新得町議会 令和元年第3回定例会 2019年9月18日
ひきこもり問題の実態とその対応について
2019年9月18日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「ひきこもり問題の実態とその対応について」質問し、町長 浜田正利が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 町長 浜田正利
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 青柳茂行
今回は2項目について、質問をさせていただきます。まず、第1項目でございますけれども、ひきこもり問題の実態とその対応についてお尋ねいたします。1.ひきこもり問題の実態とその対応について昨今、若者や中高年を問わず、ひきこもり問題が大きな社会問題となっています。一般的にひきこもりの定義とは、単一の疾患や障がいの概念ではなく、「さまざまな要因によって社会的な参加の場面が狭まり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」、社会的ひきこもり状態を表す言葉となっています。現実的な社会的実例として、例えば80歳になる高齢の親が、中高年になった50代の子どもを長期的に支え、社会的にも孤立し悩み苦しみながらの日常生活を強いられているという現状もあります。それは中高年に限らず、若者世帯にまで及んでおり、深刻化しております。ひきこもりが長期化し親子関係が硬直化すると、支援を拒むケースも多いと言われ、行政の介入を難しくしている場合も多いということであります。今年3月の内閣府の公表では、40歳から65歳のひきこもりは61万3,000人、若年層では54万人で、日本全体では100万人を超えたという数値が出されています。そもそも、ひきこもりの主な要因として、日本経済が失われた10年と呼ばれた、1993年から2005年までの就職氷河期が上げられています。非正規などの不安定な雇用状況にあったこと、所得が低く、希望を持って生きる時代環境ではなく、挫折を何度も経験していることが1つの引き金になっているとも言われています。ひきこもりが陥る精神状態として、一度ひきこもると自己肯定感が減少し、生きようとする意欲が失われ、自分のこれまでの過去を消してしまいたいと考える。昼夜が逆転し、何年も家族であっても顔を合わせるのを嫌がり、部屋に閉じこもってしまう。親の立場からすれば、部屋の前に食事を運ぶ、その食器が空になっているかどうかを見ながら子どもが生きていることを確かめるという、非常にやりきれない生活を余儀なくしているというのが実態であります。全体として、ひきこもり状態の人数でありますが、人口の1パーセント強と推測されています。十勝管内の人口が30万人として約3,000人が該当、新得町においても約60人と推測されるわけですが、町として相談窓口の設置等と実態の把握、日常生活自立の支援、社会生活自立の支援、就労自立における支援などの支援策についてどのようにされているのかをお伺いいたします。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
青柳議員のご質問にお答えいたします。まず、「ひきこもり」と言われる状態でありますが、国では、その定義を「さまざまな要因の結果として、就学や就労、また、家庭以外での人との交流といった社会的参加を回避し、原則6カ月以上にわたって対人関係がない状態」を「ひきこもり」と言っております。この定義に当てはめてみますと、町で把握している数は、令和元年8月1日現在、26名の方がこの定義に当てはまるひきこもり状態とされております。年齢階層別では、39歳以下が6名、40歳から59歳が12名、60歳以上が8名となっております。また、議員からもお話しのありました80歳の親が、40代から50代の子どもを長期的に支えている、いわゆる8050問題に合致する事例は4名となっております。町のひきこもりに対する対応などでありますが、保健師による一般的な健康相談窓口で対応しており、ひきこもりでの特化した相談窓口は設置しておりません。また、支援策についてでありますが、現在把握している26名については、それぞれひきこもりとなった背景などが異なりますことから、個別のケースに応じて、就労支援など障がい者自立支援サービスへの紹介や、生活支援として生活保護制度や障がい年金制度の説明、地域活動交流の場として「かりかち工房」や「地域サロン」のほか、居場所づくりとなる「街中サロンふらっと」、「あいの郷ふれあい」など、その方々に合った支援、情報を提供しているところであります。また、対象者によっては、帯広市などにあります医療機関への受診勧奨や「地域若者サポートステーション」、「とかち生活安心センター」といった、より専門的な就職、生活相談機関へつなげているところであります。以上であります。[浜田正利町長 降壇]
質問 青柳茂行
町長の答弁を伺いまして、要するところ、ひきこもりの定義に該当する新得町のメンバーが26名ということで、今、明らかになったわけであります。細かい支援も含めて日常的に行っているということでありますけれども、さらに2回目の質問としたいと思うんですけれども。今、町長が答弁を行った中で、いわゆる8050問題です。80代の親が50代の子どもたちの世話をすることを生じて、8050問題というふうに一般的に言われております。それで、昨年4月24日に、NHKのEテレで放送されたものがあるわけですけれども、ここにはNHKの番組に対して寄せられたひきこもり関係の人たちが、あらゆる意味で意見を寄せられている項目があります。ここに、ジャーナリストの池上正樹さんという人なんですけれども、この人はひきこもりの取材を20年間続けてきているという、そういうベテランのジャーナリストも参加しているということもありますので、少しばかりこの番組でどのようなことが放送されていたのか、ご紹介したいと思うのですが。1つは、冒頭に8050問題、背景はひきこもりの長期高齢化という題材になっています。昨年1月に、札幌市のアパートの密室で、82歳の母親と52歳の娘の遺体が発見されたと。検針に来たガス業者が、電気がついているのに応答がないことを不審に思い、事態が発覚。死後数週間を経て、警察によると2人の死因は栄養失調による衰弱死、母親が先に亡くなり、娘がしばらく後に死亡していたことが分かったというようなことが、冒頭に書かれております。このNHKに不安を抱えているという当事者の方々からも声が寄せられているわけですけれども、当事者から、「私自身、現在無職のひきこもりです。10代からの精神疾患のため、何度もそこから抜け出そうとしていますが、気付いたら40歳で怖くて死にたい気持ちです」と。それから次には、「大学中退後、10年以上ひきこもり。職歴もバイト歴もなし。両親は定年を迎え、年金生活。自分はもう人生を諦めている」と。もう1人ですけれども、45歳無職の独身、これは実家住まいということで、「私は難病を抱える精神障がい者、弟は20年以上ひきこもり。父は要介護の身体障がい者。母が倒れたら、一家心中するしかない」ということで、そういう深刻な悩みを抱えた人からも意見が寄せられております。それで、この池上さんが、こういうひきこもりになる理由も述べておりますけれども、私も1回目の質問の中で若干触れておりますけれども、現在の社会構造に1つは原因があるのではないかと。必ずしも不登校の延長だけでなく、誰でもひきこもり状態になり得る状況があると。1つには、一度レールが外れると、なかなか戻れない社会の構造になっているということがあると。そういう中で、職場の環境自体がブラック化、非正規が多いということもありまして、さらに職場が非常にきついと。自分がこのまま職場にいたら壊されてしまうという危機感から、防衛反応としてひきこもらざるを得ない人たちが増えているという現状があるのかなということを、このジャーナリストの池上さんは述べているわけです。そういうことで、先ほど町長の答弁によりますと、町で保健福祉課中心に行われていると思うんですけれども、一般的に健康相談が1つは窓口になっているということを聞きました。それで、私はできることであれば、新得では26名ということで今、数字が押さえられているわけですけれども、ひきこもり者が気軽に安心して相談できる窓口があればもっとさらにいいのではないかなというような気がしております。町長の答弁にありましたように、帯広では帯広保健所、それから市でも健康状態、健康推進課でひきこもりの窓口も設けております。さらに民間の団体、「ひきこもり家族の会」、「たんぽぽの会」、それから「寺子屋のつどい」、お寺さんでこういう窓口を設けているということもありますので、各町村で何らかの窓口があるんですけれども、新得町におきましても、やはりできれば専門の窓口を置いて、気軽に相談ができるというようなものをぜひとも設置していただけないかなと思います。2回目の質問といたします。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
お答えいたします。ひきこもりという言葉だけできっとくくれない、いろんな問題がそれぞれの生活の中で抱えていらっしゃるのではないかと。あくまでも、私の推測でしかないんですけれども、ぜひ、こういった方々が少しでも社会の中で一緒になって生活できるように本当になればいいなと、あらためて感じるところであります。最近の新聞でも、いわゆる超氷河期時代の方たちの再就職というか、そういった場を設ける、そういうところも増えているというふうに伺っておりまして、あらためてそういうことも考えていかなくてはならないかなという、そういうふうに今、感じているところであります。同時に8050問題、なかなか想像できない部分もあるんですけれども、どういうことがわれわれの中でできるか、何回も言うように、われわれ町民の生活を支えるという立場で今も悩んでいるところでありますし、これからも悩むところではあるんですけれども。その上で今、気軽に相談できる窓口があれば良いのではということでありまして、先ほど私、答弁させていただいたのは、取りあえず今、保健師を中心にして実態をどう把握しながら次につなげるかというのが答弁でありまして、その上で、気軽さが1つの問題だとしたら、今のわれわれの取っている対応が気軽さに欠けるかどうかがあるかなというふうに思っております。逆を言えば、行政がやるのがいいのか、もしくは行政以外の方にそういう窓口をお願いするのがいいのか、一緒になってやるのが一番いいのかもしれませんけれども、いずれにしても今、答弁できるという中では具体的には答弁できづらいんですけれども、いずれにしても、気軽さが1つのポイントということであれば、あらためて内部で十分議論をしながら、今後の対応について考えていきたいなというふうに思っています。以上であります。
質問 青柳茂行
町長の答弁、現状をしっかり認識した上で、さらにどうするかという答弁だったかなと思うんですけれども。この間の新聞、1つこれは十勝毎日新聞ではないかなと思うんですけれども、今年6月1日に、「ひきこもりどう支援」ということで記事が載っております。ここには先ほどの「たんぽぽの会」と、それからもう1つは「寺子屋のつどい」ということで、これは禅林寺の副住職の髙松芳明さんという方、それと名前が出ていますので読み上げますけれども、社会福祉士の田中信宏さん、この人は新得町在住であります。この人たちが日常的にひきこもり者への支援活動を行っております。そういう意味で、ここでも出ていますように、ひきこもりは複数の要因が絡み、すぐに解決するものではないという上で、ここに来ようとする人たちは断ることはしないと。活動している団体の皆さんが、こういう場があることを知ってほしいと呼び掛けております。それともう1つは、今年6月9日の北海道新聞の社説でありますけれども、「ひきこもり偏見を持たず支援の手を」ということで書いてあります。ここに、全部、本当は読み上げれば一番よろしいのかと思うんですけれども、地域に安心できる居場所があり、信頼できる人もいると。そんな身近なところからきめ細かく支援体制を築いていきたいというふうに、この社説は締めくくっているんですけれども。先ほどの町長の答弁にありましたように、これは民間の支援団体ですよね。これは帯広市が、十勝管内では中心にして進んでおります。新得町にもその活動をしている方もおりますし、私、町と、保健福祉課なら保健福祉課でもいいのですけれどもそこと、やはり民間の活動の団体と常に連携を取るというか、そういう体制をつくりながら日常的に進めていくのが、取りあえず一番いいのではないかなと思いますので、その点、町長のお考えを確認したいと思います。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
たいへん勉強不足で答弁もきちんとしたことを答えられないなと思いながら、たいへん申し訳なく思うんですけれども、日常的に民間の方々が、それぞれの立場でご活躍されているというお話しですので、あらためて敬意を表したいというふうに思っています。せっかく人間社会の中で生きてこられて、そして、いろんな理由でそういう過程の中で生活をして世に出れないというのは、本当に残念なことだなというふうに思っております。その上で今、地域に安心と信頼という言葉、極めて重たいというふうに思っております。それで私、2回目のどこかで答弁させていただいたんですけれども、気軽に相談できる窓口がそれにつながるということの話かもしれませんけれども、先ほど言ったように、行政がいいのか、民間がいいのか、それか青柳議員が言われたように、行政と民間が一緒になって一度議論を進めるのがよいのか、全て否定するものもないというふうに思っておりますので、地域に生きるものにとってどれが一番ベストか、もしかしたら全てがベストかもしれないという、そういう中で、専門的な方々の話も伺いながら、われわれ行政としても、どういうことが一緒になってできることかを含め、きちんと1回内部で整理させていただきたいなというふうに思っております。以上であります。