みんなの議会

網走市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月18日

人権が尊重される社会の実現について

2019年12月18日、網走市議会の一般質問で、平賀貴幸議員が「人権が尊重される社会の実現について」質問し、市長 水谷洋一、健康福祉部長 桶屋盛樹、企画総務部長 岩永雅浩が答弁しました。

質問者
平賀貴幸 議員
答弁者
市長 水谷洋一、健康福祉部長 桶屋盛樹、企画総務部長 岩永雅浩

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 平賀貴幸

次の質問に移ります。次に、人権が尊重される社会の実現について伺います。12月4日から12月10日まで毎年人権週間とされております。各地で人権に対する啓発や相談事業が行われているのは御承知のとおりです。また、網走市においては、網走市議会で昭和48年12月20日ということで、私が生まれた次の年でありますけれども、人権擁護都市宣言を決議しております。その中では、「個人の尊厳と平等を基礎とした人の和を大切にする人権の擁護を目的とした平和都市であらんことを示しています」と書かれております。これらを網走市としてどのように捉え、どのように施策に生かしているのか、市長の基本的な見解を伺いたいと思います。

答弁 市長 水谷洋一

-登壇- 人権に対する考え方についてのお尋ねがありましたので、市長へということですので、所見を述べさせていただきたいと思います。去る12月10日は、1948年国際連合総会で世界人権宣言が採択された世界人権デーであり、12月4日から10日まで人権週間とされておりました。世界人権宣言はその前文で、人類社会の全ての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利を承認することは世界における自由、正義及び平和の基礎であると、前文冒頭で高らかにうたい上げており、第1条では全ての人間は生まれながらにして自由でありかつ尊厳と権利について平等である。人間は理性と良心等を預けられており、互いに同胞の精神を持って行動しなければならないとされているところであります。人類最大の人権侵害は戦争であり、人の命が守られないことだと思いますが、世界ではいまだに戦争や人の命が守られない状況が呈していると感じております。過去には人種差別が、戦争の原因の一つともされておりましたが、今からちょうど100年前の1919年第一次世界大戦後のパリ講和会議の国際連盟会議において、我が国は国際連盟規約案に人種差別撤廃条項を明記すべきであると強く提案したものの否定され、国際連合総会で人種差別撤廃条約が成立したのは1965年に至ってのことでありました。しかし、現在においても世界では自由を求めるデモが続き、少数派民族の監視や恣意的な大量拘束などが行われているとされており、国際社会の批判は高まっていると感じております。12月10日から16日までの1週間は、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題での対処に関する法律に基づく北朝鮮人権侵害問題啓発週間となっており、拉致被害者・特定失踪者の人権の回復にも努めなければなりません。開発途上国では、貧しい家庭に生まれた少女の多くが学校に通うことができず、早過ぎる結婚や家事労働に従事されている折、人身売買による強制労働を強いられていることも少なくありません。このように組織的・物理的・身体的な性差別・性犯罪を行うことはもってのほかでありますし、2015年に採択をされた国際連合の持続可能な開発計画にも掲げられているところであります。また、日本国憲法第13条では全ての国民は個人として尊重される、第14条第1項では全ての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により政治的、経済的または社会的関係において差別されないとされており、国においては女性活躍推進法やパワーハラスメント対策の法制化など打ち出され、それらの取組がされておりますが、働く場ではなく場所だけではなく家庭や地域、教育など生活のあらゆる場面で進めていかなければならない課題であると存じております。またネット上では言論が分断され、これらに異なる意見に対する攻撃的な言質が安易に飛び混じっており、新しい誤解や著しい偏見も広がっていると感じているところであります。ヘイトスピーチや差別的書き込みなど、ネットの言論を是正していく動きもある中、課題もあるなど、その動向を注視していく必要があると考えております。当市における施策の講じているものにつきましては、その詳細につきましては、担当から御説明をさせていただきたいと、このように思います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

人権擁護に対する網走市の考え方と、取り組んでいる施策についてでありますが、昭和48年12月に人権擁護都市宣言が議会で決議された背景につきましては、当時網走市が人権モデル地区の指定を受けたことを機として、市民の人権を守る姿勢を改めて明確にすることを趣旨とする請願が提出され、議会において審議、議決されたものと承知をしております。市におきましても、総合計画の目標の一つに一人一人を大切にするまちを掲げ、お互いの人権を尊重し個人の尊厳と平等を基礎として人の和を大切にする人権擁護を目的とした平和都市を目指し、健康で文化的な生活を保障するため、様々な施策に取り組んでいるところでございます。また、市民の権利を擁護するため、人権問題や法律的な解決が必要な市民を対象として、弁護士、女性、生活困窮、家庭児童、教育などの相談窓口を設けるとともに社会を明るくする運動における人権啓発に取り組み、さらに共生のまちづくりを啓発するふれあい広場にも参画しているところでございます。人権擁護に関しましては、6名の人権擁護委員が委嘱され、市内における各種相談に対応するとともに街頭啓発や学校における人権教室を実施しているところでございます。

質問 平賀貴幸

詳細に答弁をいただきました。大切なことですので、古いものも含めていろいろ表に出して、しっかり見解を表に出していくと、これも大切なことだというふうに改めて感じるところであります。一方、先ほどのお話にもありましたとおり、近年、ヘイトスピーチあるいはヘイトスクラムやヘイトクライムと呼ばれるような人種、民族、宗教、性的指向など特定の属性を持つ個人集団に対する偏見、憎悪、そういったものがもとに引き起こされる様々な問題が散見される状況であります。こうしたものは認めてはならないというのは、共通の認識だというふうに理解をさせていただいております。また、国政でも本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ規正法、2016年6月3日に公布され、外国人に対しての差別的言動を防止することが法的に定められています。また、この法律では禁止行為の具体性が乏しく刑罰としての実効性の定めがないなどのことの理由から、先週12月12日川崎市議会で全国初のヘイト行為禁止条例であります川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例が全会一致で可決され、外国人に対して差別的な言動を3度繰り返した場合、最大50万円の罰金を科すことになるなど、強い規制の必要性を改めて感じる状況もあるのだと思います。北海道においても、先ほどもありましたけれども、来年4月24日には白老町に民族共生象徴空間ウポポイがオープンすることになっておりますが、札幌圏などを中心に、あるいはインターネットもそうですが、ヘイトスピーチなどが残念ながらあるほか、様々な偏見、悪意のある言説も少なからず見られる状況がありまして、心を痛めるとともにこのままではいけないのだなと改めて感じるところです。こうした状況を踏まえて伺いますけれども、網走市として、ヘイトスピーチやヘイト行為をどのように定義し防止対策や、実際にこうした事態が発生した場合にどのような方針をもって対応する考えなのか、基本的な見解を伺います。

答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)

ヘイトスピーチ等の定義と防止対策、対応方針についてでありますが、人権擁護につきましては、日本国憲法に定められた基本的人権や幸福追求権の尊重を基本として取り組むべきであると考えております。近年、国内でも問題視をされております、特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチの抑止と解消を目的として、平成28年6月にヘイトスピーチ解消法が制定され、国や地方自治体による啓発や教育の施策が進められることとなっております。また同年には、障害者差別解消法が施行され、障がいを理由とした不当な差別的取り扱いの禁止が国、自治体、事業者に義務付けられ、さらに本年5月にはアイヌ施策推進法が施行され、何人もアイヌの人々に対しアイヌであることを理由に差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならないと規定されております。これらの法律の定義につきましては、平等であって差別されない、また公然とその生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加える行為や地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動はあってはならないものと認識をしておりまして、基本理念といたしましては、差別のない社会の実現に寄与するよう努めることが重要であると考えております。基本的な施策としては、憲法や法律の規定と考え方に基づき関係機関との連携はもとより組織体制の整備、人権教育の充実、啓発活動の実施などがございますが、市といたしましては、これらの施策を推進するとともに、法律に抵触するような事態が発生した場合には、法律に基づく指導等の必要な措置を実施するほか、関係機関への通報や連携により対応してまいりたいと考えております。今後におきましても、差別や偏見のない社会を目指し、法務局や人権擁護委員協議会等の関係機関と連携し、防止対策や施策の検討を進めていきたいと考えております。

質問 平賀貴幸

ヘイトスピーチ規制法のみならず、しっかりとそのほかの法律で規制されているものも含めて網走市はしっかり認識されている、その対応はしっかり行われるものだということを現時点では認識させていただきました。実際に問題が起きた場合の対処というのはなかなか難しい部分はありますが、ぜひ、その場合についても適正な対処をしていただきたいと思います。一方、人権問題の中には性的指向に関するものもあります。LGBTsの方々に関する網走市の取組について伺わせていただきますが、現状近隣自治体と比較しても先進的になってるとはなかなか言えない状況にあるなというふうに感じるところであります。また、定住自立圏を構成する大空町の取組よりもいささか遅れをとっている感があるというふうに感じます。本年2月です。北見市議会で、辻北見市長が行った市政執行方針の中には、LGBTを初めとする性的マイノリティーの方々の人権に配慮し、市に提出していただく申請書の一部で性別欄を削除するほか、シンポジウムを開催し多様な性のあり方についての理解促進を図るなど、人権尊重のまちづくりの実現に努めてまいりますとありました。また、実際に本年11月6日には初めてのLGBT、性の多様性と人権と題した講演会が開催されて、制度面も含めた対応が進みつつある状況にあると認識しています。また、先ほど申し上げた大空町ですけれども、北見市で講演を行った同じ講師から北見市と同様のテーマで、昨年そして今年と続けて講演会を開催するなど、必要な取組を進めているのが実際のところだと認識するところであります。網走市においては、多様な性を考えるという特設ホームページが市のほうにあるということは承知をしております。近隣自治体や大空町と取組などと比較したときに、これらを踏まえてどのような現状認識を持っているのか見解を伺いたいと思います。

答弁 企画総務部長 岩永雅浩(企画総務部長は2021年3月まで)

現在、国におきましては、LGBTsに関する国民の理解を深めるための法律の整備の動きがございます。その内容では、性的指向と性同一性と多様性を受け入れる寛容な社会の実現を目指すこととしておりますので、地方自治体としても住民の皆様へ理解の増進を図る必要があると認識をしております。当市におきましては、LGBTsへの理解増進の第一歩として、市民へは、市民の皆様へは公式サイト、多様な性を考えるを掲載をし、また職員へは研修を通して理解の促進を行っているところでございます。

質問 平賀貴幸

網走市議会でも文教民生委員会が先日行政視察として先進地を訪れ、すみません、総務経済委員会です。総務経済委員会が先日行政視察として先進地を訪れ、調査研究を行ったのは御承知のとおりです。また、この間様々な媒体で、こうした課題について報道をなされる機会も多かったというふうに認識をしております。このことから、網走市民の理解については周辺自治体と比較して大きく劣っているということはないのだろうというふうな理解をしているところであります。一方で、必要な情報提供あるいは理解の促進のためには、教育、福祉、権利擁護など様々な課題の解決や必要な対応を進めるということが重要だと考えます。網走市の基本的な見解を伺います。また、今後の取組について、どのようなスケジュール感を持って、どんなところからさらなる対応を進めていく考えがあるのでしょうか。可能な限り具体的に見解をお示しいただきたいと思います。

答弁 企画総務部長 岩永雅浩(企画総務部長は2021年3月まで)

基本的な考え方につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、今後の取組につきましては、市の広報紙への掲載や市民を対象とした講座の開催を検討をしてございます。まずは、性の多様性について広く知識や理解を深め、誰もが自分らしく豊かに暮らしていける社会を目指すことが大事ではないかというふうに考えております。また、市民の皆様に対しては理解を深める取り組みやその手法などについて、国などの動向を注視しながら、様々な考えに配慮をした対応を検討していきたいというふうに考えております。

質問 平賀貴幸

新年度新たな取り組みがスタートするのだということも、答弁の中で理解させていただきたいというふうに思うところであります。詳細については、まだまだこれからだというふうに思いますけれども、ぜひ新たな取り組みを進めていって理解が広がってほしいと思います。9月11日に、この問題に積極的に取り組まれた佐藤正隆さんがこの世を去られました。一生懸命彼はこの問題について、人生をかけて取り組まれたのだというふうに思っております。そういった方を含めて、網走市にはこの問題を解決してほしいという方が、少なくても数名は確実にいるのだというふうに認識をしております。ぜひ、こうした問題が網走市で解決されて、誰もが暮らしやすい、多様性をお互いに認め合えて笑顔で暮らせる網走になることを願いまして、私の質問を終わります。

出典:網走市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月18日 議事録 PDF(87ページ) 間違いを知らせる