新得町議会 令和8年第1回定例会 2026年3月12日
地域担当職員制度の導入の検討を
2026年3月12日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「地域担当職員制度の導入の検討を」について質問し、町長 湯浅真希が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 町長 湯浅真希
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 青柳茂行
本日、最後の質問となりますけれども、地域担当職員制度の導入の検討について、質問させていただきます。1.地域担当職員制度の導入の検討を地域担当職員制度とは、住民との対話・交流を通じて地域課題の解決に住民の意向を反映させ、職員の意識を住民本位に転換させることを目的に職員を各地域の担当者して配属し、住民と共に地域課題の解決に取り組む制度であります。この取り組みは、自治総研(全国地方自治総合研究所)の地域担当職員制度の研究によりますと、2024年5月現在で全国565の市区町村、47都道府県全てで取り組まれているとされています。この制度は第32次地方制度調査会答申(2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申)で取り上げられており、地域の課題解決に取り組む担い手やコミュニティ組織の人材、リーダーを確保・育成し、住民の多様な層が地域活動に参画することで地方自治への関心の高まりにつながるとされています。行政実務や政策に通じた地方公務員が地域活動に参画することが効果的であるため、機会を創出していくために地域担当制を導入し、公務として継続的に特定の地域に関わる職員を確保・育成すること、また、退職者が知識・経験を生かして、公務以外でコミュニティ組織の事務局など地域活動に従事することが考えられています。昨今の自治体経営をめぐっては、社会全体の超高齢化や人口減少が進み、厳しい財源状況にあり、自治体職員数も限られています。一方で、住民から求められるニーズは複雑かつ多岐にわたるなど難しい局面を迎えています。こうした状況下において、第32次地方制度調査会の答申では、地域コミュニティを現場として活動する、自治体職員の1つの形として地域担当職員制度を取り上げています。担当職員は、各行政区の総会や役員会など地域で行われる活動に参加し、地域住民と密接な関係を築きながら支援を行います。具体的には、日常生活を送る上での諸問題や地域課題の解決に向けた協議・検討、町政に関する地域への情報提供や地域と行政の情報交換、自治活動が進むようにサポート・コーディネートがあげられています。十勝管内では、芽室町、豊頃町が導入していますが、新得町においても、ぜひ、導入を図っていただきたいと考えますので、湯浅町長のご判断をお伺いいたします。
答弁 町長 湯浅真希
青柳議員のご質問にお答えいたします。職員が町民のご意見を聞くこと、地域活動に参画すること、町民の皆さまと共に課題解決に取り組むこと、その重要性は十分に認識しているところです。本町では現在、私自らが各地域へ伺う「まきと未来トーク」を精力的に実施しており、各町内会の集まりなどにも積極的に参加しております。現場で直接お聞きする多様なご意見は、町政運営における極めて重要な指針となっており、町民の皆さまの意向を十分に把握できるよう努めているところでございます。職員の地域参画という点においては、現在、本町職員のほとんどが自らの居住する町内会に参加し、その多くが役員等の役割を担っております。また、職員は公務外の時間においても、一住民として地域の行事、河川や道路清掃、草刈りなどに積極的に携わり、地域コミュニティの維持に深く貢献しているのが実情でございます。議員ご提案の「地域担当職員制度」を正式に導入するにあたっては、慎重に整理すべき課題も少なくありません。昨今の自治体経営においては、将来的な人口減少を見据えた、持続可能な組織体制の構築という観点から、限られた職員数の中で、複雑かつ多岐にわたる行政ニーズへの対応が求められております。新たな制度として担当を割り振ることは、既存業務の遂行に影響を及ぼす懸念があります。既にプライベートで地域役員を担っている職員に対し、さらに「公務」として地域担当を課すことは二重の負担となり、持続可能な仕組みとなるには困難であると考えております。本町といたしましては、「まきと未来トーク」による直接対話を主軸としつつ、職員が無理なく地域に根差し続けられる環境を維持することが肝要であると考えております。議員ご提案の制度については、先行自治体の事例を調査研究しつつも、「職員のマンパワーの限界」や「公務と私的活動の調和」を十分に考慮し、本町にとって真に実効性のある形はどうあるべきか、慎重に検討をしたいと考えております。以上です。[湯浅真希町長 降壇]
質問 青柳茂行
湯浅町長の答弁を伺いました。昨年の10月に芽室町議会が、実は芽室町もこの制度を取り入れているんですけれども、芽室町としてなかなかうまくいっていないということもあって、全国で初めて創設した習志野市に視察に行っております。その視察報告書というのをまず紹介したいと思うんですけれども、1968年(昭和43年)、全国で初めて千葉県の習志野市が地域担当制を発足いたしました。それまで専門の部署は縦割り組織であったが、この地域担当制は横割り組織として職員が行っている地域についてあらゆる状況を把握し、理解して問題点を整理し、縦割り組織に反映することによって、地域に密着したきめ細かい行政を進めてきたと。同時にそのことは、職員個々の研修ともなり、各自の専門分野以外の事情についても理解を深めることになっていると。令和7年度の現状は、市職員1,466人のうち598人、40.8パーセントを地域担当として配置。平成4年には、地域発の会議体を全市で統一し、まちづくり会議として制度化、以来、地域担当制と会議体を連動させて、住民主体行政伴走の枠組みを継続していると。成果としては、住民の要望というのが、年度計画、いわゆるPDCAで処理されている。可視化されて、行政の信頼性が向上していると。地域力の発揮というのがされてきたと。職員の育成効果、それから地域横断の課題把握力、先回り対応力が醸成、住民本位の視点が定着しているなどなどがあげられております。町長の答弁を伺ったわけですけれども、率直に言いまして、前向きな姿勢というのが感じられないなというような気がしております。まず、答弁にありました職員が公務外の時間においても、一住民として地域の行事、河川や道路清掃、草刈りなどに積極的に関わり、地域コミュニティの維持に深く貢献している。これは私自身も日頃、あらゆるところで役場の職員の皆さんがいろんな場面に参加しているということで、お祭りや何から全てにおいてそうなんですけれども、地域住民の人たちから見れば、非常にありがたいし、うれしいことだなという点で、最大限、私は評価したいなと考えております。次の答弁の中身なんですけれども、既存業務の遂行に影響を及ぼす懸念がある。既にプライベートで地域役員になっている職員に対して、さらに公務として地域担当を課すことは二重の負担となると、持続可能な仕組みになるのは困難だというふうに答弁しております。これははっきり申し上げて、地域活動に参加しているのは別に役場の職員だけじゃありません。民間の会社の人たちもほとんど地域活動に参加していますよね。全てにおいてそうです。ですから、役場の職員の人たちだけが特別ではないのではないかということと、私が申し上げたいのは、本来自治体の職員でありますから、自治体職員の本旨というのがたぶんあるはずなんです。役場職員の皆さんは、地域住民が安心して快適に暮らせるように地域に密着して住民の生活を支える役割を担っていると。そういう点では、民間の会社とは違いますということなんですよね。ですから、そういう自治体職員の在り方というのが、自治体職員の本旨としてあるはずなんです。ですから、これはどこの職場もそうですけれども、新人で職員になったときに必ず研修を受けている中身じゃないかなと思うんですけれども、そういうものに対して二重の負担となるという考え方そのものがどうなのかなという点を、まず1つは指摘しておきたいと思います。この地域担当制は一体何をもたらすのかという点で、最近というか、ちょっと以前になるんですけれども、「市政」という雑誌があるんですけれども、ここに首都大学の大杉覚教授と、実際に地域担当職員制度を進めている、北海道で言えば稚内の市長、工藤広さん、それからもうお一方は、実際に全国で初めて進めた習志野市長、宮本泰介さんとおっしゃいます。3人目が兵庫県の三田市、ここの元市長である竹内英昭さんという方の寄稿文が寄せられているんですけれども、この中身を紹介したいと思います。大杉覚さんという大学の教授は、地域担当制について職員の考え方といいますか、自治体職員の考え方を述べているんですけれども、これは地域担当制だけに限らず、自治体職員とはどうあるべきなのかということも含めて話しているんじゃないかというのが、私自身の率直な感想であります。それで、まず大学教授の文面を紹介するんですけれども、地方分権が進展する中、自治体とは「住民に身近な政府」であって、自治体職員には、住民生活が営まれ、課題が発生する最前線である地域社会=現場に赴き、積極的にコミットすることが求められるということなんです。ですから、地域は最前線の現場だと言っているんです。職場じゃないんですよね。だから、その辺を理解してくれということと、裏を返せば、分権時代の自治体職員というのは、国や県に顔を向けて指示を待ち、前例を踏襲することに心血を注ぐような姿勢では到底つとまらないということである。現場実践の行動原理を重んじればということで、これまで培われてきた仕事のノウハウも、時に現場実践と齟齬(そご)が生じる場合には、大胆に見直さなければならない、そういう勇気も自治体職員は持たなければなりませんということを話しております。それで、地域担当制に向けて言えば、「わける」ということと「つなぐ」ということと2つあるんですよと、この地域担当制というのは。「わける」というのは、職場と現場、現場とは地域のことを言うんですけれども、意識の中できちんと分けなさいと。その際、職場というのは、現場にコミットしていく職員たちの出発地点であると。地域との関わりを極力避けようとして引きこもりを決め込むための場ではない、職場というのはそういうところですということをこの教授は言っております。それと、時間がありませんから、はしょりたいと思うんですけれども、この「つなぐ」ということなんですよね。「つなぐ」とは一体、何と何をつなぐのかというと、職場と現場、これを横断的につなぐことだということです。地域の立場に立って関係部署・機関への連絡・調整や協働を行うこととされている。簡単に言えば、「わける」と「つなぐ」というのを両輪にして、地域担当制というのを進めなさいということを話しているわけです。稚内の市長は何を言っているかということではなくて、紹介したいのは、稚内に、何年か前にまちづくり委員会というのを設置しました。先ほどの習志野市は千何百人のうち約4割が担当職員になっているんだけれども、稚内の場合は主に幹部の職員5名です。この5名の方々が、日常的にこのまちづくり委員会というものと連携しながら、この地域担当制度を進めているということが1つは紹介されております。あと、習志野市長、宮本泰介さん、今現在も市長ですけれども、地域との信頼関係の構築という点で、まず自分のまちの実態すら知らずに市民サービスはできない。また、縦割り行政の中で、部や課といった自らの所属する組織の中に職員が閉じこもり、目の前の仕事さえやっていればよいという発想では、十分に市民の意見を聴き、要望に対応することができないということを言っております。そういうことで、実際進めているわけですけれども、地域担当職員を各地域に配置したということで、地域担当職員は、市の施策や計画等の情報を伝え、地域からの意見・要望を受け止める「広報広聴の担い手」、また、職員自身はその地域の一員となる「まちづくりの担い手」として実際に地域に入り込んでいるということが紹介されているわけであります。この点から言って、実践的に進めている各市長の今、考え方を紹介したわけでありますけれども、この各市長の考え方、それと、「まきと未来トーク」、これは湯浅町長が町長になって率先的に進めているということであって、それは各地域で実践的に話を聞くことがありまして、これはこれで立派だし素晴らしいなと思うんですよね。だから続けていただきたいと思うんですけれども。私が言いたいのは、町長だけに任せていいのかということなんです。ですから、地域の実情、それと情報です。こういうのをやはり自治体というか、行政を挙げて取り組まなければ、地域との密着というのはなかなかうまくいかないんじゃないかと思うんです。正直申し上げて、町長自身は非常に忙しいわけです。合間を縫ってそれをやるわけですよね。ですから、そこをやはり行政を挙げて取り組むことが私は必要ではないかと思いますし、先ほど言った職員の本旨という立場から言っても、ぜひこれは進めていっていただきたいなということで、再度、お伺いしたいなと思います。
答弁 町長 湯浅真希
青柳議員がおっしゃっていることも、ごもっともかなというふうに思います。ただ、青柳議員から見て、新得町の職員が引きこもりがちで現場に足を向けていないと。そういったところで町民の声を聞く回数が少ないんじゃないかと。だから、この地域担当職員制度というものをやったらどうだというところだと思うんです。では、この地域担当職員制度というものを導入したときに、職員に何を求めるのかというところもご提案いただければ、もう少し踏み込んで答弁ができるのかなというふうに思います。先行自治体というものももちろんあるんですけれども、それぞれ導入の背景が違うなというふうに見ております。導入した後、廃止をしている自治体もそれなりにありました。やはり強制的に職員を出すというところに、メリットもあってデメリットももちろんあるんだろうなというふうに思います。本町では導入が難しいというのは、やはり今、少ない人数の中でかなりの業務量を担当しています。そこの整理というものを来年度していくように指示はしておりますので、もう少しお時間いただいて、職員が現場に出向く時間というものを、余裕というものをもう少し作った上で、そういった制度が適切であれば導入していきたいと思いますし、違う方法があるのであれば、違う方法でもいいのかなというふうに思っております。私自身が行って、地域に出向いて行っている「まきと未来トーク」でありますけれども、私1人が行っているのではなくて、担当の職員もそれぞれもちろん参加をしております。その中で、職員もいろんなことをじかに聞いて学ぶことというのはあるのかなというふうに思っておりますし、そこでいただいたご意見というものは、職員の中で共有するようにしております。解決できるものはすぐに解決する、解決できないものにいたっては、どうしたらできるだろうかというところで検討するという取り組みをしておりますので、私だけではなく、職員ももちろんいろんなところで地域の皆さんの声を聞くというところを担っていただいているというのが現状であります。以上です。
質問 青柳茂行
私自身が役場職員の皆さんに対してどうこう思っているわけではありません。むしろ逆です。先ほど言ったように、皆さん一生懸命地域に出て頑張っている、そういう評価はさせていただいております。誤解があったら困るんですけれども。それで、先ほど町長言ったように、確かにやめているところもあります。だけれども、現実に先ほど言ったように五百なんぼの自治体がやっている。昨年の7月に豊頃町が始めました。これは本当に最近の話です。これはどういう趣旨で作られたのかということなんですよね。豊頃町には34の行政区があるんだけれども、人口減少や高齢化に伴って、町内会の維持や地域課題の解決が非常に難しくなってきているということです。豊頃町の中身を見ますと、15の地域に分けて、15の地域に担当職員が配属されているということなんです。それで、町内会の活動を1つ見ても、新得町の実態を見ても、ある町内会が、昨年、1つ解散しています。これからもひょっとしたら解散するかもしれない、そういう町内会も私、一応耳にしております。今後の町内会活動を見ますと、やはり解散を余儀なくされるというところが出てくるんじゃないか。超高齢化社会ですから。それで、この町内会をやはり維持していくということを考えた場合に、町内会独自では何ともできないからこうやって解散してしまうんだけれども、行政だけで、自治体だけで解決できるのかということもありますよね。ですから、当然のことながら、行政とやはり各町内会との連携といいますか、協働といいますか、そういう作業が恐らく遅かれ早かれ必要になってくる時期が来るんじゃないかなと思っています。そこで、この地域担当制になるのか、それと似たようなものになるのか、いずれにしても、連携を図らなければならない、そういう時期は私は必ず来ると思うんです。そういうことも含めて、先ほど町長も検討するとかということも何回かおっしゃっていますので、ぜひ先を見据えて、5年、10年くらいになると思うんですけれども、実際、先を見据えて、ぜひご判断をいただきたいなと思います。最後、ひとつお願いいたします。
答弁 町長 湯浅真希
職員に対してなんですけれども、今、働き方改革というものがどこでも進んでおります。そういう中で、無理なく自主的に地域と共に成長できるような姿というものを見せていっていただければいいのかなというふうに思っております。そして、今後の町内会の維持というところだったんですけれども、今後の町内会を維持していくために職員にそれを担わせるというのは違うのかなとも思いますが、ただ町内会の維持というものは、たいへん困難になってきているというところで共通の認識であります。この制度とは別ですけれども、今後、町内会に担っていく役割、そういったものをもう一度整理して、どこまで町民の方に何を担っていただくのか、それこそ無理のない範囲で、どうしたら継続していけるのか、維持していけるのか、そういったところを整理するように町民課のほうには指示をしておりますので、恐らく来年度、そういったところの議論というものも進んでいくのではないかなというふうに思っております。いずれにいたしましても、町職員が現場に赴いて地域の方とお話しをして、自分の町のことを知っていく姿勢というものは大切に持っていただきたいと思いますし、私もその姿勢というものは堅持していきたいなというふうに思っております。以上です。[青柳茂行議員 降壇]