みんなの議会

網走市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月15日

加齢性難聴への補聴器助成について

2021年9月15日、網走市議会の一般質問で、松浦敏司議員が「加齢性難聴への補聴器助成について」質問し、健康福祉部長 桶屋盛樹が答弁しました。

質問者
松浦敏司 議員
答弁者
健康福祉部長 桶屋盛樹

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 松浦敏司

日本共産党議員団の松浦敏司でございます。さきに通告しております2項目について、質問を行ってまいります。まず、1項目めであります。加齢性難聴への補聴器助成についてであります。我が国では、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に75歳以上の人口5人に1人、約700万人が認知症になると推測されており、2025年問題として社会保障の大きな節目になると懸念されております。新オレンジプランの後継に当たる認知症施策推進大綱では、認知症施策が共生と予防を柱に提示された、いわゆる予防とは認知症にならないことを意味するのではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにする、そのことを意味しているというふうに言われております。さて、難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落としてしまう大きな原因となっており、鬱病や認知症の危険因子になることも指摘されております。このような聞こえの悪さを補完し、音や言葉を聞き取れるようにしてくれるのが補聴器であります。加齢が原因の一つである感音性難聴の場合は、軽度の段階から補聴器を使用することで、症状の予防につながるとも言われています。しかし、日本と欧米諸国とを比べると、難聴者率自体には大きな差は見られないけれども、日本における補聴器の使用率は低いというのが現状であります。これは日本において、補聴器の平均購入価格が高い、購入価格が片耳当たり15万円程度と高いことにあります。また、保険も適用されず、全額が自己負担となるため、補聴器使用率が低い要因であると考えられます。日本における難聴者数は1,430万人、補聴器の利用者はわずか200万人、いかに少ないかがわかるかというふうに思います。そこで伺ってまいりますが、難聴の高齢者への支援の状況についてであります。まず、道内において、7市町村で高齢による難聴に対して何らかの支援を行っている。全国的にも高齢の難聴者への補聴器の助成をしている自治体が増えております。当市としての補聴器への支援について、基本的な考え方を示していただきたいと思います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

当市の補聴器への支援の考え方についてでございますが、現状におきましては、高齢を要件とする助成制度はなく、補聴器購入に伴う費用助成につきましては、身体障害者手帳6級以上の交付を受けている方が対象となってございます。

質問 松浦敏司

いわゆる障がいの6級以上の認定がというのが条件だということですから、基本的にはないというふうに受け止めておきます。それで、難聴はできるだけ軽症のうちに補聴器をつけることで、重症化を防ぐことができるというふうに言われております。一般の病気と同様に早期発見し早期に治療が基本だというふうに思います。難聴にもこれは共通するものと考えますが、見解を伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

難聴の早期発見、早期治療についてでありますが、加齢に伴う難聴は、老化現象の一つでありますが、進行を遅らせる、加齢以外の原因を避けるなど、ある程度の予防は可能と考えられております。大音量や騒音を避ける耳に優しい生活の心がけ、生活習慣病に管理や栄養バランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい睡眠といった生活習慣の見直し、また、健康診断に聴力検査が含まれていない場合は、定期的な受診も効果的でありますが、日常生活や社会生活に支障が生じている場合は、医師への相談により早期治療・早期装用が必要というふうに考えてございます。また、補聴器の購入に当たりましては、不快音やハウリングなどにより装用をやめてしまう事例があるというふうに伺っておりますので、補聴器技能者と相談の上、最適な補聴器の選定・調整を行い、装用を開始することが望ましいものと考えてございます。

質問 松浦敏司

早期治療、早期に装用、つまり耳に補聴器をつけるということが大事だということでは意見が一致しているというふうに思います。今、答弁にありましたように、不快音やハウリングといった、難聴の方の中には猟をなさるとか、大きな音の出る工場で長年働いてきた人たちが結構多いというふうにも聞いております。以前の質問でも述べましたけれども、補聴器技師との微調整を定期的に行うということが大事だと言われております。その人に合ったものにするためには調整が、これは個人差がありますけれども、1年ぐらいかかったり、あるいは人によっては2年ぐらいかかると。つまり定期的に微調整をしなければならないにもかかわらず、なかなかそのことが、補聴器をつけた人に伝わっていなくて、途中でやめてしまう。そうなると、その人の耳に合った補聴器にならないということで、結果として装用をやめてしまうという例が多いのではないかというふうに思われます。ここが肝腎なところではないかというふうに私は思うのですが、見解を伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

議員からお話がありましたとおり、補聴器に慣れ上手に聞き取れるようになるまでには、数か月にわたるトレーニングが必要というふうにされております。補聴器を最初に装用した際、今まで聞こえていなかった様々な音が入り込み騒がしいと感じることがあるようですが、疲れたら補聴器を外しまして耳を休ませ、徐々に慣らしていくことが大事であり、聴力が衰えて音が聞こえない状態に慣れた脳を音のある状態に戻していくことが必要とのことであります。補聴器に関しましては、聴覚レベルや難聴の種別により、必要となる補聴器も様々であり、補聴器の種類の選定や適切な調整が行われていない場合も考えられますので、使用に伴う不具合などにつきましては、専門医や認定補聴器技能者の助言やサポートが必要であるというふうに考えてございます。

質問 松浦敏司

そのとおりだと思います。ただ、今網走の中でも何店か補聴器を売っているお店がありますけれども、やはり最初の段階で、補聴器を購入した段階でのやはり購入者と技術者との間でのやはり親密な打合せといいますか、そういうのも大事なことかなというふうにも思います。次の質問に移りますが、日本の補聴器の普及が欧米に比べて極端に低い状況にあります。それはなぜか。補聴器の普及が低い理由について、どのようにお考えか伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

補聴器の普及が欧米に比べ極端に低い理由への見解についてでございますが、補聴器工業会の調査によりますと、日本の難聴者数は、先ほど議員からもお示しあったとおり、1,430万人と推定され、人口対比で11.3%と世界で3番目に多いと報告されている一方で補聴器の普及率は難聴者数の13.5%と、欧米諸国との比較で低い水準となっております。要因といたしましては、欧米諸国では医師の診断書があれば、難聴の程度にかかわらず国などによる購入費の一部補助が一般的であり、また、補聴器の販売に当たっては有資格者によるサポート体制、これは聴力検査であったり、耳型採取であったり、フィッティングというようなことが言われておりますけれども、こういった体制が確立されていることが挙げられます。日本におきましては、このような制度がなく、補聴器購入に伴う費用助成につきましては、先ほども答弁したとおり、身体障害者手帳6級以上の交付を受けている方が対象となるため、欧米諸国と比べ補聴器の普及が低いというふうに考えてございます。

再質問 松浦敏司

今の答弁のとおりで、私が再質問しようとしていた中身をほとんど言われてしまいました。そういうことなのですよ。欧米では医師の診断書があれば、簡単に自分の耳に合ったものに、聴力もそうですけれども、耳型を取って、そしてその人に合った補聴器ということですから、非常にその人に合った、フィットした補聴器になるのだろうというふうに思います。つまり欧米のように、難聴者に対してそういう対応をすれば、多分日本においても補聴器の普及が高くなるのだろうというふうに考えます。だから、この点についてやはり、ちょっと具体的には後ほどの質問に移っていきますけれども、非常にここが大事なところだなというふうに思います。次の質問に移ります。健康をキーワードにしている水谷市政として、4年後にはもう2025年です。既に網走では65歳以上の高齢者は30%を超えている。そういう中で、加齢性難聴者への支援策も重要ではないかというふうに考えますが、見解を伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

加齢性難聴者への支援策への考え方についてでありますが、近年、様々な議論がなされ、難聴が認知症の危険因子の一つとして挙げられており、現在補聴器を用いた聴覚の補正による認知機能低下予防の効果を検証するための研究が進められているため、これらの研究結果に伴う国の動向を注視するとともに、他自治体の取組状況を参考に研究をしてまいりたいと考えてございます。

再質問 松浦敏司

わかりました。次の質問に移ります。難聴の位置づけです。この難聴は病気なのか、それとも障がいなのかということであります。加齢による難聴者の位置づけとして、市は病気として判断するのか、それとも障がいとして判断しているのか、基本的な考え方について伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

加齢による難聴者の位置づけについてでありますが、難聴は小さな音が聞き取りにくいと思われがちでありますが、聞こえの状態には幾つかのパターンがございまして、高い音が聞こえにくい、低い音が聞こえにくい、片方の耳だけが聞こえにくいなど、様々であり、その種類や程度は人それぞれだというふうに考えられます。さらに、難聴には外耳から内耳に音が伝わらなくなる伝音性難聴と、内耳から音から変換された電気信号が脳にうまく伝わらなくなる感音性難聴の2種類、また、この2つが合併した混合性難聴がございます。伝音性難聴は感染症、病気、外傷など、感音性難聴は加齢、騒音などが主な原因であり、医学的には難聴の種類や発生原因により、治療が可能なものとそうでないものがあるとされております。このように、聞こえの状態や発生原因、治療の可否など、様々な状態があるため、一概に病気なのか、障がいなのかを判断することは難しいと考えております。一方で、障害者総合支援法に基づく「障がい者」として補聴器購入費の補助や障がい福祉サービスを利用するためには、障害者手帳の交付を受ける必要がありますが、現在の交付基準では、両耳とも平均聴力レベルが70デシベル以上、または片耳の平均聴力レベルが50デシベル以上、かつもう片方の耳の平均聴力レベルが90デシベル以上で、最も軽度の等級である6級に該当するということでございます。

再質問 松浦敏司

まさに今答弁があったように、障がいだというふうに、障がいか病気かと仕分けるのは難しいということでしたけれども、いずれにしてもその障がいというふうになるには、医師の判断でも相当厳しい判断があって、そしてそれを道に申請して、そしてそれが返事が返ってくると。そういう長時間かかるのと、そういう意味では多くはなかなか認定にならない。ほとんどはならないという、前回質問したときもそういうような答弁だったというふうに思います。そういうことですから、基本的にはこれは国がやはり病気として認めるような形にしなければならない問題だというふうには思います。そういう中で、市としてできることは何かということも追及していかなければならないのだろうというふうに思います。市としてできることは、大いにやるべきだというふうに思います。次に移りますが、難聴と高齢者の認知症の予防についてです。難聴と認知症の間に因果関係、すなわち原因と結果の関係があるということに関しては、十分に結論が出ている状況とは言えません。因果関係が成立する条件の一つには、時間的先行性があるそうで、難聴が先行していると認知症発症リスクや認知機能低下リスクが有意に高く、交絡要因を考慮しても難聴は独立した危険因子であるというエビデンスは数多く蓄積されているそうであります。そこで、難聴と高齢者の認知症の予防について、どのように認識しているか伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

難聴と高齢者の認知症の予防についてでありますが、新オレンジプランにおきましては、加齢・遺伝性のもの・高血圧・糖尿病・喫煙・頭部外傷・難聴などが認知症の危険因子とされる一方、運動・食事・余暇活動・社会的参加・認知訓練・活発な精神活動などが認知症の防御因子とされているところでございます。認知症の予防につきましては、運動・口腔機能の向上・栄養改善・社会交流・趣味活動などの日常生活における取組が認知機能低下の予防につながる可能性が高いため、当市におきましては、ふれあいの家・らくらく健康トレーニング・食べかむ倶楽部、この食べかむ倶楽部というのは口腔機能の向上と栄養改善を目的とした事業になりますが、こういった介護予防事業を実施するとともに、早期発見・早期対応の観点から認知症カフェといった事業にも取り組んでいるところでございます。聴力の低下につきましては、聞き返しや聞き誤りが生じ、会話自体が消極的になることによるコミュニケーション機会の喪失が社会的孤立につながり、認知症のリスクを高める可能性があるため、今後難聴が危険因子であることに視点を置いた介護予防事業や認知症施策の取組が必要であるというふうに考えてございます。

再質問 松浦敏司

それは理解しました。ある学者さんが、認知症予防介入ケアに関するランセット国際委員会は、認知症に関して蓄積された多くの研究報告を調査し、2017年ランセット誌、いわゆる雑誌に報告している。難聴に関するレビューでは、純音聴力検査で評価した難聴が認知症発症というアウトカムにいかに影響するかという課題について、5年以上の追跡調査により、年齢や心循環器系リスクなどの交絡も考慮した研究が抽出されたということです。該当したのは、3研究で9年、12年、17年という長期間の追跡を行った縦断研究であったと聞いております。ここでは、認知症機能低下のない難聴者が9年から17年後に認知症を発症する統合相対リスクというのが1.98であり、先行する難聴は認知症の有意な危険因子であると結論が出されました。2017年以降、少なくとも難聴と認知症が有意に関連するという科学的根拠が十分蓄積されたと判断できると、愛知医科大学の耳鼻咽喉科の内田育恵教授が述べております。いずれにしても、難聴と認知症とは関連していることは間違いないというふうに思われます。この間、難聴の方とお話しする機会がございました。一様に言っているのは、相手と話をしていても、7割から8割しか理解していない。音は聞こえているが、言っていることが理解できないので、わかったふりをして相づちを打っているのだよと、こんなふうにも言っておりました。特に、新型コロナ感染予防のため皆さんマスクをつけているということで、口の動きが見えない。その上、音が籠もるため、余計聞き取れない。こんなふうに言っておりました。そんなことがあまりにも続くと、人と話しするのが臆病になる、あるいはおっくうになる。その結果、鬱的な感じにもなるというふうにも聞きました。先ほど答弁にも部長が言っておりましたけれども、そういったことは実際に高齢者とお話しする中で言っておりました。先ほどの答弁で、難聴が危険因子であるということに視点を置いた介護予防事業や認知症施策への取組が必要であるとのことでありましたが、それはそれとして介護事業として必要と考えているのであって、それはそれとして理解をするところでありますけれども、私が総じて求めていることは、高齢者の健康維持や認知症の予防のためにも、難聴が軽度のうちに補聴器を使用することで予防すべきであるということであります。そのためには、価格が高い補聴器購入への補助制度をつくるべきであるということでありまして、そのことを正面からやはり原課として検討すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

全日本年金者組合の調査によりますと、全国で18都道府県の50市区町村が加齢性難聴者に対する助成制度に取り組んでおります。北海道では、冒頭議員お示しのとおり、1市5町1村の7自治体が取り組んでおりまして、近隣では北見市が補聴器や安全づえを交付する補装具交付事業として取り組んでいるところでございます。現状、助成額以外、5町1村の状況は把握しておりませんけれども、北見市では過去5年間で29件、年間平均で約6件の交付実績にとどまっております。また、5町1村のうち3町が令和2年度、2町が令和3年度の事業開始でありますことから、北見市のまず交付実績が伸びない要因、さらには昨年度から実施自治体が増えた経過などを調査をさせていただきまして、助成制度の必要性も含めて内容を研究してまいりたいと考えてございます。

再質問 松浦敏司

いずれにしても、高齢化がどんどん進んで、耳が遠くなると。それは高齢になれば誰しもがなることが率としては高くなるというふうに思います。そういう意味では、一定程度の難聴が重症化した段階で補聴器をつけても、実はそれは雑音にしか聞こえない。これは何人にも聞きましたし、私も父もそうでした。補聴器を買ってあげても、つけてみると音は聞こえるでしょうと聞くと、聞こえると。でも何を言っているかがさっぱりわからないと。つまり一定程度難聴が悪化すると、音を聞き取れない。つまり雑音しか聞こえないということになる。そういう意味では、先ほど最初の段階で、私、軽度のうちの補聴器をつけるというのが大事だというのはそういうことだと思うのです。一定程度、悪化すると、それは音声として聞き取る、分析する、脳や耳でそれを聞き取る、その能力そのものも壊れてしまっていて、補聴器が雑音を聞くにしか値しないということになって、結局もう幾ら何台買ってやっても、それは捨てられてしまうということにつながります。そういう意味ではやはり、先ほどから言っているように、軽症のうちにきちんと補聴器をつけると、このことをやはり市民にも知らせなければならないし、そのことが非常に大事だし、補聴器を販売しているところにもやっぱりそういったことを、情報なども与えるということも必要なのかなというふうにも思います。いずれにしても、これは非常に、これから網走市がどんどん高齢化が進んでいくのは間違いないところです。ですから、この補聴器のことについては、しっかりと正面から受け止めて調査し、そして前向きな検討を進めていってほしいというふうに思います。

出典:網走市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月15日 議事録 PDF(104ページ) 間違いを知らせる