江別市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月22日
(1)水田活用の直接支払交付金見直しの対応について/(2)学校給食費の無償化について
2022年6月22日、江別市議会の一般質問で、佐藤美佐子議員が「水田活用の直接支払交付金見直しの対応について」「学校給食費の無償化について」について質問し、市長 三好昇、教育長 黒川淳司、教育部長 伊藤忠信が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤美佐子 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、教育長 黒川淳司、教育部長 伊藤忠信
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 佐藤美佐子
通告に従い、順次質問させていただきます。件名1、水田活用の直接支払交付金見直しの対応についてお伺いいたします。項目1、市内農業への影響についてお伺いいたします。国が昨年末に打ち出した令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しは、今年度から5年間に一度も米を作らなかった水田は対象から外す、多年生の牧草への交付金は、3万5,000円から種まきを行わない年は1万円に減額するなどとしています。このような交付金の大幅減額は、コロナ禍で米価暴落に苦しむ経営に追い打ちをかけ、営農が続けられず離農が増えると、全国の農村現場では、大混乱に陥っていると報道されています。これまで、国の政策で、食糧増産を図るためとして米作りが進められ、水田農家もそのため米作りに協力してきました。ところが、国は、米余りを理由に一転して減反、転作を要請し、北海道の多くの農家は転作に協力して転作率は50%を超え、江別市も令和2年度で79%以上となっています。水田活用の直接支払交付金は、水田に主食用米以外の作付、転作をした場合、麦、大豆、飼料用作物で10アール当たり3万5,000円、そば、菜種で2万円など、作物や面積に応じて農家に支払われてきました。米と比べ収益性が低い麦、大豆、飼料用作物などへの転換を支えてきたのがこの交付金であり、さらに、転作面積が増える中、大規模経営や集落営農は、交付金収入が経営の維持に欠かせないものになっているとのことです。見直しによって交付対象から外された水田は、補助金のない農地となり、引受手がいなくなれば、耕作放棄地が増加することにならざるを得ないとも言われています。その一方、水稲を作付するとしても、湛水機能の再整備や米用の田植機などの確保が必要で、今の米価の水準ではとても難しく、米の品質も安定しないと言われています。このように、水田活用の直接支払交付金の見直しは、様々な問題や懸念があり、江別市の農家の経営をはじめ、市内農業への影響があると考えますが、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。次に、項目2、影響を受ける農家への支援についてお伺いいたします。水田活用の直接支払交付金の見直しで、石狩管内でも多くの農家から戸惑いや不安、怒りの声が広がっています。石狩管内で牧草を育てている農家の方は、減額で水を利用するための利用料が払えなくなった。離農した農家から土地を借りて10ヘクタールで作付をしていたが、昨年末に突然、交付金が7割減の10アール当たり1万円となることが明らかになり、今年は急遽交付金が多い小麦に切り替えた。田植機などの機械がなく、米は作れない、やめどきかもと話されているとのことです。江別市の農家の方からも、転作してブロッコリーなどを作ってきたがどうなるか不安だ。さらに、肥料などの値段も上がり、手に入りづらくなっている。機械の燃料代も上がり大変だと。また、別の農家の方は、国に従い転作などをしてきたが、翻弄されている。交付金の削減は困る。何とかしてほしいと切実な声をお聞きしました。このような中で、市として、基幹産業としての農業をどう守るのか、農家の状況を把握し、道央農業協同組合と連携して営農が続けられるよう支援が必要と考えますが、どのようにお考えかお伺いを致します。次に、項目3、再検討を国に求めることについて、当市の第4次江別市農業振興計画では、未来を引き継ぐ江別らしい都市型農業を目指して、農業経営の安定化、農畜産物の高付加価値化や地産地消の推進、次代へ引き継ぐ農村環境づくりを図るとされています。また、江別市の食と農の魅力を生かした市内経済の活性化につなげていくことで、第6次江別市総合計画の地域特性を生かした産業が躍動する江別を目指すことに寄与していくとされています。また、令和3年度江別市地域農業再生協議会水田収益力強化ビジョンでは、地域において収益力の高い水田農業経営を行うために、産地交付金を最大限に活用しながら主食用米からの転換を図り、高収益作物の導入や転作作物などの付加価値の向上などによる収益力の向上を図り、安定経営を進めるとしています。今後は、水田をフル活用しながら多様なニーズに対応した農産物の安定的な生産・供給が可能な産地づくりを目指すと方針が示されています。江別市の農業は、令和4年3月江別市及び江別市農業委員会発行の冊子江別市の農業によりますと、水稲からほかの農作物への転作率は、令和2年度で79%以上となっています。2019年に出された第4次江別市農業振興計画では、計画時、小麦、大豆、野菜などの作付が拡大しているとし、中でも小麦ハルユタカは生産が安定し、製品の江別小麦めんは、生産から製粉、製麺、消費まで市内で完結される地産地消の取組として注目され、麦の里えべつとして市内外に知られるようになったとのことです。そこには、小麦の初冬まき栽培技術を確立し普及され、大学など産学官連携で製品を開発することなどが行われ、その取組は、大変な努力がありました。また、野菜では、ブロッコリー、レタス、白菜などが北海道内でも主要な産地となっており、畜産では乳用牛、肉用牛の飼育が多くを占め、特に、肉用牛の一部は、えぞ但馬牛のブランド牛として知名度を高めていると記されています。しかし、今回の水田活用の直接支払交付金見直しによる交付金の削減は、江別市農業振興計画や江別市地域農業再生協議会水田収益力強化ビジョンの推進に影響が出るのではないでしょうか。水稲や畑作、畜産や酪農など、農業だけの問題ではなく、地域経済にも重大な影響をもたらすものと考えます。市として、江別市の農業と地域経済を守るため、水田活用の直接支払交付金見直しの再検討を国に強く求めるべきではないかと考えますが、お考えをお伺いいたします。次に、件名2、学校給食費の無償化についてお伺いいたします。項目1、学校給食費無償化に対する国の基本的な考え方についてお伺いいたします。学校給食法は、学校給食は、児童や生徒の心身の健全な発達に役立てるもので、食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものとし、食育の推進を図ることなどを目的としています。次に、学校給食の目標については、健康の保持増進を図ることや健全な食生活を営むことができる判断力を身につけ、望ましい食習慣を養うこと、学校生活を豊かにし、社交性や共同の精神を養うこと、食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや食に関する人々の様々な活動に支えられていることに理解を深めること、また、伝統的な食文化に理解を深めること、食料の生産、流通、消費について正しく理解することなど、7項目にわたって示されています。これらの目標は、教育の目的を実現するために達成されるよう努めなければならないとし、学校給食が教育の一環として明確に位置づけられています。しかし、義務教育は無償としている日本国憲法第26条で、教育の一環として位置づけられている学校給食は、無償となっていません。このことから、教育としての学校給食を保障するためには、第一義的に、国が責任を持って給食費を無償化することが必要と考えますが、このことについてどのようにお考えかお伺いを致します。次に、項目2、学校給食費の保護者負担軽減の検討についてお伺いいたします。江別市学校給食会は、直近では令和2年度4月より給食費の改定をしています。その理由として、平成26年度の改定以後、主食費、牛乳費の上昇に対応するため、副食費を減額することで据置き、副食の食材費を切り詰めながら国の基準の栄養量を確保してきたが、限界に達したので改定したと保護者に説明されています。この改定により、給食費の単価は小学校で21円、中学校では24円上がり、その結果、年間204食とした場合、給食費は小学校低学年で4,284円増の5万8,956円、小学校高学年で6万180円、中学校で4,896円増の7万1,604円と大きな負担増となっています。令和4年3月に行われた第3回江別市学校給食会理事会の議事録によりますと、この間の物価高騰に対する給食費の対応について議論されています。主食の原材料費、加工賃の上昇や牛乳の値上げに伴い、主食費、牛乳費が増額となるものの、副食費を調整することにより、一食単価を令和3年度と同額とするとしています。しかし、物価の上昇が続けば消費者物価指数などの指標を活用し、次期の改定時期など、検討する必要が出てくる可能性があると、給食費を値上げせざるを得なくなることも考えられ、検討が必要との見解が示されています。これまでも、何度か当会派の議員が学校給食の無償化等を求める一般質問をしていますが、市長は、費用負担について学校給食法第11条第1項で、給食では従事する職員の人件費や施設・設備費などの経費は設置者が負担し、同条第2項で給食の食材費は保護者が負担すると定められていることを理由に給食の食材費は保護者に負担していただくと御答弁されています。しかし、食材費は、物価の上昇や消費税の増税などの影響を受け値上がり、保護者の負担は重くなるばかりで、これ以上、保護者に負担を求めるのは限界ではないでしょうか。文部科学省は、学校給食の実施に必要な経費の負担については、学校給食法第11条の規定は、経費の負担関係を明らかにしたものではあるが、保護者の負担を軽減するために、設置者が学校給食費を予算に計上し、保護者に補助することを禁止した趣旨のものではないとの見解を示しています。このことから、食材費を一律保護者負担とせず、基本的には市が江別市学校給食会に財政支援を行い、まずは、早急に保護者負担の軽減を図ることを検討すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。さらに、国が、責任を持って政策として無償化するまでの間、文部科学省の見解のとおり、保護者負担の軽減についても検討すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。以上で、1回目の質問を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
佐藤議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、水田活用の直接支払交付金見直しの対応についてお答え申し上げます。まず、市内農業への影響についてでありますが、水田活用の直接支払交付金は、国が実施する経営所得安定対策のうち、食料自給率・食料自給力の維持・向上を図るため、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の本作化を進める、水田のフル活用を図るための交付金であり、1969年から始まった米の生産調整に係る転作奨励金の流れをくむものであります。国は、昨年末に令和4年度の水田活用の直接支払交付金の予算案の中で、交付対象水田の取扱いに係る現行ルールの厳格化の方針を掲げ、具体の内容としまして、今後5年間に一度も水稲作付が行われない農地を交付対象水田としないことなどを示したところであります。この見直しによりまして、主食用米を作付する生産者が増加し、米価の下落が生じること、復元田では、窒素を過剰に吸収することとなり、その結果として、米の品質低下を招くことなど、様々な懸念があると伺っているところでございます。また、この交付金を受けようとする農業者は、6月30日までに交付申請書等を提出することとされておりますことから、現在、市及び農業関係機関等で組織された江別市地域農業再生協議会におきまして、申請を受け付けておりまして、併せて影響の把握に努めているところでございます。市と致しましては、引き続き、今回の見直しによる市内農業への影響などにつきまして、関係機関とともに注視をしてまいりたいと考えております。次に、影響を受ける農家への支援についてでありますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、現在、市も参画いたしております、江別市地域農業再生協議会におきまして、今年度の交付金の申請に係る手続を進めているところでございます。これに併せまして、交付金の見直しに伴う市内農家への影響の有無についても、把握に努めているところでございます。いずれにしましても、今回の交付金の見直しによります影響の把握と必要な支援策等につきまして、道央農業協同組合など、関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。次に、再検討を国に求めることについてでありますが、国におきましては、今回の見直しに係る各地域の反応などを踏まえ、現場の課題を検証することとしております。北海道におきましては、昨年の12月に、水田活用の直接支払交付金の見直しに関する関係機関連絡会議が設立され、北海道農業協同組合中央会のほか、北海道市長会や各農業関係機関等の参画の下、これまでに計3回の会議が開催されており、今回の水田地域における産地形成への対応や現場の課題を検証しまして、オール北海道の提案として取りまとめていくこととされたところでございます。また、市では、北海道市長会を通じまして、今後、交付金の詳細なルール設定に当たっては、生産者及び農業関係団体等から現場の課題を十分に把握の上、慎重に検討することを、本年5月に国に要請したところであります。市と致しましては、国における詳細なルール設定や北海道におけます当該会議の論議の経過を踏まえつつ、このことを注視しまして、引き続き、見直しにおける課題とその対応などについて、関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。
答弁 教育長 黒川淳司
私から、学校給食費の無償化についての御質問のうち、学校給食費無償化に対する国の基本的な考え方について御答弁申し上げます。日本国憲法第26条第2項では、義務教育は無償とするとされております。学校給食費などの無償の範囲については、様々な意見がありますが、授業料以外の教育に必要な一切の費用まで無償とすることを定めたものではないとの判例が示されております。また、学校給食法第11条第1項では、学校給食に従事する職員の人件費及び施設・設備の修繕費は設置者が負担し、同条第2項では、それ以外の学校給食費は保護者が負担すると定められております。学校給食費の無償化につきましては、国におきまして、こうした法令や判例に基づき、判断されているものと認識しております。以上であります。
答弁 教育部長 伊藤忠信(教育部長は2024年3月まで)
私から、学校給食費の無償化についての御質問のうち、学校給食費の保護者負担軽減の検討について御答弁申し上げます。学校給食に係る経費の負担区分の原則と致しましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、学校給食法において、学校給食に従事する職員の人件費及び施設・設備の修繕費は設置者が負担し、それ以外の学校給食費は保護者が負担すると定められております。このことから、学校給食の食材費については、従来どおり保護者が負担すべきものと考えております。なお、従前から、給食費の支払いが困難な世帯に対しましては、生活保護及び就学援助により、その全額を支給してきたところであります。御質問の保護者負担の軽減につきましては、これまでも、江別市学校給食会では、食材価格の上昇に対して、調達方法の工夫や献立の変更などの対応により、保護者負担が増えないよう努めてきたところであります。しかしながら、昨今の食材費の急騰により、江別市学校給食会の会計が逼迫しており、摂取基準に定められている栄養バランスを満たす給食の提供が難しくなることが懸念されることから、教育委員会では、その対応策について、検討しているところであります。今後におきましても、江別市学校給食会と連携し、給食費を抑えるよう努めながら、安全で安心な給食を提供してまいりたいと考えております。以上であります。
質問 佐藤美佐子
それでは、2回目は質問とせず、要望とさせていただきます。1件目の水田活用の直接支払交付金見直しに関しては、交付金の見直しによる影響の把握と必要な支援策について、関係機関と協議していくとの御答弁でしたので、この点についてはおおむね理解いたしました。今後とも、市内の農業者の皆さんが安心して経営を続けていけるように、関係機関との連携をよろしくお願いいたします。2件目の学校給食費の無償化についての中で、項目2の学校給食費の保護者負担軽減の検討についてですが、生活保護や就学援助について御答弁されていました。しかし、この間の状況の下で、さらに広い範囲の方たちにとっても生活が厳しくなっている状況があります。御答弁では、昨今物価高騰への対応策に触れていただいておりますが、来年度以降の物価についてもさらに心配なところです。保護者負担の範囲の考え方について、義務教育は無償とする日本国憲法の原則に立って、改めて検討していただきたいことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。