南幌町議会 令和8年第1回定例会 2026年3月10日
地域公共交通の維持について
2026年3月10日、南幌町議会の一般質問で、家塚雅人議員が「地域公共交通の維持について」質問し、町長が答弁しました。
- 質問者
- 家塚雅人 議員
- 答弁者
- 町長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 家塚
それでは、町長に地域公共交通の維持について一般質問を行います。南幌町の公共交通については、現在、夕鉄バス、ジェイ・アールバス、中央バス3社により路線バスが運行されています。しかし、全国的な課題となっている運転手不足や燃料費の高騰などの影響を受け、本町においても減便が進み、状況は深刻さを増してきています。令和6年3月に策定した南幌町地域公共交通計画では、公共交通の現状分析や町民アンケートの結果を踏まえ、課題などを整理したうえで3つの基本理念に基づく施策を掲げて推進しています。しかし、現時点では十分な効果があらわれているとは言いがたく、町民が安心して移動できる環境には、まだ十分届いている状況にはないと感じています。このまま減便が進めば、町外への通勤・通学、さらには通院といった日常の移動が難しくなり、特に高齢者や車を持たない世帯にとっては、生活そのものが成り立たなくなる恐れがあります。公共交通は、町民が住み続けられると感じられるための大切な支えであり、単なる移動手段ではないと思っています。こうした状況を踏まえ、町民ニーズに応じた路線バスの維持・確保は喫緊の課題と考えますが、今後の対応について町長の見解を伺います。
答弁 町長
地域公共交通の維持についての御質問にお答えします。鉄路のない本町において、路線バスは通勤・通学や通院など、日常の移動手段として町民生活に欠かすことのできないものです。しかし、バス事業者は少子高齢化などによる利用者の減少や燃料価格等の高騰による運行経費の増加、さらには時間外労働時間の上限制限による運転手確保の問題などから、路線廃止や減便を進めている状況にあります。本町を運行する路線バス3社においても、路線廃止や減便が行われていることから、町としましては、路線や便数維持のため、バス事業者に対し赤字補てんの補助を行うとともに、北海道運輸局、北海道、近隣自治体、関係機関などと連携し、地域公共交通維持に向け協議検討を行っていますが、課題解決には至っていません。路線バスの確保は、持続可能なまちづくりを進めるうえで、重要な課題であることから、関係機関と連携を図り、運転手待遇改善などの補助制度の拡充を要望するなど、路線バスを初めとする地域公共交通の維持確保に取り組んでまいります。
再質問 家塚
それでは再質問をいたします。まず、運転手不足の問題ですが、これは本町だけの課題ではなく、全国の自治体が同じように深刻な影響を受けている極めて大きな社会的課題であります。自治体単独で解決できる性質のものではなく、国の制度的な後押しやバス事業者との連携強化が不可欠であり、地域だけの努力では、なかなか前に進みにくい状況にあると認識をしております。本町の減便状況を見ても、その厳しさは明らかです。令和元年から令和7年7月までの6年間で、平日、休日に若干は違いはありますが、夕鉄バスでは平日の上りで6便、下りで9便、ジェイ・アールバスでは上り4便、下り3便、中央バスでは上り下りそれぞれ2便が、減便や路線の見直しとなっております。この傾向が続けば、減便のスピードはさらに加速し、町外への通勤・通学、さらには通院といった日常生活に直結する移動手段が大きく損なわれることは、避けられないものと考えております。また一方で、高齢者の免許返納は過去8年で年間平均36人に上り、返納後は、ハイヤーの利用券3年間の交付がありますが、公共交通に頼らざるを得ない状況にあります。また、高校生の通学では、最寄りのJR駅まで父兄が送迎する家庭、それ以外は公共交通に依存しており、減便の影響は若い世代にも直接及んでいます。つまり、公共交通の維持は、高齢者の足だけではなく、地域の未来を担う子どもたちの足までも影響があるというふうに思っております。運転手不足の背景には、賃金水準の低さという構造的な問題があります。先般、ある事業者では、若手や中途採用者への処遇改善を進めるという新聞報道もありましたが、離職理由の多くが、賃金の低さであるという現状は依然として変わっておりません。また、先般の報道では、バス事業者5社による2027年4月、札幌市内の運賃改定により、人材確保に向けて、賃上げなどの待遇改善を図るとしております。また、他の自治体では、地域おこし協力隊をバス事業者に派遣して、運転事業を担わせたり、バス路線廃止に対して、観光バス会社やタクシー会社に代替運行を委託し、赤字分全額を自治体が負担して路線を維持するなど、様々な工夫が行われております。しかし、こうした取組を見ても、行政だけで公共交通を守り切るには限界があることは明白です。財政的にも、人材確保の面でも、自治体単独で支え続けることは極めて困難な状況にあると考えています。このようなことから、昨年の予算委員会でも少しお話を申し上げましたが、まずはこの厳しい現状と行政の限界を町民の皆さんと共有し、乗って守ろう生活の足という意識を町全体で高めていくことが不可欠だと考えております。公共交通は、使わなければ維持ができないという現実を、町としてしっかりと発信し、町民の皆さんと危機感を共有しながら、利用促進につなげていく必要があると考えております。そこで伺います。公共交通の利用促進に向けて、町として強いメッセージを町民に発信していくことが必要と考えますが、町長の考えをお聞かせください。
答弁 町長
家塚議員の再質問にお答えをいたします。まず、運転手不足の状況でございますけども、議員が言われるとおり、運転手不足の要因でございますけども、不規則な勤務形態や長時間労働、高齢化などが複合的に絡み合い、人材確保を困難にしている状況でございます。また、責任の重さに比べまして、給与水準が他産業より低く、若年層から職業として選ばれない状況が続いております。2年前の聞き取り調査でございますけども、夕鉄バスでは、路線維持に40名の運転手が必要なところ、実際には27名、7割の人員確保しかできていない実情にあるということでございます。本町における近年の減便状況でございますが、議員が言われるとおり、令和元年からの6年間で、町内乗り入れの3社で、減便や路線バスの路線の見直しが行われております。背景には、先ほど申し上げた深刻な運転不足とコロナ禍による利用者の減少が挙げられます。現在の運行ダイヤ、平日でございますけども、運行ダイヤと利用者の状況でございますが、夕鉄バスは上り12便、下り12便、上り新札幌行きは12時以降、下り新札幌発は11時から15時までの時間帯の利用者の減少割合が大きい状況でございます。ジェイ・アールバスは上り6便、下り7便、上りの北広島・大谷地行きは12時以降、下りの大谷地・北広島発は始発から13時までの時間帯の利用者の減少割合が大きい状況でございます。中央高速バスは上り下りとも7便、上り札幌行きは11時以降、下り札幌発は始発から13時までの時間帯の利用者の減少割合が大きい状況でございます。時間帯の利用状況は、各社同じ傾向で、上りは午後からの便が、下りは午前の便の利用者が減少傾向にございます。バス事業者に対します赤字補てんでございますが、中央高速バスに対して、栗山町と距離案分によりまして、令和7年度は380万1,000円の赤字補てんを行っております。なお、夕鉄バス、ジェイ・アールバスに対しての赤字補てんは行っておりません。通勤・通学における利用状況でございますけども、朝夕の時間帯では、一定の利用はありますけども、減便の影響やバス離れが現在進みまして、全体的に減少傾向であります。また、議員言われるとおり、高校生は親の送迎も多いと思われます。高校生通学費等補助事業の実施当初は、バスやJRの定期代に対する補助でございましたけども、保護者からの要望もあり、現在は学校ごとの補助に変更をしてございます。運転手の処遇改善でございますけども、現在、札幌市で市営バス料金の値上げが話題になっておりますけども、背景にあるのは運転手不足でありまして、値上げにより、人材確保のための処遇改善を図ろうとするものであります。一律30円値上げすることによりまして、平均年報酬、現在の483万円を521万円まで上げることを目指すもので、全産業並みの平均報酬に近づけようとするものでございます。議員言われる町民のバスの利用の促進、メッセージの発信でございますけども、近年は特にバスの利用者が減少していると私自身も感じてございます。議員が言われるとおり、バスの利用促進に向けては、町全体の意識を高める必要があると思っております。しかし、現在車を利用されている方が、実際にバスに利用を切り替えることは、現実的にはなかなか難しいことでありますが、認識を持つことが重要であると考えております。まずは地域公共交通の現状や問題点などについて、町民と情報共有を図ることが大事であると考えます。今後町広報におきまして特集を組むなど、町民にしっかり届く啓発を行ってまいりたいと考えております。以上です。
再質問 家塚
ただいま、町長より答弁をいただきまして、基本的な考え方は理解をいたしましたので、改めての答弁は必要ありませんが、鉄道のない本町においては、バス路線の維持は、将来のまちづくりに直結する極めて重要な問題であると思っております。路線の縮小や利便性の低下は、移住定住の促進、子育て環境の充実、高齢者の生活の確保など、町の持続可能に大きな影響を及ぼすことは避けられないと考えております。今後、1人でも多くの町民が、公共交通の価値を再認識していただき、日常の移動手段としてバスの利用に目を向けていただくことが、路線維持に向けた最も確かな力になると考えております。町としても、利用促進に向けた地域啓発に引き続き取り組んでいただくことを期待し、私の質問を終わります。