江別市議会 令和7年第3回定例会 2025年9月10日
(1)不登校児童生徒の健康診断受診機会の確保について/(2)教育支援センターねくすとについて
2025年9月10日、江別市議会の一般質問で、三吉芳枝議員が「不登校児童生徒の健康診断受診機会の確保について」「教育支援センターねくすとについて」について質問し、教育部長 佐藤学が答弁しました。
- 質問者
- 三吉芳枝 議員
- 答弁者
- 教育部長 佐藤学
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 三吉芳枝
議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。文部科学省の調査によりますと、2023年度の全国小・中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人に上り、前年度から15.9%増加して過去最多を記録しました。これは義務教育段階全体のおよそ3.7%に当たり、小学校では2.14%、中学校では6.71%が不登校の状況にあります。また、そのうち55%が年間90日以上欠席しており、全国的に長期不登校が増加する深刻な状況となっております。さらに、この増加傾向は11年連続で続いており、学校現場や行政に早急な対応が求められているところです。江別市においても同様で、少年健全育成活動報告の令和5年度実績によると、市内不登校児童生徒数は、小学校112人、中学校203人、合計315人となっております。令和3年度は258人、令和4年度は286人であり、年々増加傾向にあります。さて、小・中学校では、毎年、全学年を対象とした健康診断が行われております。定期健康診断は、子供の健康状態を確認し、学校生活に支障を来すような病気の疑いを早期に見つけ、医療機関の受診につなげることで、疾病の早期発見、早期治療を図る大切な役割を持っています。しかしながら、不登校の児童生徒は、学校に通うこと自体難しい状況にあるため、結果として定期健康診断を受ける機会を逃してしまう場合があります。加えて、不登校の背景には、体調不良や発達特性、家庭環境、友人関係、さらには学習上の困難など、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多く、その多くは心身の健康とも深く関わっております。このような中で健康診断を受けないまま日々を過ごすことは、身体面の異常や発達上の課題を見過ごすだけでなく、子供の心のケアや支援の必要性に気づく機会を失うことにもつながりかねません。不登校の児童生徒に対しても、在籍する他の児童生徒と同様に健康診断を受けられる環境を整備し、必要な医療や支援へと確実につなげていくことは、健やかな成長と将来を支える上で極めて重要であると考えます。特に、何年も不登校が続く場合には、健康診断を数年間受診できていないこともあり、身体面や発達面での異常や課題が見過ごされてしまうおそれがあります。さらに、健康診断を受けられない状況が長引くことは、保護者の方にとっても大きな不安につながるものと感じております。こうした背景を踏まえ、不登校児童生徒に対する健康診断の受診機会をどのように保障しているのか、その具体的な対応状況について、以下の点をお伺いいたします。1点目、江別市において、現在、学校で定期健康診断を受けられていない児童生徒の数や割合をどのように把握しているのか、現状をお伺いいたします。2点目として、不登校の児童生徒の中には、学校に近づくだけでも強い不安や苦痛を感じ、学校そのものに足を運ぶことができない児童生徒もおります。こうした状況にある児童生徒に対しては、学校での定期健康診断の受診がより一層困難となり、心身の健康状態を把握する機会を失ってしまうおそれがあります。したがって、このような事情を抱える児童生徒の状況を十分に考慮した上で、どのように健康診断の受診機会を確保し、心身の健康状態を把握しているのか、その具体的な対応についてお伺いいたします。大阪府吹田市では、令和4年度から、学校に通えない不登校児童生徒が学校外の医療機関で健康診断を受けることができる制度を導入し、その費用を市が補助する取組を行っております。保護者負担はなく、学校医でなくても受診可能で、学校の友人と顔を合わせることを避けながら安心して受診でき、7月から9月末までの期間内であれば日時も自由に選ぶことができます。令和5年度には、これまで健康診断を受けられなかった児童生徒の約2割に当たる157人が受診することができたとのことです。なお、この取組に要した予算は50万円です。こうした制度が導入された背景には、市民からの要望がありました。大阪府吹田市内で不登校の児童生徒に学校外の学びの場、フリースクールを3校運営しているNPO法人ここ代表の三科元明さんは、子供がマスクを取った際に虫歯が多数あることに驚き、約5年前から校外での健康診断の実施を求めてきました。制度導入後、三科さんは、改めて、子供の健康を子供自身が守ることは非常に難しく、親も気づきにくいことがある。健康管理は社会全体で保障していく必要がある。健康診断だけでなく、不登校の子供やその親たちは多くの不利益を被っている。こうした仕組みが社会全体で子供の健康に目を向けるきっかけになってほしいと述べています。3点目として、江別市においても、教育現場や教育委員会において様々な工夫で対応されていることは承知しておりますが、こうした先進事例を参考に、現場職員の負担軽減を図るとともに、不登校児童生徒が安心して健康診断を受けられる体制のさらなる充実が必要であると考えますが、市としての御見解をお伺いいたします。続きまして、件名2、教育支援センターねくすとについて、通級における交通費についてお伺いいたします。教育支援センターねくすとが常設化されてから1年が経過いたしました。前身の適応指導教室すぽっとケアでは午前中のみの活動でありましたが、教育支援センターねくすとにおいては、水曜日を除き午後まで活動時間を拡大したことにより、利用者数の増加につながっております。具体的には、令和6年4月から6月期の延べ通級者数は、前年同期の304人から568人へと大幅に増加いたしました。また、令和6年度末の登録者数は64人に達し、児童生徒にとって第三の居場所としての認知が広がり、自分のペースで学習や活動に取り組める環境として定着しつつあります。こうした成果は、日々児童生徒に寄り添い、きめ細やかな支援を行っていただいている関係職員の皆様の御尽力、そして、保護者や地域の皆様の御理解と御協力のたまものであると考えております。改めて深く感謝を申し上げる次第です。教育支援センターねくすとの利用が広がり、子供たちにとって安心できる第三の居場所として定着してきていることは大変意義深いことです。しかしながら、利用に当たって大きな課題もあります。その一つが交通費の負担です。教育支援センターねくすとに近い地域に居住する児童生徒は、徒歩や自転車で通えますが、遠方に住む児童生徒は、バスなどの公共交通機関を利用するか保護者が送迎せざるを得ません。保護者の多くは共働きで、送迎のために勤務を調整したり早退する必要があり、家庭への負担は大きくなっています。雨の日や冬などの自転車が使えない日には、通級に悩む家庭もあります。さらに、公共交通機関を利用する場合には、経済的な負担が重くのしかかります。例えば、中学生がジェイ・アール北海道バスを利用して教育支援センターねくすとに通う場合、JR大麻駅南口から教育支援センターねくすとに一番近いバス停である野幌10丁目までの乗車で、片道180円、往復で360円かかります。週に3日通級すれば、月4,680円の負担となります。距離が長い場合にはさらに運賃が増えますし、加えて、ジェイ・アール北海道バスは、今年12月から、初乗り運賃を40円引上げ220円とすることを発表しています。そうなれば、同じ経路でも往復440円、週3日で月5,720円と、さらに厳しい負担となります。このように交通費と送迎の両面において、家庭にとって決して小さくない負担が生じており、経済的、時間的な理由から通級を諦めざるを得ない状況が生じる懸念があります。せっかく教育支援センターねくすとという安心できる居場所が整備されても、こうした負担の壁によって利用が制約されるのでは、その意義が十分に発揮されません。実際に、他市においては、教育支援センター等への通級に伴う交通費を支援する仕組みが始まっています。群馬県前橋市では、令和6年度から、不登校の児童生徒がフリースクールなどに通う際の交通費を補助する制度を開始しました。具体的には、交通手段の種類にかかわらず、自宅から施設までの直線距離に応じて1キロメートル当たり50円を補助し、月額1万円を上限としています。支給における様々な要件はありますが、制度開始直後から申請が寄せられ、家庭の経済的負担を軽減するとともに、施設利用のきっかけにもなっていると報告されています。国においても、不登校児童生徒への支援を学校外の学びや居場所へつなげていく方針が打ち出されておりますが、そのためには、自治体レベルでの具体的な支援策が欠かせません。江別市においても、教育支援センターねくすとが児童生徒にとって安心して通える場所となり続けるために、交通費や送迎負担の軽減について検討を進める必要があると考えます。そこで、お伺いいたします。市として、交通費や送迎の負担の実態をどのように把握されているのか。また、前橋市など他市の先進事例も参考にしながら、交通費支援を含めた具体的な負担軽減策を検討されるお考えはあるのか、見解を伺いいたします。以上で、1回目の質問を終わります。
答弁 教育部長 佐藤学
三吉議員の一般質問に御答弁を申し上げます。初めに、不登校児童生徒の健康診断受診機会の確保に関しまして、まず、未受診の児童生徒の把握状況についてでありますが、小・中学校における健康診断は、学校保健安全法に基づき、毎年4月から6月に実施されており、内科検診及び歯科検診は全学年の児童生徒を対象に、眼科、耳鼻科及びその他の検診は、指定された学年の児童生徒を対象として行われております。各校では、児童生徒数に応じて1日から3日間の日程を設定し、担任や養護教諭が立ち会い、教育委員会が委嘱した学校医による健康診断が行われており、未受診となった児童生徒につきましては、後日、学校から教育委員会に対して報告があります。今年度の市立小・中学校25校の未受診率は、内科検診が4.7%、歯科検診が5.5%であり、この割合は例年と同程度となっております。次に、受診困難な児童生徒への対応についてでありますが、学校での検診を受診できなかった児童生徒への対応としましては、歯科検診においては、札幌歯科医師会と連携し、指定された歯科医院で夏季休業中に個人検診を受けることが可能となっており、令和6年度には、未受診者488名のうち85名が受診し、その費用は教育委員会が負担しております。一方、歯科検診以外の内科検診等につきましては、コロナ禍以降、健康な状態にある子供が感染症に罹患するリスク等を考慮し、未受診者の個別の医療機関での検診実施を見合わせているところであります。なお、不登校や不登校傾向にある児童生徒への対応と致しましては、担任が児童生徒の様子を確認するため、電話や自宅訪問などをした際には、受診時間に配慮できることを伝えるなどの働きかけを行っております。さらに、検診日にかかわらず、児童生徒が登校した際には、養護教諭が視力検査や聴力検査を行っているなど、学校では不登校児童生徒の健康状態の把握に努めているところであります。次に、先進事例を踏まえた体制整備と今後の対応についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、教育委員会では、夏季休業期間中の歯科医院での検診については、費用を教育委員会が負担し、受診可能な体制を整備しているところであり、こうした取組には一定の効果がありますことから、引き続き、札幌歯科医師会と連携し、継続して取り組んでまいりたいと考えております。教育委員会と致しましては、児童生徒の健康の保持・増進を図る上で、検診機会を確保することは重要であると考えておりますことから、他自治体での先進的な取組も参考にしながら、学校や医療機関等と連携の上、検診体制の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。続きまして、教育支援センターねくすとに関しまして、通級における交通費について御答弁を申し上げます。教育支援センターねくすとは、近年、不登校児童生徒が増加する中、学校関係者との不登校支援に関する意見交換などにおいて出された不登校児童生徒が通う適応指導教室すぽっとケアの拡充を求める意見を受け、令和6年4月に常設会場として開設した施設であります。開設に当たっては、より学びやすい場となるよう施設改修を行ったほか、午前中だけであった活動時間を午後まで拡大したことなどにより、子供たちにとって安心して過ごせる居場所になっているものと認識しておりますが、遠方から通級する児童生徒が保護者の送迎やバスなどの公共交通機関を利用している実態があると承知しております。こうした中、不登校児童生徒の保護者に対する支援を検討するため、不登校児童生徒の親の会や放課後等デイサービスなどの支援事業所のほか、市担当部局の職員が参加して本年8月に開催した意見交換会では、保護者が抱える不安や悩みなど、参加者から様々な意見が出されており、教育支援センターねくすとなどへの子供の送迎や交通費が負担になっているとの声もあったところであります。教育委員会では、これまでも不登校支援の充実に向けた取組を進めてきており、各校が設置している校内登校支援室に登校サポーターを派遣し、不登校傾向がある児童生徒の居場所の確保に努めてきたほか、スクールソーシャルワーカーの増員やスクールカウンセラーの派遣時間の増加など、支援体制の拡充を図ってきたところであります。教育委員会と致しましては、引き続き、保護者や支援事業所等の意見を伺いながら、効果的な支援策について検討してまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 三吉芳枝
順次、再質問させていただきます。件名1の項目2、受診困難な児童生徒への対応について再質問させていただきます。歯科以外の検診では未受診のまま年度を終える児童生徒もおり、特に不登校が長引く場合には、数年にわたり未受診となるケースも考えられ、健康上のリスクを抱えたままになる可能性もあります。また、御答弁にありましたとおり、内科や眼科などの検診を医療機関で受ける仕組みについては、コロナ禍以降見合わせているとのことですが、現在は社会状況も変化してきております。感染症リスクの配慮を継続しつつも、医療機関での個別検診あるいは新たな方法を検討する必要があると考えます。さらに、不登校や不登校傾向にある児童生徒については、担任からの声かけや登校したときに養護教諭が検査するなどの工夫はされておりますが、それでは実質的に受診が難しい場合も多いと感じます。こうした児童生徒に対し、例えば、教育支援センターなどの学校外の施設や地域の医療機関と連携した検診の機会を設けるなど、学校外で安心して受診することができる体制を整える必要があると考えますが、再度、御見解をお伺いいたします。件名2、項目1の通級における交通費についても再質問させていただきます。御答弁の中に、教育支援センターねくすとに通う際の送迎や交通費の負担について、保護者からの声があることを紹介いただきました。児童生徒が安心して通える環境を整えるためには、保護者の皆さんの御負担を少しでも軽減していくことも大切であると考えます。実際に保護者にとっては大きな課題となっていると感じておりますが、こうした交通費の負担軽減について、今後、効果的な支援策を検討していくお考えがあるか、御見解をお伺いいたします。以上で、2回目の質問を終わります。
答弁 教育部長 佐藤学
私から、まず、不登校児童生徒の健康診断受診機会の確保に関しまして、受診困難な児童生徒への対応についての再質問に御答弁を申し上げます。教育委員会では、児童生徒の受診機会を確保することは、健康の保持・増進を図る上で重要であると考えておりますことから、先ほどの答弁と重なりますが、他自治体での先進的な取組も参考にしながら、学校や医療機関等と連携の上、検診体制の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。次に、教育支援センターねくすとに関しまして、通級における交通費についての再質問に御答弁を申し上げます。交通費の負担軽減に関して支援を検討することについてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、教育委員会では、これまでも不登校支援の充実に向けた取組を進めてきており、支援体制の拡充等を図ってきたところであります。御質問の交通費の負担軽減については、支援策の一つと考えられますが、保護者や支援事業所などからは、そのほかにも個々の状況に応じた相談体制の充実など、様々な意見を頂いているところであり、引き続き、効果的な支援策について検討してまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 三吉芳枝
最後は、要望とさせていただきます。件名1の受診困難な児童生徒への対応については、児童生徒が安心して検診を受けられるような体制づくりを、ぜひ前向きに進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。また、件名2については、不登校支援の充実に向けて様々な取組を進めていただいていることに、まずは感謝申し上げます。その上で、教育支援センターねくすとに通う児童生徒や御家庭にとって、交通費の負担は大きく、学びや支援を続ける上で壁となっているのも事実です。今後の検討に当たっては、こうした声に耳を傾けていただき、実際の支援につながるよう要望いたします。以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。