みんなの議会

豊浦町議会 令和6年定例会9月会議 2024年9月18日

移動の権利は基本的人権として保障されることについて

2024年9月18日、豊浦町議会の一般質問で、山田秀人議員が「移動の権利は基本的人権として保障されることについて」質問し、町長 村井洋一、政策財政課主幹 武田貴博が答えました。

聞いた人
山田秀人 議員
答えた人
町長 村井洋一、政策財政課主幹 武田貴博

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

議員の質問 1番 山田秀人

一般質問を行います。大きく分けて六つについて質問をいたします。まず、1番目は、公共交通の在り方ということです。先般、議案の説明会で、道南バスが豊浦線廃止ということで、町もダイヤ改正等をして何とか町民の足を守るという提案がありましたので、それについての質問をさせていただきます。この件については、るる説明がありましたが、道南バスがこの路線を廃止して、町としてはそれを何とか継続してもらいたいということで、代替案を出して便数が減りましたけれども、何とか洞爺駅を経由して伊達方面やその他に行くところへつなげていくということでありました。そもそも公共交通ということを考えると、私たちの住んでいる町、そして、ここに住んでいる住民がどういう生活をしていくかということが一番大切であります。つまり、安心して暮らせるまち、安全なまち、コミュニティーを形成して仲よく暮らしていけるまちということが一つの前提です。そういう中で、公共交通という手段というのは非常に大切なものです。そういう中で、公共交通の在り方、町民の要望に応えた町内外への移動の保障、これらが大切ではないかと考えます。いろいろな交通の保障をするためにはいろいろな方策が考えられますので、たまたま私が言っている福祉タクシー制度の問題や、利用率減少解消のための方策というのをどのように考えているのか、この問題について議論して、大いに町民の足を基本的に確保するということで、今回、一番初めにこの問題を出したわけです。あえて言いますが、移動する権利、交通権というのは基本的人権の一つであります。後でも詳しく申し上げますが、それも踏まえて町当局はどう考えるのか、答弁を伺うものであります。

町の答え 町長 村井洋一(町長は2024年9月まで)

1番目の移動の権利は基本的人権として保障されることについてお答えいたします。1点目の道南バス豊浦線廃止と地域公共交通の在り方についてですが、9月3日の全員協議会でご報告しましたとおり、道南バス豊浦線廃止については、本年7月に道南バスから、人員不足を主な理由として、10月以降の運行について路線の維持が困難であるとの報告を受けました。町といたしましては、バス路線が廃止になると……。

町の答え 町長 村井洋一(町長は2024年9月まで)

町といたしましては、バス路線が廃止となると、JR以外に伊達方面への公共交通による移動手段の選択肢がなくなることから、町民の足を確保するため、洞爺駅で乗換えの手間が生じても、洞爺湖温泉線を豊浦町しおさいまで延伸する再編を行うよう要請をし、赤字補塡分を町が負担することを条件に了承されたところでございます。地域公共交通の在り方についてですが、本年、豊浦町地域公共交通計画の策定作業に着手しておりまして、その中で、鉄道線や広域のバス路線との円滑な接続を目指し、町民が自家用車を手放してもある程度の移動ニーズを満たせる地域公共交通体系の構築を行うため、本町の実情に合った公共交通の在り方について整理してまいります。2点目の福祉タクシー制度についてですが、国土交通省の定義では、道路運送法第3条に掲げる一般常用旅客自動車運送事業を営む者であって、一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行う運送などとしておりまして、目的や移動先に関する制限がなく自由に利用できるものでございます。本町では、やまびこにおいて福祉有償運送である移送サービスを行っておりまして、要介護認定における要支援1及び2の方を対象に、対象地域を町内から伊達市までとして、目的としては通院のみを対象として運行しております。現状としては、公共交通機関での移動が難しい高齢者や障がいのある方でも、通院以外の目的では移送サービスが利用できないことが課題の一つでございまして、豊浦町地域公共交通計画の策定作業において検討いたします。3点目のJR・私鉄バス等の利用率減少の解消のための方策についてですが、先ほどの豊浦線の廃止でも触れているとおり、全国的に地方の鉄道やバス路線は、利用者の減少に加えまして、運転手等の人材不足から路線廃止や運行本数減少などの傾向にございます。そのような中で、JR・私鉄バス等の利用を促すためにまず取り組まなければならないことは、町民のご自宅から乗車する最寄りの鉄道駅・バス停までの区間と、鉄道駅・バス停を降りてから最終目的地までの区間の移動の利便性を高めることだと考えてございます。移動の利便性を高める方法としては、現在運行している町営バスやコミュニティバスとの接続を円滑にし、乗換えの負担を最小限にすることや、本町の実情に合う新たな形の公共交通の導入検討が必要であると考えております。どのような交通の形が町民の生活に合う方法となるか、地域公共交通計画策定の過程で協議、検討してまいります。

議員の質問 1番 山田秀人

今、町長は具合が悪そうですし、わざわざここまで来て語られるのも大変ではないかと思います。どうぞ初めから自席で答弁なされたほうがいいと思います。議長のご判断でありますが、そのように配慮していただければと思います。大丈夫ですか。(「申し訳ございません。大丈夫です」と言う人あり)何しろ私も同じ年頃なものですから、心配しております。今ご答弁がありましたけれども、隣町の洞爺湖町にもこういう話があったということで、洞爺湖町はもう6月に路線の廃止等が提案されて、6月の議会で議論して、新たな方策というか、国土交通省の補助事業を導入して対処するというお話を聞きました。突如7月に豊浦だけと、そんなに遅く道南バスからは話が来たのですか。もっと前に来ていたのではないですか、伺います。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

お答えいたします。道南バスから事前に廃止の打診があったのではないかというご質問でございますが、当初、3月以降、道南バスから、豊浦線の維持管理、赤字補塡がなかなか難しいということで、あくまでも国の補助がなくなる路線に対して沿線自治体から補助をお願いしたいというお話のみをいただいておりました。我々としては、そこに何らかの負担をすることで路線の維持が可能なのであれば、どのような金額になるかと議論を進めていたところですので、事前の廃止というところはお話になかったと記憶してございます。

議員の質問 1番 山田秀人

道南バスは広域的な交通機関としてこの圏域をエリアとして営業しています。そういう意味では、今おっしゃったような答弁を考えると、 そういう芽があったのではないかということです。突然に現れてということではないのではないですか。そういう懸念が以前からあったので、想定していなくて、びっくりしてその対処が遅かったということではないのではないですか。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

当町は、今年度、地域公共交通計画の策定に着手しておりますけれども、そちらの協議会には道南バスも入っていただいて、豊浦町が今年度に公共交通計画を策定して、令和7年度以降の交通体系について議論するというところは道南バスもご承知の状況でした。道南バスの実情として、やはり人員が不足しているという ことと、今年度の法改正により2024年問題が直近に控えていて、経営はなかなか苦しいというお話も伺っておりましたし、高齢の方がドライバーとして出勤せざるを得ないという内情も伺っておりました。ただ、詳しくお話を聞くに当たりまして、今年度は大きな退職人数が発生してしまったというのは道南バスでも予想外の事態ではなかったのではないかという説明がございましたので、我々もそのように捉えております。

議員の質問 1番 山田秀人

ここ数年、コロナ禍もあって人の移動が制限されてきました。それを考えると、道南バスだって利用客の減少が当然あるわけですから、そういう中で公共交通、広域交通を考える場合は、そこの利用客の減少、それに伴う路線の廃止へ向かっていくというシナリオが想定されているのではないかということです。今おっしゃったことは、話をすり替えただけの話でありまして、そういう想定をきちんとして地域の公共交通を守るということが一番大事ではないかということです。答弁を見ると、交通の方法だけを議論して、何とか目的地へたどり着くという 、いわゆる目先の対策だけを考えているということではないかと思います。一番大事なのは、利用者がその目的地へ到達するために、スムーズな、円滑な形で到達するということであって、地域のお年寄りも結構利用していますから、その方々からお話を聞くと、洞爺湖駅前で乗り換えるということに非常に難儀をしていて、困難さを抱えるので、ここは行政に考えてもらわなければ困るということです。ですから、この字面を見ると、少しはそんな配慮もしているように見えますけれども、乗換えが大変になっているという町民の感覚をどう認識しているのか、伺います。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

当町に合った公共交通を検討する上で、まず、公共交通は歩ける方が移動に困らないということを考えますけれども、議員がおっしゃるように、歩いて通院するのが難しいという方が複数おられることも承知しております。そういう方につきましては、今、やまびこでも実施していただいておりますが、福祉有償運送の形態を見直す必要があると考えております。なるべくドア・ツー・ドアに近い形で病院や目的地にたどり着けるような方法ですね。今のところは伊達市まで運行していますけれども、対象者は限定 されておりますので、対象者をどのように見直していくのか、これも公共交通計画の策定の中で協議してまいりたいと考えております。

議員の質問 1番 山田秀人

次に、地域公共交通計画を策定中だというお話でしたが、この理念について伺います。2013年12月4日に交通政策基本法が公布、施行されました。この法律は、民主党政権時代に提出された交通基本法案がひな形になったと言われていますが、2009年の衆議院の解散で廃案になったということです。この法律は、公布はされたのですが、結局は交通権の保障が抜け落ちた法律となったと言われています。そして、フランスでは交通権の保障をしっかりと盛り込んだ法律を制定しているということであります。交通権というのは、現代社会の移動の権利でありまして、交通権保障は憲法の基本的人権の保障であります。とりわけ憲法第25条では、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、不完全ではありますが、この法律に由来しているということです。このことから考えますと、本町での計画の理念はどこに置いているのか、伺うものであります。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

公共交通計画の理念でございますけれども、今、山田議員がおっしゃったように、我々としましては、交通政策基本法にのっとったものを考えてございます。交通政策基本法第16条においては日常生活に必要不可欠な交通手段を確保するため、第17条においては高齢者、障がい者、妊産婦等の移動のために必要な施策を講じる ということで、これは国の責務として記載された内容になっておりますが、町としましても、これらの内容にのっとった交通計画が必要ではないかと捉えているところです。

議員の質問 1番 山田秀人

今、法律の条項についてお話をしましたが、この理念というのは憲法第25条に基づく基本的人権であるということをきちんと押さえなければ、幾ら計画をつくっても、単なる交通の移動方法、利用方法にしかすぎなくなっていくのです。前提として、こういう基本的人権を守ってやるのだということが根底になければ、計画は頓挫していくことになるのではないかという気がするのです。そこら辺の基本的人権をきちんと根底に置いた計画を策定するという考えでよろしいのですか、伺います。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

今、おっしゃったような憲法第25条の理念にのっとったところで、大きく言いますと移動の権利、交通権というのは、人が豊かな生活を送るために、必要な人が自由に移動できることという大きな捉えで我々はおりますので、そういうところができる体制づくりを目指しているところでございます。

議員の質問 1番 山田秀人

地域交通をめぐる全国的な政策展開というのはたくさんあるわけです。大都市の中でも、交通空白地帯があるのです。あとは、過疎地、中山間地にもあるわけです。それで、国は2013年にこの法律を公布したわけですけれども、そういう中で国土交通省がいろいろな対策をしていっているということです。中でも、私はいろいろな書籍を見てきましたけれども、特に長野県の栄村というのは 、地域おこしとか、小さなまちでも輝くまちにするのだということで取り組んでいる村ですが、ここでは非常に大切な地域交通を展開しています。紹介しますけれども、ここは豊浦町よりも人口が少ないのです。地域交通を考える際に、2014年の段階で人口が2,149人で世帯数が894です。これは2014年4月1日現在です。そして、2024年9月1日現在では1,580人に人口が減少して、世帯数は781世帯です。この栄村は、地域交通を確保する政策理念と地域の福祉を一体と考える基本的考え方が交通政策の根底にあると、時の村長がおっしゃっております。栄村は、地域循環型経済を進めておりまして、除雪、介護、それから、道直しというのは道路を直す事業です。それから、田直しというのは田んぼを直すという事業です。もう一つは、村の運営振興公社をつくって事業に取り組むということで、その中の一つに、ここにはJRの駅が四つあるのです。それを村が管理して活性化しているということです。豊浦町は小幌駅を直接は管理していないけれども、何かしらの観光資源としてやっているということですが、村が自らJR東海と契約して、村が一体となってこの駅を管理して、売店をつくったり、人々がそこに集まっているという、そういうコミュニティ施設として駅を活用しているという地域です。バスも止まったり、私鉄バスも往来して、四つの駅を十分に使っているということです。それから、村の交通政策がありまして、人は大抵住み慣れた場所で住み続けたいと思っている、安心できる居住は生活福祉の基礎であり、基本的人権であるという言葉は、日本居住福祉学会の宣言なのです。そのため、公共交通の担い手は誰かということで、運営主体と責任を明確にしたということを村が行っているのです。居住福祉というのは、保健や医療だけではなく、通学や通院などの公共交通、教育や文化、多様な課題を持っているとして、交通政策は様々な住民ニーズに応えるべく総合政策と位置づけるということで栄村はこの計画を進めているのです。そう考えると、本町の地域交通計画は、それだけにとどまらないで、総合的政策として進めていくべきではないか、そして、多面的に住民のニーズに応える計画に練り上げなければならないのではないか、そんな気がします。この道南バスの路線の廃止を含めて、これを契機として住民の足をどう守っていくかという、そういう中でこの計画を考えるべきではないかということですがいかがですか、伺います。

町の答え 政策財政課主幹 武田貴博

山田議員がおっしゃるように、公共交通というのはただ交通だけを見ていればいいというものではないと、私も担当するところで思うところはあります。公共交通は、教育とか生活とか、いわゆるまちづくり全般に関わってくるものかなと感じているところでございます。公共交通計画の中で全てのまちづくり項目を網羅するのは難しいですけれども、例えば、その中でクロスセクター効果という言葉が結構出てくるのですけれども、公共交通を整備することで、病院への通院がしやすくなって医療費が削減されたとか、教育が充実されたとか、ほかの側面にも波及するものは多分にあると考えておりますので、公共交通計画の中に全てを網羅するのは難しいと思うのですけれども、そこを活用してまちづくり活性化につながるものを探りながらこの計画を作成してまいりたいと考えております。

議員の質問 1番 山田秀人

武田主幹は大いに勉強なされており、地域公共交通がまちづくりの一つとなっていることを十分認識されていると感じられました。ぜひ、それを踏まえてすばらしい計画をつくって、住民の足が少しでも便利になるように後退せずにやっていく、そして、住民と地域と役場が一体となった地域交通網をつくっていくことが必要ではないかと思いますし、町外への交通移動について、広域的な交通移動も含めて大いに検討して立派な成果を上げていただきたいと思います。よろしくお願いします。

出典:豊浦町議会 令和6年定例会9月会議 2024年9月18日 議事録 PDF(5ページ) 間違いを知らせる