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浦幌町議会 平成26年第4回定例会 2014年12月7日

(1)民族に関する歴史教育/(2)アイヌ語の地名表記

2014年12月7日、浦幌町議会の一般質問で、差間正樹議員が「民族に関する歴史教育」「アイヌ語の地名表記」について質問し、教育委員長 松田、教育次長 山本、教育長 久門、町長 水澤、保健福祉課長 熊谷が答弁しました。

質問者
差間正樹 議員
答弁者
教育委員長 松田、教育次長 山本、教育長 久門、町長 水澤、保健福祉課長 熊谷

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。

質問 差間正樹

それでは、通告に従い、質問いたします。まず、民族に関する歴史教育ということで、2007年9月13日、国連総会で先住民族の権利に関する国連宣言が採択され、2008年8月、我が国の衆参両院でアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議が全会一致で採択されました。これを受けて、当時の町村信孝官房長官が談話を発表し、政府として先住民との認識を示しております。それにもかかわらず、今年の8月、札幌の市議会議員によるアイヌ民族なんてもういない発言、11月の帯広市選出の道議会議員によるアイヌが先住民族かどうか非常に疑念があるとの発言が行われております。歴史に対する認識の欠如とも思うが、こうした問題発言が続く背景には歴史を直視しようとする意識の低さがあるのではないだろうか。歴史を見詰めなければ、未来をつくることはできないし、文化や民族の多様性を認めなければ、社会を語れないと思います。やはり学校でしっかりとした歴史教育に臨んでもらうしか方法がないと思いますが、この点について町の見解をお伺いいたします。

答弁 教育委員長 松田

差間議員の1項めの質問にお答えします。民族に関する歴史教育についてでありますが、学習指導要領では、児童生徒の人間としての調和のとれた育成を目指し、心身の発達の段階や特性を十分考慮して適切な教育課程を編成し、これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとされています。北海道教育委員会は、児童生徒が北海道について理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育むとともに、国際社会において生きる力を育てるため、ふるさと教育の充実を目指す上で、アイヌの歴史、文化等に関する学習について正しい理解と認識をしっかりと深めていくことが必要としています。本町では、学習指導要領の趣旨や北海道教育委員会の取り組みを踏まえ、浦幌の魅力発見を通して児童生徒に自信と誇りを持たせ、地域に貢献しようとする態度を育てるため、ふるさと教育を推進しており、副読本や社会科郷土読本「うらほろ」を活用した調べ学習等を取り入れ、アイヌの歴史や文化について正しく理解できるよう指導しているところであります。今後につきましても、学習内容の充実に努めてまいります。以上、差間議員の1項目めの答弁といたします。

質問 差間正樹

今のお答えの中にありました副読本のことについて質問いたします。公益財団法人、この副読本をつくった当時はまだ財団法人でしたが、アイヌ文化振興研究推進機構が作成して発行しております副読本のことだと思います。この内容については、私どももまさにそのとおりだと、我々の民族に対してのこの内容はまさにそのとおりで、こういったことが私たちはずっと言いたかったのだという内容をまとめております。ただ、くどいのですけれども、先ほどから私の質問の中にあった札幌の市議会議員のおっしゃっていることも、十勝出身の道議会議員の方のおっしゃっていることも、その内容を全くご存じないのではないかということで大変憂慮しております。私は、そこで子どもたちに対する教育が一番大事だと思っているのですけれども、その副読本の学校の中での使われ方について質問いたします。どのように使われているのか。

答弁 教育次長 山本(教育次長は2015年3月まで)

ただいまのご質問にお答えいたします。副読本の関係ですけれども、副読本につきましては平成13年から各学校に配付されておりまして、現在は小学校4年生と、それから中学校2年生全員に配付されております。小学生用と、それから中学生用ということでそれぞれ配られますけれども、教師に関しましても教師用の指導書ということで同じように配付されておりまして、その指導書をもちましてそれぞれの小学生用、中学生用の副読本を活用しながら、社会科や、それから総合的な学習の時間においてアイヌの人たちの歴史や文化についての学習を行っているところでございます。以上でございます。

質問 差間正樹

浦幌町で行われている教育については、ただいまご説明をいただきました。国連では、さきの先住民族に関する権利宣言が出てから、その以前からもそうなのですけれども、人種差別撤廃委員会という機関がございまして、その機関から繰り返し日本政府に対して勧告がなされております。内容はいろいろあるのですけれども、今年の9月、国連の人種差別撤廃委員会の後に9月に先住民族世界会議というのが行われまして、私が申しているのは9月の国連の世界会議の前に人種差別撤廃委員会による日本政府の審査がございました。その審査の中で言われたことはいろいろあるのですけれども、その中の教育に関して、日本の政府ももちろんこれ了解しているのですけれども、内容はアイヌ民族に関しては口承、口伝えといいますか、そういった私たちに伝わっている文化、またはアイヌ語、こういったものを学ぶ時間数、学ぶ機会の不足、アイヌ語の公立学校での教育などのあり方についても指摘されております。この点につきましては、日本政府ももっともっと日本の国内においてアイヌに対するアイヌ語の教育、アイヌに関する教育をしていくというふうに返答してあります。ただ、こういった国連を中心にして日本政府と国連の間でやりとりされているということは、これは国際基準にかなったことばかりだと私たちは理解しております。この点につきまして、国内においてその点に関しての進捗状況は大変少なくなってございます。人種差別撤廃委員会の審査は10年前に行われまして、また今回も今年の8月行われました。その内容、日本政府の回答は10年前と同じ回答をいたしております。ですから、この点に関しては日本政府も重要だと認めていると思います。今ここで国と国連との間のことを私くどくど申しますのは、世界的に見ると日本をつくり出していく社会、この文化に関して私たちの存在もやっぱり大きな影響を与えていくと思います。その点に関して浦幌町が日本政府が国連の場所で返答していることをそのまんま即浦幌町で実践するというわけには、これは理論的にいっても全く荒唐無稽な内容になってしまうのですけれども、こういった社会を構築するために国連を中心にして動き出しているという中で、私たちに直接触れている浦幌町が自治体としてこの点について、教育に関してです。もう一度返答いただければということで、ひとつよろしくお願いいたします。

答弁 教育長 久門(教育長は2020年3月まで)

ただいま差間議員のほうから国連の人種差別撤廃委員会、このお話がありました。非常に広範囲にわたる、そして崇高な考え方でありまして、なかなかこれが現場にまで落ちていないというのも実体かと思いますし、ご指摘のようにそのことが各学校現場で適切に行われているかといいますと、時間が不足しているというようなこともあろうかと思います。ただ、今浦幌の教育現場で言えますことは、まず指導に当たる教師がアイヌの歴史と文化を適切に正しく把握しているということが最も大事だというふうに考えておりまして、私たちの町も初任者の先生が多いわけですが、北海道教育委員会の段階で初任者研修というもの、それから10年たちますと10年経験者研修というのがございます。これも先ほど議員がおっしゃったように振興機構が発行している副読本をもとに、いかにこれを子どもたちにかみ砕いてわかりやすく正しく指導していくかということで研修を積んでおりますし、平成21年からはそのための教育プログラムが各学校におりてきております。おっしゃった人種差別撤廃委員会とは直接連動はいたしませんが、地道な活動をしております。また、もう一つ、浦幌的に言いますと、新聞にも載っておりましたけれども、9月の段階である小学校において、これはアイヌ文化アドバイザー事業によりまして実際にアイヌの方を学校現場にお呼びして、そのときはポネオハウですか、その調理の仕方も実際に子どもたちとやっております。また、教師自体が白老の研修センターのほうに出向いて、アイヌの歴史と文化を学んでくるということ。そして、学習発表会、先日ありましたけれども、その学校ではバッタキウボポを子どもたちみんなの前で発表すると。博物館の前でも子どもたちは演技をしてくれました。そういうことで、地道な活動をしていくことが今私たち教育現場に課せられている課題と受けとめて、一層この考え方を徹底して実践に邁進してまいりたいと、そのように考えております。

質問 差間正樹

それでは、次の項目に移らせていただきます。アイヌ語の地名表記、アイヌ語の地名表記について質問をさせていただきましたが、町の回答としては、看板標識の更新の際には標識設置の目的等を勘案し、アイヌ語による地名の由来等の表記を調査研究していくとのでした。その後この点に関してどのように進んでいるのかお伺いいたします。

答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)

差間議員の2項目めのご質問にお答えします。アイヌ語の地名表記についてでありますが、北海道の市町村名のうち約8割がアイヌ語に由来しております。現在ではそのほとんどが漢字で書きあらわされているため、アイヌ語と気づかない場合もありますが、北海道に暮らす人たちのほとんどは自分の住む町や山などの名前がアイヌ語に由来していることを知っていると思います。アイヌ語地名は、その地形の特徴や土地の産物などを語源としており、地名をつけた当時の人たちの生活が反映されております。その意味において、アイヌ語地名は歴史的にも重要であると認識しております。私は、平成24年第2回町議会定例会の一般質問において、北海道で作成されたアイヌ語地名リストの中に浦幌町内の地名が9カ所掲載されており、今後看板標識の更新の際には標識設置の目的等を勘案し、アイヌ語による地名の由来等を調査研究し、文化的なものについて新たな地名表記をする場合には併記をしてまいりたい旨の答弁をさせていただいておりましたが、現在のところ更新に至るものはありませんでした。今後文化的な看板標識を更新する際には、そのことを踏まえ、アイヌ語による地名由来等の併記をしてまいります。以上、差間議員の2項目めの答弁といたします。

質問 差間正樹

アイヌ語による地名の由来等を調査研究するというお答えでしたが、この点に関して何かスタッフというのですか、調査研究する、そういう人たちを集めるとか、またどこかの報告書を調べて、浦幌町の地名としてこのアイヌ語は使えるぞということでその中から判断していくということか、多分後者のほうだと思うのですけれども、もう一度、済みません、お答えお願いいたします。

答弁 保健福祉課長 熊谷(保健福祉課長は2018年3月まで)

ただいま差間議員からの質問でございますが、アイヌ語の調査研究というような内容でございますが、調査研究というような形に関しましては、アイヌ語の地名の解釈というものは非常に難しいというようなこととされています。一つの地名におきましても複数の解釈があるというようなことが言われています。浦幌にしましても、オーラポロということで、川尻に大きな葉が生育するというようなことが言われておりますが、浦幌にも幾つかの由来があるというような形で解釈されていることがあるようです。調査研究というような形のものにつきまして、研究員、昔から研究されていますけれども、そういう方が研究されていても難しいというようなものがございますので、調査研究という中身につきましては研究者の文献等を参考にいたしての調査というような形のもので捉えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

質問 差間正樹

アイヌ語表記としてこういった名前が伝わっておりますよということで、北海道でも地名表記ということでまとめていると思うのです。ただ、アイヌ語の地名に関しては、生活に由来する名前、ですからどういうところで猟、動物をとるために入っていった、その土地の名前とか、どういった植物が生えているところですよとか、そういった名前が非常に多うございまして、このことから容易に想像できるのですけれども、全道各地どこでも同じような名前が使われております。アイヌ語が特に変わっている地域というのは北海道内にはそうなくて、そうすると浦幌町内においても全道各地で使われているような名前を中心にアイヌ語地名が残っております。教育委員会に在籍しておりました学芸員の方がまとめているのですけれども、浦幌町郷土博物館報告ということで、アイヌ語が非常にたくさん残っております。ですから、私そのアイヌ語をカウントしても、これは90カ所を優に超えるアイヌ語地名が残ってございます。その中で北海道においてまとめられた名前が9つということで、ただ私が考えるには、もっともっと多くの名前がいろいろな学者の学説、そういったことで違う解釈もあるという、そういったことはあるかもしれませんけれども、浦幌町は大変たくさんの名前を既に残していると判断しております。ですから、調査研究ということで今後とも浦幌町の地名に関して、これは公と言ったらいいのですか、町民にこういったことで看板にしていくということで今後やっていかれると思うのですけれども、教育委員会に在籍していた学芸員の方が残したやつも当然その中に皆さん含んで研究しているとは思うのですけれども、名前がたくさん残っていて、アイヌの文化にとって大変豊かな土地であったということを町民の方に、または地域、十勝管内にでも、全国にでも浦幌町から発信していただければということで、この点についてお伺いいたします。

答弁 保健福祉課長 熊谷(保健福祉課長は2018年3月まで)

ただいま浦幌町の学芸員が残したものが数多くあるというような形で差間議員のほうからお聞きしました。北海道がアイヌ語表記のリストをつくりまして、浦幌町には9つのアイヌ語地名の表記がある。北海道がアイヌ語地名リストを作成した9つの中には、愛牛、厚内、ウツナイ、浦幌、川流布、貴老路、静内、下頃辺、常室というような形で9つのリストがあります。これは、北海道がさまざまな文献等を参考にしながら、そしてある程度アイヌ語の解釈が正当といいますか、北海道がこの解釈でよろしいのでないかというような形でまとめたリストが9つというような内容になっています。私どもが今考えているのは、学芸員が残したリストもあるでありましょうが、今現在道が北海道のアイヌ語地名リストというようなものを作成したこの9つのリスト、このリストを主体として地名というような形のものを、それと前回の町長答弁にもあったように文化的なものに対してというような形のもので地名表記を行ってまいりたいと考えております。

質問 差間正樹

わかりました。先ほどから私申しております学芸員の残した地名、これはもちろんこの方一人が研究したものではなくて、過去からいろいろな研究者が残したものをまとめたり、それを浦幌町に当てはめたりして書いていると思います。地名をただただ意味と一緒に並べてみるだけでも、これだけの数になると、これは何ページにもわたってございます。一つの読み物としても大変、私いつもこれを読みながら、こんな立派な本を残した人がいたのだということでいつも読んでおります。それで、町長の言葉にもありました。今後文化的な看板標識を更新する際には、そのことを踏まえてアイヌ語による地名の由来等の併記をしてまいります、と答弁をいただきました。こういったことで、ぜひ今後我々アイヌのためにひとつよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

出典:浦幌町議会 平成26年第4回定例会 2014年12月7日 議事録 PDF(23ページ) 間違いを知らせる