網走市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月17日
3項目めのあらゆる暴力から子供を守るためについて
2019年12月17日、網走市議会の一般質問で、永本浩子議員が「3項目めのあらゆる暴力から子供を守るためについて」質問し、健康福祉部長 桶屋盛樹、学校教育部長 林幸一が答弁しました。
- 質問者
- 永本浩子 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 桶屋盛樹、学校教育部長 林幸一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 永本浩子
それでは、次に3項目めのあらゆる暴力から子供を守るためについて質問させていただきます。先月11月は児童虐待防止推進月間であり、オレンジリボン運動として、全国で児童虐待防止に関する運動が様々な形で展開されたところです。私も街頭演説で子供を守る児童虐待防止対策の強化を訴えさせていただきました。しかし、痛ましい虐待事件は後を絶たず、厚生労働省によりますと、2018年度に全国の児童相談所に寄せられた虐待の相談件数は、前年度より2万件以上増えて15万9,850件となり過去最多を記録、また、2017年度に虐待で命を落とした子供は心中13人を含め65人となっております。網走市に関しては、本年6月議会での川原田議員の質問に対する答弁の中で、養護・虐待に関する相談件数が61件であるとか、未然防止対策としてアンケートの実施や虐待予防検討会、個別ケア会議の開催など、子育て支援課と健康推進課が連携した防止対策に努めてまいりたいとの答弁をいただいたところです。では、実際に虐待が行われたという案件は今何件あるのか、そして虐待を受けた要保護児童への対応体制はどのようになっているのでしょうかお伺いいたします。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
児童虐待の件数についてでありますが、今年度における11月末現在の虐待・養護に関する相談は延べ27件あり、このうち虐待に関する相談は21件であります。内訳につきましては、身体的虐待16件、性的虐待1件、ネグレクト4件となっております。当市における要保護児童への対応体制についてでありますが、各種相談に対応するため家庭児童教育相談室に3名の相談員を配置するとともに、子育て支援課の職員が情報収集や安否確認、さらには関係機関との連絡調整により、ケース検討会議や情報共有会議を開催することとなります。また、北見児童相談所におきましては、地区割りで複数の市町村を担当しておりますけれども、網走市の担当者につきましては虐待相談1名と各種相談1名が配置され、必要に応じて訪問による面談などを行っているところでございます。今年度の虐待・養護を含めた事案の対応状況でありますが、訪問等による安否確認や面談が32回、会議開催が10回、児童相談所に一時保護された児童は10名となっております。
質問 永本浩子
やはり網走でも、こういった虐待事案が結構あるのだなということを確認させていただきまして、胸が痛む思いでございます。今、部長のほうからもお話がありましたけれども、子育て支援課のほうで、そういった対策会議の連絡調整等をするということでしたけれども、残念なことに要保護児童を抱える保育士さんから、市役所が主体となって開催する要保護児童対策地域協議会が、問題が起きて開催を要望してもなかなか開催してもらえない、また開催されても事前の資料がつくられていないことが多いとの御相談をいただきました。子供を取り囲む状況は刻々と変化しております。その子供と直接触れ合っている現場から、開催が必要ですとの要望が来ているのに、なぜ開催されないのでしょうか。虐待の案件が子供の虐待死にまで至ってしまう大きな原因は、正しい情報共有の遅れと一時保護などの判断の遅れだと思います。網走市の場合、幸い虐待死にまで至った例はまだないかもしれませんが、いつ最悪の状況になってもおかしくないのが虐待事案です。そうなる前にスピーディーな対応ができるよう、市の対応体制の強化が必要だと思いますが、この点はいかがお考えでしょうか。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
市の対応体制の強化及び関係機関との情報共有についてでありますが、議員御指摘のとおり、会議の開催の遅れや資料の作成につきましては、関係者から厳しい御意見をいただいており、重く受け止めているところでございます。要保護児童に関する事案につきましては、関係機関における速やかな状況把握と情報共有が必要となるため、遅滞のない会議開催が必要と考えております。さらに、児童虐待が疑われる場合は、早期対応が必要となりますが、判断の誤りや遅れにより全国的に痛ましい事件につながる事案が相次いでいることも事実であります。現在におきましては、担当者が安易に判断することなく、相談や要望等を受けた場合には面談記録や電話受領による報告を徹底し、複数の職員による情報共有と協議を進め、児童相談所と連携を図りながら遅滞なく業務を行うよう指示しているところでございます。また、会議における資料でありますが、緊急的に会議を招集する場合につきましては、十分な内容の資料を作成することができない場合がありますが、関係機関との正確な情報共有や円滑な会議運営を図るため、今後可能な限り情報収集を行い、資料提供に努めてまいりたいと考えております。今後、要保護児童の対応につきましては、業務の見直しや職員相互の連携による体制を図り取り組んでまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
先ほどお聞きしただけでも、身体的虐待が16件、性的虐待が1件、ネグレクトが4件ということで、これは相談があった件数ということで、相談にまで至らない事案もこの奥に隠れているかと思います。こういったことを現場で触れている保母さんとか保育士さんとか、また学童の方とか、そういったところからの、やはりぜひ開催してもらいたいという声には本当に敏感に対応していただきたいと思います。この具体的な強化策というのは、何か具体的に考えていらっしゃるようなことというのはあるのでしょうか。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
具体的な対応、体制強化といったことでございますけれども、まずは課、係内職員による情報共有、これはしっかり行うといったことが1点と、また担当職員に任せっきりにすることなく複数の職員が関わり意見交換を行うことで、遅滞のない適切な対応につながるものと考えておりますので、この部分はしっかり進めていきたいというふうに考えてございます。
質問 永本浩子
ぜひ担当の方一人で抱え込むようなことがないように、そういった体制づくりをきちんとしていっていただきたいと思います。そしてまた、この情報共有という点で京都府南丹市では、子育て支援課が地域からの相談や通告を受けて、保育所、幼稚園、小中学校など児童が所属する機関や児相、保健所、警察などの関係機関と連携し、児童に関する報告を電話で受けて記録し、児童の出欠状況を紙で持参してもらい資料にまとめていましたが、より迅速な対応をするためにITを活用した情報共有システムを検討し、5年間無料でクラウドサービスが利用できる民間企業の児童虐待防止特別プランを5カ月間の試験導入を経て、本年7月から本格導入いたしました。導入の効果としては、対象児童の欠席の状況や児童の様子、家庭訪問の記録がタイムリーに共有されるようになり、共通理解のもと迅速な対応ができるようになった。また、対象児童の兄弟がいる保育所や教育機関にも、相互の情報にアクセス権を付与し連携がとりやすくなった。これまで紙で集めていた定期情報は、現場からの画面入力で完結できるようになったため、取りまとめにかかる時間がほぼゼロになったなど、試験運用の段階で職員の事務作業が省力化し、状況把握の取り違いや思い違いがなくなり、的確な対応ができるようになったと南丹市はコメントしております。南丹市以外にも、埼玉県の自治体が今導入を検討しているようでございます。網走市におきましても、職員を削減しながら財政の立て直しに取り組んでいる最中でもございますので、職員の方の負担をできるだけ減らしながら効率のよい仕事ができるように、ぜひこういった導入を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
ITを活用した情報共有システムの導入についてでありますが、児童虐待につきましては、発生予防、早期発見、また発生時の迅速、的確な対応が必要となり、対応に当たりましては、関係機関における速やかな状況把握と情報共有を行い、適切な支援につなげることが重要となります。現状では電話、メール、訪問のほか、必要に応じて開催する会議で情報共有を行っておりますが、迅速で適切な支援につなげるためには、業務を効率的に進めることも課題と考えております。ITの活用につきましては、要保護児童の情報を一元的に管理できるため、関係機関におきましては速やかに情報を取得できるといったメリットがある一方、道内においても児童相談所と市町村との情報共有システムが導入されていないこと、またセキュリティーや閲覧制限といった課題も想定されるため、関係機関の意見を踏まえ実用性について研究してまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
まだまだセキュリティーの面等、絶対に漏らしてはいけない情報もたくさんありますので難しい課題もあるかと思いますけれども、実際導入が始まっているということで、そういったところの先進自治体の動向等もぜひ注視しながら、関係機関の皆さんとよく相談を進めていただければと思っております。次に、子供を守る体制も大事ですが、子供自身があらゆる暴力から自分を守る力を養うことが最も大切になってくると思います。6月議会の答弁では、虐待防止の教育ということで様々な取組が紹介されておりましたが、その中になかったものとして、Child AssaultPrevention、頭文字をとってCAPの導入を提案したいと思います。これは子供へのあらゆる暴力を防止するという意味で、子供が自分の心と体を大切に生きていくための人権意識を育てるとともに、いじめや誘拐、虐待や性暴力などの様々な暴力に対して、何ができるかを具体的に伝える教育プログラムです。今から40年も前の1978年、アメリカのオハイオ州で起こった小学生レイプ事件をきっかけにレイプ救援センターで開発されたプログラムで、その後全米、全世界に広がり、日本には1985年に紹介され、日本各地でスペシャリスト養成講座が開かれて全国に広がり、現在160のグループが活動しております。私も先日、CAPオホーツクが主催する大人向け公開ワークショップに初めて参加いたしました。暴力にはどんなものがあるのか。暴力を受けたときの気持ちはどんな気持ちになるのかなど、参加者から引き出す形で進められ、いじめに遭ったときの気持ちや負けない方法などを簡単な劇を見たり、劇に参加したりしながら一緒に考え、楽しく学んでいく中で、誰でもみんな安心して生きていく権利、自信を持って生きていく権利、自由に生きていく権利があることを学びます。プログラムは、子供ワークショップの中には就学前向け、小学生向け、中学生向けがあり、大人ワークショップは教職員向け、保護者向けがあります。大人ワークショップでは、子供が勇気を出していじめや性暴力に遭っていることを打ち明けてくれたとき、最初にどんな言葉をかけたらよいのか。どう受け止めてあげたらよいのかなど、子供を二重に傷つけないためにとても大切な内容も学ぶことができます。子供たちが一度でもこうしたワークショップを受けていれば、その後の人生に必ずプラスになると思いました。未成年の自殺率が全国で最も高い長野県は県をあげてCAPの導入に取組、昨年度は県内の小中高校など45校2,018人がワークショップを受け、2001年からの総計は県内で2万7,669人の子供たちが受けたそうです。また、上田市や安曇野市などは自治体でCAPワークショップの予算を確保しているそうです。道内でも函館や江別、恵庭市など、網走で一部の小学校や幼稚園で行ったことがあるようです。このたび網走市いじめ防止基本方針が策定され、いじめ防止に本格的な取組を開始した今だからこそ、ぜひ網走市全体でCAPの導入をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
学校教育におきましては、各学校で教育活動全体を通して行う道徳教育や人権に関する学習を行う中で、自分自身を守る力を身につけることの必要性についても指導を行っております。また、市内の学校には人権擁護委員などを講師にお招きし人権教室を開催、子供の権利について体験的に学ばせている学校もございます。子供の権利などに関する学習内容は、児童生徒の実態や発達の段階に応じて選択することとなります。自分自身を守る力を身につける学習におきましても、指導資料を活用したりグループ協議も取り入れたりしながら、学習の充実を図るよう指導助言を行ってまいりたいと考えております。また、大人が虐待防止や子供理解の在り方などについて学ぶことも重要なことであると考えておりますので、PTA研修会などの充実に向けて、こういった情報提供に努めてまいりたいと思います。
質問 永本浩子
網走もいろいろな角度で、このいじめ防止に関しては取り組んでくださっていることはよくわかっているつもりでございます。ただ私も今回初めて自分自身が参加してみて、本当にこういった形でやっていただけると、子供たちの中にもそういった権利に対する意識、また、いじめに負けない、いじめないということが身につくのではないかなと思いましたので、ぜひ教育関係の方からまず自分自身がこのワークショップをぜひ一度受けてみていただいて、体験をしていただければと思っております。次に、子供たちが悩みを相談する身近な存在として、スクールカウンセラーが大切になってくると思います。現在、網走では数名のカウンセラーさんが各校を巡回する形で行っていると思いますが、本来なら1校に1人が理想だと思います。スクールカウンセラーの増員に対する市の見解をお伺いいたします。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
現在市内小中学校に配置しているスクールカウンセラーは、道費負担による3名と市費で1名を配置し、各学校を巡回している状況でございます。さらにカウンセリングを受けることのできる時間を増やすため、道費負担分以外の時間を市費で予算措置し対応しているところでございます。スクールカウンセリングの内容の主なものは、不登校、問題行動、悩み相談が多く、児童生徒の対応に関する先生の相談もございます。問題解決のためカウンセラーに関わる案件が多くなってきているところではございますが、カウンセリングを必要とする児童生徒にとって、より多くの機会を得ることができるように、学校との連携、調整を密に図りながら対応してまいりたいと思います。
質問 永本浩子
網走市としても、市費を使って1人増員しているということで、市としても努力していただいていることはよくわかっておりますので、さらに予算をつけていただければ、1名ずつでも増やしていただければと思っております。最後に、いじめや虐待というと、どうしても被害者のほうに目が向きがちですが、いじめや虐待などの暴力を根絶するためには、加害者の更生が大切だと考えます。たとえ一時保護で子供を守ったとしても、加害者が変わらなければ同じ悲劇が繰り返されます。更生に有効なのはカウンセリングだと思います。カウンセリングに関しては、世界から見ると日本自体がかなり遅れている状況ですが、徐々に普及しつつあると思います。網走ではまだまだこれからですが、このたび設置されるいじめ問題専門委員会の構成メンバーには、国の基本方針により、法律、医療、心理または福祉に関する専門的な知識を有する者とあります。心理に関する専門的な知識を有する心理カウンセラーや臨床心理士の育成に市としてもぜひ力を入れていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
加害者の更生のためのカウンセリングと心理カウンセラーの育成についてでありますが、虐待などの再発を防止するためには加害者に対するケアが重要となるため、児童相談所におきましては、心理治療やカウンセリングに関する専門的な判定員や嘱託医が配置されているところでございます。心理カウンセラーや臨床心理士の必要性につきましては、今後の事案の対応状況や関係機関の意見を踏まえ研究してまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
いじめをしてしまう子供も心の中に深い闇を持っているかと思いますし、また、虐待をしてしまう親御さん、大人もやはり成長過程で愛情不足とか様々な問題を抱えながら来た方が多いのではないかと思います。また、児相の中のカウンセラーというと、その児相に対する拒絶感ということでなかなか難しい面もあるかと思いますので、民間のカウンセラーなどが増えてくることが望ましいかと私は思っておりますので、ぜひそういった点で力を入れながら、これから検討、研究していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。私の質問は、以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。