赤平市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月7日
公共交通の確保について
2022年9月7日、赤平市議会の一般質問で、鈴木明広議員が「公共交通の確保について」質問し、市長 畠山渉が答弁しました。
- 質問者
- 鈴木明広 議員
- 答弁者
- 市長 畠山渉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の議事日程の表記です。
質問 3番 鈴木明広
それでは、次の件名3、公共交通の確保、項目1、根室本線維持のための費用便益分析実施についてお伺いしたいと思います。国交省の有識者検討会がローカル線の在り方について方針をまとめました。提言の骨子では、見直しの目安を輸送密度1,000人未満などとし、輸送密度に関しては令和2年、滝川富良野間の輸送密度は190人で、約9億7,000万ぐらいの赤字、令和3年度は輸送密度が201人と若干改善されましたが、11億円ぐらいの赤字が出ていると、そういうふうなことになっています。国は、廃線ありきではないと言うのですが、私は1987年の国鉄民営化以来の全国的なローカル赤字路線の本格的な見直しに本腰を入れ始まったのではないかと警戒しております。JR北海道では、沿線自治体と協働でアクションプランを継続して行い、利用者増加を促進しております。また、JR北海道においても人件費等の経費削減に取り組んでおります。しかしながら、懸命な努力にもかかわらず、JR北海道は黄色線区のみならず、全線区で赤字というのが現実です。ポストコロナで国内外から旅行者が従前の水準に回復基調に転じたとしても、JR北海道の経常収支から推計しますと、国から毎年総額最低でも500億円ほどの財政支援頼みから脱却するのは困難であると考えられます。しかしながら、鉄道を採算だけで評価するのは、日本独特の考え方でありまして、地域の社会資本として評価する世界標準の考え方が徐々に広まりつつあります。こういうふうに指摘する専門家も少なからず存在します。近年の鉄道路線の存廃論議におきましては、費用便益分析に基づいた議論がないがしろにされていると感じます。費用便益分析というのは、時間短縮便益や道路渋滞緩和便益等の社会的便益の合計見積額が鉄道の赤字を上回る効果が発生しているか否かを数値化するものでございます。専門家によれば、仮に鉄道が赤字だったとしても、社会に対する経済的価値が赤字額を上回っている場合には鉄道が存続と判断されるケースも多いとのことであります。鉄道廃止によって不利益を被るのは、地域に暮らす住民と事業を営む商工業者であることを踏まえれば、当市は費用便益分析を実施するべきであると思いますが、お考えを伺いたいと思います。
答弁 市長 畠山渉
根室本線維持のための費用便益分析の実施についてでございますが、根室本線は赤平市と他市を結ぶ広域的な公共交通として生活やレクリエーションに欠かせない重要な公共交通であります。高校への通学や通勤利用者もいる中で廃線ありきで考えられては困る生活路線として、存続と維持に向けて沿線自治体と協力し、地域の声の集約をしていかなければならないというふうに考えております。赤平市も沿線自治体で組織されております根室本線対策協議会の中で鉄道を持続可能に維持する取組を進め、地域一体となった根室本線事業計画、アクションプランを策定し、協議を進めているところであります。しかし、実際のところ鈴木議員がご指摘のとおり利用者の回復は難しく、収益だけに特化して改善点を言われましても、かなり限定的な効果にとどまるところでもございます。その中で国土交通省や有識者がまとめたものに対して、赤平市としてどのように対応していくかは非常に重要なことであり、それが市民の鉄路維持の意識醸成につなげていかなければならないというふうにも考えております。方策の一つとして、鈴木議員がおっしゃられた費用便益分析でございますけれども、科学的根拠として有効性、便益性を数値化することにより市民の肌感覚による廃線の危機感を論理的に証明し、廃線ありきの方向性を払拭するに値するものかもしれません。しかしながら、根室本線対策協議会におきましてもまだそのような検討がなされていない中でございまして、当市独自で実施することは困難であるというふうに推測しております。現行のアクションプランにも効果に限界がございまして、まず手始めとして当市で便益がどの程度あるか、社会的便益を項目化し、独自調査した上で数値化して分析し、科学的根拠につなげること、そして専門家や学識経験者から相談、助言を求めるような体制を構築していくことも大切であるというふうに思っております。しかし、限られた職員体制ということもございまして厳しい状況ではございますが、ご提案のことも含め研究してまいりたいというふうに考えております。
質問 3番 鈴木明広
ただいまの答弁からは、この便益分析をすれば効果があるということの認識は一致しているのだが、それを実施に移すかどうかというところがどうも論点になりそうなのです。そうしますと、限られた人員、そういうふうなものでは非常に難しい、ハードルが高い面があるかもしれない。しかしながら、専門性を持つマーケットコンサルタントなどに委託します、費用をかけるのですけれども、結局は。そういうふうなもので出てきたもので新たな理論武装しないと、私は国やJR北海道に対して訴える力は情緒的なものでは役に立ちにくいのだと思います。したがって、絶対とは言わないですけれども、なるべくこういうふうな科学的根拠に基づいてやっぱり市民の意識醸成に努めなくてはならないのではないかと思います。それで、先ほど同僚議員のほうからバス路線の話が出たのですけれども、バス路線について、実はJR石勝線の夕張支線が廃線し、バスに移譲しました。完全に移譲したのですけれども、20年間で7億5,000万円の支援金をJRが支出したのですけれども、ただしその費用がなくなれば、それ以降のことはJRとしては関知しませんよという厳しい条件付だったのです。それを調べてみますと、5年後ぐらいには高齢化が進んでいて退職者が増えてしまうので、バスを鉄道廃止の2倍の量に増やしたのだけれども、どうもそれが維持できなくなってしまうと。つまりJRが止まってしまってバスに移譲するとしても、乗合バスの増便をしようとしてもなかなか立ち行かないのではないかということがあるのです。その件についてどういうふうに考えているかお伺いしたいと思います。
答弁 市長 畠山渉
JRが廃線となった場合のバス路線への転換についてでございますが、報道等でもJR廃止によるバス転換の記事を目にしているところでございます。重要な交通インフラでありますJRが廃線となりますと、地域間交通網に大きな影響を与えましてトータル輸送能力も下がりますことから、地域への影響も懸念されると思います。公共交通の要としての鉄道の廃止は、地域の一層の過疎化を促し、ひいては北海道経済全体にも影響を与えることが懸念され、その存続については時間をかけて慎重に議論されるべきと考えております。根室線の維持につきましては、赤平市1市だけの問題ではなく、沿線市町とつながっておりますことから、今後におきましても根室本線対策協議会において取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
質問 3番 鈴木明広
根室本線対策協議会のほうで共同でいろいろ訴えかけていくのもいいのですが、市独自の理論武装をなさって科学的根拠に基づいた考えで市民の意識を醸成していくことも大切だということをもう一度繰り返して、次の質問に移させていただきます。