浦河町議会 令和3年第2回定例会 2021年3月17日
栽培漁業への取組について
2021年3月17日、浦河町議会の一般質問で、土井裕司議員が「栽培漁業への取組について」質問し、産業課参事 住吉仁昭、町長 池田拓が答弁しました。
- 質問者
- 土井裕司 議員
- 答弁者
- 産業課参事 住吉仁昭、町長 池田拓
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 9番 土井裕司
おはようございます。本日は、発言通告書に基づき、栽培漁業への取組について、町の考え方について質問をさせていただきます。漁業を取り巻く環境は、ご存じのとおり、近年海水温の変化により、沖合の魚種から浅瀬の魚種に至るまで以前とは異なる様々な影響を受けており、年々水揚げが減少している状況であります。後継者不足から生産性が低く、さらには組合員の高齢化が一段と進行していることも大きな問題でございます。この後継者不足は、浦河町だけではなく、各地で起こっている現象と言われています。また、後継者不足は、漁業だけの問題ではなく、町内の主力産業でもある農業、軽種馬産業や商店でも起こっている大きな問題でもあります。漁業者は長年にわたり浅海操業事業と併せ栽培漁業へ力を注ぎ、昔の漁業者は昆布漁場を整備するため山から石を切り出し、浜もとに部落総出でもっこを担ぎ投石し、増産に努めてまいりました。さらには、ウニの種苗を放流し、漁場の整備を行い、育て、自分たちの将来を見据え、生産増大を図る希望の光としてその成果に大きな期待をするものでありました。過去にはノリ養殖やホタテの養殖、ホッキ稚貝の放流、北海シマエビの放流など、様々な魚種を対象に育成、増産を試みてまいりました。しかし、現実的に作り育てることは大変な苦労と挫折の繰り返し、さらには地形的には浦河町は外海という立地状況から、施設の設置にも多くの費用と労力がかかり、行われてきた多くの試みは断念せざるを得なかった状況でもあります。このような状況下にあったが、平成3年に東栄地区に浦河地区ウニ種苗センターが完成し、年間に200万粒の種苗を生産し、各地に放流を行い、前浜のウニ漁業生産に大きく寄与してまいりました。現在の栽培漁業の状況は、管内さけ・ます増協で行うサケ稚魚放流事業は、年間に管内全体で800万の放流を行い、また、えりもサブセンターが行っているマツカワ生産について平成18年から行い、当地区でも5万6,000尾放流、同じくハタハタについては40万尾放流されております。これらは栽培漁業の成果として管内の定置漁業の経営に大きく寄与し、さらにマツカワについても、近年の刺し網等で漁獲されることが多くなり、その成果が現れるようになってまいりました。また、一部であるが、試験事業として、クロダイ、シシャモ、ナマコ、ニシン等も行われ、当町においては、近年天然のアワビが発見されたことを受け、アワビの陸上での養殖実験も行われるようになってまいりました。新しい魚種のアワビを育成管理、企業化するのは大変に難しい仕事だと思っていますし、それらに向かって努力されていることには、担当されている職員や関係者に感謝をしたいと思っています。現在、東栄のウニ種苗センターで、ウニの種苗生産と併せナマコの稚魚育成やアワビの養殖実験を行っていますが、施設が平成3年に建てられ、既に30年が経過していることから、建物の老朽化と各種実験機器の老朽化が著しい状況となっており、さらには施設の手狭からも、今後ここでの各種栽培実験を行う場所としては課題があるのではと、このように思っております。また、近年ウニの実入り状態が悪く、価格に影響を及ぼしております。これは自然環境の変化から海水温の影響を受けての現象か、さらにはウニ自体が多く放流され、密になることで餌不足を引き起こし、磯焼け現象につながっているのか、調査研究するのも栽培漁業の一つと考えております。これからの変わりゆく漁業者のニーズ対応にも、さらには変わりゆく環境変化に対応するためにも、斬新的な考えを併せ、さらなる高度な栽培技術の導入を行い、効率的にも効果的にも実のあるものにする必要があると思っています。そこで、栽培漁業に対し我々が以前より行ってきた実績を基にした考え方ではなく、様々なノウハウや養殖技術を持つ企業、そして専門知識のある大学との技術提携も考える時期に来ている、このように思っていますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。そこで次の点について質問をさせていただきます。1、栽培漁業の現状と問題点について。2、今後の方向性はどのように考えますか。3、栽培漁業への高度な技術導入の必要性はどのように考えていますか。4、栽培漁業と漁業振興についての考えは。以上でございます。よろしくお願いいたします。
答弁 産業課参事 住吉仁昭(産業課参事は2021年3月まで)
おはようございます。ただいまの栽培漁業への取組と考え方について、答弁申し上げます。まず1点目の栽培漁業の現状と問題点についてですが、浦河町では、これまで栽培漁業の推進として、昆布やウニをはじめハタハタ、マツカワ、サケなどに取り組んできております。併せてタコ資源の維持、増大を図るため、産卵礁投入事業への支援や、近年はナマコの種苗生産への協力、新たな栽培漁業対象魚種として、アワビの飼育、放流の研究について取り組んでいるところでございます。各年度において栽培漁業に関しての事業を展開しているところですが、事業を実施することによって、漁業者が将来に希望を持てる環境を整えていかなければならないと考えております。さらに、浦河に合った新たな魚種を見つけ出すこと、それに伴う施設整備や人員の確保などが問題点であると考えており、漁業経営をどのように安定させていくのかということが最大の課題であると捉えております。次に、2点目の今後の方向性はどのように考えているかについてですが、先ほどの答弁と重複する部分もございますが、これまでもウニやナマコをはじめとした各魚種の種苗生産、放流やタコ資源の維持、増大のための産卵礁投入に対して支援を進めてきており、漁業者や各関係機関との連携により効果の検証を行いながら、令和2年度からは、新たな魚種としてアワビについて試験研究を進めているところです。今後につきましても、漁業者や漁協はもちろん、各関係機関を含めた中で、現在進めている栽培漁業に関する事業について調査、研究を継続しながら、必要に応じて事業の拡大や新たな事業への展開など、漁業経営の安定化に向けて取り組んでまいります。次、3点目の栽培漁業への高度な技術導入の必要性についてですが、栽培漁業の技術につきましては、先進事例等を参考にしながら検討や研究をしていかなければならないと考えますし、町内の自然環境や施設の状況を考慮しながら推進していきたいと考えます。それぞれの事業を進めていく中で効果の検証を行っていくこととなりますが、その際、より高度な技術が必要であるとなった場合、研究機関からの情報収集や他地域での事例視察、場合によっては企業との連携など、町としても、必要に応じて支援の検討を進めてまいりたいと考えております。4点目の栽培漁業と漁業振興についてですが、近年の漁業につきましては、海水温の上昇や海流の変化等により今まで取れていたものが取れなくなったり、暖流系の魚が多くなっているなど、海洋環境が大きく変わってきていると言われております。浦河町の漁業としましては、昆布を主とした浅海漁業策業者が多いことから、前段の答弁と重複する部分もございますが、昆布漁場の維持、造成に対する支援はもとより、タコやマツカワの増産対策に対する支援、ウニやナマコなどの種苗生産、放流事業に対する支援、協力は進めていかなければならないと考えます。将来にわたり地域漁業を持続させるため、若い方が根づき、安定した漁獲、安定した所得が確保されることが重要であることから、現在進めている漁業振興策と併せ、今後も引き続き栽培漁業振興策についても、漁業者、漁協、関係機関と連携して進めてまいりますので、よろしくお願いします。
答弁 町長 池田拓
おはようございます。東栄のウニの種苗センター、私が水産の係長時代に造った施設で、30年たって老朽化もあったのですけれども、議会の賛同をいただいて、取水、それからポンプ等については更新をしたところであります。できた当初から、議員もよくご案内だと思いますけれども、当初から狭隘、そのことは指摘されていて、できてからすぐ水槽については増設しました。今、あそこについてはウニの種苗生産施設という目的でできたのですけれども、やはりご質問にあるように、様々なことにチャレンジするには少し小さいのかなというふうに私自身思っています。特に肝心なのは、どうしても補助の縛りの関係で実現できなかったのですけれども、私自身としては、もう少し取水能力、これについてはアップさせたかったなという思いがあるのですけれども、今の施設に対する補助ということでなかなかそれがかなわなかった。そういう中でもって、新たなナマコだとか、あるいはアワビだとか、組合の主導でチャレンジさせてもらっているのですけれども、さらにそれを例えばウニの陸上での畜養、青森のほうでもやっているところが一部ありますけれども、そういったようなことに試験的に取り組むにもちょっと今の施設は古いのかな、あるいは小さいのかなというふうには考えています。ただ、ここはいずれにしても経済団体が中心になって更新等については議論を深めてもらわなければいけない、あるいは道や国の力も借りなければできないことだというふうに思っていますけれども、これからの漁業を見据えた場合、やはり今のままでは少し設備的には大変なのかな、そういう思いは町としては抱いております。それからもう一つご質問の中にありましたけれども、高等教育機関との連携の関係、これについてはそれぞれ大切なことだというふうに思っておりますので、相手があることですので、どういった相手がいいのかも含めて、ここについては調査をしてまいりたい、このように考えております。漁業の関係も、私自身は、これは農業もみんな同じなのですけれども、気候変動の中でもって、できれば今まで変わらない、例えば昆布一つとっても、日高昆布であれば日高昆布のままのほうが、選葉とかの知見もあるわけですので、経験もあるわけですので、それがベストだというふうには考えていますけれども、現実的には、議員もご案内のように、最近は真昆布も取れるようになってきた。そういったようなことを、ウニの実入りの関係についても、いわゆる北海道のキタムラサキウニがいいのか、あるいは例えばムラサキウニ、亜種のキタムラサキではなくてムラサキウニがいいのか、そういったようなことも、温暖な海水温の部分を含めて調査研究はしなければいけないのだろうな。それを、やはり漁協や役場だけのスタッフではなかなかそういったような部分というのは難しいと思うので、そういった意味合いからも、そういう研究機関との連携というのは大切なことかなというふうに考えておりますけれども、中央漁業、一単協だけの取組だけがいいのか、あるいは日高管内が連携するのがいいのか、北海道全体がこの温暖化の海水温の上昇に合わせた対応について研究していくのがいいのか、それぞれの分野でもってやらなければいけないことだというふうに思いますけれども、いずれにしても、やはり漁業者の子供、あるいは漁業に関心のある若者が新規に取り組めるような夢というものを、なかなか夢には実が伴ってこないかもしれませんけれども、夢は提供していかなければならないのだろうなというふうに思っていますので、いずれにしても経済団体のほうの意見もよく聞きながら、そこについての支援については惜しまない、そういう考えでおります。いつも申しますけれども、私、農協や漁協を含めて経済団体からの要望を、今年は金がないから1年繰り延べるとか、そういったようなことはありますけれども、断ったことはない。このことだけは、町民のやる気には水を差さない、そういう思いで行政を進めてきておりますので、これからもそういった方向でしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
質問 9番 土井裕司
町長ありがとうございました。町長の思いが伝わったなというふうに思っております。また、ウニセンターができた当時、町長が水産のほうにいた。その当時から水産のことについては本当にいろいろやっていただいたなというふうに思っております。町長がいた当時、以前も様々なことをやってこられたと思います。しかし、この栽培漁業というのはなかなか難しい領域でございます。町としても、また組合としても様々な取組をしてきたところなのですけれども、なかなかできないというのが現実でございます。そういった中で、天然のアワビがこの近くで見つかったと、それを機会に新たな魚種として選択して栽培をやるというようなお話を聞きました。今までの自分たちの考えでいけば、アワビというのは肌に合わないのかな、そんな思いでいました。それは海水温の関係で、多分五、六度なかったらきっとこのアワビというのは成長しないはずなのです。捕食活動ができないからへい死するというようなことで、そう考えておりました。現在、海水温は多分1.5、6度から2度ぐらいの温度まで下がっている。非常に冷たい、こんな状況の中で、実際にどのように管理できているのか、その一端を教えていただければありがたいなと思っております。
答弁 産業課参事 住吉仁昭(産業課参事は2021年3月まで)
ただいまの再質問の関係でアワビの関係なのですけれども、令和2年度で種苗のほうを3,000個購入しております。そのうち2,000個につきましては、浦河地区と荻伏地区にそれぞれ1,000個ずつ放流を行っております。残り1,000個につきましては東栄のウニ種苗センターのほうで水槽による飼育を行っておりまして、水温を管理している水槽と管理していない水槽、それぞれ水温としては、管理しているほうは13度ぐらいを保つようにして、管理していないほうは、先ほど言われた1度前後となっております。経過としては、今のところ大量へい死とかは見られなく、おおむね順調には成育している状況にあります。
質問 9番 土井裕司
この事業については始まったばかりで、大変難しい取組だというふうに思っております。ぜひ成功していただいて、前浜にたくさん放流し、浦河の町民がいつでもアワビを食べられるような、そんな時代が来てくれることを本当に期待をしたいなというふうに思っております。栽培漁業の取組につきましては、先ほど申しましたとおり、昆布、ウニをはじめとして以前から様々なものに挑戦してまいりました。そんな中においても、外海という厳しい条件の中で、なかなかこの浦河に適しているものというのを見つけるのが非常に難しいのではないかな、そんな思いでいますけれども、自分とすれば、やはりこの地区に一番適しているのはウニ、昆布が第一ではないのかなという思いでございます。ウニ、昆布については、以前にも言いましたが、前浜に長年にわたって投石、いろいろな構造物を造って生産を行ってまいりました。そういったウニや昆布の増養殖場として利用して効果をたくさん上げてきたわけでございますが、これらの施設というのは、本当に自分たちにとっても町にとっても貴重な財産だと思っています。しかし、近年、これらの漁場を以前のように利用し活用する漁業者が、高齢化や後継者不足といったことから組合員が減少して、磯掃除だとか老貝駆除といった、いわゆる漁場管理がなかなかできていない。それが最大の問題ではないのかなというふうに私自身思っております。この点について行政としてどのように考えているか、お聞きをしたいと思います。
答弁 産業課参事 住吉仁昭(産業課参事は2021年3月まで)
ただいまの漁場管理の関係なのですけれども、議員ご承知のとおり、近年につきましては、岩盤清掃による漁場管理の維持に関して補助を実施しているところです。これまで行ってきた漁場対策の現状調査、検証等の部分なのですけれども、いずれにしても、漁業者、漁協、関係機関と行っていかなければならないというのが、こちらとしても考えているところです。それと併せて、実際に使っている漁業者の方の部会等でも情報共有には努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
質問 9番 土井裕司
その点については、私は本当に大事な部分だなというふうに思っておりますので、漁協としても、そしてまた組合員としても、そういった状況もありますので、なかなかできない部分もあります。そういったところをお考えいただいて、町のほうのリーダーシップを発揮していただきたいなというふうに思っております。2番目の方向性についてでございますが、ナマコの種苗生産やタコの増大のために産卵礁を投入する。これについては、やはり漁業に与える影響というのは非常に大きい。これからも本当に大きいと思いますので、従来どおりご支援をしていただければなというふうに思っております。そしてまた、ナマコについては、今後本格的に例えば種苗生産を行うだとか、その種苗も、どの程度どうやっていくのかという生産体制にもよりますけれども、先ほど町長のほうからも言っておられましたけれども、手狭の状況もありますので、もともとはウニの専門の施設というふうに、そういったことで造った施設でございますので、これをナマコを併用してやるというのはなかなか難しいのではないかなというふうに思います。そこで、場所的にはどこがいいのかなという部分もありますけれども、できれば管理、そういったことも含めると、港の近くか何かが一番いいのかなと考えてもいますけれども、それは組合のほうの考えにもよりますけれども、自分とすれば、水の問題、一番あの施設の問題は、町長も言っておられるとおり水が一番問題。命になりますので、この命の水をどう確保するかということを考えれば、私は港の近くがいいのかなという思いでいますけれども、施設の将来に向かって、いま一度聞きますけれども、どのような考えでいるか、その一端をお聞かせいただければと思います。
答弁 町長 池田拓
基本は組合が考えることでありますけれども、私自身の考えとしては、そういった増養殖施設を建てる場合、議員がおっしゃったように、水の影響が少ないところ、そういうふうに考えると、向別だとか、元浦川だとか、西幌別だとか、大きな河川があるところはやはり避けたほうがいいだろう、そういうふうに考えています。ですから、東栄にウニを建てたときも、東栄には大きな川がないと、影響を受けにくい、そういうことで東栄に建てた経過がありますし、今、東栄にあえて人を配置して維持管理しておりますので、私自身も港の中にあったほうがいろいろ便利だよなということは考えますけれども、それから先のコスト等も考えますと、今の東栄の施設の周辺の土地を拡張してやっていったほうが、いろいろな意味で運営的にも楽ではないのかなというふうに私自身は考えていますけれども、基本は、前段申し上げましたように、組合がどのように考えていくかだというふうには考えております。
質問 9番 土井裕司
ありがとうございます。現在の漁業を見ても、それからこれからの漁業を見た場合でも、基幹の漁業、いわゆるウニ、昆布、これをいま一度見直して、ここの部分をどうにか安定させる、そういったことが本当に必要ではないのかなと、私はいつもそう思っております。そのためにも、ウニ礁だとか昆布礁といった施設が既に造られている。こういった多くの施設をどのように管理して、漁場としての効力をいかに発揮させるというのがこれからの最大の問題ではないのかなというふうに思っております。そのためにも、先ほど住吉参事もおっしゃっておりましたけれども、町だとか、それから水産指導所の力を借りて、実際にその現場がどうなっているのか、どういう状況に今なっているのかということを、ダイバーを使ったり、それから今大変すばらしい水中ドローンだとか、こういう機械を使って実際に見てもらって、その再生をどうやっていくのか、こういったことも今後進めていかなければならないのかなと、そういったこともちょっと考えておりますけれども、町としてどのように考えているか、お聞きしたいなと思っております。
答弁 町長 池田拓
どんな事業をやっても光と影があるのですね。私が水産に来る前ですけれども、ご記憶のことだとは思いますけれども、井寒台地区で沿整事業、大々的に磯を造って、様似からかんらん岩を運んで道が事業主体になってやった事業があって、結果として、ご案内のように、いわゆる井寒台で一番いい昆布が取れていた湾の中が砂がたまるようになったとか、様々な悪影響、いい影響もあったし悪影響もあった。自然の中に人工工作物を造るということは必ず負の面もあるのだなということを、私はあの事業を見て思ったところであります。当然、様々なことに取り組んできたので、それは組合と一緒になって検証しないと、その次の事業に対する試みもなかなか取り組みにくいので、そこのところはしっかりと検証するように努力はいたしますけれども、前に進んでどういう投資をして、どういうふうな漁業の道をつくっていくかということは、なかなか明確な解はないのですけれども、そこのところは解が出るような努力を、これからも車の両輪のようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っています。私が町長になってから、井寒台の築磯事業の一部に、道の許可をいただいて、水の流れをよくしたり、そういったような試みはしたのですけれども、浜の要請を受けて水の流れをよくしたけれども、その結果どうなったかというところまではなかなか追い切れていない、そういう部分もありますので、これからもそういったような事業をやって検証してという部分については、しっかりと、漁業に限らずですけれども、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
質問 9番 土井裕司
私も町長と同じように、海に構造物を、その当時はすばらしいものだなというふうに考えておりましたけれども、だんだん後になってくると、自然のところにそういったものを入れるということは、やはり避けたほうがいいのかな、これからもそういった考えでいきたいなと思ってはおります。先ほど言いましたように、大規模が東側にあって、西側のほうには小規模があって、要は水の流れが悪くなり、そして水がよどんでしまうだとか、いろいろな問題が出ておりますので、こういったことはやはり検証しないといけないな、それと同時に、先ほど言ったように、そういった機械を使いながら、実際に漁業者に見てもらうというのも一つなのかなと。そして、磯掃除の話をしましたけれども、自分たちがマツモ取ったり、フノリを取ったり、それからギンナンソウを取ったりということでやっていた作業が、だんだん人がいなくなった。これも大きな原因にもなっているのですよね。そういったことを含めて様々な検討をしていきたいなというふうに思っております。それと、3番目の高度な技術導入の必要性。以前からウニの実入りをよくするために、浅深移植だとかいうことで、餌場のいい状況のところにウニを移動させて、環境を変えて実入りをよくしたり、そしてまたかごを使って、そこに昆布を入れて実入りをよくした。そういったことで随分とやってきました。しかし、近年では、昆布に替わってキャベツを食べさせるということもあるようですけれども、実際にはこの地域では現実的な話ではありません。2月18日の北海道新聞なのですが、八雲町にある落部漁協、これが北大水産学部と協力をして、ここと同じ状況なのですね、実入りの悪いウニを改善するために、珪藻類を主原料にした肥料、これに小麦粉を混ぜて餌として与えた。それで改善を図ったという記事が載っておりました。これは約3か月間餌を与えたということで、バフンウニが4%から18%ぐらいまで改善した。キタムラサキウニが4%、5%ぐらいのものが13%くらいまで改善し、その改善されたウニを商品化している。こういった記事が載っておりました。バフンウニの4%といいますと、本当に殻にちょっと実がついている状況で、それが18%。18%になると、実がぷくぷくしている状況だと思います。どこまで回復するというのは、本当にすばらしい効果があったのだなというふうに思っております。また根室市では、市と東海大学が産学官連携でヤナギダコの増養殖実験が行われているという報告もありました。また、えりも町では、エゾボラ、いわゆるマツブの種苗生産に北大と提携するという記事も載っておりました。このように現在取り組んでいる、従来からのやり方ではなく、経験知を基にして行う、こういったことも必要ではあると思いますが、今後の浦河町でも、栽培漁業の在り方として、新しい発想や専門知識を持つ大学や企業と取り組んで、効果的に実効性のあるそういった仕組みを考える時期だと私は思っております。この点についてどのように考えますか。先ほどもちょっと言っておりましたけれども、もう一度お聞きをしたいと思います。
答弁 町長 池田拓
すみませんね、水産屋なものですから私ばかり出てきて。ウニの、人工的なペレットを作って、それを与えて実入りがよくなる、このことは様々な地域で行われていて、確かに効果はあるのです。ですけれども、いわゆる天然にある餌と違ってコストの関係、実入りはよくなったけれども、要はまかたするのかという話、そこのところが一番のネックだというふうに思っています。今、浦河の海藻に恵まれたこの状況の中でもって取り組みやすいのは、今ある未利用の海藻を使ってやっていくのがいいのではないかなというふうに思いますけれども、どちらにしてもそういったようなことについては比較試験しないとなかなか結論が出にくい話だというふうに思いますので、そういった試みが可能かどうかも含めて取り組んでまいりたいなと思いますし、僅かではありますけれども、浜のほうの皆さんには視察、研修等をする予算もつけております。今年はなかなかコロナの関係で実行できておりませんけれども、私も例えばウニの畜養では先進地である浜中の町長さんに見させてくれということで頼み込んで、そういった了解をいただいたりしておりますので、いずれにしてもまずはコスト、ここをかけない中でもって、今ある浦河町の資源の中でどういう活用ができて付加価値がつけていけるか、そのためには、例えば場所の提供であれば港湾管理者として、そこのところは開発と協議して、利用しやすいようにも努力をいたしますし、いずれにしても浜の皆さんのやる気をそぐような方法ではいけませんので、そこのところは、先ほども言いましたけれども、両輪で取り組むようにしてまいりたいというふうに考えております。
質問 9番 土井裕司
先ほど4%のウニの利用の仕方の話をしましたけれども、4%のウニということになりますと、これはもう駆除以外にはないのですよ。現実的に商品として使えない状況。だから、これを18%まで回復するということはどの程度のコストがかかるか、私も調べてはいませんけれども、効果率といいますか、そういったものはすばらしいものがある。これには多少のコストがかかっても、選択の方法ではないのかなという思いをしております。そしてまた、各方面で、大学だとか企業、そういったものを取り入れるということは、やはり実のあるものをつくっていきたいという思いだと思います。それにはどのくらいのお金がかかるか、これは分かりませんけれども、そこら辺も一回調べてもらって、可能であればそういった方向に進んでいくのも一つなのかなという気がいたします。それと4番目の栽培漁業と漁業振興、最後の部分でございますが、地域漁業を持続させるため、若い人が漁業に根づき安定した漁獲や所得を確保する漁業振興に努めると、参事のほうから言っておられました。それには、若い人が漁業の後継者となるためには、参事が言われるとおり、一定の所得があることが条件みたいなものなのですよね。それと併せて、昆布漁業においては昔からの作業形態というのがございまして、今なおそれが続けられているのが現実でございます。この作業の中で特に若い人ができない、難しいと言われているのが、等級別に仕分をする選別作業がありますが、これが一番難しい。そして、このことが、なかなかこの漁業に入ってこられない原因の一つと言われております。私は、漁業者が長年の経験を基に目で見て色を見て等級を判断する、たくみの技と言っておりますけれども、この作業の改善を考えるとき、人の目に代わる人工知能、いわゆるAIを駆使した自動選別機を利用できないかと考えております。現にこの選別機については様々な方々とお話をさせていただいております。AIを使うことにより、今まで長時間かかっていた選別作業が短縮できることや、さらには作業の軽減化を図ること、今まで多くの時間を費やしていたこの部分を機械の導入により別な生産活動に向けられる。これは漁業者にとって漁家収入の増にもつながり、新たないってみれば6次化事業にも使えるなど効果が大きいのではないのか、そのように考えております。しかし、現実的には様々な問題がございます。この多くの問題がありますけれども、実現に向かって私自身も努力していきたいと思っております。このような先端技術を導入することによって、これからの漁業振興に大きく寄与されると私自身は確信しておりますが、この点についてどのように考えているか、お聞きをしたいと思います。
答弁 町長 池田拓
私自身は、昆布に関していえば様々な課題があるというふうに考えています。例えば昆布の種類、走り、後取り、拾い、1等から6等まであって、さらに浜でもって、特上浜、上浜のA、B、C、中浜、並浜とあるわけですね。それはあくまでも漁業協同組合、あるいは相手方のにっこんさんを含めてそういう業界の中のルールであって、逆に、末端の消費者からすれば昆布は昆布なのですね。人によっては、真昆布や日高昆布や利尻昆布の違いもなかなか理解できない。昆布は昆布。そこに私はすごいギャップがあるような気がします。それともう一つは、たくさんあるのですけれども、例えば高齢化が進んでいる。断昆布が20キロでは重過ぎる。かつて30キロだった断昆布が20キロになってもう60年近くたつのではないでしょうか。それからさらに高齢化が進んだのであれば、真昆布とか利尻昆布のように1駄15キロにしてもいいのではないでしょうか。そういったような高齢化時代を見据えた取組も、これは相手方との協議は分かりますけれども、早急に取り組んだほうがいいのではないかなというふうに思っています。それからもう一つは、今1等から6等まで分かれていますけれども、かつては、1等が1万円したら、大ざっぱに言えば2等は8,000円、3等は6,000円、極めて格差が大きかった。それが今は下のほうの加工技術が上がって、上のほうの値段は変わらなくても下の値段はぐっと圧縮しているわけですね。その中でもって1等から5等、それに雑昆布まで分ける必要があるのか、これだけ価格差が小さくなった段階で。そういったような時代の流れに即応する、対応していくことも大事ではないかなというふうに思っていますし、その一方で、今ご質問のあったAIを含めた関係、まさにそうだと思います。若い人が一番大変なのは昆布の選葉。そこのところをAIとかそういったものを導入して、そこのところは、私は浜の皆さんがその気になったら応援は惜しまない、そういうふうに考えています。ただ、数年前になりますけれども、浜の皆さんと一緒に長昆布の先進地のほうに行って、それは重量だけでしたけれども、重量でもってばっと分けていく機械だとか、あるいは断昆布になってから、組合が受けてから異物が混入されていないようにレントゲンで一断一断検査していました。そういう施設を見て、組合のほうには、いわゆる消費者の信頼を勝ち取るためには、多少コストがかかってもそういう努力をするのであれば町は応援するよ、そういったようなこともご提案、昆布の選葉の機械を含めてさせてもらったけれども、なかなかコンセンサスが得られなかったようでありますので、いずれにしてもご質問の趣旨、浜のほうがそうであれば、私としてはきちんと検討して、しっかりとサポートしていきたいと、このように考えております。
質問 9番 土井裕司
ありがとうございました。これで私も、AI導入に向かって、ただいまの町長の温かいご支援があるということでございますので、努力していきたいなというふうに思っております。昆布1駄に昆布が500本ぐらい入っているのです。それで1駄20キロにしているのですが、それを例えば、現実的にできるかどうか分からないのですけれども、1枚を1秒すっと通すだけで昆布の選葉が、1等か、3等か、4等か、これらが判別できる。しかも、今一番問題になっている夾雑物がその間で取れる。夢みたいな話なのですけれども、そうすると、今まで1駄つくるのに、ここに先輩がいますけれども、何時間もかかるのです、あれ一つつくるのに。それが例えば20分かそこらの時間帯でそれができるということは、本当に、先ほど言いましたけれども、空いた時間を別な時間帯に振り向けられるという、すばらしいことだというふうに私は思っておりますので、これらを地区の人方や組合員の人方とよく話をして、現実化できるように努力をしていきたいなというふうに思っておりますので、そのときにはまたひとつよろしくお願いいたします。以上です。ありがとうございました。