白老町議会 令和2年定例会9月会議 2020年9月10日
漁業者のサメによる漁具等の被害
2020年9月10日、白老町議会の一般質問で、佐藤雄大議員が「漁業者のサメによる漁具等の被害」について質問し、町長 戸田安彦、農林水産課長 三上裕志、副町長 竹田敏雄が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤雄大 議員
- 答弁者
- 町長 戸田安彦、農林水産課長 三上裕志、副町長 竹田敏雄
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 佐藤雄大
3番、会派みらい、佐藤雄大です。通告に従いまして、質問させていただきます。まず、1項目め、漁業者のサメによる漁業等の被害について、4点伺います。(1)、サメによる被害額の推移について伺います。(2)、推移を踏まえた現状と課題について伺います。(3)、サメの捕獲や資源活用の検討内容と取組、成果について伺います。(4)、サメの有効活用に向けた今後の具体的な施策について伺います。
答弁 町長 戸田安彦(町長は2022年12月まで)
漁業者のサメによる漁具等の被害についてのご質問であります。1項目めのサメによる被害額の推移についてであります。いぶり中央漁業における海域では、白老地区、虎杖浜地区合計で、平成29年度は2,595万円、30年度が2,208万円、令和元年度が1,680万円の被害額となっております。2項目めの推移を踏まえた現状と課題についてであります。サメ捕獲事業開始から3年が経過し、漁業被害額は年々減少している状況にはありますが、元年度では1,680万円もの被害額が発生しており、サメによる被害の範囲についても拡大している状況を踏まえると、今後、白老沖だけではなく、広域での取組みが課題と考えております。3項目めのサメの捕獲や資源活用の検討内容と取組、成果についてであります。本事業により捕獲したサメについては、事業開始当初は全量廃棄処分をしていたところですが、平成30年度に実施した、気仙沼への先進地視察の結果を踏まえ、現在では町内の加工業者において解体後、身とヒレを気仙沼の加工業者へ売却し、有効活用されているところであります。4項目めのサメの有効活用に向けた今後の具体的な施策についてであります。本事業で捕獲解体した身とヒレは、全量気仙沼へ出荷しておりますが、輸送コストが大きな負担となっている現状であります。このことから、現在、いぶり中央漁協及び北海道ぎょれんの協力を得ながら、コスト削減に向け、北海道内の販売先を検討しているところであります。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。それでは再質問させていただきます。先日、NHKのほうで本町のサメ被害について放送されておりましたが、その中でも毛ガニ等の籠の被害があるということを知りました。本町の特産物の毛ガニですし、打撃もあるのかなと思いますが、毛ガニですとかその他の魚などの網ですとか籠の被害内容についてまず伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
サメ被害の詳細についてであります。登別市を含めたいぶり中央漁協全体の数字となりますが、令和元年度の実績でいきますとスケトウ、ハタハタ、カスベなどの刺し網漁業、こちらの被害額が2,229万5,000円で全体の86.4%、エビ、カニなどの籠漁、こちらの被害額が311万2,000円で全体の12.1%、残りの1.5%はイカ釣りの被害額ということになっております。被害の時期につきましては、7月から12月の比較的暖かい時期ということで、我々実施させていただいています捕獲事業につきましては、おおむね7月から9月の範囲でやらせていただいている状況であります。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。被害内容については理解いたしました。続きまして、サメ被害額は一応減少傾向ということでありますが、範囲は拡大しているとの答弁ありました。近郊地域を含めてどの程度拡大しているのか伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
サメ被害の範囲についてでございますが、胆振総合振興局のほうにお聞きしましたところ、この胆振太平洋海域の部分でしか把握はできていないところなのですが、操業当初、29年度の当初については、東は苫小牧市、西は室蘭市と、この狭い範囲の被害が発生していたというところだったのですが、令和元年度については噴火湾のほう、豊浦町とか向こうのほうも被害額がちょっと大きくなってきているということでお聞きしております。それと、ちょっと被害額は不明なのですが、北海道のほうにお聞きしますとやはり渡島から日高までの太平洋側に全般においてサメの被害は起きているということで確認はできております。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。では、その広域での取組の進捗状況と、また問題点について伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
今ありましたように問題点としては今後広域化、海はつながっていますので、白老町だけの取組でなく広域での取組が必要ということで、現在進めているこの事業につきましてはいぶり中央漁協という漁協単独での事業ですが、先ほど言ったように被害の範囲が広がっているという状況から、現在胆振総合振興局を中心にそういった広域での取組ができないかということで検討を始めるところであります。また、広域での取組を進める上での課題ということでありますけれども、まずは今白老町だけでいきますと2隻の船を出していただいてやっている状況なのですが、これが範囲広がると白老町だけの船では足りなくなってくる部分がありますので、そういったはえ縄の漁業ができる大型の漁船が各地域にあるかどうかという部分、それとそれぞれ自分の漁業、漁があると思いますので、その間この事業に協力してやっていただけるかどうかといったところが問題点かなと思っております。また、1隻当たりの活動範囲が広がることによって、当然漁師の負担が増えてくるといった部分と、当然増えてくることで事業全体の経費の面の負担が大きくなってくるのかなというところが課題と捉えております。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。続きまして、気仙沼の先進地視察の結果の答弁がありましたけれども、学んだことについて詳細に伺いたいと思いますが、身やひれ等、またそれ以外の部位についてどのように活用されていたかということを伺いたいのと、もう一つ、本町でできない理由といいますか、気仙沼の視察で学んだことで本町で困難な理由というのを伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
平成30年の6月、気仙沼のほうへ先進地の視察に行かせていただいております。その中で、まず取れるサメの種類につきましてはヨシキリザメがメインで、モウカザメ、アオザメといった3種類のサメが捕れているのは白老町も同じ状況なのですが、やはり行ったときに感じているのは身の活用方法が違うこと、白老町は今捕って、ひれと身に分けて向こうに送っているだけなのですが、気仙沼ではヨシキリザメは主に練り物に、モウカザメやアオザメ、あとは鮮度のいいヨシキリザメ、こちらについては食材として一般で食されているといった状況がございました。また、気仙沼ではひれや身だけではなくて、軟骨はサプリメント、骨はペットのガム、皮はなめして財布ですとかそういった革製品にということで、余すことなく活用されている状況がございました。それは何でかというと、やっぱりサメ漁の歴史の違いといいますか、もう古くからサメ漁をやられていること、それと規模の違いです。向こうはマグロと同じく遠洋で、長期間にわたってサメを捕りに行くといったところの全体的な量が違うことが挙げられるのかなと思います。それと、白老町で同じことができない理由ということでは、やっぱり漁獲量が圧倒的に違うことということで、気仙沼ではサメだけで1万トン以上の水揚げがあるといったところで、サメだけで一つの産業になっている部分があると。そういったことで、サメを余すことなく活用する産業が出来上がっている部分があると。それに近づけるためには、なるべくこの取組を広げていって、漁獲量を増やしていくといった取組がまずは必要なのではないかなと考えております。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。今資源活用の例としまして軟骨がサプリメントですとか、皮をなめして革製品、レザーでベルトですとかキーケースのようなものをつくっていくのかなと思いますけれども、また皮はワサビをおろす機械、おろし器といいますか、としても活用されている例があるようです。また、肝臓は、肝油を抽出して美容品として活用されているようで、身以外でも気仙沼では、聞いたかもしれませんが、捨てるところがないぐらいまで、サメは捨てるところがないというぐらいまで言われているそうです。気仙沼以外でも千葉県ですとか広島県、新潟県、栃木県なんかでも食べられているそうです。先ほどはんぺんとかすり身という話ありましたけれども、フライですとか空揚げ、ナゲットのようなもので食べられていることもあるそうです。栃木県なんかでは、身がスーパーでそのまま売られているそうで、ソールフードとして扱われているとのことです。また、サメの身は、DHAとかEPAという不飽和脂肪酸という成分が豊富でありまして、魚を食べると頭がよくなるなんていうことを聞いたことがあるかもしれませんが、脳機能の維持ですとか向上効果、血流の増加、またアスリートの方の筋力トレーニングですとか減量の際に特に効果的だということで言われております。そのほかにも骨密度の改善効果があるというデータも出ておりまして、これは骨粗鬆症という病気の予防に効果的であるということが言われています。まだ本町には食べる文化はないのですけれども、地産地消を目指しながら、学校給食ですとか高齢者食品、アスリート用の食品としての活用が有効だと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
サメの身の活用というところであります。議員おっしゃるとおり、サメの身に関しましては高たんぱく、低カロリー、低糖質というようないい部分がかなりあるということでお聞きしております。それで、白老町で多く捕れる、97%、98%ぐらいはヨシキリザメが捕れるのですが、実は今年7月に紋別市のほうのそういう練り物の会社、こちらに一部分送って、試しに練り物にして使えないかということで送っている実績がございます。その結果については、やはりちょっと水分が多くて、ドリップがいっぱい出てしまうものですから、なかなか現状では使いづらいといったところで、今年についてはそれを使って製品というものはできなかったのですが、先方の社長が意外と乗り気というか、ぜひ気仙沼にも近く行って、量が確保できるのであれば機械も入れて、そういった加工、身の引受け先になりたいというようなことをおっしゃっていましたので、そういった活用については今後また考えていきたいなと思っておりますし、気仙沼では先ほどおっしゃったように鮮度のいいサメをピーチシャークというような名前で当然店頭で売ったりしている部分もございますので、そういった文化が白老町、北海道ではできないかどうかというところで、まずはそういうすり身というか、加工できる会社ができて、それをさらに学校給食等で活用できないかという部分については、今後関係機関と協力しながら検討してまいりたいと思います。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。捕獲してきたサメ、気仙沼に送られているとのことですが、実際に漁師の方々と加工業者の方々に聞いたところ、身そのものの価格はほとんど値段がつかないくらい低価格で送っているという話を聞きました。輸送費のコストが大きな負担という答弁もありましたけれども、かなり圧倒的に輸送費の方が高いという話聞いております。こういった輸送費のコスト削減ですとか販路拡大に向けて、先ほどの紋別市もそうかもしれませんが、ほかに北海道内の販売先として検討しているところというのは、紋別市だけですか。その進捗状況について伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
道内ですり身というか、そういったものをしているのがオホーツク海側、あとは小樽ですとか、そういったところ各地にあるとは思うのですが、なかなか我々行政もそうですし、漁協についてはまずは取るところというところのテリトリーなので、販売に関しては北海道ぎょれんのほうの協力を得ながら今後協議していきたいということで、今もぎょれんが中心に販売先の検討といった部分は動いていただいている状況であります。
再質問 3番 佐藤雄大
進捗状況については理解いたしました。私も実際にそのサメの捕獲事業を何度か見学させていただいているというか、一緒についていって見たのですけれども、やはり取るだけではなくて、取ってから、捕獲後の活路といいますか、を見いだすことが必要で、それを何とか町にも支援してほしいという声が漁師の方々ですとか加工業者の方々から聞かれました。道内の企業の食材として活用するということはもちろん大切なことだと思うのですけれども、その食べるということに関して町内の企業ですとか飲食店と連携を図って、付加価値をつけて本町の新たな名物をつくるといったような取組、これは総合計画にもサメの資源有効活用化の推進という言葉もありますので、そういったことが必要だと考えますが、サメ加工の今後についてどのように考えているか伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
サメ確保の今後についてということでございます。まずは、漁師の面から見ると、本来であればサメによる被害がこれ以上増えないこと、最終的にはサメの被害がなくなることというのが一番望ましいことだとは思っております。ただ、ここ数年のサメの来遊状況や海水温の上昇の状況などを見ますと、なかなかこの状況は変わらないのかなというふうな押さえをしております。現在事業によって捕獲されたサメにつきましては、地元加工業者の協力によりまして、解体されて気仙沼のほうに送られているということでありますが、今後こういった漁獲量が増える、この事業に取り組む範囲が広まって漁獲量が増えることによって、白老町でいうスケトウやサケの定置網などまではいかないとは思いますけれども、漁業の一つとして確立されてくることも考えられるのかなと思っておりますし、またそういったことによって一般のそういった飲食店での活用方法ですとか、そういったものも広がってくるのではないかなと考えております。
再質問 3番 佐藤雄大
サメの身は、今正直あまり価値のないものとして扱われているかなと思いますけれども、その価値のないものをこれから付加価値をつけて価値のあるものに変えることができたなら、その実績は未来に生きることになるのかなと思います。仮に今後サメがいなくなって、サメ以外の生物の被害に悩まされたときにも同じように価値をつくることができるのではないかなと考えます。そして、これと同様の例で以前本町でも実践されていたとお聞きしました。私より職員の方々のほうが覚えているというか、知っている方が多いとは思うのですけれども、サラガイです。ジョロガイなんて言われていますけれども、こちらかなり安価で、たくさん取れていた海産物の一つで、たくさん取れていたからシーフードカレーとして白老町の名物にしようという動きがあった、そういう実績があったのかなとお聞きしています。残念ながら後にサラガイの価格が高騰してしまって、その継続が難しくなってしまったと伺いましたが、まさにこれは職員の方々が知恵を振り絞って実践した誇るべき前例ではないかなと私は思います。ですので、サメが困難なことが多く、時間がかかるかもしれませんが、過去に職員の方々が実践してきたように有効に活用することはできると考えます。そして、これは持続可能な漁業を目指して水産業経営の安定化という総合計画の重点目標の達成、そして漁師の方々が食べていくための稼ぐ漁業にもつながるかと思いますが、その点について伺いたいと思います。
答弁 農林水産課長 三上裕志(農林水産課長は2021年3月まで)
稼ぐ漁業ということでございますが、白老町だけではないですけれども、全国的には気象の関係、地球温暖化の関係で魚がだんだん取れなくなってきているという状況は、漁業者を取り巻く環境は年々厳しくなっている状況と押さえております。白老町におきましては、そういった漁獲量が不安定な中、育てる漁業ということでマツカワ、ウニ、ナマコなどのそういった育てる漁業を中心に力を注いできたところでありますが、今後も当然いぶり中央漁協と協力しながら、白老町の漁業が未来永劫続くような形で、どのような取組がいいのかということについてはなかなかこれがいいというようなものが出てきませんけれども、先日ちょっと松田組合長のほうとお話しする機会がありまして、その中では比較的量の取れるタコですとか、安価なケツブですとか、そういったものを何か活用できないですかねというようなお話をした記憶がございますが、そういった新しい取組についても漁業協同組合と一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。漁師の方々もやはり命がけで行っていると、何度も危険な目に遭っているとも話されております。本事業もまだ何度かあるとのことですので、まず現場に足を運んでいただきたいなと思います。先ほども言いましたが、私も何度か見学させていただきましたが、サメ捕獲事業の実態を目の当たりにすると、漁師の方々、漁業関係者の皆様が大変な思いをして働いているということが改めて分かるのかなと思います。最後に、本町の誇るべき1次産業、水産業、そして漁師の方々を守るということはとても重要であり、守るべきだと強く訴えますが、サメ捕獲事業を含めた本町の漁業者への支援についての考えを理事者に伺いたいと思います。
答弁 副町長 竹田敏雄(副町長は2023年9月まで)
サメの捕獲の被害状況について議論をちょっとさせていただきました。サメの捕獲の方法だとか、それから捕獲後の有効活用、こういったものについてはいろいろ課題があると思います。そのことについては、漁業者だとか漁業協同組合の協力を得ながら、引き続き捕獲事業は進めていきたいと考えています。それから、水産関係が抱える課題というのは、やはり高齢化だとか後継者の不足だとか、それから操業のための経費だとか、こういったものの課題もあると捉えています。それで、1次産業についての漁業については、まちのほうとしても地域経済の中心になっていると考えておりますので、漁業協同組合や、それから関係する団体と協力しながら、漁業者の方の力も借りながら、漁業者、それから水産加工業も経営が安定するように、そういったような政策を今後も続けていきたいと考えております。
再質問 3番 佐藤雄大
3番、佐藤です。