億1,000万円が、コロナ禍で、職員体制の充足がない中、令和5年には約49億5,000万円と底上げをするなどの結果も見られます。しかし、目標であった令和5年度における収支の均衡を実現することはできず、現在もなお厳しい経営状況が続いています。こうした中で、国の通知に基づき、江別市立病院経営再建計画の後継計画として、令和6年度から令和10年度までの5年間を計画期間とする江別市立病院経営強化プランを昨年3月に策定しました。江別市立病院経営強化プランの策定に当たって、当会派は、数値目標は経営実態に即した真に実現可能な数値とし、その達成状況を常に点検、検証して必要な見直しを行うこと、医師の確保など診療体制強化に向けた取組を確実に行うこと、市内医療機関との役割、機能分担の明確化と連携強化を図ることなど、市立病院の経営健全化に向けた取組強化を求めてきました。しかし、令和6年度の市立病院の経営状況は、当初計画より赤字幅が拡大しており、江別市立病院経営強化プランの数値目標は初年度から大きくつまずきました。江別市立病院経営強化プランは、江別市と近隣市町村における持続可能な地域医療提供体制を確保しつつ、市立病院の経営強化を着実に推進することを目的として策定されたものです。高齢化の進展や医師の働き方改革、新たな感染症危機への対策などの課題に対応し、江別市民の命と健康を守るためには、持続可能な地域医療提供体制の確立が不可欠です。そのためにも、江別市立病院の経営健全化が急務となっています。江別市は、北海道の第二次医療圏域の中で、病院数が全道の約40%、医師数で約50%など、医療資源が集中する札幌医療圏域に位置しており、こうした地域の特性や医療環境を認識した上で、江別市と近隣市町村の地域医療に果たすべき市立病院の役割を明確に示し、その必要性を広く市民に周知し、理解を得ることが求められています。市立病院の抱える多くの課題を江別市全体の課題として全市職員が共通認識を持ち、とりわけ市長自身が先頭に立って課題解決に取り組むことが何より必要です。現在、市立病院では、江別市立病院経営強化プランについて、令和8年度に予定していた中間見直しを前倒しして令和7年度に行うとし、準備が始まりました。この機会に、改めて市立病院の経営健全化についての考えをお伺いいたします。1点目は、長期的な地域医療体制の確保に向けた考え方についてです。誰もが人生の最後まで、住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができるようにするためには、保健・医療・福祉の連携が不可欠です。単に病院の経営面だけのことでありようを判断するのではなく、少子高齢化社会の中で、10年後、20年後の将来を見据え、市内の医療、そして、介護資源を十分に考慮し、家庭、介護施設、クリニック、病院のそれぞれの役割を検証し、適正な体制の整備が必要です。特に、交通の手段のない高齢者の受診には、市内で完結できる体制づくりが必要です。市内唯一の公立病院として、その役割をどう果たすべきと考えるか、お伺いいたします。2点目は、他の医療機関等との連携強化に向けた取組についてです。高度急性期医療を除く市内完結の持続可能な地域医療提供体制構築のためには、地域の医療機関及び介護施設等との役割・機能分担、そして連携に向けた協議の場を市長部局が主導し、設置することが必要と考えますが、市長のお考えを伺います。3点目は、江別市立病院経営評価委員会の専門委員会の設置についてです。令和6年度第4回江別市立病院経営評価委員会において設置が確認されました専門委員会の目的、メンバー、協議内容、スケジュール等についてお伺いいたします。4点目は、地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業についてです。前段に御紹介しました地方議会議員セミナーの城西大学経営学部の伊関教授による講演や講演終了後に行われた意見交換会の中で、参加者から、看護の質の問題や、大きい声でなくサイレントの人の声を聴く住民との意見交換会の実体験談や、病院運営の要である事務局の専門家不在、庁内の人事異動で全く畑違いの業務を担う現状や自治体財政の課題等が話されましたが、その中で、主催者側より、令和7年度の総務省事業である地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業をぜひ活用して病院運営に役立ててほしいとの説明がありました。この事業について、内容と活用に関するお考えをお伺いいたします。以上、1回目の質問と致します。
答弁 市長 後藤好人
佐々木議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、市立病院の経営健全化に関しまして、まず、長期的な地域医療体制の確保に向けた考え方について御答弁を申し上げます。私は、現在の市民はもちろんのこと、10年後、20年後を見据え、長期的な視点に立って、将来の市民のためにも、地域医療を確保していくことが重要と考えております。このような考え方の下、市立病院は、今後も市内唯一の公立病院として、あらゆる世代の市民が安心して江別市に住み続けられるよう、地域の医療機関はもちろん、介護分野、福祉分野の関係機関とも連携を図りつつ、救急医療、小児医療、周産期医療、高齢者医療など、地域に必要不可欠な政策医療の確保に努めなければならないと考えております。特に、江別市の高齢化率は、令和15年に37%を超えることが見込まれ、市全体で健康寿命延伸に向けた認知症への対応に取り組む必要があります。このため、市では、食を中心とした認知症予防の共同研究である江別いきいき未来スタディへ参画するとともに、市立病院において、札幌医科大学と認知症医療の充実に向けた包括連携協定を締結し、医療連携を強化したところであり、市内唯一の公立病院として高齢者医療の充実を図っております。いずれに致しましても、あらゆる世代の市民が安心して江別市に住み続けるためには、周産期医療から高齢者医療まで、幅広い分野で、可能な限り市内で対応できる地域医療体制の構築を図ることが必要であり、市内唯一の公立病院である市立病院は、その中心的な役割を果たすべきものと考えております。次に、他の医療機関等との連携強化に向けた取組についてでありますが、10年後、20年後の将来を見据えて、可能な限り市内で対応できる地域医療体制を構築するためには、市内の医療機関はもちろん、介護分野や福祉分野の関係機関がこれまで以上に連携を強化することが重要であると考えております。このような考え方の下、令和7年度に予定しております江別市立病院経営強化プランの中間見直しに当たっては、地域において質が高く効率的な医療提供体制を確保するため、市として、地域医療連携の新たな枠組みづくりに取り組むこととしたところであります。この枠組みづくりについては、市長部局が主導的な役割を果たすことが必要であると考えておりまして、市立病院はもちろん、市内の医療機関や介護分野などの関係機関とも連携しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、病院事業管理者からお答え申し上げます。
答弁 病院事業管理者 長谷部直幸
私からは、市立病院の経営健全化についての御質問のうち、江別市立病院経営評価委員会の専門委員会の設置についてほか1件について御答弁を申し上げます。初めに、江別市立病院経営評価委員会の専門委員会の設置についてでありますが、去る2月7日に開催されました令和6年度第4回江別市立病院経営評価委員会において協議が行われ、専門委員会の設置が決定されたところです。この専門委員会の設置目的は、江別市立病院経営強化プランの中間見直しに当たり、専門的な見地から、迅速かつ効率的に審議を進めることができるようにするというものであります。専門委員会のメンバーにつきましては、江別市立病院経営評価委員会設置要綱で委員長が指名することとされており、現在、検討を進めているところであります。また、協議内容につきましては、地域医療連携の強化に向けた新たな枠組みづくり、医療機能と病床規模の最適化、病床稼働率の向上のための取組の主に3点について、専門的な見地から協議を頂くことを想定しております。また、専門委員会の開催日程など、今後の進め方につきましては、江別市立病院経営強化プランの中間見直しのスケジュールを踏まえつつ、調整を進めてまいりたいと考えております。次に、地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業についてでありますが、この事業は、地方公共団体の経営や財務を強化するため、総務省と地方公共団体金融機構が団体の要請に応じて専門家をアドバイザーとして派遣するものであり、公立病院経営強化プランの改定、経営強化の取組についても、その対象とされております。この事業の活用についての市立病院の考えでありますが、江別市立病院経営評価委員会では、江別市立病院経営強化プランの中間見直しに向けた議論を進めるに当たって、外部の専門家の意見を聴くことも必要ではないかとの御意見を頂いておりますことから、当該事業の活用に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 佐々木聖子
順次、要望、再質問をさせていただきます。1点目の長期的な地域医療体制の確保に向けた考え方については、定例会初日の市政執行方針でも述べられていましたが、改めて、現在、10年後、20年後の未来を見据え、あらゆる世代の市民が安心して暮らし住み続けられるために、幅広い関係機関と連携を図りながら、市立病院はその中心的な役割を果たすと決意を確認させていただきました。2点目の他の医療機関等との連携強化に向けた取組については、この間、私どもも、その設置を強く望んでまいりましたが、江別市の地域医療体制構築に向けて、市長部局が主導的に役割を果たし、市立病院はもちろん、市内の医療機関や介護分野などの関係機関とも連携して検討を進めていくとのことで期待し、江別市立病院経営強化プランの見直しと並行して、速やかに取組を進められることを要望いたします。3点目の江別市立病院経営評価委員会の専門委員会の設置については、再質問を行います。想定される協議内容について3点挙げられておりますが、特に、地域医療連携の強化と、医療機能と病床規模の最適化について、改めてその協議の視点について確認させていただきます。地域医療の基本的な単位となり、医師数や病床数などの計画のベースとなる第二次医療圏は、救急医療を含む一般的な入院治療が完結するように設定した区域で、人口や入院患者の流出入状況に基づき構成されています。北海道は21圏域があり、江別市は札幌圏域に属し、札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村が対象となっています。大都市札幌市を含んでいることから、第二次医療圏域の中では医師も診療科も比較的充足されているとしても、全て札幌市が中心であり、各自治体の細やかな体制づくりが難しい面があると思います。病床も一度削減するとすぐ札幌市内で吸収されてしまい、新しく設置することは不可能です。公的な病院として、感染症対策の余剰病床の確保なども必要です。病床稼働率向上のための取組とともに、少子高齢化や人口減少の中、地域医療連携や医療機能と病床規模の最適化については、今後、市長部局が主導して取り組む地域医療連携の新たな枠組みづくりの考えに基づき、市内の医療分野、介護分野、福祉分野の関係機関も含めての検討になるかと理解しておりますけれども、いかがかお伺いいたします。
答弁 病院事業管理者 長谷部直幸
佐々木議員の再質問にお答えします。地域医療連携の新たな枠組みづくりを踏まえた市立病院の医療機能と病床規模の最適化についての検討の進め方についてでありますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、あらゆる世代の市民が安心して江別市に住み続けるためには、周産期医療から高齢者医療までの幅広い分野で、可能な限り市内で対応できる地域医療体制の構築を図ることが必要であり、そのためには、市長部局の主導の下、市内の医療機関はもちろん、介護・福祉分野の関係機関を含めて連携強化を図ることが重要と考えております。また、コロナ禍後の受診控えのほか、物価高騰や人件費の上昇など、医療を取り巻く環境が大きく変化している現状を考えますと、現在の市立病院の厳しい経営状況を踏まえた対応も必要になるものと認識しております。江別市立病院経営評価委員会の専門委員会においては、これらの視点を踏まえて、専門的な見地から総合的に検討していただきながら、江別市立病院経営強化プランの中間見直しに向けて協議を進めていただくことを想定しております。以上であります。
再質問 佐々木聖子
専門委員会におきましても、スピード感を持ちつつも、視点を踏まえた協議を進めていただくことを要望いたします。最後に、4点目の地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業については、江別市も対象となり、既に準備を進めていただいているとのことでしたので、ぜひ御協力を頂きながら、よりよいものになるよう進めていただくことを要望いたします。いずれに致しましても、スピード感を持ちながらも、慎重に協議を進めながら、改善に向けてみんなで知恵と工夫を出し合い、できることは速やかに取り入れながら取り組まれますよう要望し、質問を終わります。