江別市議会 平成20年第2回定例会 2008年6月12日
教育行政について
2008年6月12日、江別市議会の一般質問で、岡村繁美議員が「教育行政について」質問し、市長 三好昇、教育委員会委員長 郷仁、教育部長 久田康由喜、教育長 高橋侃が答弁しました。
- 質問者
- 岡村繁美 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、教育委員会委員長 郷仁、教育部長 久田康由喜、教育長 高橋侃
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 岡村繁美
今日は1日5人ということで、その最後のバッターとして、こうして登壇をさせていただいています。1番目からずっと4人の方の質の高い、また大変多岐にわたっての鋭い質問とご答弁に、私も緊張しながら聞かせていただきました。そういった意味では皆さんも大変お疲れのことと思いますけれども、どうか少しの時間お付き合いをいただければとそんなふうに思います。それでは議長の許可をいただきましたので、順次質問をさせていただきます。質問に入る前に、このような席から私事の話で大変恐縮ではありますが、昨年11月25日、私は還暦を迎えました。60歳です。60という数字の響きに怖さを感じながらの日々でありますが、繰り返せない人生とは分かっていても歯ぎしりする思いがある一方で、過ぎ去った歳月の、その日その日がすべて意義深く私の心に迫ってまいります。今、私の目の前には、ひとみが輝きフレッシュでバイタリティーあふれる若い議員の皆さんをうらやましく感じながらも、私には意義深い日々を送ってきた財産があると見えを張って生きていく私ではありますが、またお役に立つことがあればお手伝いをさせていただきたく思っている次第であります。話は変わりますけれども、私の学びの先生だった先輩から言われた、議員を続けることは日々それなりに誠実に努力していればそう難しいことではないけれども、自らの辞めどきと、辞めなければならなくなったそのときに、それまでどんなに大きな功績を残した人であっても、そのときの振る舞い方次第ではむなしい記憶と評価しか残らなくなる。それほど重たいものなので、心してこれからの日々を送ってくださいとの言葉をいただきました。それを背に負いながらその機会を待ちたいと思っています。前置きで既に私の運転する列車は脱線寸前ではありますが、ここら辺で試運転を終え本題に入ります。本会議の一般質問は長いブランク明けで、質問の仕方を忘れてしまっているのではないか大変心配でありますが、その辺のところは意のあるところをおくみ取りいただきましてご答弁をいただければ、大変有り難いと思うわけであります。今回は、教育行政について通告した2項目を質問させていただきます。年長の者をまね、あこがれ、我も近づきたいと願う切なる気持ち。そこには、人としての成長の源があり、エネルギーがあり、そして教育の一番大切な原点があるのではないでしょうか。学ぶの語源はまねぶ、つまりまねるにあると言われています。頑張ってああいうふうになりたいとまねる相手があってこそ人は学ぶ。じいちゃんすごい、大人って格好いいという、まねたいと学ぶの原点が、今、私たちの身の回りを眺めれば、どんどん遠ざかっているような気がしてなりません。子供たちがメディアを通じて受け取る大人社会の姿は、余りまねしてほしくない危険と不信に満ちたものになってしまっています。今の子は学ぶ意欲がないと言う方もいます。まねしたい、学びたいと思ってもらえる社会を私たちはつくってきただろうか。法律にどんな美辞麗句を並べるよりも、まねられる、まねてほしい社会をつくる地道な努力と汗こそ、子供の中に本当の種をはぐくむのではないでしょうか。競争社会のしわ寄せが学校にきています。早ければ幼稚園から、友達は遊び相手ではなく競争相手になります。また、先生は教育委員会に、教育委員会は文部科学省にというように、二重三重の監視構造が強まっていることも強く感じる今日このごろであります。いじめを苦に、自ら命を絶つほど追い詰められた子供もいる。指導に疲れ、心まで病んでしまう教師もいる。教育の未来はどうなるのか。不安感が教育現場を覆っています。教育行政をつかさどる教育委員会の役割について、以下お尋ねいたします。まず最初に、教育委員会制度について、皆さんは既に理解されているとは思いますが、制度の概要を少し話させていただきます。現行の教育委員会制度は、昭和31年6月30日に制定された地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき運営されています。教育委員会制度は、教育の憲法とも言われた教育基本法が制定された翌年、昭和43年に教育委員会の組織や権限などについて定めた教育委員会法が施行され、全国の都道府県と一部の市町村で教育委員会が設置されたのを皮切りに全国に設置され、公正な民意による教育行政の運営と地方の実情に即した運営、教育への不当な支配の排除を理念とし、委員は選挙、公選制によって選ばれていました。その後、旧法の理念を踏襲しつつ、教育委員の公選制を任命制に改め、教育委員会に関する予算案・条例案については二本立て制度を廃止し、教育委員会の意見を聴いて、首長が議会に提出することとなりました。制度開始以来、社会情勢の変化とともに十数回の一部改正が行われてきましたが、地方分権時代にふさわしい教育行政の在り方の議論として、行政学者や経済界、市町村長からも制度の廃止を求める声を受ける形で、平成16年の中央教育審議会で審議、答申され所要の改正が行われてきたところでもございます。このような変遷を経た教育委員会は、行政の中立性や安定性、専門的、技術的な執行等を確保するために、地方公共団体の長から独立して置かれる行政委員会の一つです。合議制の執行機関であるため、その意思決定は会議の議決を通じて行われることが求められており、また、国と都道府県、都道府県と市町村が対等な立場で協力して教育行政を推進していきます。教育委員会は5人の委員をもって構成され、教育委員は市長が議会の同意を得て任命し、教育委員長は委員の互選によって選ばれ、教育委員会を代表し教育委員会の会議の議事運営を行い、教育長は教育委員会が任命し、教育委員会の指揮監督の下、基本的方針の決定を受け、事務処理上の責任者として事務局を指揮監督して教育行政を執行するとされております。今日の教育委員会は、教育の重要性にかんがみ、保護者や地域住民から大きな期待が寄せられるようになっていますが、その一方で、本来の機能を発揮していないのではないか。また、市町村教育委員会や学校にもっと権限を委譲すべきではないか等、その在り方に関し様々な指摘がなされるようになっております。教育改革は目下の急務であります。分けても基礎的成長過程の義務教育では、いじめや不登校など小中学校現場の課題が指摘されて久しい中にあって、今最も重要なこととして、小中学校を経営する教育委員会の力量が問われているのではないでしょうか。保護者や地域住民の期待にこたえる質の高い教育を実現していくためには、教育行政体制を強化し、地方分権時代にふさわしいものとしていくことが不可欠と考えます。そのためには、教育委員会制度について、その在り方や指摘されている課題に対し、現状を十分検証しつつ、その要因を探り、運用等の改善で対応できるものについては速やかに対応する一方、現在の制度に起因するものについては必要な見直しを図るために、関係機関に進言すべきと考えるものであります。このような観点から、教育委員会の在り方の課題として、教育委員会制度の意義と役割について、市長と教育委員会との関係、江別市教育委員会と北海道教育委員会との関係及び在り方、学校と教育委員会との関係及び学校の自主性・自立性の確立等々の視点の中から、市長には、制度の意義と役割及び市長と教育委員会との関係にかかわる点についてお聞きいたします。教育委員会制度の特性として首長からの独立性がありますが、今日の複雑化、多様化する行政課題に対して行政委員会方式での対応が可能かといった疑問や、教育は社会全体でとらえるべき問題であるといったことなどを含め、意思決定の遅延や会議の形がい化、委員の名誉職化といった指摘など、昨今、教育委員会の廃止・解体論や首長自らの教育行政の執行等が主として全国の市町村長から主張されています。また、市長の市政執行方針でも教育は政策の大きな柱として示されていますが、特に生涯学習、青少年教育、文化・スポーツといった分野をはじめ、教育に関するニーズや課題等は非常に多岐にわたっており、教育委員会だけで完結できるものではなく、総合的な施策の展開が求められております。市長は教育委員の任命を通じて、あるいは予算調整権・執行権の行使を通じて間接的に教育行政に影響を及ぼしておりますが、教育委員及び教育長・教育委員会委員長との信頼関係と日常的意見交換が重要ですので、より一層両者の意思疎通を図り、市長部局との緊密かつ円滑な透き間のない連携を期待するものであります。以上、教育委員会制度を取り巻く課題と期待を申し上げました。市長ご自身は教育委員会制度についてどのような評価と期待をお持ちになっているのか。また、教育行政・教育政策過程にどうかかわってこられたのか、お尋ねをいたします。次に、教育委員会の経営責任についてお尋ねをいたします。一昨年の教育基本法、昨年の教育関連三法の改正など、当時、改正に反対する多くの声や慎重かつ徹底した審議を求める国民の声を無視し、世論に押されてやっと主要都市で実施した国民の声を聞くために開催された会場での質疑で、政府、文部科学省によるやらせとさくらで世論誘導を行い、あげくの果てに問答無用で審議を打ち切り、強行採決により法律を制定しました。皆さんの記憶にも残っていることと思います。教育の根本法を論じる資格がないことを露呈してしまいました。子供たちがまねたり、学んでほしくない教育です。時の権力者の野望の達成や政権浮揚の道具として教育改革が取り上げられる。教育現場を置き去りにした議論が繰り返される。保護者と子供たちには戸惑いが、教育現場には混乱と不信感だけが残っています。最近、近所に住んでいる中学校の先生から聞いた話を紹介させていただきます。採用1年目の女性教員が退職したと言います。彼女はまじめに1年間働き続けたが、担当する学級が思いどおりにいかず、早い時期から行き詰まって悩んでいたそうです。教育という仕事はそう簡単に成果は出ないし、1年目からうまくいくはずはないのだから、思い詰める必要はないとアドバイスを続けておりましたが、彼女は最終的に退職の道を選びました。人一倍子供とのかかわりに前向きで、教師になった喜びを笑顔一杯に語っていた彼女の退職を回避することができなかった、その自分の至らなさに胸を痛めているとその方は言っておりました。団塊世代の教職員の大量退職に伴って新採用者が増加し続ける中、彼女の例のように、採用後ほんの数年で退職したり、病気休職に入ってしまう若い教職員が年々増えている。多忙化や学校と先生への理不尽な要求をする保護者の増加などが、特に経験の少ない教員を追い詰めているとも言っていました。話してくれた先生が就職した約30年前の中学校は、当時始まったドラマの金八先生の世界のようにかなり荒れていて校内暴力という言葉が盛んにマスコミで取り上げられた時代で、子供たちの荒れに耐えられず早期退職する人も少なからずいたが、病気休職に入る教員は皆無だったとのこと。それは、子供が荒れていても学校にゆとりがあったからだそうです。教職員同士が協力し合う体制が存在し、大変な子供と向き合う時間も確保されていたことが大きかったと言います。しかし現在は、ころころ変わる教育方針や地域との連携をはじめ以前とは比べものにならない多種多様な対応と処理作業の多忙感は限界に達しているため、職員間の協力体制も崩れ、互いの教育観を議論し合うという学校文化もなくなってきているとのことです。目の前の仕事をどうこなすかに精一杯の日常は、職員室から会話すら奪ってしまった。さらに、職員会議も議論する場ではなく、指示伝達の場になり、自由かったつに議論する場や時間が奪われたことが、個々の教職員を追い詰めているとおっしゃっております。また、子供たちを取り巻く状況も大きく変わり、テレビ報道で一般論としての認識はあったそうですが、自分の学校の子供にそんな認識まではなかったというショッキングなことは、格差拡大によって生活苦にあえぐ家庭が急増していることも一因となっています。特に母子家庭は深刻で、ある子供はお母さんは夜遅くまで仕事をしているので、私はいつも一人ぼっちでコンビニ弁当を食べている。高校だけは何とか行かせなければと言って、お母さんは毎日夜遅くまで私のために働いている。時々、弁当を買うと高いからお母さんの分も私が作るよ。高校に行かないで仕事をするからお母さんは無理しないでと言うと、今のあなたの仕事は勉強すること。余計なことを考えるんじゃないといつもこうして一喝されてしまうということです。だれとも会話をすることのない寂しい一人での孤食の実態と親子のけなげなひとこまを話してくれたそうです。低賃金の非正規雇用でしか働けない女性が、子供を抱えて生活するのは容易ではない。そんな環境下で生きる子供たちの中には、先行きの不安から学校内外での逸脱行為やリストカットなどの自傷行為、教職員に対する暴力行為を繰り返し、荒れる子供も少なくないと言われています。お話しいただいた先生は、最後に、今こそ問われている教育再生のかぎは、学校にゆとりを取り戻すこと。格差は自己責任と片付けないで是正の努力をすること。子供たちが生き生きと育っていける環境整備を急がないと、学校や社会からこぼれ落ちていく子供がますます増加するだろうと言っております。また、教育の国家統制強化が教職員と子供たちを更に追い詰めています。子供たちは私たちの未来です。明るい未来をつくるために、今こそ教育の在り方について議会でも徹底した議論をお願いしたい。私が教育現場で頑張れる時間も少なくなってきました。急がなければとの言葉で先生の話は終わりました。未来を切り開く子供たちを思い、期待するところですが、心の底にある教室からの悲鳴にどう向き合っていくのか、私たちに問われています。教育委員会制度の意義と役割を発揮することが求められている教育委員会は、主体性を持って地域の実情に応じた教育施策を展開していくことが重要であり、その上で文部科学省・道教委・市教委の役割分担による連携の在り方が問われています。特に、義務教育における全国的な教育水準の確保と地方分権の推進との整合性を図るためには、上からの監視・管理・抑圧から脱皮し、相互に連携・協力して支援・援助を行うことにより相補っていくことが重要と考えます。学校は学習の場であるとともに、子供たちの悩みや苦しみと直接たいじし、教育行政や家庭・地域と密接にかかわりながら解決を図る、言わば学びの場であり生活の場でもあります。そこには学校・家庭・地域社会・教育行政機関などの信頼関係と協力関係が成り立っていることが大前提であり、大切な要素であると考えます。教育は一人ひとりの子供の可能性の芽を見いだしその能力を最大限に育成する営みであり、子供の側に立ってみると、好むと好まざるとにかかわらず、現在、配置されている教師からより多くの教育的利益を受ける権利のあること、その利益が公平の原理に支えられなければならないこと。これに対して学校は、当然専門職としての教師の持つ力を最大限に発揮し、指導力の組織化を図ることと実質的な協力組織の確立により、子供の要請にこたえていかなければならないと考えます。地域社会の連帯意識の喪失や家庭教育の低下、格差社会の進行により、大人でも目を覆いたくなる残忍で悲惨な事件が連続して起っています。子供たちにとって学ぶ・まねる良い環境にあるとは言えません。こうした環境だからこそ、子供たちの悩みや苦しみとたいじし、教育行政はどのような役割を果たすべきなのか考えなければなりません。教育条件の一つであり、その占める役割・位置の大きな教師を考えてみても、教師には人間そのもの、教育そのものを奥深く見詰める目、子供の姿をとらえる鋭い感覚が必要です。子供と教師がより多く触れ合う学習指導充実のための教科内容の研究・研修が重要です。いつも言われることですが、管理行政は存在するが指導行政は存在しないという今日的な学校に最も必要なことは、教育の具体的な中身にかかわる教育委員会からの適切な指導と積極的な援助であるということです。教育委員会は、小中学校の経営者として急がなければならない教員の多忙感の解消をはじめ、学校現場の重要課題の解決に自ら取り組むべきです。いじめや不登校、問題行動など、子供たちの安全確保を含め、部活動、家庭・地域との連携・協力活動など、最近の教員は報告書作成などの過剰な雑務に追われる余り、子供たちと向き合う時間や研究・研修の時間が十分取れないというのが実態です。教育委員会は早々に実態を把握し、こうしたものに向き合って、独自の職員配置などの対応を経営者の役割として果たすべきであると考えます。教育委員には、高い見識はもとより、子供たちのために職をとしてでも学校現場の課題を解決しようとする情熱と責任感を大いに期待するものであります。道教委は学校職員評価制度と査定昇給制度の実施を決定し、江別市教育委員会は5月30日に各小中学校長に、学校職員の評価制度の実施について6月から実施することを通知しました。いろいろと教育現場の皆さんからも懸念する声をお聞きしております。学校教育の成果は、何より日々の継続的教育活動を通じて直接児童生徒に接する教育の力によるところが極めて大きいものがあります。様々な楽器があってオーケストラが成り立つように、いろいろなタイプの先生がいて、子供の心に響き渡る教育環境をつくってあげたい。こうした現場の声に教育委員会はどうこたえようとしているのか。以上、教育委員会の経営責任の視点から、一つ目に、教育委員会は学校現場の課題にどう取り組んできたのか、二つ目に、教員の多忙感の認識と対策について、三つ目に、学校職員評価制度の実施に向けた合意形成と目的について、教育行政の最高責任者の立場から高橋教育長にそのご見解を求めて1回目の質問を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
岡村議員の一般質問にご答弁申し上げます。まず、教育委員会制度の評価と期待についてでございますが、教育委員会に求められる役割は、従前の学校建設や学校環境整備などのハード中心の教育政策から、いじめ、不登校、学力向上などソフトでしかも迅速かつ的確な対応が求められる教育政策へと変化しておりまして、より主体的な解決が求められてきているものと考えております。こうした中で、中央教育審議会において教育委員会制度の改革についての審議がなされ、教育委員会としての役割の明確化、教育委員数の弾力化などによる所要の法改正がなされたところであります。また一方では、自治体を取り巻く環境も変化し、地方分権改革が進展していく中で、教育関係者の諸権限も市町村に委譲されることが想定され、今後ますます自己決定できる政策能力が問われていくものと考えております。こうした状況の下で、江別市における教育行政は、人づくりから地域づくりに至る大きな政策対応が求められることから、教育委員会及び教育関係者とより一層の意思疎通を図り、連携、協働して進めていかなければならないものと考えております。これまで、教育委員会制度については様々なお考えがあることは承知しておりますが、私はこれまでにも増して連携・協働による教育政策を進めた上で、地域あるいは学校において教育に関係する方々との対話を通じ、江別市にとって魅力ある教育環境を創出する制度であると期待するものであります。次に、教育行政、政策過程での私のかかわりでございますが、教育行政に係る予算編成権や人事権は市長が掌握する一方で、教育行政権限は教育委員会が保持し、教育委員の合議制が取られているところでございます。このような中で、現在、教育政策は地域にとって重要な課題でありますので、予算編成時、総合計画の事業進ちょく状況の確認や事務事業の評価時において、機会あるごとに私の教育ビジョンをお話しいたしているところでございますが、今後におきましても教育委員会、教育関係者、教育機関との意思疎通を図り、教育政策を進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問に対しては、教育委員会委員長ほかをもって答弁いたします。
答弁 教育委員会委員長 郷仁(教育委員会委員長は2008年6月まで)
私から教育委員会が担う教育行政の中で、学校現場の課題についてどう取り組んできたかについてご答弁申し上げます。教育委員会は地域の教育要求を集約したり問題の掘り起こしを進めながら、地域の教育政策課題や大綱的方針・計画を決定する役割を担うものと認識しております。その上で、具体的な政策立案と行政の執行管理を専門家である教育長や事務局に要請しつつ、教育長や事務局がどのように仕事を進め成果を達し得たのかを確認し、その結果を市長・議会・地域に明らかにして、自治体における教育に関する議論を深めながら教育行政を進めていくことが求められているものと認識しております。そうした意味で、これまで様々な機会をとらえて、それぞれの教育委員が学校教育現場に出向き、保護者や先生、また子供たちの声を聞く中で、江別の教育がどうあるべきかを市民的な目線でとらえ、教育委員会の中で意見を出し合い、教育長及び事務局における教育施策に反映してきたものと考えております。そのような中で、学力の向上や豊かな心と健やかな体の育成、あるいは地域に開かれた魅力ある学校づくりなど、江別の子供たちが楽しく充実した学校生活を送られるような取り組みを行ってきたものであります。今後は、更にこうした学校現場に出向く機会を増やし、実体的な課題の掘り起こしや対応を議論し、江別市としての教育行政の方向性を示していくことが重要になっていくものと考えております。以上です。
答弁 教育部長 久田康由喜(教育部長は2009年3月まで)
次に、教員の多忙感の認識と対策について、私からご答弁申し上げます。教員は、授業の準備、教材研究のみならず学級及び校務分掌事務、保護者等への対応など、一人で全く異なる複数の職務や役割をこなさなければならないという特殊性がございます。その上、新たな教育課題への取り組みや報告文書の作成業務などに係る時間が拡大しており、多忙化していることは江別市のみならず全国的な傾向であると認識しております。職員の配置につきましては、児童生徒の学力向上や心理的な問題に対応するため教員の加配措置のほか、退職教員等の外部人材の活用や学力向上支援員や特別支援教育補助員、あるいは心の教室相談員などの配置を行ってまいりましたが、引き続き教育の質の向上のための人的支援が必要であると考えております。事務作業の点につきましては、学校においては、会議の時間短縮や資料の簡素化、校務分掌の整理・統合、また市教委におきましても、調査・照会などについて簡素化を図るほか、学校対象の会議・研修会などの効率化に努めるなど、教員負担の軽減に向けて学校と連携しながら取り組んでいかなければならないものと考えております。こうした人的支援や業務の改善に取り組むことで、教師が職務の中心である教科の指導や生徒指導に打ち込むことができ、教師が児童生徒と向き合う時間を生み出せるような望ましい教育環境が実現されるものと考えております。次に、学校職員評価制度の実施に向けた合意形成と目的でありますが、学校職員評価制度は個々の学校職員の努力や成果を評価し、一層意欲を高めることにより資質・能力の向上と学校の活性化を図り、その成果が児童生徒に還元されることを目的とするものであります。昨年12月からの校長・教頭に対する試行実施を経て、北海道の学校職員の評価に関する要領の制定を受け、管内他市町村と足並みをそろえる形で本年6月よりすべての正規職員を対象に既に実施したところであります。実施に当たりましては、まず、制度の周知のため、各学校長から所属教職員に対しましてリーフレットや様式等を用いて制度の趣旨・内容・記入方法等について十分な説明を行い、教職員の理解を得ることを第一としております。そして学校ごとに教職員の理解が得られた後に、それぞれが具体的な目標の設定などを行い、実践していくこととしております。実践に当たっては、校長等が面談などを実施し、各先生方の考えや実情などを十分に聞いた上で評価を行うなど、職場でより一層の信頼関係を築けるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。
質問 岡村繁美
ご答弁ありがとうございました。答弁の最中からわくわくどきどきしながら答弁を聞いたというのは、私の長い議員生活の中でも初めての経験です。昨日から、教育行政の質問に対してどうして教育長はいらっしゃるのにご答弁に立っていただけないのかなという不可思議な現象の中、一日が過ぎて、きっと私には、多分相当いろいろな嫌な思いも教育長にはあったのかもしれませんから、答えたくないというのは分からないわけではありません。先ほど時間を掛けて教育委員会制度のお話をさせていただきました。あえて概要まで持ち出させていただきました。教育長の職責と役割、教育委員会委員長の職責と役割について、それぞれ連携をしながら教育委員会としての目的・成果を上げていくと。そうした質問にもかかわらず、こうしてご答弁をいただけないと。私はどうしてもすとんと落ちないというか、正直言って寂しいの一言です。この後、また機会をつくりたいと思いますから、是非教育的見地から対応されることをまずもってご期待をしたいと思っております。前段で市長にご質問した経緯については、教育委員会制度というのは効率的な制度として目的を達成するために、ひっす要件として置くということを法律で定めています。そのことを含めて全国的な事例では、ちょっと質問を用意するのに調べる時間もありませんでしたが、既に幾つかの市町村の中には、学校教育のことについては教育委員会で持っていただいて、先ほどお話しさせていただきましたけれども、それ以外の生涯学習やスポーツなどの行政課題については市長部局で執行していくというところも例示としてあるようでございます。そうした意味で、一つの問題提起として私自身もこれから研究をしていきたいと思っています。私は正直申し上げると今定例会での質問を予定しておりませんでした。このたび、教育長と教育委員会委員長が任期満了でお辞めになるということを知ったのが質問をすることにした一つのきっかけです。さらには、教育委員の人事で私の自宅に手紙が来まして、これは差出人の書かれていないお手紙でしたから、その相手とお話しする機会も全くつくれなかったのですけれども、そういったことだとか、教育委員会について私の家族にも改めて聞かれまして、私が知っている範囲で教育委員会制度だとか、教育委員会でやっている事業の話をしているうちに、先ほどご答弁いただいたその努力も含めて、いろいろと実際に市教委でやっていらっしゃるけれども、もっと今の教育環境を含めて教育委員会の活性化をしていくためのきっかけになればということで、こうして質問に立たせていただきました。併せて、前段で申しましたように、これまで努力いただいたお二人とは、議論をする最後の機会になろうかと思いますから、是非私たち議員、また教育委員会の職員の皆さんや様々な教育関係者にこれまでの経験を是非ご助言いただければと、そんな思いで質問をしていることを高橋教育長には是非おくみ取りいただければと思っています。そこで、質問ですが、教育委員会の果たす役割についてだけ再質問をさせていただきます。先ほどの答弁の中でも、教育委員会の定例会議は毎月1回されているということで、会議録も少し見せていただきました。昨年1年間の中で感じたことを二つだけ例示しながら質問に変えたいと思っております。一つに、教育委員会の会議の活性化の視点ということで、答弁にもありますように市民的な目線で委員会の中で意見を出し合い、教育長及び事務局における教育施策の反映に努力をしてきたと。そんな形で答弁をされておりますので、基本的にそのことを理解し、一定の評価をしていきたいと思っております。しかし、政策反映手段の最たるものとして予算への反映は大変大きな議論を必要とするところかと思っております。会議録を拝見いたしますと、昨年1年間の中では12月27日に開催された定例委員会の会議で事務局から平成20年度に向けた教育予算の要求案に対して報告があり議論をされていると。他の年度も聞きますと、大体この時期だそうです。この段階で初めて教育委員会の会議でそうしたことが事務局から報告され、意見を交わすと。会議録を見てもなかなかそこは、その時期ということの認識もあって、確認で終わらざるを得ない状況になっていたのではないかというふうに思っています。もちろん、事務事業評価等を含めて事務局において適宜早い段階から対応されていることとは思っていますけれども、問題は、先ほど言った教育委員会の果たす役割として、本来の役割が本当に発揮されたと評価できるのか、疑問と心配を感じざるを得ないと思って質問をしているものでございます。もう一つは、最後の質問にさせていただきましたけれども、学校職員評価制度の本格実施のことであります。これは答弁にもありましたように、道教委の決定を受けて管理職、当時は校長と教頭を対象に平成20年1月から3月までの3か月という、わずか3か月の試行という形で実施をするという報告を平成19年11月の教育委員会の定例会の中で報告され、意見を交わされています。教育委員の皆さんからも意見がありまして、総じて、人が人を評価するだけに相当な時間を掛けて訓練して実施しなければいけないと。試行期間を設けてやることがよいのではないかとそんな意見だったかと思います。最終的には、管理職への試行を実施し、その結果報告を受けて協議を重ねていこうと教育委員会委員長がまとめて終了しております。問題は、今日まで、評価制度の試行結果を含めて全く教育委員会の会議での取扱い、議論がない中で、先ほど答弁にありましたように、5月30日に教育長が指示をして臨時校長会を開催しております。招集をしたのは校長会の会長になろうかと思いますけれども、その指示をしたのは教育長だと私は思っています。その中では、先ほど答弁にあったように、実施を通知し対応してきたと。問題は、教育長は教育委員会の指揮監督の下、基本方針の決定を受けて執行するとされておりますが、今回の教育長の判断は教育委員会制度において、教育委員会を自ら形がい化していくことにならないのか。昨年1年間での2件の事例について、高橋教育長の見解を求めます。併せて、江別の教育行政推進に大きな功績を残されたお二人には心からお礼を申し上げ、私とはこうした場で議論する最後の機会になろうかと思いますので、この際、高橋教育長と郷教育委員会委員長から、これまでの貴重な体験や経験、そしてご助言を私どもにお与えいただくことを期待して2回目の質問といたします。
答弁 教育長 高橋侃(教育長は2008年6月まで)
岡村議員の2回目の質問に対してお答えいたします。大きく分けて、教育委員会の果たす役割、これが1点目。それから、2点目は学校職員評価制度を含めた教育委員会の形がい化についてと押さえております私としては、二点に分けてお答えいたします。1点目に私の申し上げる中身は前段の教育委員会委員長及び教育部長が述べたものと同じ趣旨であるということでございます。それから2点目に岡村議員がお使いの教育委員会にかかわる経営責任という用語についてです。いやしくもこの場は言論の府であり、行政の府であります。今回改正された教育三法及びこれまでの教育行政上で使用する用語には経営責任という言葉は一語もございません。これが、原典にある場合においてはお答えいたしますけれども、ございません。そういうことで前段の二点を含めて私のお答えといたします。以上でございます。
答弁 教育委員会委員長 郷仁(教育委員会委員長は2008年6月まで)
岡村議員の質問に教育委員会委員長としての私の今の考えをお話しさせていただきます。予算に関してですが、会議は定例会議なので月に1回、月末をめどに行っています。予算の内容については、編成されていく過程で少し早く、おおむね10日くらい前には教育委員の方に文書を配付していただき、目を通してから定例委員会に入るというようにしております。ですから、内容についてはあらかじめ十分目を通した上で定例教育委員会に入って議論をするという形を取っております。では、教育委員会の意思が予算の中に十分反映されるのかと言いますと、5年間教育委員をさせていただきましたけれども、十分に反映されているとは言えません。しかし、江別市全体の経済の状況や予算配分時の市の状況から考えますと、小川前市長のときにも、それから今の三好市長においても、教育委員会に関してはかなり手厚く予算を編成していただいたと感じております。小川前市長、三好市長、私はどちらの市長とも意思疎通は十分に取れていたと感じております。それが、予算配分において比較的手厚く扱っていただいた一つの要因かと思います。定例委員会あるいは臨時委員会の中だけでお付き合いするわけではなくて、様々な行事のときにお隣に座らせていただいたりしたときにいろいろと、教育行政だけではなく市全体の行政のことについてもお話しいただいたり、私の意見を述べさせていただいたこともあります。そのように5年間を過ごしてきたと思います。特にこの2年間、教育委員会委員長の職としてそばで仕事をさせていただく中で、お二人の理念を十分に聞かせていただきながら、私の意見を反映させていただいたと感謝申し上げているところでございます。予算のほかに、特に人事面においても、今年度は他部局で非常に人員配置が厳しい中、教育委員会においては、退職者もおりましたが、それでも増員の配置をしていただいたことにも改めて感謝申し上げているところでございます。そういったいろいろな事例を取りましても、教育委員会の意思が完全に反映されるということはどの行政機関においてもあり得ないことでありますけれども、意思疎通を図る中で子供たちのために、あるいは地域社会の教育環境を向上させるためにはご尽力いただいて行動できた、実行できたのではないかと思います。それから、2点目の学校職員評価制度についてですけれども、昨年から、この制度が導入されるのではないかということが新聞や教育関係の機関誌などから読み取ることができておりますし、他の教育委員もそのことにはよく留意されていろいろな記事を読んで検討してきて、昨年の12月、それから今年度の状況へと至っております。私を含めて他の教育委員も教育に非常に関心を持っていただいているおかげで、定例教育委員会の中の議論だけではなく、市長との意思疎通以上に教育委員同士の意思疎通も十分にふだんから図られております。定例委員会の中で申し上げていることは、確かに言葉少ない、言葉足らずなこともあるのかもしれませんが、お互いにその意をよくくんで会議を開いてきたつもりです。一般の教職員に当たる方たちへの評価については、それが査定ですとか、あるいはそのことで処分するとか、そういったたぐいのものでは絶対にあり得ないということを江別市教育委員会は共通認識としているし、スタッフもそのように認識しておりますので、江別市全体の教職員、校長、教頭も含めてそのように理解していると思います。何よりこの学校職員評価制度は子供たちのために、岡村議員がご指摘のとおり、教職員一人ひとりの資質を向上すること、そしてその意識を高く持ち、志高く生きてほしいという願いから出てきた制度だと私は思っています。ですから、文部科学省が言ってくるからするのではなくて、私は教育委員会の仕事として学校職員評価制度というのは当然あってしかるべきと以前から考えているし、周りの者にもそういう意見を述べてきました。教育委員会内の行事だけではなく、ほかの先生方と接する機会があるときには、そのようなことも1年間掛けてお話ししてきたつもりです。試行時期について、早期に行われているというのは、議事録だけからすると確かにそのとおりかもしれませんが、今申し上げましたとおり、1年前からそのような意識を持ってみんなが動いていましたし、先生方も、この制度が導入されるのではないかということは、戦々恐々、不安もあったかもしれません。しかしもう制度が動くであろうということも薄々感じておられた方が多かったのではないかと思います。一番問題なのは、私は不安を与えることだと思います。それは、子供たちに対して不安を与えるからです。保護者や先生に不安があれば、子供たちにその不安が伝わるというのが一番困ることだと思うのです。4機関、5機関の集まりなど事あるごとに話させていただいたのは、教育委員会というのは通知や処分を決定したり管理をするところではなくて、先生たちの現場の意見を反映させるために協力させていただく、そういう機関が教育委員会であるということです。それは、私一人の考えではなく、他の委員、それから教育委員会の事務職員の方も同じように思ってくれていたと思うので、私はそのように声に出して述べてきたつもりです。議員の皆様の前で私の考えを述べる機会はこれで2回目ですから、私の話を余り聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、私が今教育委員会委員長を辞めてやりたいことはたくさんあるんです。教育界のために更に尽力するために、いったん公職を辞させていただいて、江別市だけではなく、北海道そして全国、世界へと発信するような教育環境あるいは平和への活動をしたいので、今回は再任をお断りさせていただいて去ろうと思いました。決して、江別の教育界を嫌だと思ったりとか、人間関係がうまくいかないから辞めるというのではなくて、さらなる発展を自らに課して、志高く生きたいと願っての決断ですのでご理解いただきたいと思います。最後になりますけれども、これまで私のことを支えてくださった議員の皆さん、それから教育長をはじめ教育委員、事務職員の方たちのご努力に感謝申し上げますとともに、江別市全体で支えてくださった市民の皆さん、ご声援をいただき私を待ち続けている患者さんとそのご家族に感謝申し上げて私の最後のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
質問 岡村繁美
ただいま、郷教育委員会委員長から、本当に今日までの教育界を取り巻く大変厳しい環境の中にあって、つらいことも表面に出さず、本当に頑張ってこられたと。その一つひとつの言葉を私もしっかりと受け止めさせていただきましたので、是非微力ではありますけれども、今日のお話をこれから少しずつ生かすために努力していきたいと思っております。本当に丁寧なお話をいただきましてありがとうございます。高橋教育長におかれましては、直接的にかかわったという視点だけで質問をさせていただきました。先ほど清水議員からは立つ鳥跡を濁さずというお言葉がありましたし、私からは去る者に矢を向けるなと、そんな言葉もあろうかと思っておりますので、そのことについては今日までご努力いただいたことに感謝をいたします。ただ、議会の質問ですから、改めて一点だけお話しします。先ほど予算のことも例に出させていただきましたけれども、私は決してその結果を問題にしているわけではないし、先ほどの学校職員評価制度についても、その結果について反対、賛成ということを聞いているわけでもないと。私は、教育委員会として、先ほど1回目の登壇の質問で教育委員会制度で求められる教育委員会の役割を私なりにお話しさせていただいたので、その期待を是非受け止めていただきたいと。5人しかいない教育委員、そして常勤は教育長ただ一人ですから、そのことも含めて先ほど市長にもお話ししましたが、本当にこういった制度の大きな期待と現実との間で、なかなか難しい環境下にあってご努力いただいた皆さんに敬意を表します。そういった意味で、一つひとつ大事に積み重ねることによって、難しい課題でも多くの共通認識や、ときとして新しい道が開けるということも出てくるのだというふうに信じていますので、是非そんな意味で、これまでご努力いただいたお二人からこれからも教育委員会の現場の皆さんに手を貸していただければ、私が今回質問したことも意味があったというふうに思っています。これは質問にしませんので、是非このことを申し上げて終わります。以上です。