鹿追町議会 令和8年第2回定例会 2026年6月17日
(1)ジオパークの「物語」を活かした地域ブランディングについて/(2)ナキウサギ観察地周辺での無秩序な駐車問題とオーバーツーリズム対策について
2026年6月17日、鹿追町議会の一般質問で、佐々木康人議員が「ジオパークの「物語」を活かした地域ブランディングについて」「ナキウサギ観察地周辺での無秩序な駐車問題とオーバーツーリズム対策について」について質問し、町長 喜井知己、ジオパーク推進課長 萩生田訓考が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木康人 議員
- 答弁者
- 町長 喜井知己、ジオパーク推進課長 萩生田訓考
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 佐々木康人
私からは2点にわたりまして一般質問をさせていただきたいと思います。まず1点目ですけども、表題は「ジオパークの物語を生かした地域ブランディングについて」でございます。とかち鹿追ジオパークは、平成 25 年(2013 年)12 月の日本ジオパーク認定以来、今年1月の再認定審査においても、条件付ではない見事な再認定を受けまして、その価値が継続して認め認められました。これまでの間、観光・教育・環境保全・防災等、多岐にわたる分野で関係各位の御努力により一定の成果を上げられたことと認識しております。しかしながら、誕生から 10 数年を経てさらなる高みを目指す現在のフェーズにおいて、ジオパーク活動が単に再認定をパスすること自体を目的とした事務的なルーティーン、マンネリに陥っていないか、いささか懸念されるところでございます。本町のジオパークが持つ最大の強みは、壮大な大地の成り立ちが現在の豊かな農業や独自の生態系と地続きでつながっている物語り、ストーリーにあります。これを単なる学術的、教育的資源にとどめず、地域の固有価値を高める「地域ブランディング」へと昇華させるべきと考えます。そこで、商工・観光・農政、そして教育はそれぞれの垣根を越えて緊密に連携し、このジオパークの物語を生かした地域ブランディングを今後どのように戦略的に発展させていくのか、町長の見解をお聞きいたします。二つ目ですけども「ナキウサギ観察周辺での無秩序な駐車問題、それとオーバーツーリズム対策について」であります。本町に息づくナキウサギやエゾモモンガ、シマフクロウといった貴重な野生動物は、写真愛好家や観光客を引きつける大きな魅力であり、本町の重要な財産です。しかし一方で、近年叫ばれるオーバーツーリズムによる、生息地への過度な負荷や環境破壊が強く懸念されています。とりわけ、ナキウサギの観察地周辺における無秩序な路上駐車や路肩駐車は今や常態化しておりまして、野生動物への悪影響のみならず、一般車両の通行阻害、交通事故のリスク等、安全面での課題を抱えています。また、登山道の整備や貴重な動植物の生態系の維持等を一過性のブームではなく、持続可能な観光地であるために、今まさに手を打つべき課題と考えます。この無秩序な駐車問題に対する現状認識、そして今後の具体的な安全対策・環境保全策について、町長のお考えをお聞きいたします。
答弁 町長 喜井知己
佐々木議員からは、大きく2点御質問をいただきました。最初に、1点目の「ジオパークの物語を生かした地域ブランディング」についてお答えいたします。とかち鹿追ジオパークは、本年1月の再認定審査において再認定ということになりました。これもひとえに、地域住民の皆様をはじめ関係団体等、多くの方々の御理解と御協力の積み重ねにによるものでありまして深く感謝を申し上げる次第であります。ジオパークは 2013 年、平成 25 年に認定されて以来、3度の再認定審査をクリアしながら、これまで約 13 年間にわたって関係機関の皆様で構成をされている「とかち鹿追ジオパーク推進協議会」そして中心となるこの「ジオパークビジターセンター」、これを中心として多くの町民皆様に御協力をいただきながら貴重な自然環境の保全、環境教育、そして観光資源としての活用、あるいは防災意識の向上等、様々な分野において一定の成果を上げてきていると考えております。また、この間様々な課題と向き合い、試行錯誤し、工夫と改善を繰り返し、その価値をいかに地域の発展に結びつけていくか、これを念頭に置きながらこのジオパークの推進活動を展開をしてきているところでございます。私たちの「とかち鹿追ジオパーク」の最大の特徴は、火山活動や凍(しば)れといった、大地の営みが豊かな農業、多様な生態系、さらには人々の暮らしへとつながっている点にあります。この一連の物語は他地域にはない本町固有の魅力であり、極めて重要な資源と考えております。これまでとかち鹿追ジオパークでは、これら貴重な資源を活用し、農業分野と連携したジオツアーの開発、観光分野と連携したジオツアーの実施や環境整備、グッズの販売、教育分野と連携した環境教育や自然環境の保全、また、学びの人創出事業としてジオ講座・ジオカフェ・担い手育成のためのガイド養成講座等、他分野と連携した取り組みを展開してきております。議員御発言のとおり、本町には農業・観光・商工・教育・環境等、それぞれすぐれた取り組みが数多く存在しております。ジオパークの物語を生かした密接な結びつきにより、とかち鹿追ジオパークのブランド力をさらに高め、町全体の魅力向上に大きく貢献できるものと考えております。今後においてはどのような価値を地域内外に発信していくかという地域ブランドの方向性について、行政のみならず、農業者、商工・観光事業者、教育関係者、地域団体等、地域を構成する幅広い主体が協議・共有し、それぞれの立場から本町の価値を整理し、さらなる本町ならではの取り組みとして展開を強化していく必要があると考えております。そしてその過程においてジオパークの物語は、多様な個別分野をつなぐ共通言語として大きな役割を果たすものと考えております。地域の多様な主体との対話の場づくりを進めながら、町として地域ブランディングの在り方検討等、さらなるまちの魅力と価値の向上につなげる取り組みを進めてまいりたいと思っておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げまして、1点目の答弁とさせていただきます。次に、2点目の「ナキウサギ観察周辺での無秩序な駐車問題とオーバーツーリズム対策」であります。ナキウサギをはじめとした本町に生息する貴重な野生動物は、本町の豊かな自然環境を象徴する貴重な地域資源であり、多くの観光客や写真愛好家を引きつける大きな魅力であると認識しております。一方、近年自然環境への関心の高まりや、SNS等による情報拡散にも伴いまして、駒止湖周辺等、特定の観察地に来訪者が集中する傾向が見られます。議員御指摘のとおり、観察地周辺においては路上駐車や路肩駐車が見受けられ、一般車両の通行への支障や、交通事故の危険性、さらには野生動物の生息環境への影響が懸念されるところでもございます。本町といたしましても、この問題は単なる交通マナーの問題ではなく、自然環境の保全と観光振興の両立を図る上で重要な課題であると認識しており、これまでとかち鹿追ジオパークにおきましては観察地周辺の駐車マナーを示した看板設置や、ホームページ等による観察マナーの啓発、来訪者への保護対策の聞き取り、観察場所のロープの設置等の対策を行ってきたところであります。また、町及び町観光協会におきましては、近年、絶景スポットとして人気を集める湖底線路周辺の道道 85 号において、路上駐車禁止を呼びかける啓発のぼりを設置する等、交通安全対策を実施するとともに、SNS等を活用しながら自然環境の保全や環境マナーの周知に努め、観光地の適正利用に向けた啓発活動を行っているところであります。今後におきましても、来訪者の安全確保と貴重な自然環境保護を最優先に考え、次の対策を行っていきたいと思います。安全対策につきましては、道路管理者や関係機関と連携情報共有を図りながら、現地の状況把握に努め改善策を検討するとともに、必要に応じ駐車ルールに関する注意喚起看板の設置や巡回等を行う等、適切な対策を進めてまいりたいと思います。次に、環境保全対策につきましては、野生動物の生息環境への負荷を最小限に抑えるため、引き続き観察マナーの啓発や看板設置等に取り組むほか、関係団体や専門家の御意見も伺いながら、生態系保全の観点から必要な対策について検討をしてまいります。さらに、近年全国各地で課題となっているオーバーツーリズムにつきましては、本町においては道内における他の地域のような町全体が観光客であふれ返るほどの典型的なオーバーツーリズムには至っていないものの、前述いたしましたとおり、ナキウサギ観察地及び湖底線路といった特定スポットへの集中が見られるところであります。地域活性化のための来訪者増加に向けた取り組みを行う一方、その前提となる自然環境や地域住民の皆様の生活環境が損なわれてはならないものであります。持続可能な観光地づくりの観点から、利用状況の把握や受け入れ環境の整備、適正利用の取り組み等について、関係機関や地域の皆様と連携しながら、さらなる検討を進めてまいります。本町の貴重な自然資源を次の世代に引き継ぐため、環境保全と観光利用の調和を図りながら、安全で持続可能な地域づくりに取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。ありがとうございました。
質問 1番 佐々木康人
御答弁ありがとうございます。まず1点目のジオパークの関係ですけども、本町独自の取り組みとして展開を強化するということでありますので、大いに期待をいたします。また、関係団体あるいは協議会の皆様の今までの努力に対して重ねて私敬意を表するところでございます。しかしながら、なぜ今、私がこのジオパークに関して質問するかといいますと、今年3月の様似町議会で、これはアポイ岳の世界ジオパークのある町でありますけども、当初予算のジオパーク推進費及び推進協議会の補助金について、議会から減額修正案が提出されまして、修正可決されるという大変大きな動きがございました。このジオパーク事業の成果、それから波及効果対費用効果ですね、大きく問われた事例でありまして、鹿追町も対岸の火事ということではないと思います。そこで、この当町の協議会も、実は世界ジオパークと同程度の協議会の負担金が予算化されております。この当町の協議会の事務手続き、あるいは監査がどう行われているのかお聞きいたします。
答弁 ジオパーク推進課長 萩生田訓考
お答えいたします。推進協議会につきましては、事業の推進につきましては、ジオパーク推進課で事務局となっておりまして、喜井町長が会長になりまして事業を進めているところでございます。事務手続につきましては、全てジオパーク推進課で事務を進めております。会計等も全てジオパーク推進課で行っているところでございます。監査につきましても、推進協議会の中で監査委員がおりますので、2名の方が監査委員となっておりますが、その方に監査をお願いしておりまして、事業内容、あと会計についてきちんと整合性をされて事業の実施をされているかということで毎年監査を行っております。例年、4月、また5月に総会を行っておりますので、そちらのほうへ監査については監査報告をいただいているところでございます。以上でございます。
質問 1番 佐々木康人
監査も含めて協議会の中で行われているということ。それから職員が事務、会計をしているということです。これは通常の団体の監査と何ら変わらないかと思いますので、恐らく監査の中では収支が正確か、あるいは適正かというところが問われていると思います。私はこの適正かどうかというところが非常に重要かと思っております。冒頭、質問の中で 10 数年にわたって事務を行っている上でルーティン化されていないかという私問題提起をしましたけれども、内部でそういった監査を、内部とは協議会内部で監査をして私は事業の適正化、あるいは効果的に使われているかというところについては甚だ疑問のところが残るんですが、いずれにしても適正にやられているということであれば今後も続けていっていただきたいんですが、アポイの例もございますので、より一層引締めてやっていただきたいと考えます。それから2点目の質問に移らさせていただきますけども、ナキウサギ観察地としての然別湖周辺の関係、駐車場の関係も含めて、実はナキウサギの観察としては然別湖というのは恐らく日本一の観察地と言われております。道外はもちろん、最近では外国人の方も来ている状況も散見されます。散見されている中でも、やはり様々なルールが守られていないという状況がございます。この回答の中で現地の状況把握をして検討するということがございましたけども、具体的に、然別橋がかかっている、今の然別橋がかかっている以前に使われていた旧道に皆さん駐車をしている状況がございますが、この旧道路が大きな穴が空いていたり、あるいは大雨が降ると土砂が流れ込んだりということで、この旧道路が整備できるのかどうかも含めて、不確かなところがございますので、どこが管理をしていて整備が可能かどうかも含めて、あるいはこれに対する対応を検討しているかどうかも含めてお聞きいたします。
答弁 ジオパーク推進課長 萩生田訓考
お答えいたします。今、佐々木議員おっしゃられた駒止湖の駐車帯につきましては、まずおっしゃるとおり土地の所有者、あと管理者について明確にするということがまず必要であります。北海道に前もって確認をとったところ、今、旧道から新道に切り替えを行ったときに、ほとんどの所有については北海道の所有となっているということですが、一部分不明というか、所有がちょっと分からない部分があると回答をいただいております。こちらにつきましては、測量を行いまして、まずそちらの不明か所について所有を明らかにすることから始めることが必要だと考えております。所有者をまず明らかにした上で具体的な対策につきまして、関係機関と協議しながら進めていきたいと思っております。以上です。
質問 1番 佐々木康人
所有者が不明というところがまさに前から聞いていた話なので、ぜひ明確にしていただいて、私は通行止めにしてということを言ってるわけではなくて、やはり貴重な観察地への駐車場ですので、ぜひ整備をして秩序ある観察ができるような形で町の観光等、ジオパーク含めて寄与できるような形をとっていただきたいということで質問させていただいたのでよろしくお願いしたいと思います。それと、この回答、ナキウサギの関係、ナキウサギといいますか環境保全の関係でマナー啓発について看板の設置、あるいは職員か誰か分かりませんけども巡回、そういった対策もするということですが、それも大切ですけども、実は外国の方が来られたときにもちろん言葉も文化も違います。実際にマナーについて声をかけても全く聞いてもらえないよとか、通じないだとか、そういった事例は実際にあります。この回答の中にもありますように観光サイト、SNS等で周知するということもございますけども、これも非常に大事ですけども、もう一歩踏み出して、例えば道外あるいは海外から来られるお客様というのはレンタカーをだいたい利用しますので、北海道内のレンタカー会社と連携をして、例えば鹿追のみならず北海道の観光をする場合、あるいは国立公園、当然動物等がいるところには餌付けをしないですとか、あるいは歩道を外れないだとかといった最低限のルールを、視察のルールをレンタカー会社等と連携して進めるというような積極的な周知を考えてはいかがでしょうかという私の提言でございます。いかがでしょうか。
答弁 ジオパーク推進課長 萩生田訓考
はい、お答えいたします。今現在、佐々木議員のおっしゃったとおりナキウサギ観察地等のマナー等の周知については、SNSで周知しているところもございますし、あとジオパークのビジターセンターをお越しになる方たちは、結構ナキウサギの観察地ですとかそのマナーがどういったふうに見られるのかを聞いて来られるお客様が非常に多いです。そういった方にはきちんとこういうふうなマナーで、マナーを守って観察してくださいという周知をしているところでございます。佐々木議員もおっしゃったとおり、レンタカー、確かにビジターセンターにもレンタカーがたくさん来られましてナキウサギのガレ場に行く方もおりますので、今おっしゃったとおり、レンタカー会社とも連携を取ることも検討しまして、その辺の対策を進めていきたいと思っております。以上です。
質問 1番 佐々木康人
質問ではございませんけども、本当に鹿追町の然別湖周辺の環境というのは、日本屈指の観光地といいますか観察地といいますか、生態系のあるところでありますので、日本の中でも先進的な事例で保全をしていくべきところと私も考えておりますので、ぜひジオパークはじめ観光をつかさどる人たちも含めて御期待しておりますので、よろしくお願いいたします。私の質問は以上で終わります。
答弁 町長 喜井知己
佐々木議員から貴重な御提言をたくさんいただいたところであります。外国人に対する対策ということで、啓発の看板も含めた表記も、せっかくやるのであればそれも対応の中にやはり入れて検討すべきだと思います。あと、レンタカーの関係もお話ありましたけども、観光でいえば十勝観光連盟等のいろんな組織がありますから、そういった組織にもいろいろ提言して動いていただくというのも非常に重要な課題だと思っておりますので、ジオパーク推進課、それと特に商工観光課等とも連携してしっかり取り組みを進めていきたいと思いますので、御理解をいただければと思います。