みんなの議会

美瑛町議会 平成30年第1回定例会 2018年3月12日

(1)子どもの貧困対策について/(2)移動町長室「まちづくりを語る会」について

2018年3月12日、美瑛町議会の一般質問で、杉山勝雄議員が「子どもの貧困対策について」「移動町長室「まちづくりを語る会」について」について質問し、町長 浜田哲が答弁しました。

質問者
杉山勝雄 議員
答弁者
町長 浜田哲

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

議員が最初の質問で述べた件名は 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は議員の発言から取ったものです。

質問 13番 杉山勝雄

よろしくお願いしたいと思います。13番、杉山勝雄です。まず一つ目に、子どもの貧困対策について伺います。2013年には「子どもの貧困対策法」が制定されました。それに基づき、2014年には「子どもの貧困対策に関する大綱について」が閣議決定されました。1年前のこの議会で、私の質問でも貧困問題を取り上げました。また、他の議員ともこの問題での研究会をつくり、議会として提案できるよう現在取り組んでいるところでございます。さらに、安倍政権の政策では、ますます格差と貧困が広がるばかりであり、怒りを覚えます。そもそもなぜ、格差と貧困が広がったのか。不況のせいでも、一人ひとりの努力が足りなかったわけでもありません。政策的につくられてきたと考えます。一つは、低賃金で働く非正規労働者を増やしてきた。そして社会保障や福祉制度を切り縮めてきた。これらが若者や子どもを直撃して、厳しい貧困状態を生み出したと思います。もう一つは、制度があっても知らせていない、あるいはどう利用できるかという前に、手続きが難しい。どんな社会的支えがあるか、どのように利用できるかを伝える責任は、行政側にあります。諸外国と比較すると、日本は賃金依存率が極めて高いと、言われています。「子どもを育てるのにお金がかかる」、こんなことはヨーロッパではおよそ理解されないといいます。医療や教育、社会保障といったところに、個人でお金がかかるということはないからです。そして、日本では自己責任論です。よほどのことがない限り社会的な支援など利用すべきではない。この自己責任論が貧困を野放しにし、社会的な支えやつながりを分断していると思います。したがって、日本では非正規雇用の増大は、ストレートに貧困につながっています。国の「子どもの貧困対策大綱」では、自治体でも「子どもの貧困対策についての検討の場」や、「子どもの貧困対策についての計画」を策定するようにと書かれています。そこで、私の質問から1年を経過して、町長に改めてこの問題での認識や基本姿勢について質問いたします。昨年の質問の際には、最後は噛み合わなかったかと思いますが、そのときの答弁では、「乳幼児健診や保健師による乳幼児訪問、小中学校における要保護及び準要保護児童生徒援助事業、ケースワーカーや、民生委員児童委員による家庭訪問等、様々な行政サービスを行う中で、気になる家庭や子供の発見、相談機会の充実を図り、関係部局や関係機関の連携のもと、子どもの虐待や貧困の早期発見・早期対応に努めていく」という姿勢を示されました。そこで、「貧困対策についての検討の場」や、「貧困対策についての計画」に取り組む考えはありませんか。二つ目に、移動町長室「まちづくりを語る会」について伺います。毎年開催されている移動町長室、まちづくりを語る会ですが、今年の開催はゼロだったとのことであります。特に町長と語る必要がないくらい、町政が広く隅々の声をくみ上げているとすれば、それこそ、浜田町政5期20年目の成果が現れたものと評価したいと思います。しかし、行政区の中には移動町長室を開きたいと思っても、気軽に開く気持ちにならないというのです。そこで、移動町長室「まちづくりを語る会」の開催を呼びかけている文書から考えてみたのですが、「まちづくりを語る会」という文言と、「苦情・要望は極力避けてください」という文言が目に入ってきます。この名称や文章で、これまでも呼びかけてきたとのことでありますが、内部ではこれらの表現に、検討の機運や意見はなかったのでしょうか。また、町長もそれをよしとして、その表現のまま続けてこられたのでしょうか。実にささいなことかもしれません。しかし、私はこのささいなことに、こだわりたい。こうした表現の中に、町民に対する愛情とか、町民への目配りが現れると思うからであります。町長の考えを伺います。

答弁 町長 浜田哲(町長は2019年3月まで)

13番、杉山議員よりの一般質問2点、答弁を申しあげます。質問事項の1は、子どもの貧困対策についてであります。子どもの貧困対策は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、国、都道府県、市町村など関係機関が連携し、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境の整備と教育の機会均等を図ることが必要だと考えております。国においては「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が平成25年に制定され、同法に基づき「子どもの貧困対策に関する大綱」が平成26年8月に閣議決定され、子供の貧困対策が総合的に推進されているところであります。また、北海道においても、同法に基づき平成27年度から平成31年度までの5年間を計画期間とする「北海道子どもの貧困対策推進計画」が平成27年12月に策定されたところであります。本町では子どもの貧困対策として、就学援助制度の周知の際に全児童生徒への説明と申請書類の配付、広報紙を活用した修学等福祉資金の周知をはじめ、学校におけるスクールカウンセラーの設置による相談支援体制の充実や福祉窓口、民生児童委員による相談支援など制度の周知や相談支援に努めるとともに、本町独自の生活困窮者支援として、準要保護世帯等法外援護事業、冬の生活支援事業、社会福祉金庫貸付金などに取り組んできたところであります。また、子育て世帯に対する支援として小中学校給食の無償化、中学生までの医療費の無償化、小・中学校入学時における学用品・制服代等の支援、保育料の半額軽減など総合的な支援を実施しているところであります。ご質問にあります「貧困対策についての検討の場」につきましては、国、北海道、関係機関などと連携し、情報交換を行いながら子どもの貧困対策における課題を共有するとともに、町内の福祉・教育関係機関と協力しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。また、「貧困対策についての計画」につきましては、法律で都道府県への努力規定とされていることから、北海道が策定した「北海道子どもの貧困対策推進計画」に基づき、町としましても相談支援、教育支援、生活支援など必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。質問事項の2、移動町長室「まちづくりを語る会」について。移動町長室「まちづくりを語る会」は、毎年1月から2月までの期間で、開催に向けて秋の行政区長会議や広報紙で呼びかけているところであります。今年度においては、いずれの行政区からも申し込みがなく開催に至りませんでした。「まちづくりを語る会」の開催に当たっては、基本行政区単位とし、申し込みの際にあらかじめテーマを設定していただいて、総務課広聴広報係と行政区長等との打ち合わせを経て開催日を決定します。また、開催当日は、テーマ内容に精通している担当課長等が同席し、参会された皆さまからのご意見やご質問に対して幅広く活発な議論が展開され、今後のまちづくりを進める上で大変貴重な時間となっております。ご質問にあります、「苦情・要望は極力避けてください」という文言につきましては、開催のテーマである「町の将来への提言に重点を置いた内容」に観点を置いて、前向きなご意見を町政に反映していくことを第一に考え、このような表現となっておりますが、町民の皆さまと意見を交換する中で、現状に対する苦情や要望へと発展することもあり、そのような場合は、地域の抱えている問題としてしっかり受け止め、即改善できることや課題解決のための施策検討の指示をしているところであります。テーマは、基本、自由となっていますが、初めから苦情や要望を受け付けないという姿勢ではなく、前述のとおり、町の将来に向けたご意見やご提言に重点を置いているということをご理解いただきたいと思います。「まちづくりを語る会」は、地域の皆さまと接する重要な機会であることを特段に認識しておりますので、次年度からは、気軽に開催できるような表現に改めてまいりたいと思います。以上であります。(「はい」の声)

再質問 13番 杉山勝雄

はい、再質問いたします。子どもの貧困対策についてのみ、再質問させていただきたいと思いますが、この子どもの貧困問題が社会問題にまでなって、多くの人が関心を寄せているだろうというふうに思います。この貧困対策は少子化対策や人口対策でもあり、町の活性化対策ともなるかと思いますが、そういう観点からのアプローチも当然大事な問題でありますけれども、子どもの貧困というのは、何よりも子どもの権利を奪っているという認識。子どもは保護の対象というとらえ方ではなく、子どもは権利の行使者であるという観点を、広く社会にも根付かせていくことが非常に重要なテーマではないかというふうに思います。この質問で述べています貧困対策についての検討の場を設けるということは非常に意味のあることではないかというふうに思います。関係部局や関係機関の連携のもと、貧困の早期発見、早期対応につながるというふうに私は思います。そこで具体的な例を一つ出させていただきたいのですが、私が直接、話を聞いた例でありますけれども、子どもを2人育てているひとり親がございました。この方は、国保の保険料の滞納をつくってしまいました。しばしば督促を受けました。そして担当課の呼び出しにも応じなかった。そうすると、こういった家庭は普通、なんて言うんですかね、言葉はちょっと思い付きませんけど、不良なと言いますかね、通常、善良な町民というふうにみなされないので次の段階にいきました。つまり、銀行通帳が差押えられたわけであります。実際に起きたケースとして一つ例を挙げましたけれども、ここに一つひとつ、まさに、ひとり親家庭の実態を反映しているなという事例なもんですから、取り上げてみたわけですけれども、なぜこの家庭は、保険料の滞納を長い間続けていたのか。結局収入が継続していかなかったからですね、非正規や臨時で働く人には、ある時期仕事があってもそれが長く続くとは限りません。どこかで仕事が切れたときに、その瞬間収入が当然途絶えます。計画を立てて少しずつでも滞納を減らしていったわけですけれども、やっぱりその計画自体が成り立たなかった。ではなぜ、督促を受けたときに、あるいは呼び出しを受けたときに役場に足を運んで相談に行かなかったのか。それは、かけ持ちでパートや臨時の仕事をやってたからなんですね、その中で子育てをしているわけです。行ける時間をなかなかつくることがかなわなかったと。私は、なぜ、生活保護を受けなかったのかというところも、聞きました。聞いた限りでは、2人の子どもを育てているひとり親ですから、どんなに頑張って仕事をしたにしても、むしろ生活保護を受けたほうがその人にとっては自立の道になるのではないかなということで聞いたわけですが、当然その方も生活保護を受けようと思って足を運んだこともありました。しかし、2人のうちの子どもの中に1人が持病を持っていて絶えず通院を繰り返さなければならないといった条件のもとでは、車を取り上げられると、かえってこの家庭の生活が成り立たなくなる。そして、自分の収入の糧である仕事を探すためにも選択肢を広げるためにも、車を持っていた方が有利であるというふうに判断をして生活保護を受けることを諦めたというわけですね。この話からだけでも私は、いくつもの担当課が、この家庭に関わっていることが分かりました。しかし、一つひとつの課でできる対応は非常に狭いんです。しかも、自分の課の範疇に限った仕事しかできない。これが、いわば役所の限界かと思います。特に、生活保護の受給に関しては、こうした家庭をこそ、自立につなげるためにはどういう手だてをしなければならないか、そういった仕事をして欲しかったなというふうに思ったわけですけれどもね。規則を説明するだけでは、せっかくある制度も本当に必要とする人も救えないということが多々あります。町長の先ほどの答弁の中にもありましたけれども、美瑛町の独自の政策でこういった子どもたちへの援助の政策というのは、やはり、他の町と比べても非常に見劣りしないというか、一つ一つにとっては、常に先手を打ってその事業展開されてきた。そういうことで私も理解をしておりますけれども、やはり今、なんと言いますか政策の中で子どもの貧困問題ということをきちっと据えないと、やはり救えない問題が現実に起きているのではないかと、そういうことを強く感じているわけです。そういったことを例として挙げましたけれども、そういったことを踏まえて、町長に再度、考え方を伺いたいと思います。(「はい」の声)

答弁 町長 浜田哲(町長は2019年3月まで)

貧困対策の部分については私も、いろんな媒体でも見たり読ませていただいたりしながら、深刻な問題であるというふうに理解をしていますし、子どもが日本の国で生まれて、そして、ある一定の水準でやはり守ってあげられるような国になるべきだと、するべきだという理想を持っていることも以前の中でもいろいろとお話をしてきたところであります。その中で子どもの貧困対策という部分について、町としてどういった形で対応できるのか、実施できるのかということで、これまでも子育て支援に対する支援という形で取り組みを実施してまいりました。現金給付というようなこと等の直接のものにはなっていませんけれども、ただ、子どもの貧困問題というのは非常にいろんな要素があります。仕事をしてお金を稼いでその金額が少ないという部分の今の杉山議員さんの話もあれば、子どもにお金をかけない親も実はいるわけであり、そういった部分でいろんな要素があるということで、簡単にですね、こういうふうに手を打てばそれで貧困対策になるんだということではないというふうに思っています。その中でこれまでも町の動向として、節目節目また、子どもさんへの医療費ですとか、給食費ですとか、恒常的な経費等にもできるだけ、子どもに係る経費をかからないようにしながら、それぞれの家庭が生活を作っていってほしいというふうに願っているところであります。今の事例をいただいた部分等については、やはり国なり関係機関と連携した体制をとらなければですね、美瑛町だけでその部分に対して対応しますということは、これはもうできることではないというふうに理解をしているところであり、町として、関係機関と連携しながら取り組みを進めていきたいという、先ほどの答弁の内容が今思っていることの趣旨でありますので、ご理解いただきたいというふうに思います。(「はい」の声)

再質問 13番 杉山勝雄

最後の質問になりますけれども、いろいろ施策を打とうとすればいろいろ費用が伴うということにもなるかとは思いますけれども、もちろんその中でやっぱり大事なとらえ方というのは、最初にも述べましたけれども、子どもは保護の対象という捉え方ではだめなんだと。子どもの権利を奪っているという認識、子どもの貧困問題というのはむしろそういう角度から対応していかなければならないし、また、役場で働く職員もそういった共通の認識に立てるような仕事になっているかということをやはり大事にしていかなければならないのではないかというふうに思うんですね。何をやるかというのではなくて、私がここで名称はどうでも良いんですけれども、いわゆる子どもの貧困の対策についての検討の場という言葉を政府も使っているからあえて使ったんですけれども、そういう、検討の場ですね、美瑛町が子どもの貧困問題を政策課題として位置づけるかどうかというところが、本当に大事なのではないかなというふうに思うんです。その点では、いかがでしょうか。(「はい」の声)

答弁 町長 浜田哲(町長は2019年3月まで)

子どもの貧困対策、重要な施策だというふうに思ってますけれども、町の運営においてはですね、高齢者の方々もたくさんおられますし、病院の運営ですとか福祉ですとか、いろんな幅広い業務があるわけであります。その中の一つの課題、大きな課題として我々はこの子どもの貧困対策について、取り組みをし、そして町としての可能な対策について打っていくということになると思います。先ほど例で挙げられた部分についても、確かに分かるんです。車がなければ不便だとか、しかし、相談業務にも来ない、例えば生活保護も車が駄目であっても医療費とかですねそこに通うお金は出るんですね。であれば、生活保護を受けて、車がなければどうしてもだめだなんていうことでなくて、本当に困ってるならその生活保護という部分と、自分の生活を合わせて子どもをちゃんと育成していくというその発想がやはり必要なんだと思います。それをですね本人は車をなくせないから生活保護にかからないと、そのかわりにお前何とかしろと、それはやっぱりですね我々の町がそれを責任持てと言われてもですね、そこは厳しいだろうと。ですから、国のその生活保護政策の中で、今そういった部分のところがどういうふうにこう見直しをすればいいのか、そして我々はそこに対してどういうふうな形で国なり道と協力し合っていくのかという発想をとっていかないと、町だけがただ子どもの貧困対策の組織をつくりますよと。しかし実行を伴わないものをつくってですね、そして名ばかりのものをやるということに対して、私は、そこの部分については今前を向いて取り組んでいこうというところにはないというふうにご理解いただきたいというふうに思います。

出典:美瑛町議会 平成30年第1回定例会 2018年3月12日 議事録 PDF(54ページ) 間違いを知らせる