みんなの議会

江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月14日

(1)学校図書館の在り方について/(2)独り親家庭の養育費不払いに対する支援について

2023年9月14日、江別市議会の一般質問で、三吉芳枝議員が「学校図書館の在り方について」「独り親家庭の養育費不払いに対する支援について」について質問し、市長 後藤好人、教育部長 伊藤忠信が答弁しました。

質問者
三吉芳枝 議員
答弁者
市長 後藤好人、教育部長 伊藤忠信

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。

質問 三吉芳枝

議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。件名1、学校図書館の在り方についてお伺いいたします。子供たちが本と出会える最も身近な場所は、学校図書館であります。しかし、近年、デジタル化が進み、全国の書店は年々減少傾向にあり、書店が一つもない書店ゼロの自治体が昨年9月時点で26%に上るなど、本に触れる機会が減り続けています。また、2020年度版の読書世論調査によると、1か月に本を1冊も読まない人の割合が51.5%に上り、非読者が読者を上回るなど、読書離れに拍車がかかっています。さらに、NPO法人読書の時間の調査によりますと、小学生が読書を嫌いになった理由について、最多が読書の必要性を教わらなかった、次に、興味のない本を読まされた、音読で恥をかいたと続きます。この調査は、開始から約20年経過しても、この順位は変わっていません。本が嫌い、または読書習慣がない子供が増えている状況だからこそ、本と出会い、学ぶ場を提供することが求められます。その役割を果たすのが学校図書館だと思います。しかし、全国的に学校図書館の充実に必要な図書購入費が年々減少していて、政府が2021年度図書購入費として220億円の地方交付税交付金を措置したにもかかわらず、全国の自治体において、図書の購入に使われたのは6割弱の約126億円にとどまっています。交付金をどう使うかは自治体が決めることになっており、その使用割合は7年連続で減少しています。その理由の一つは、文部科学省が定めた学校規模に応じた読書数の目安となる学校図書館図書標準が関係しています。図書標準の達成率を満たしていれば現状の予算措置になり、国が定める蔵書数を下回ることへの抵抗感から、古い本を廃棄せず更新していない状況もあります。このように、本の新陳代謝が進まない古い学校図書館は利用されなくなります。実際、全国学校図書館協議会による2008年と2019年の学校読書調査によれば、この間に図書館を利用する小・中学生が2割減っているという報告もあります。以上までは、全国の学校図書館における状況をお伝えいたしましたが、江別市においては、第3期江別市子どもの読書活動推進計画によりますと、学校図書館の蔵書率は、2012年度74.9%に対し、2017年度には94.5%まで上がっています。これは、蔵書率の低い学校に対して重点的に図書の充実に努めたことにより、学校図書館の蔵書管理を進めることができたとあります。しかし、先ほどの調査にもありましたが、蔵書率は上昇しても、大切なのは、どのような本が並んでいるのかだと考えます。そこで、1点目、市内各学校において、毎年古い本が更新され、学校図書館の新陳代謝が進んでいるのか、江別市の小・中学校における現在の蔵書率と本の更新状況をお伺いいたします。2020年度から、順次、スタートした学習指導要領で目指している児童生徒の主体的、対話的で深い学び、その実現に大きな役割を果たすのが、子供たちの学習支援や読書を通して読み解く力を養う学校図書館です。学校図書館には3つの機能があり、1つ目は、自由な読書活動や読書指導の場としての読書センター機能、2つ目は、児童生徒の学習活動の支援や授業内容を豊かにして理解を深める学習センターとしての機能、そして、3つ目は、児童生徒や教職員の情報ニーズへの対応、児童生徒の情報収集や選択、活用能力を育む情報センターの機能です。学習指導要領では、学校図書館を計画的に利用して機能の活用を図り、児童生徒の主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすことが明記されています。この学習指導要領の実現には、自分でテーマを決めて情報収集し、考え、まとめ、発表する調べ学習が欠かせません。具体的には、学校図書館の図書資料を有効に利活用して、生徒の興味や関心に応じて主体的に学習内容の背景を探ったり、問いを見いだして解決したりしながら、自分の考えを形成することが大切です。この学習を支えるには、司書教諭、学校司書、学級教科担任の連携が重要です。こうした図書資料の利活用で、司書教諭には、学校図書館の運営に関する総括や図書館を活用した教育活動の企画、実施が求められ、また、学校司書には、図書資料の管理や図書の閲覧や貸出し、さらに、児童生徒や教育指導に対する直接支援に加えて、各教科の指導に関する支援、教育指導支援といった役割が求められ、いずれも重要性はますます高まっていると言えます。江別市においては、図書館地域開放事業の対象となっている豊幌小学校、江別太小学校以外の全15校の小学校に対し、学校司書4名、支援司書1名を巡回学校と支援学校に分け配置を行っています。巡回学校は週2回、支援学校は月1回、学校司書や支援司書による学習支援、学校図書館の整備、環境への支援を行い、中学校はピンポイント支援として、学校からの図書館に対する相談等を受け対応していると伺いました。そこで、2点目、今後の江別市の方針として、学校図書館における学校司書または支援司書の充実についてどのようにお考えか、お伺いいたします。また、学校図書館担当教諭及び司書教諭に対する研修についても、今後、どのように取り組んでいくのかも併せてお伺いいたします。本を読んで感動する、世界が広がるというように、本は多くの人に豊かな内面と生きる力を与えてくれます。特に、子供の成長、発達には大きな栄養となり、読む力は学ぶ力の基礎となります。本を読むことで読解力が養われ、考える力、書く力、人に伝える力がついていきます。学校図書館は、家庭の経済や地域格差など子供の置かれた状況に関係なく、全ての子供に公平に本に触れる機会をもたらし、学びと育ちを支えています。学校図書館の利用をさらに充実し、豊かな教育活動を保障する上でも、専任の学校司書の必要性は大きいのではないでしょうか。恵庭市では、全国的にあまり例のない読書条例を制定し、読書の環境づくりに力を注いでいます。同市は、読書環境や人とのつながりを次の世代に確実に引き継いでいくことが重要と考え、これからの読書活動の道しるべとなる恵庭市人とまちを育む読書条例を制定し、2013年4月に施行されました。読書に関する条例の制定は北海道内初であり、全国でも4例目となっています。また、2004年4月から、専任として全小学校8校に、2006年度からは、全中学校5校に専任の学校司書を1名配置しています。学校司書の常駐により、登校時から下校時まで、子供たちがいつでも利用できるように学校図書館を開館するとともに、司書教諭、図書担当教諭と連携し、児童生徒の学習支援、読書指導、図書館利用指導を行っています。学校司書が各校に1名ずつ配置され、司書がいることによる安心感は、図書館を使い慣れていない児童生徒などにとって、図書館機能を十分に果たす大きな役割を担っています。学校図書館は、児童生徒にとって心の保健室でもあると言えます。子供たちが自由に立ち入り、様々な分野のことに興味を引くように本がディスプレーしてあったり、知りたいことに答えてくれ、さらには、広い分野へと興味・関心を促してくれる、そんな役割を学校司書は果たすと言えます。3点目として、江別市の各学校において、学校司書の常駐についてのお考えをお伺いいたします。続きまして、件名2、養育費の不払い解消に向けた支援についてお伺いいたします。厚生労働省の2022年国民生活基礎調査によると、独り親世帯の貧困率は約45%となっています。また、離婚した元配偶者から現在も養育費を受けている割合が低くとどまっていることから、独り親世帯が貧困に陥る大きな要因の一つに、養育費の不払いがあると言われています。厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告書によれば、独り親になった理由の多くは離婚となっており、養育費の取決めをしている世帯が46.7%、また、養育費を現在も受けている世帯が28.1%にすぎない状況となっています。養育費の不払いは、独り親家庭の経済状況を悪化させ、子供の貧困を生む要因にもなりかねません。養育費は、当事者間の協議によって具体的な金額等を定めるものとされていますが、協議が調わないときや協議をすることができないときは、家庭裁判所の審判等によって定めることが必要となります。そして、養育費の取決めをしたものの、任意の支払いがない場合には、権利者において、養育費について債務名義を取得した上で、強制執行の手続を利用して回収することが想定されます。しかしながら、法的知識のない人にとっては、協議をするに当たり、そもそも適切な養育費の金額を算定することは容易ではありません。離婚に当たって、相手方当事者と連絡を取りたくないと考える人も少なくありません。当事者のみで解決することができない場合、調停、審判、強制執行等の裁判手続を利用することになりますが、法律の専門家ではない権利者にとって申立ては容易ではなく、仕事や子育てで忙しい中、平日の昼間に何度も裁判所に出頭することも難しいと思われます。そのため、養育費の支払いを確保するためには、適切な支援が不可欠だと考えられます。養育費の不払いをなくすため、2021年に、法務省は、離婚する夫婦に対して、子供の養育費や面接交流に関する取決めを促すため、離婚届の標準様式を見直すと発表しました。離婚届にQRコードを記載し、事前に決めておくべき事項をまとめたホームページに簡単にアクセスできるようになり、また、養育費に関しては、不払いがあった場合に、強制執行で確保しやすくなる公正証書を使って確認したか問う項目も追加されました。しかし、公正証書と一言で言っても、普通に暮らしていればなじみがなく、何が必要で、どのように作成するのか分からないと思われます。こうした状況に、全国初のモデル事業を行っている兵庫県明石市は有名ですが、厚生労働省の養育費確保支援に関する取組によりますと、令和3年度では、全国87の自治体が養育費の履行確保等に関する取組を実施しています。先月、会派視察で訪問した愛知県長久手市でも、コロナ禍で養育費の未払いに悩む独り親世帯の声を受け、公正証書等作成促進事業と養育費保証促進事業が盛り込まれた養育費履行確保事業が今年7月から施行されておりました。江別市におきましても、相談から実際の履行確保まで、一貫して支援する機関が必要と考えます。養育費確保支援事業に伴う江別市の対応と併せて、相談から履行確保までの支援体制についての見解をお伺いいたします。以上で、1回目の質問を終わります。

答弁 市長 後藤好人

三吉議員の一般質問に御答弁申し上げます。私からは、独り親家庭の養育費不払いに対する支援についてお答え申し上げます。養育費の不払い解消に向けた支援についてでありますが、離婚により独り親となった家庭は、子育てと生計維持を一人で担うため、生活や就労などにおいて様々な困難を伴うことから、養育費の確保によって経済的な安定を図ることが重要であると認識しております。市では、戸籍の窓口で離婚届を手渡す際に、法務省作成のパンフレットや独り親に関する制度や手続などを記載したリーフレットを配付し、養育費などの情報提供を図っております。また、健康福祉部子育て支援室子育て支援課の相談窓口では、離婚後の生活全般の相談のほか、養育費に関する公正証書の作成などの説明や無料の弁護士相談等を案内しております。さらに、就労などのため平日の相談が困難な方に対しては、夜間や土曜、祝日の電話対応やメール相談を実施している国の養育費等相談支援センターを案内してるところでございます。市と致しましては、独り親家庭が安心して自立した生活ができるよう支援していくことが重要と考えておりますことから、引き続き、養育費の確保に関する周知・啓発や相談対応などの支援に取り組むとともに、他の自治体が取り組んでいる国のモデル事業を活用した養育費の履行確保事業の状況などについて、情報収集してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。

答弁 教育部長 伊藤忠信(教育部長は2024年3月まで)

私から、学校図書館の在り方について御答弁申し上げます。初めに、学校図書館の蔵書率についてでありますが、現在、教育委員会では、国が令和4年度から5か年を計画期間として定めた第6次学校図書館図書整備等5か年計画の下、小・中学校における学校図書館図書の整備を行っております。令和4年度末現在の文部科学省が定めた蔵書の整備目標である学校図書館図書標準に対する市内の小・中学校の蔵書率は、小学校では、17校中11校、中学校では、8校全てで、全体では、25校中19校が100%を達成しております。教育委員会では、通常の図書購入費のほかに、蔵書率の低い学校に対しては追加配分を行い、新規図書の整備を進めてきたことに加え、市内の各種団体から毎年多くの図書を寄贈していただいていることもあり、蔵書率100%を達成する学校が年々増加しているところであります。一方、刊行後、時間の経過とともに、最新の情報を記載していない古い図書のほか、汚損や破損が激しく利用できなくなった図書の廃棄も進めており、毎年5%程度の図書の入替えが行われているところであります。今後におきましても、各学校の実情に合わせ、学校図書館図書標準に留意しながら、適宜、図書の入替えを行うなど、良好な図書環境の整備に努めてまいりたいと考えております。次に、学習指導要領に基づく学校図書館の重要性についてでありますが、学習指導要領では、学校図書館は、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であり、読書活動の推進のために利活用されることに加え、各教科などの様々な授業で活用されることにより、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に資する役割が期待されるものと位置づけられております。学校図書館が今後もこうした役割を最大限に発揮できるよう、教育課程との連携を一層図った上で、計画的、継続的に利活用されることが重要であり、そのためには、図書館資料の充実はもとより、学校図書館の運営に当たる司書教諭及び学校司書の配置と資質、能力の向上が必要であると考えております。こうした認識の下、平成18年度から情報図書館の司書が学校を巡回し、購入図書の選定のほか、図書の分類や並び替えレイアウト改善など様々な支援を行っております。このような司書派遣は、学校からの評価も高いことから、教育委員会では、今年度、巡回司書を1名増員し、支援司書と合わせて5名体制としたところであり、より効果的な学校図書館の運用に努めてまいりたいと考えております。また、御質問の学校図書館担当教諭などを対象とした研修につきましては、引き続き、北海道や各種関連団体の研修などに派遣するとともに、市内の学校を巡回する司書や司書教諭等が一堂に会し、相互に情報共有する場を設けることにより、個々の資質、能力の向上を図ってまいりたいと考えております。次に、学校司書の常駐についてでありますが、現在、市内の公立小・中学校の学校図書館においては、情報図書館からの司書の定期巡回及び学校からの個別の要請に応じた支援司書の訪問により、図書の分類など環境整備に取り組んでいるところであります。司書が学校図書館を巡回することは、児童生徒が司書と一緒に読みたい本を探すことにより、新たな本に出合うきっかけとなることからも、大変有効な取組であると考えております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、今年度は、巡回司書を1名増員して体制の強化を図ったところであり、教育委員会と致しましては、まずは現体制を継続しながら、その効果を検証するとともに、引き続き学校における司書の在り方について検討してまいりたいと考えております。以上であります。

再質問 三吉芳枝

要望と再質問をさせていただきます。件名1の1項目めについて再質問させていただきます。市内の小学校17校中11校が蔵書率100%と伺いましたが、残り6校に対しても100%を目指し蔵書率向上に取り組んでいくのか、また、同時に、図書の更新5%程度を随時維持しながら、市内小・中学校図書館の整備を行っていくのか、今後の蔵書率向上と図書の更新について、市としての考えをお伺いいたします。2項目め、3項目めについては、要望とさせていただきます。児童生徒が読書に親しむためには、読書に対する興味、関心を引き起こし、読書できる力をしっかりと育み、習慣化を図っていくことが重要であり、その点においても、学校図書館における学校司書の役割は大変に大きいと感じます。江別市におきましても、学校図書支援員を1名増員するなどの取組が進んでいるところですが、事業の検証結果も踏まえて、学校図書館における蔵書率の向上、図書の更新と合わせて、学校図書館が子供たちの心のオアシスとなるよう、居場所づくりに取り組んでいただくことを要望と致します。件名2の養育費不払い解消に向けた支援につきましても要望とさせていただきます。他の自治体の取組などを情報収集されるということでございますが、実際に現在も独り親家庭で生活に困っていらっしゃる方はたくさんいますし、養育費の不払いで悩んでいる独り親の方もたくさんいらっしゃいます。この問題については、いち早く、できることをしっかりと取り組んでいくべきだと考えておりますので、速やかに、現実的にできる手だての御検討をお願いいたします。以上で、再質問と要望を終わります。

答弁 教育部長 伊藤忠信(教育部長は2024年3月まで)

私から、学校図書館の蔵書率についての再質問にお答え申し上げます。今後の蔵書率向上と図書の更新についてでありますが、蔵書率が100%に達していない6校につきましては、通常の図書購入費のほかに、予算の追加配分を行い、新規図書の整備を積極的に進めているところであり、引き続き、市内全校で蔵書率100%を達成できるよう取り組んでまいりたいと考えております。また、全ての学校で、新規図書の整備と古くなった図書の廃棄を適切に行う更新作業を継続していくことにより、児童生徒にとって魅力のある、良好な学校図書環境の整備に努めてまいりたいと考えております。以上であります。

出典:江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月14日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる