みんなの議会

浦河町議会 令和4年第4回定例会 2022年6月22日

浦河町における新たな栽培漁業への取組について

2022年6月22日、浦河町議会の一般質問で、土井裕司議員が「浦河町における新たな栽培漁業への取組について」質問し、産業課参事 菊地伸二、町長 池田拓が答弁しました。

質問者
土井裕司 議員
答弁者
産業課参事 菊地伸二、町長 池田拓

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 9番 土井裕司

発言通告書に基づき、浦河町における新たな栽培漁業への取組について、町の考え方をお聞きしたいと思います。栽培漁業につきましては、昨年の3月の一般質問において栽培漁業の取組と考え方を題として質問を行い、その必要性や考え方を伺ったところでございます。当時の産業課参事が、昆布やウニをはじめハタハタ、マツカワ、サケなどを主体に取り組み、新たな魚種としてアワビの養殖研究を行い、将来の新たな魚種の一つとして成り立つよう試験を進めている、また、栽培漁業を進める上では、施設の問題や人員の問題があるとも述べられていました。さらに高度な技術導入について、自然環境や施設の状況を考慮し、それぞれの事業を進める中で効果の検証を行ってまいります、また必要に応じ導入を検討してまいりたいとのご答弁をいただいたところでございます。今回改めてこの栽培漁業の点をテーマとして掲げたのは、近年、特に昨年は今までに我々が経験したことがない赤潮という自然現象が前沖を直撃し、ウニ、ナマコ、ツブ、タコの主要魚類を壊滅の状況に追いやったこと、さらには、コロナ禍でここ数年魚価が上がらず、漁業経営に大きく影響を与えるなど、漁業を取り巻く環境は大変厳しく、一部漁業者では廃業を視野に考えている組合員がいるほどであると伺っております。一方、組合組織運営についても、経験したことがないほどの水揚げ減となり、組合の生命線でもある生産手数料が大幅に減少となり、組合運営も大変厳しく、町をはじめ国、道からも支援を求めたところでございます。漁業協同組合の令和4年度の事業計画の基本方針では、赤潮で被害があった漁場回復や資源回復を最重要課題としながらも、新たな取組として、アワビの陸上飼育試験、ヤナギダコのふ化放流事業を取り入れるなど、養殖事業の拡大強化を図っていきたいとの計画書の内容でございました。前浜資源を中心に漁を行い、来遊資源を有効に活用してきたこれまでの漁業形態から、つくり育てる漁業へと変わりつつある考え方ではないかと思っております。以前にも申しましたが、これまでも昆布やウニ、ノリなど様々な養殖事業を試み、努力をしてきたところでございます。一口に養殖事業といっても、施設的な問題や人的、資金的、地形的な問題など様々なことがあり、厳しいのが現状でございます。漁業を取り巻く環境は、先ほども言いましたが、赤潮で漁獲量が減ったことや、高齢化により組合員の減少、さらには後継者不足から生産組合員の減少など、大変厳しいのが現状でありますが、今後の漁業環境を考えた場合、養殖事業に向けての取組については、その必要性は十分にあると考えられると私は思っております。浦河町においても1次産業の振興は大きな問題であり、今後の水産発展のため努力をしていただきたいと願っております。そこでお尋ねしたいのは、一つ目として、ヤナギダコのふ化放流事業でございます。根室管内や稚内管内をはじめ各地で試験を試みているようでございますが、いまだ確かな養殖事業として確立をしていないのが現状でございます。日高管内においてもヤナギダコの漁獲量は年々減少し、昨年の赤潮を機にさらなる減少となり、資源回復を願う地域は浦河だけではなく、管内全域までに及び、資源回復のため早期にふ化放流ができる体制が望まれております。町としても、大変厳しく難しい事業でございますが、漁業者や漁協が望むこの事業にどのように関わり、どのように進めていくか、お考えがあるのか、その点をお聞きしたいと思います。浦河町が中心にふ化放流の試験研究の拠点として取り組んではというふうに私は思っております。また、二つ目として掲げているアワビの陸上養殖の件でございますが、町の4年度の事業計画の質問で、アワビの陸上養殖を企業化する考えはないのかとお尋ねしたところ、現在は企業化の考えはない旨をご答弁されておりました。あくまでも試験放流として前浜に自然放流を目的に行う考えでございました。冬期間の海水温がアワビに適さない水準まで低下することから、前沖での放流は難しいのではと思っているところでございます。アワビが浦河の対象魚種の一つと位置づけて考えておられるのであれば、赤潮など自然環境に左右されない陸上での養殖を実施し、さらにウニについても、陸上と港内を利用した海中養殖を併用する施設を設けるなど、これらアワビやウニ、ナマコなどを総合的に養殖できる施設を港内周辺に設けることが必要だと私は思っておりますので、その点についてもお伺いしたいなというふうに思っております。そこで、次の3点についてお聞きしたいと思います。浦河町における新たな栽培漁業について、ヤナギダコのふ化放流事業について、アワビの陸上養殖についての3点でございます。よろしくお願いをいたします。

答弁 産業課参事 菊地伸二

私のほうから、ただいまご質問のありました浦河町における新たな栽培漁業についての三つの質問について、答弁をさせていただきます。まず1番目の栽培漁業への取組と課題についての1点目、養殖事業の必要性についてです。昨年9月に発生した赤潮により、ウニをはじめタコ類、ツブ類に甚大な被害があったことから、一層必要性が高まっているものと考えております。赤潮被害対策としましては、本定例会において補正予算を計上させていただいておりますが、今年度においても、国の制度を活用した漁場の環境調査などを実施してまいります。この赤潮につきましては今後も発生する可能性があることから、陸上施設で赤潮の影響を受けない閉鎖循環式の方法や、養殖事業への調査研究は必要であると認識をしておりますが、養殖事業は対象魚種全ての漁業生産を補えるものではないと思いますので、これまで推進してきた放流事業と並行して進めていくことが必要とも考えているところであります。続いて2点目の新たな魚種の選定についてですが、ご質問にあったように、近年は新しい魚種としてナマコ、アワビの飼育、放流試験事業を実施してきておりますが、赤潮により甚大な被害を受けているタコ、ツブは、漁業生産高に占める割合が高いこともあり、栽培漁業の新たな対象魚種として取り組んでいく必要があると考えております。3点目の現行施設の更新の考え方についてですが、現行のウニ種苗センターは、エゾバフンウニを種苗生産する施設として整備されており、空いている時期、場所を利用して、ナマコの種苗生産、アワビの飼育試験を実施しているのが現状であります。今後、現在取り組んでいる魚種の規模拡大や新たな魚種の取組となりますと現在の施設では狭く、海水の取水量も不足することから、新たな施設整備の検討が必要となってくるものと思います。新たな施設を整備するためには、対象魚種の選定はもとより、放流事業、養殖事業、どちらを主とした整備とするのか、または両方兼ね備えた施設とするのかなど、事業規模、整備する場所や財源の確保など多くの課題があり、漁業協同組合、漁業者が何を必要としているか、意見、要望をよく聞き、一定の方向性を定めていくことが今後施設の更新や整備には必要であると考えております。4点目の高度な技術導入の考え方についてですが、栽培漁業に関する技術につきましては、日々技術が進歩していることから、研究機関や先進地などの情報収集に努めてまいります。今後、場合によっては大学や企業との連携の検討も必要と考えますし、その時々に合った栽培技術の導入について、漁業者や漁協関係機関と情報を共有してまいります。続きまして、2番目のヤナギダコのふ化放流事業についてです。1点目のふ化放流事業の必要性についてですが、ヤナギダコの種苗生産につきましては、ご質問にもありましたように、道内の複数の研究機関で取り組んでいると聞いております。技術的には、成熟した雌の親ダコを陸上水槽で飼育し、産卵からふ化までは確認をされていると聞いておりますが、その後の飼育、特に餌の開発や飼育環境などについてはさらに技術開発が必要と聞いております。しかしながら、前沖のヤナギダコ資源が減少していることから、当町においても、種苗生産については試験研究が必要であると考えております。2点目の実験状況と今後の方向性についてですが、日高中央漁協協同組合では、昨年頃から成熟した雌のヤナギダコを陸上施設で飼育管理をしており、産卵までは確認をされておりますが、その後のふ化についてはまだ確認ができていない状況と聞いております。今後の方向性としましては、水温や飼育水槽の環境などを変えながら試験を続けていくと聞いております。町といたしましても、引き続き協力をしていく考えでいます。3番目のアワビの陸上養殖事業についてです。アワビの陸上養殖の事業化に向けては、3月の予算審議の際にもお答えをさせていただいておりますが、アワビの試験研究につきましては令和2年度から実施をしてきておりまして、計画としましては、町内にあるウニ種苗センターでの飼育と、放流したアワビの前浜海域での生息状況確認をしております。浦河町栽培漁業研究会が実施主体となり、町の補助金、漁協の負担金、令和3年度からは北海道栽培漁業振興公社からの助成金を受け、事業を実施してきております。事業の実施に当たりましては、アワビの種苗を放流用として購入し、陸上施設で中間育成を行い、全数放流する計画となっております。この計画に沿い北海道栽培漁業振興公社から助成をいただいている関係もあることから、陸上養殖用の種苗でないことをまずはご理解をお願いいたします。しかしながら、アワビの陸上養殖は必要だという意見、要望等があれば、今後検討をしてまいりたいと思いますし、方法といたしましては、放流したアワビを親として種苗生産を行い、陸上養殖へつなげていけるような試験などを視野に入れながら取り組んでいくことも考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

質問 9番 土井裕司

栽培漁業への取組と題してということで、先ほども言いましたが、昨年の3月に栽培漁業の取組と考え方について質問を行い、その必要性を伺ったところでございます。そこで再質問とさせていただきますが、この1年間赤潮で大きな被害が発生し、組合の職員をはじめ産業課の職員についても、対応に大変な思いをされてきたと思います。本当に自然の力といいますか、自然の脅威には勝てないのだなと改めて思い知らされたところでございます。そんな中、①の養殖事業の必要性についてということで、先ほど菊地参事のほうから説明がございました。赤潮で甚大な被害が発生したことで、その必要性が一層高まっているというお話でございました。また、今後についても、赤潮に影響されない開閉式の、循環式といいますか、そういった施設の必要性を認識されているようでございました。一方では、養殖事業では全ての漁業生産を賄えるものではないということもおっしゃっておりました。そのことから、現在行われている放流事業と並行して取り組んでいくことが必要ではないのかという説明でございました。ご答弁のとおりだというふうに思います。今回の赤潮被害に直接、直面した漁業者や組合の立場を考えますと、この赤潮を機に、早急に新たな漁業生産手段といいますか、これが必要と考えるのは組合も漁業者も当然のことではないのかなというふうに思っています。こういった状況下になったことで、今まで以上に、先ほども言いましたが、養殖事業の必要性と実効性の度合いがさらに高いものになったなというふうに思いますが、実益のある養殖事業と考えた場合、その実施に向け組合とどのように今後協議されることが望ましいというふうに考えているのか、また町の対応としてどのようなことができるというようなことが想定されるか、この点についてお聞きしたいと思います。

答弁 産業課参事 菊地伸二

ただいまの質問について答弁させていただきます。実益のある養殖事業ということだと思うのですけれども、養殖事業をやるというか、考えるに当たっては、まず誰が何をどれだけというか、先ほども答弁させてもらいましたが、どの種類をどれだけやるのかということと、それに対してどんな施設が必要になるのか、規模だとか、あとは設置場所、そういうものが協議していく中で必要になりますし、それに対してどれだけの経費がかかってくるかというのも検討していかないと駄目なものと思っています。養殖事業とか施設の整備、そういうものを実際に進めていく中では、今答弁したような内容をまずは協議していくことが必要と考えております。そのために、例えば先進地の視察ですとか、養殖事業を行っている方を招いて講習会を開催するという方法も考えられると思います。町の対応といたしましては、主体となる事業者の計画立案から関わっていくことも可能ですし、その計画を実行していく際の支援についてもどういった形で対応できるかなども協議していくことになると思います。以上です。

質問 9番 土井裕司

ぜひそういった形でやってもらいたいなというふうに思っております。たまたま聞いた話なのですけれども、隣の町では、大きな船を持っている漁業者も、実際に大きな船だけではこれからやっていけないのだというような話もされていました。そのことから、様々な養殖の事例、そういったものを見に行きたい、そして何とか漁業として生き延びるための方法を模索したいのだというようなことも言っておられました。まさしくそのとおりだな、今の沖合の状況を考えてみますと、本当に何から手をつけていったらいいのか、現在はそんな状況でございます。これは全て赤潮だけの問題か、そこらの判断はちょっと難しいところがありますけれども、少なくともそれに起因しているのではないかなという思いがしております。ぜひとも、養殖事業に向けて様々な問題はあろうかと思いますけれども、一層の努力をしてもらいたいし、また組合とそこら辺の協議というのは十分に、今まで以上に綿密に取りかかっていただきたい、そんな思いでおります。また、養殖事業をやる上では、当然新たな魚種というふうに考えます。普通は考えることだと思いますけれども、菊地参事を中心に、アワビが浦河町の一つの対象魚種として飼育育成をしていただきました。先ほど、そんな中、参事の説明があったとおり、新たな魚種を見つけるということは本当にこれは難しい、至難の技だな、特に尾っぽのついたものというのは難しい話になってくると思います。そういった中で、新しいものに着目するよりも、今の状況から見ても、従来から前沖に生息するタコだとか、ツブだとか、ここに住んでいるということは環境に合うということだと思います。こういったことを対象魚種として、これから新たなものよりもこれらをどうやって増やしていくか、これも一つの方法ではないかというふうに思っております。そういったことを考えますので、ひとつその研究を考えていただきたいなというふうに思っております。質問の順番が違いますけれども、4番目の高度な技術の導入についてでございますが、仮に先ほど参事がおっしゃっているとおりに、タコだとか、ツブだとか、こういったものを対象魚種としてこれから考えた場合、どのような技術導入を行うことが漁業者にとって有効な考えだというふうに考えているのか、その点についてお聞きしたいと思います。特にタコだとかツブだとかというのは、少なくとも七、八十メーターから100メーター、110メーター、120メーターと深いところの魚でございますので、この中で陸上でつくって、そしてそこまで行って定着するのかどうか、これも大きな問題になると思います。私自身、どんな技術があってどういうふうにするのかということは分かりませんけれども、何かそこら辺でこういった技術があるというようなことを、知っている範囲で結構ですけれども、お知らせいただきたいと思います。

答弁 町長 池田拓

土井議員ご案内のように、浦河の漁業というのは、前浜の資源が恵まれていたこともあって、種苗の放流ですとか、磯掃除とか含めて増殖事業には長い歴史があって、漁業者の皆さんも十分理解していただいている。ところが、養殖事業というのはほとんど取り組んでいないのです。ですから、今一部ウニとか始まっていますけれども、そういったような、今までの増殖で、あとは海に任せたよというところから、種苗生産から出荷まで全部を陸上でやる、そういったようなことに、まずは大きな意識の転換というか発想の転換も必要です。そして、フルタイム陸上で養殖して出荷することで、それに見合う価格で販売できるのか、そういったようなこともございますし、養殖だけでもっていわゆる生活ができていくのか。私はできていかないと思うのです。例えばウニにしても、アワビにしても、ある意味、昆布だとかほかのことをしながら、片手間と言えば語弊がありますけれども、少しはそちらのほうに向ける。そういった中で、年間で得るお金のうちの何割かを養殖で稼げればいいなという形が多分最初の取っかかりになると思うのですね。例えば九州であるクルマエビの養殖みたいなのは、区画漁業権で前の海を囲ってクルマエビを養殖するだとか、そういったようなことにはまだまだ、北海道は波の荒さもありますし、この前浜はそういうのには向いていないのだろうなというふうに思います。そういう中で、当面は、ウニあるいはアワビなど、そういったような魚種に絞って漁業協同組合や漁業者がこういったようなことに取り組んでみたいというのであれば、そこは町としては、むしろそうやってほしいという部分もありますので、積極的にそこのところは背中を押させてもらいたい、このように考えています。それから、ご質問のあったツブとタコ、これの技術的な確立というのがまだされていないのですね。今ようやく軌道に乗ったタカノハガレイの種苗生産にしても、一時だったら前と後ろにうろこがついたような種苗生産がずっと続いていまして、最近はようやく天然のマツカワに近い形になってきましたけれども、技術の確立というのは長い時間を要するので、今の赤潮とかそういったようなことにカンフル剤的にはならないのだろうな、将来の資源減少を見据えて、中央水試だとか、そういったような試験研究機関とも連携しながらいろいろ努力していく、その努力の技術の蓄積が必要なのだろうな、それには長い時間がかかるのだろうなというふうに認識しています。ですから、当面、タコの増殖については、産卵礁の投入とか、そういったような今まで取り組んできたことを地道に取り組んでいくしか当面の手だてはないのだろうなというふうに考えています。いずれにしても、組合員全体の高齢化と併せて、従来捕れていた水産資源が枯渇してきて、今まで捕れていなかった例えばブリが捕れるとか、そういう魚種の転換とかありますので、今までの地球環境が変わらないで、浦河の前浜で捕れる魚が変わらないのが理想ではありますけれども、現実に水温とかそういったものが変わりつつありますので、そこのところはしたたかにといいますか、しっかりと環境の変化にも耐えられるようなことを、道をはじめそういったようなところと連絡を取りながら、浜ともしっかりと相談してまいりたい、このように考えています。

質問 9番 土井裕司

ありがとうございます。確かに町長が言われるとおり、深いところの魚、これらのものを増やしていくというのは本当に至難の技ではないか。そういった考えからすると、ウニだとか、アワビだとか、本当に浅瀬のところ、養殖事業としてはこれらを増やしていくのも、目に見えた効果が出るのもこれではないかなというふうに私も思っております。ただ、先ほど現状を申しましたとおり、今は本当に厳しい状況になっている中で、こういったものをどうやって増やしていくかということは、漁業者にとっては死活問題だというふうに今考えております。そういった意味で、町長がおっしゃったとおり、タコについては産卵礁の投入などが有効的な方法ではないか。この後またヤナギダコのふ化放流についてご答弁をいただいて、またそのときに質問したいと思いますけれども、今のところはやはり有効的な手段ではないかなというふうに考えております。次の施設の更新の考え方でございますが、新たな施設の整備には、対象魚種の選定だとか放流事業、それから養殖事業を主なものとして整備するのか、また、それを両方兼ねた施設にするのかで、場所や、また財源等に問題がありますので、今後その方向性を定める必要があるというふうに先ほど菊地参事のほうから説明がございました。現在も、東栄地区にあるウニセンターは平成3年に建設され、31年が経過しており、老朽化が一段と進んでいる状況でございます。この間、この施設でつくったウニの種苗は、前浜の漁業に大きな貢献をしてきたというふうに思っているところでございます。近年では、ウニの種苗生産に加えて、ナマコだとか、アワビだとか、こういったものも養殖を行う、そんな実験が重なって、施設的には狭隘というふうに進んでいる状況でございます。今後の養殖事業を拡充したい組合の考え方に沿った場合、対象魚種の多様化や規模を考えた場合、やはり一定数量といいますか、一定のスペースの確保、それと管理がしやすい、そういったことや、またさらに施設の生命線でもある海水の取水量、これが確保できる場所が必要だというふうに思っております。新しい施設を造るということになれば、そんな場所が必要だと思っております。また、養殖事業を行う場合、一定効果を保つためには、冬期間どうしても温度が下がってまいりますので、それを感温できる、いわゆる温度を上げてやる、そういった施設が必要というふうに考えております。その感温できる一つの条件として、バイオマスの利用というのは考えられないのかな、そういった考えが一つございます。そのために、場所としたら浦河港の一角、特に役場庁舎の裏辺り、こういった場所に建設されることが望ましいというふうに私は考えておりますけれども、この点についてどのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。また、冬の問題だけではなくて、夏場の高温を冷やすためにチラーというものを使うのですが、これにも電気を使ったりしますので、太陽光だとか風力発電、こういったクリーンエネルギーを使う方法も必要ではないのかなというふうに考えますので、この点についてどういうふうに考えているのか、お聞きをしたいと思います。

答弁 町長 池田拓

ウニの種苗センターは、私が水産係になった年にできて、あれから30年以上たったのだなという思いもしております。老朽化も進んでいますし、当初計画したときの水槽よりも水槽の数は20基くらい多くなっていると思うのですね。そういったようなことで、なかなか狭隘になってきているのも事実であります。組合のほうでその更新についてもちろん考えていらっしゃると思いますけれども、そのときにはそういったような相談にはしっかり乗っていきたいというふうに思いますし、今言った海水の冷却、あるいは温める、そういったような問題というか課題も認識しておりますけれども、そういった設備をすればするほど当然事業費あるいはランニングコストにはね返ってくる。その跳ね返りが出荷する価格と見合うのかという問題もありますので、その辺も組合のほうからきたらよく協議をして、そういった中には、今ご質問にあったようなSDGsを意識した、そういったようなことも考えなければならないというふうに思っていますので、いずれにしても、来年、再来年ということは別にして、いずれかの時点で漁組が決断しなければならない時期が来ていると思いますので、そのときにはしっかりと相談に乗っていきたい、このように考えております。

質問 9番 土井裕司

ありがとうございました。今の状況であれば、やりたいけれどもできないというのが今の組合の状況なのかなというふうに考えます。どうか町長の今の言葉を基に背中をぐっぐっと3回ぐらい押して、早めにこういったものができることをお願いしたいなというふうに思います。また、今の状況を考えてみますと、やはり同じ将来でも、5年先の将来になるのか、2年先の将来になるのか、そこも含めてしっかりと対応していただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。それから、次のヤナギダコのふ化放流事業でございますが、前沖のヤナギダコについては、先ほど言いましたように減少しているということで認識されて、研究が必要だというふうに考えておりますし、また、2点目の実験状況、今後の方向についても、飼育管理を行っておりますけれども、産卵はするけれどもふ化までは確認できないという状況だというふうに聞いております。これはヤナギダコではないのですけれども、えりものほうのセンターのほうでは、ミズダコが産卵してふ化されております。ただ、先ほども言いましたように、ふ化はするけれども、放流まで行くのかというのは、非常に難しい状況になっております。そういった中での研究を今それぞれの組合でやっていると思いますが、どこに頼んだらそういったことができるのか、これも含めて、私も分かりませんけれども、どこかに委託して、例えば大学だとか、企業だとか、こういったところに委託研究をお願いしたら、もっと早くそういったものが実現できるかどうか、そこら辺の考えがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

答弁 産業課参事 菊地伸二

タコの技術開発についてなのですが、委託だとか共同研究ということなのですけれども、水産試験場だとかそういうところにお願いして、基礎的な技術開発というのは実際に要望もしておりますし、試験場だけではなくて、市町村が行っている研究機関とかでも実際に、先ほど質問にありました根室市だとか、えりも町も含めて、そういった試験研究はしております。ただ、それが共同になるとなると、なかなかすぐにはできないのかなと思っていますので、まずは水産試験場だとかそういう公的な機関にお願いして研究を進めてもらうというのがまず一つの考えなのかなと思いますし、日高管内共同でということになりますと、町だけの判断ではそういうお話はできないので、そういったお話があったということは伝えて、漁業協同組合としてどう考えていくかというところも確認していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

質問 9番 土井裕司

専門でないですから、実際に見たわけではないのですけれども、タコの移動というのは、深いところから浅いところ、浅いところから深いところというふうに移動するらしいのです。ですから、浜なりにタコ移動というのはないというふうに考えています。そういった考え方をすると、前沖で離されたものについては、やはり前沖で資源が増えていくというのは一つの考えだと思う。そういった考え方をすると、やはり浦河のものは浦河で、えりものものはえりもでという考え方になるかと思いますけれども、ただ、これをやるためにはかなりお金がかかってきますので、そういった意味で、共同でできるのが一番理想だなということでお伺いをしたところでございます。ただし、先ほど町長も言っていましたが、今の段階では、やはりそれをやるよりも、素焼き土管を投入して進めるのがいいのかなというふうに思います。これは令和3年ぐらいの実験結果だと思いますけれども、入礁率が21%、産卵率が二十二、三%ぐらい入っていたという実験結果もございますので、今投入されている素焼き土管がゼロではないはず、少なくとも効果がこれから徐々に出てくるものだと私も信じております。そういった点で、今回赤潮対策で500個ほど増やしていただきました。今後さらにこれらを増やしていく町側の考えというのがあるのかどうか、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。

答弁 産業課参事 菊地伸二

タコの産卵礁の投入数を増やす考えというご質問ですが、これにつきましては、今年はちょっと量を増やしたのですけれども、例年漁組から要望を受けて町が予算化している事業でありますことから、そういった増やす要望等があれば、それは前向きに検討はしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

質問 9番 土井裕司

いずれにしましても、資源を増やすということでは、前回のときも言いましたけれども、こういった素焼き土管がいいのか、それともクレイドルのような形のあるものを入れたらいいのか。ただ、クレイドルについても、漁場の関係があるので、一概には賛成しかねない部分はあると思います。いずれにしても、どうやって増やしていくか、真剣に組合と協議して行っていっていただきたいなというふうに思います。最後のアワビの陸上養殖でございますが、先ほど参事の説明では、現在預かっているものについては全て放流するのだという、そういった事業計画の下に公社のほうからいただいたというお話でございますので、それは当然のごとく、放流するのが当たり前だと思っております。その点については理解をしたいと思います。ただ、私が言いたいのは、今後の問題として、アワビ養殖がこの浦河でできるのかどうか、どういう形でやっていくのか、また、組合としてもそこまで計画としてやっていきたいというような話をしていますので、今後どのように進めるのが、施設の問題も当然ありますが、その点でどういうふうに進んでいくのか、どのような考え方があるのか、お聞きしたいと思います。

答弁 産業課参事 菊地伸二

アワビの養殖につきましては、先ほども答弁いたしましたが、そういった意見、要望があれば、まずは試験的に取り組んでいきたいというふうに考えておりますが、最終的に事業化となると、コストに見合う生産体制の構築というのがまず必要になると思いますので、どれぐらいつくって、どのぐらいで販売できるのかというところを見極めながら、事業化に向けては検討が必要だと思っております。ただ、今試験的にアワビの飼育試験というのを行っていますけれども、陸上での飼育については一定程度の成果は見られておりますので、ただ、先ほども答弁したとおり、施設的にちょっと狭いというところがありますので、数を増やしてやることは今できておりませんが、一定程度の成果は見られているということです。

質問 9番 土井裕司

アワビの養殖については、各地で行われている部分でございます。そういった中で、どのぐらいのコストがかかって、単価的に合うのかどうかという問題はご承知のとおりだと思うのですけれども、仮に浦河で種を買ってきて飼育しても、私自身もなかなか、1種類だけでは私は合わないと思うのです。だから、そのためにも、アワビをやり、ウニをやり、ナマコもやる、総合的にできるようなことで、しかももちろん数の問題も出てきます。こういったものを含めて、ランニングコストを合わせるという方法はこれからも研究ができるのではないかというふうに思っております。また、管内的にも、アワビということになるとどこの組合もやっていません。そういった意味で、浦河のアワビということで一つの顔になるかもしれませんし、また、ふるさと納税でたくさん注文が来るかもしれません。そういった意味では、やらないを選択するよりも私はやったほうがいいのではないか、そんな思いでおります。いずれにしても、どうにか漁業者の所得向上のためにも、こういった養殖事業の拡充、拡大、こういったことを今後も進めていっていただきたいなと、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。以上でございます。

出典:浦河町議会 令和4年第4回定例会 2022年6月22日 議事録 PDF(27ページ) 間違いを知らせる