新得町議会 平成24年第2回定例会 2012年6月13日
放射線に関する副読本の扱いは
2012年6月13日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「放射線に関する副読本の扱いは」質問し、教育委員長 廣瀬顯嗣、教育長 山本均が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 教育委員長 廣瀬顯嗣、教育長 山本均
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 青柳茂行
1.放射線に関する副読本の扱いは廣山議員に続いて再度放射能に関する質問でありますけれども。第1問として、放射能に関する副読本の扱いについてお伺いしたいと思います。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の大事故が起きて、放射性物質が大量に放出され、福島県を中心とする広い地域の大気や水、土壌などが汚染されていることが、マスコミ報道などにより広く世間に知られているところであります。現状として、高い放射線量のため、長期にわたって人の居住が制限される地域が生じ、被災3県の中でも福島県の復興には特別の困難さがあり、避難者は15万人を超え、5万8,000人は福島県を離れて避難をし、存続の危機にさらされている自治体もあるということであります。社会的な現象として、原発ゼロへの国民的な流れとして、若い世代や子育て世代が中心になって、「放射能汚染から子どもを守れ」などの自発的な集会や署名活動、インターネットなどを活用されているのも大きな特徴となっています。このような中で、文部科学省は昨年10月に小・中・高校生向けの放射線副読本、略して新副読本をそれぞれ作成しました。新副読本は、福島第一原発事故のあとに作成されたにもかかわらず、事故に関する記述がほとんどなく、放射線が身近であることが強調され、健康への影響を過小に見せるなど、内容が偏ってるという問題点が指摘されています。福島第一原発事故は多くの人々の人生を狂わせてしまいました。最悪に至っては放射能汚染による被害を苦にして自ら命を絶った人もおります。子どもたちへの影響も深刻です。放射性物質の付着や吸引を防ぐため、外出する際にマスクや長袖、長ズボンの着用を余儀なくされ、体育などの野外活動も制限されております。福島県から他県へ避難した子どもが差別や偏見を持たれるケースも報告されております。新副読本に記載されている一例ですが、「自然界にも放射線はある。身の回りの放射線として宇宙から降り注ぐ宇宙線や空気中に含まれるラドン、岩石の花崗岩、食べ物に含まれるカリウムなどを挙げ、年間1人当たり約2.4mSv(ミリシーベルト)の自然放射線量を浴びているとされています。専門家によると、自然界の放射能と人工的な放射能とは区別されなければならないとされており、日本国内で自然界から受ける空間の放射線量は、高い地域でも1時間当たり 0.06μ Sv(マイクロシーベルト)程度であり、福島原発事故後に漏れ出した空間の放射線量が1時間当たり3.8μ Sv(マイクロシーベルト)の場合は、自然の状態と比べて約63倍の放射線を外部被ばくすることになるといわれています。」新副読本の記述の一例を紹介したわけですが、不十分さを感じます。そこで、①本町における小・中・高等学校において新副読本の活用はどのようにされているのか。②教える立場としての教員に戸惑いはないのか。③教育委員会として学校現場の指導にかかわって新副読本の内容についての評価、見解等どのように対応されたのか。④帯広市教委がこのほど、小中学校における原子力発電、および放射線に関する指導検討委員会を開き、文科省が発行した放射線に関する副読本の扱い方を含めて、学校での指導の在り方を考えるため、教員から意見を聞き、市教委として基本的なことを示すとされていますが、教育委員会として同様の対応はとられないのか。以上についてお伺いします。
答弁 教育委員長 廣瀬顯嗣(教育委員長は2014年3月まで)
青柳議員にお答えいたします。はじめに、東日本大震災の復旧にご尽力されているかたがたに敬意を表すとともに、被災地の一日も早い復興を心から願っているところであります。副読本につきましては、文部科学省が原発事故を受けて、放射線への関心や放射線による人体への影響などについての不安を抱いている人が多いと考え、放射線の基礎知識から放射線による人体への影響、事故が起きたときの心構え、いろいろな分野で利用されている放射線の一面などについて解説、説明するために作成されたものであります。道内すべての市町村教育委員会が配布を希望し、全児童・生徒分、教師用解説書をもとに4月から使用しているところであります。この副読本を活用して、放射線等についての基礎的な性質について理解を深め、今回の未曽有の事態に的確に対処するための一助となればと考えております。1点目の活用については、具体的に理科、社会科の授業の補助教材として、さらにホームルームなどでも使用しております。2点目の教員の戸惑いについては、教員から考え方の戸惑いがあるとの声は聞きませんが、内容面で例えば放射性物質の身体への影響の記載が不十分との意見も予測されるので、今後、道や国の考えも把握しながら対応していきたいと思っております。また、3点目の教育委員会としての評価、見解でありますが、今回の特別な状況に適切に対処していくためには、まず、放射線等の基礎的な性質について理解を深めることが重要であると考えております。特に、この困難な事態を克服し、日本の将来を担う子どもたちにおいては、小学校、中学校の各段階に応じて、放射線や放射能、放射性物質について学び、自ら考え、判断をすることが大切と考えております。最後に、4点目の検討委員会については、教職員個々の意見を把握するとともに、帯広市の検討結果を参考にしながら対応を判断してまいりたいと考えております。以上であります。〔廣瀬顯嗣教育委員長 降壇〕
質問 青柳茂行
ただいま、教育委員長の答弁を聞いたわけでありますけれども、この副読本、新副読本が採用された1つの要因として、原発後の関係で不安を抱いていると考え、その心構え、そういうものを子どもたちにつくっていく、そういう答弁がありました。しかし、そうであればこそ、新副読本がそのような内容になっていなければ私はおかしいなと思って、今答弁を聞いておりました。そういう点で、私もよく分からなかったんですけれども、今の副読本は、新副読本といわれております。ですから、旧の副読本があったということなんですね。それは原発事故が起きる前に作られたものらしいのですけれども。「わくわく原子力ランド」、これは小学校ですね。それから「チャレンジ原子力ワールド」、これは中学校です。いかにも原発の事故が起きても原子力発電所は絶対大丈夫だというような内容で書かれたものが、この旧の副読本だというふうに伝えられております。原発事故が起きたあとに、これが全国の小中学校から回収されたということですね。それから、ホームページも、いつでもだれでもダウンロードができたんですけれども、いつの間にかホームページからも削除されているということのようなんですね。それで、昨年の10月に今の新副読本が作成されたということなんですけれども。私も1回目の質問でしているように、3月11日のあと、10月ですから、その後に作られたにもかかわらず、原発事故の内容そのものがまったく記載されていないということです。ですから、教育委員長の答弁にありましたように、今後、放射能その他に関して的確に対応していくために新副読本を使っていくということになりますけれども、私は絶対にこれは使える代物ではないんじゃないかなというふうに思っております。それからもう1つ、教育委員会の今後の姿勢については私もちょっと述べたいと思うんですけれども。帯広市でいわゆる指導検討委員会ですか、これを作られた背景なんですけれども、あまりにもこの新副読本に問題があるということで、これは市議会でたいへんな論議になったようであります。「これはもう使えないんじゃないか」とか、それからもう1つは、「先生がたが本当に放射能の知識を持っているのか」と。ですから正しい知識をやはり持たないと正しい教育はできないのかというような論議になって、その結果、この検討委員会が作られたということも聞いております。ですから、ことは本当に深刻な問題だと思うんですね。ですから、一辺倒の考えのもとでこの副読本を使われると、教えられた子どもたちが本当に将来どうなるのかと。間違った判断を持って、今後長い将来生きていかなければならないんじゃないかなというような気がいたします。そういう教育委員会にもそういう認識を持って事に当たっていただきたいなというふうに思います。それで、まず先生がたの戸惑いはないというようなことなんですけれども、私はまともな感覚を持っている先生がたであれば、これは絶対に戸惑いを持っていると思うんですね。ですから、たまたま声に出さないだけであって、また、声は出ているのかもしれませんけれども、それを実際に把握していないんじゃないかなと思うんですよね。今、教職員の世界というか現場においては、つい先ごろから、数年前から勤務実態調査、あるいは情報提供制度、いわゆる密告制度ですよね。こういうのがはびこっているといいますか、私から言わせれば、職場に民主主義がひょっとしたらないんじゃないかなと。ですから、先生がたは本音を言えないような、そういう現場になっているんじゃないかなという危ぐを持っております。正しいかどうかは分かりませんけれども。しかし、全体的な意見を聞きますと、どうもそういうような雰囲気に今の学校現場というのはなっているんじゃないかなというふうに私は思っております。その中で先生がたの本音を正直に聞くというのはなかなか難しいんじゃないかなというような気もしております。そこで、いわゆるこの副読本の具体例、さきほどもちょっと出ていますけれども、1つは、「放射線は宇宙や空気、食べ物からも出ています。光と同じように放射線も身の回りにもあります」と。それから教師用の解説編ですね、さきほど教育委員長も答弁ありましたけれども。この中には、食べ物に含まれるカリウムには放射性物質であるカリウム40が含まれて、カリウムは人間の体にも必要不可欠なものと、不足もしていると。それから、中学生においては「人類は放射線が存在する中で生まれて進化してきました。私たちは日常生活でも放射線を受けています」と。ですから、身の回りに生まれたときから放射線はあるから、あまり心配ないよというような印象ですね。そう書かれているわけですけれども。確かに、自然の放射能は身近にありますけれども、人工の放射性物質による放射線は、身近には実際にないわけです。普段私たちが生活する中では、確かに自然界の放射線は受けていますけれども、原発事故による人工の放射能というのは身の回りにないわけですね。そのことがまず記載されていないわけですよ。ですから、非常にここで全くもって不十分な内容になっていると言わざるを得ないわけですね。そして、身近ではない人工放射線による無用な被ばくを防ぐために、実際には追加の被ばく線量限度や放射線管理区域が設定されているわけです。ですから、社会的にはここは放射線が非常に強い地域ですよということが、きちんと設定されていて、人はそこに立ち入らないように今できているわけですよね。ですから、新得町にそういうところは全くないわけですよね。独特の特別の地域がそういうことはあるけれども、身の回りに人工から発生する放射能は存在しないというのが普通だと思います。それから、長い歴史の中で人類というか、人間の体というのは進化の過程で自然放射線に対する一定の対応力といいますか、耐性、耐えうる身体というか、そういうのは自然に備えられてきているというんですね。だけれども、人工の放射線に対しては必ずしも当てはまらないと。ですから、より強い放射能を浴びたら、人の体というのは本当にどうなるか分からないというようなことが1つ言えると思います。私もきょう、副読本を、これは小・中・高の3冊持ってきたんですけれども。中学校の副読本、一部ですけれども、放射線物質と放射能、放射線ですね、それから放射能の透過力というところがあります。それで、放射線の透過力だけ言います。簡単に言えば、これは中学校の教材ですが、「放射線には、アルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、エックス(X)線、中性子線などの種類がある」というふうになっております。「どれも物質を透過する能力をもっているが、その能力は放射線の種類によって違います」となっております。最初のα(アルファ)線というのは、紙1枚で止めることができるとなっているんですね。β(ベータ)線はアルミニウムなどの薄い金属板、それからγ(ガンマ)線・X線を止めるためには鉛や熱い鉄の板、それと中性子線ですが、これは水やコンクリートじゃないと止めることはできないとなっております。こう見ると、一見、α(アルファ)線というのは、紙1枚で止まるものなんだと、非常に弱いものだなというふうに錯覚をしがちですけれども、実際に例えば原発から出ているプルトニウム239と言いますけれども、これはα(アルファ)線です。α(アルファ)線というのは非常に重量が重いというんですね。ですから、遠くに飛ぶことはできないけれども、非常に強い力というか、破壊力を持っているというのがα(アルファ)線ともいわれております。そうするとこのα(アルファ)線というのは、いかにも弱いものじゃないかなという気がするわけですけれども。普通この透過力というのはどういう単位で言われるかというと、エレクトロンボルトという単位で呼ばれるようですけれども、一般的にレントゲンに使われるX線というのは、10万エレクトロンボルトです。ですから、X線は10万というふうに認識していただきたいと思うんですけれども。それから、セシウム137のγ(ガンマ)線です。これは66.1万です、約6倍になります。しかし、この MOX(モックス)燃料、これは原発に使われる燃料ですけれども、プルトニウム239のα(アルファ)線です。これは510万エレクトロンボルトです。ですから、レントゲンに使われる数十万倍のエネルギーを持っているということなんですよ。ですから、これを見るといかにもα(アルファ)線というのは非常に力が弱いもののように印象を受けるわけでありますけれども、現実にはたいへんな破壊力を持っている。そういうことが実際にこの本には書かれていないというのが分かるわけですね。それから、高校生の10ページに、放射能の半減期というのがあります。これはずっと名前だけ言うと、トリウム、ウラン、カリウム、炭素、セシウム、ストロンチウム、コバルト、セシウム、ヨウ素、ラドン、というところまで書いてあるんですけれども、今言った原発から出るプルトニウムは書かれていないんですよ。肝心なことが、一番われわれが今、放射能が飛び交っているものが書かれていない。これは、今言った中身が、長いものは141億年とか45億年とか書いてありますけれども、短いのは2.1年、セシウム134は2.1年で半減期を迎えますよという内容もありますけれども。プルトニウム239の場合は、普通、半減期までは2万年とか4万年とかといわれていますよね。そういうものが実際に書かれていないわけです。だから、原発事故だとか、そういうものに対応できる中身になっていないわけですよ、これは。そういう内容の本を、今年の4月から使われているということなんですけれども、本当にこれでいいのかどうなのかということですよね。それで、実際には99年に東海村の臨界事故が発生したときに、これは大量の中性子線で被ばくして、35歳と40歳のお二人が亡くなられております。核分裂とウラン燃料というのは、わずか1ミリグラムのウラン燃料が爆発したわけですよね。それによって被ばくして、35歳と40歳のかたが亡くなられております。ちなみに、このウラン燃料というのはすごく破壊力を持っておりますから、広島に投下された原爆はウラン800グラムといわれております。ですから、わずかの量ですごい破壊力を持っているのがいわゆる原子爆弾といわれているわけですけれども。そういうふうに、実際に日本の中でも長崎、広島に落とされた以後、東海村の事故によって被ばくして亡くなられているかたが実際にいるわけです。ですから、そういう知識もやはりきちんと教えていく必要があるんじゃないかなというふうに私は思います。こういう状況で、帯広の検討委員会の推移を見て、いろいろ考えたいとおっしゃっていますけれども、私はやはり、これはそのまま教えていいのかどうなのか。できれば回収していただきたいと思うんですけれども、さもなければ、正しい知識を教えると。もう1つは、現場の先生がたの意見を聞く。あるいは今後、子どもが一番影響を受けているわけですから、その将来性を考えたときに、この本がいかにどのような本なのかということを、教育委員会の皆さんはどのようにこのことを考えているのか、あらためてお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 山本均(教育長は2012年9月まで)
お答えしますけれども、いろいろなことを聞かれましたので、答弁漏れがありましたら、あとでご指摘ください。まず、この記述内容について、いろいろ数字も含めておっしゃっていましたので、総括的にお話ししたいと思うんですけれども。小学校・中学校、なお、新得高校には副読本は配布されなかったと聞いておりますけれども。この小学校の副読本の目次をちょっと読んでみますけれども、「放射線って何だろう」「放射線はどのように使われているの」「放射線を出すものって何だろう」「放射線を受けるとどうなるの」「放射線はどうやって測るの」「放射線から身を守るには」、最後、放射線について人体の影響とか食品の影響についてのサイトを紹介しています。しかし、この内容について、議員は事故のことをほとんど触れていない、恐ろしさにも触れていない、影響面も、原発のこともないと、ということをおっしゃっていると思います。私も一部、共感は正直できます。しかし、これの目的は、さきほど委員長が言いましたように、関心を持たせて、基礎的なことを教えるというのが目的でございますので、私は教育長としてやはり第2、第3の副読本に期待している1人でございます。今の議員の指摘も含めまして、そういったことがもっともっと議論されればいいと私は思っております。そのことは、道や国にも今後働きかけたいと思います。それから、2つ目の帯広市の検討委員会でございますが、確かにこの副読本の扱い方について検討しているようでございますけれども、あくまでも公教育としてできる原発や放射能について正直戸惑いがあるわけでございます。教えるほうも専門家ではございません。それで、どんなところに配慮して、どんな文を大事にしていけばいいか、この中身について、使うことを基本にやるというふうに私は受け取っております。いずれにしろ、現場の意見はたいへん集約すればいいことでございます。中には、事故の被害の事実を教えることはできるけれども、教え方とか、考え方とか、賛成や反対を教えることは、たいへん現場としては困難という声もあることはあります。ですから今後、本当の専門家だとか、それから当然新聞とか文献にこういう資料はたくさんありますので、それの使い方に気をつけなければいけない、これを考えながらこれをやるべきだと私は思っております。それから、教員のことをお話ししておりましたけれども、物を言わないとか、おっしやっていましたけれども、今回のこの議論とは、質問とは違うと思うんですけれども、正しい勤務の在り方について指導しているわけでありますし、開かれた学校のための調査でございます。決して先生がたの口を封じるということは私どもは思っておりません。したがいまして、今以上に、これからも、われわれは学校現場にどんどん行きまして、先生がたの声は直接聞く、そんなことも努力するつもりでございます。もし、答弁漏れがあったらご指摘ください。私の答えは以上です。
質問 青柳茂行
教育長の答弁を聞きまして、答弁漏れはないと思うんですけれども、やはり私とすればちょっとまだ、もうひとつ納得いかないものがあります。それで、3月18日のこれは勝毎であります。さきほど帯広の話をしましたけれども、「放射線、どう教える」ですね。「小・中・高校生向け副読本、十勝で議論」となっているんですよ。ですから、これは本当に十勝管内でもやはり問題になっているのは間違いないわけですね。そこで、ここに書いてあるのは、副読本に書いてあることがちょっと書いてあります。つまり「健康との関係で一度に100ミリシーベルト以下の放射性を人体に受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」と、「原発事故については前書きで触れるだけにとどまった」となっていますね。そのあとに、「市内の理科の教諭は、原発事故のことを踏まえているとは言えない。教えるのには危険・安全両方の視点が必要と指摘する。技術科の教諭は、実際に避難してきている子どものことを思うと、副読本は簡単には使えないと漏らす。管内のある町の先生は、放射能に対する子どもの不安をなくして、原発を推進していこうという意図があるのではないかと疑問視する」となっていますね。もう1つ、これは柏小学校の校長先生が、これは「副読本を活用したいと存在意義を認める」ともなっています。あとは、市議会などでも論議を呼んでいて、市教委の橋場さんだったか、「学校指導担当主幹は、22日の市議会予算審査特別委員会で、国でも来年度以降見直しを図っていくという。推移を見守りながら実際に使ってみての学校の声を受け止めていきたい」というふうに、このような記事が十勝毎日新聞ですけれども、3月28日には載っているわけですね。そこで、あらためてもう1回お聞きしたいと思うんですけれども、放射能を浴びたらどういう症状が出るのかということも、やはり教えるべきじゃないのかなというふうに私は思います。この勝毎にもありますように、「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体に受けた場合、放射線が原因でがんなどの病気になった証拠はありません」というふうに、この本に書いてあるんですね。これを勝毎でも取り上げていますけれども。100ミリシーベルトといったら、これはとてつもない高いレベルなわけですなんですね、実際には。福島第一原発事故が起きる前は、日本における一般公衆の追加被ばく、人工被ばくですね、これの限度は年間1ミリシーベルトです。年間1ミリシーベルトというのは、いわゆる日本人がここまで受けてもいいよという、1年間に受けていい放射線が1ミリシーベルトと定まっていたわけですよね。しかし、この事故後に、20ミリシーベルトに引き上げられたわけです。そのときにテレビでもちょっと報道されましたけれども、「子どもに20ミリシーベルトを浴びせられない」と言って、泣きながら内閣官房参与が辞任したということがテレビでも放映されたと思うんですけれども、20ミリといったらとてつもなく高いんですよ。普通、一般的に1ミリですから。そんな高いものを子どもに浴びせていいのかということで、この内閣参与は辞めたわけですよね。しかし、この教科書にはまさに無神経に100ミリシーベルトと書いてあるんですよ。ですから、本当に現状を全く顧みない中身になっているんじゃないかなというふうに思います。それで、ここまで言えばたぶんいいと思うんですけれども、例えば福島第一原発の事故前における2009年の実績値というのがあります。日本全国、たぶん54基、そのほかにもあると思うんですけれども、放射線業務従事者の総数、これは8万3,489名に対して健康診断を行ったところ、1人当たりの平均被ばく線量は年間1.0ミリシーベルトです。20ミリシーベルトを超えた人はいなかったというんですね。しかし、15から20ミリシーベルトだった人たちは、258名と、わずか0.3パーセントです。ですから、ほとんどのかたは1ミリシーベルト以下だったというんですね。それと、労災の認定基準においても、白血病、もし放射能その他が原因になって白血病になった場合の基準は年間5ミリシーベルトです。ですから、100というのはもう途方もない、見当違いの数字です。これがさきほど言ったように無神経に載せられているということもあります。それともう1つは、さきほど東海村の話もしましたけれども、チェルノブイリ事故で、もうかれこれ20数年前に起きているわけだけれども、あそこの近く、ベラルーシまで一番近いところで180キロあったというんですけれども、わずか5、6歳から7、8歳の子どもたちに、いわゆる視力がなくなるとか、あるいは白内障ですよね、つまり、お年寄りが発症するような病気になってしまった人たちがすごく発生したというんです。ですから、そういった意味で、放射能を浴びたらいわゆる細胞を老化させてしまうという、あるいは全く別な病気を引き起こしてしまうとか、そういうことも実際には出ておりますし。それともう1つは、広島、長崎で原爆を投下されて今、原爆症、あるいは被爆者ともいいますけれども、現実に被爆2世、あるいは被爆3世という人たちがいます。なかなかこれは国が、国というよりも行政ですね、まさか被爆2世、3世に、原爆症、被爆症といいますか、そういうのが現れないんじゃないかというような見解もあったんですけれども、このほど長崎大学の教授といいますか、そういう人たちが中心になって、被爆2世、3世の中には白血病の発症率が非常に高いという見解を出しました。ですから、本当に被ばくをしたらどういうことになるのかということも併せて教えていただきたいなと思います。それからもう1つは、さきほど教育長は、反対・賛成の立場だということをちょっとおっしゃったんですけれども、日本でも今この本が使われておりますけれども、ドイツでも原子力に関する副読本というのが2007年に作成されております。これは、もちろんドイツにも原発賛成派、あるいは反対が当然おります。ですから、お互いにページを全く同じくして、同じページを使って、賛成・反対の立場で副読本を使っているというんですね。ですから、それからみると、日本のほうは全く一方通行の副読本になっているんじゃないかなと思います。ですから、公平感といいますか、そういうものに配慮されたものにやはり作り替えていくということが大事だと思うんですけれども。そういう意味で、広島、長崎、あるいはチェルノブイリ、それから福島原発も、やはり一般のあそこには報道されていませんけれども、インターネット上を見ると、やはり子どもたちにもチェルノブイリと同じような症状を持った子どもたちが現れているというようなこともありますので、そういう総合的な観点で教えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。その辺で、もう1回教育長の見解をお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 山本均(教育長は2012年9月まで)
議員はたいへん勉強なされているようで、私はそれに対して、例えば数字的なことでも賛否を述べる知識を持っていなくて申し訳ないんですけれども、一般的にいいますと、例えばどうなんでしょうか。原発再開について、いろいろな意見がございます。マスコミもいろいろな意見があります。一番最初に議員が、自然界の放射能と人工的な放射能の影響はすごく違いがあると言いました。私、違う本を読んで「同じだ」という意見、いろいろあると思うんです。しかし、そんなことでは悠長だといっていられないというご指摘だと思うんですけれども。放射線になるべく近づかないとか、その場所に長くいかないとか、それから衣服などで防ぐ、こんなレベルではだめだと私は思っておりますので、この副読本をひとつの子どもに対する関心、意欲をつける、基礎的なことが分かる。そして発展的にさらに違う資料などを使って、先生がたと勉強していただいて、第2、第3の副読本も道や国に要請しながらやるのが、今のところ私はできるかなと思っているところでございます。以上です。[青柳茂行議員 降壇]