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小樽市議会 平成24年第3回定例会 2012年9月11日

(1)平成 23 年度決算及び 24 年度補正予算案に関して/(2)国の放射線拡散シミュレーション公開と泊原発周辺 16 市町村との新たな「安全確認協定」について/(3)いじめ問題への本市の対応について/(4)小樽市指定歴史的建造物旧寿原邸について

2012年9月11日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「平成 23 年度決算及び 24 年度補正予算案に関して」「国の放射線拡散シミュレーション公開と泊原発周辺 16 市町村との新たな「安全確認協定」について」「いじめ問題への本市の対応について」「小樽市指定歴史的建造物旧寿原邸について」について質問し、市長 中松義治、教育長 上林猛が答弁しました。

質問者
佐々木秩 議員
答弁者
市長 中松義治、教育長 上林猛

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 17番 佐々木秩

平成 24 年第3回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問します。初めに、平成 23 年度決算及び 24 年度補正予算案に関してです。昨年度一般会計の実質収支は約 11 億 7,000 万円の黒字が生じ、2年連続の黒字決算となったことは、今日の厳しい経済状況下では明るい兆しと言えますし、市民の皆さんの協力と市の御努力の成果だと思います。ただ、気になる点が幾つかありますので、質問をします。1点目は、決算の中の一般会計における単年度収支の赤字についてです。実質収支から前年度の実質収支を差し引いた単年度収支は約 1,000 万円の赤字となっています。つまり、平成 23 年度は 22 年度の剰余金を 1,000 万円使ってしまったということになります。市税収入などが伸びない中、大変厳しい財源運営をなされているとは思いますが、単年度の赤字が続いていけば剰余金も枯渇してしまいます。東日本大震災の影響等、突発的、特殊な理由によるものであれば仕方ない面もありますが、恒常的に赤字にならないよう、きちんと対策を立てなければなりませんが、いかがでしょうか。2点目は、歳入のうち、一般財源の地方交付税と市税収入についてです。市の財政健全化の方策として歳出をいかに抑えるかとともに、歳入を増やす工夫が必要なのは言うまでもありません。まず、昨年度歳入総額の約4分の1を占め、本市財政赤字解消の大きな要因となっている地方交付税の過去数年間の額と歳入に占める割合から特徴的なポイントを示し、市財政に地方交付税の果たしている役割と基本的なお考え、今後、国に対して地方税制や地方交付税について望むことがあればお聞かせください。次に、人口減や冷え込む景気等さまざまな要因による歳入減は避けようのない側面がありますが、この決算を見て気になるのは、本来、市に入るべき歳入調定額約 630 億円のうち、市に納めなければならない市税等の滞納による不納欠損額と期限までに納められなかった収入未済額の大きさです。合わせて47 億 4,000 万円。せっかく地方交付税が約 165 億円国から来ても、3分の1近くがここで吸収されてしまうことになります。市の重要な自主財源であり、歳入全体の約4分の1を占める市税収入を見ると、本来の収入金額である調定額 183 億円に対する収入済額は 139 億円、その割合を示す収入率が 75.4 パーセント、本来の4分の3しか納税されていないのです。その中でも市税の推移を見るために、ここ数年間の市税調定額と収入率、そのデータの特徴とその分析をお聞かせください。特に、本市の状況下で個人市民税の減収はあるにせよ、収入率が下降しているのはなぜでしょうか。また、この収入率は道内他市と比較すると、どれぐらいなのでしょうか。以前より問題となっていたことですから、市でも収入率アップの対策はとられていたと思いますが、考えようでは 40 億円強の歳入増の可能性があるわけですし、また、納税者間の公平性を期するためにも、対応策を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。次に、各会計補正予算案から質問します。障害者自立支援対策推進費の中の相談支援強化事業費 47 万円について伺います。本年度当初予算における重点施策の一つとして、地域生活支援事業で障害者自立支援法改正法の施行に伴い、専従の相談支援専門員を市内4か所の相談支援事業所へ配置するのに 2,741 万円が充てられていますが、さらにこの 10 月という時期に、道の補助金 47 万円をかけてこの事業を行う必要性は何ですか。また、具体的事業内容の説明をお願いします。補正予算説明書によると、必要な場合は家庭訪問を行うなど、学校と連携し、障害児の保護者に対する支援を行うとあり、学校、保護者の支援について一歩踏み込んだ表現になっています。小・中学校の教育現場では、学級担任がLDやADHD、アスペルガー症候群など、発達障害のある又はその傾向のある児童・生徒の扱いや支援方法に苦慮する場面が、特に通常学級で頻繁に見られます。また、そのような子供の母親は、育て方が悪いと周りから責められ、自分の子育てに自信を失い悩んでいます。そういう学校や保護者にとっては、専門家がサポートしてくれるというのであれば、非常に心強いものがあります。できるのであれば、啓蒙活動も大事ですが、こちらの活動をぜひ重点的に取り組んでいただくことを期待します。実施に際しては、個人情報の扱いや連携方法等で、小・中学校と事前に十分対応を協議して進めていくべきと考えますが、準備はいかがでしょうか。いったん支援活動を始めた場合、この種のサポートは継続的、多面的にじっくりとかかわっていく必要があります。市としても、この事業を道の補助金次第で途中で中断したりしないようにお願いいたします。現在、小樽市こども発達支援センターの活動、例えば巡回児童相談などもありますが、関係諸機関との連携はどうなるでしょうか。次に、国の放射性物質拡散シミュレーション公開と泊原発周辺 16 市町村との新安全確認協定について伺います。私たちは、昨年3月の東京電力福島第一原発事故の被害の広がりに衝撃を受けました。小樽市は北海道電力泊発電所から約 40 キロメートルの距離にあります。国は昨年 10 月 20 日、原子力安全委員会の作業部会が、防災対策を重点的に実施すべき地域を半径 30 キロメートルとする見通し案を示しました。これに対して、10 月 28 日、中松市長は、UPZは単純に 30 キロメートルでくくらず、自然や気象の条件を加味してほしいと訴えています。第一に、市民の安全を図る市長として、福島の事故から条件によっては 40 キロメートル圏の小樽も当然UPZに含まれると想定しての御発言だと思います。こうした中、4月 10 日の第6回泊発電所に係る防災実務者会議で、UPZの線引きについて北海道から、「国はUPZの範囲の目安を原発から半径 30 キロメートルとしているが、線引きは科学的に妥当と考えられる分析評価も踏まえて決定することが適当との判断を示した。このため、国は本年度以降に拡散シミュレーションを実施し、これを受けて北海道は国の拡散シミュレーションに基づきUPZの範囲を改めて見直す。」との見解が示されました。これによって、国の拡散シミュレーションが出れば、UPZの範囲の改定が行われ、小樽市においてもその後の原子力防災関係の対応が明確になると期待していたところです。以来、5か月が経過し、その間、北電泊原発の防災対策をめぐり、道と北電が協定締結対象を、30 キロメートル圏外を含む後志管内 16 市町村とした(仮称)泊発電所周辺の安全確認等に関する協定案が道から7月中旬に示され、8月中にも内容について各市町村の意見をまとめ、締結の可否を判断するよう求められました。この件の判断基準の一つとしてもUPZの範囲は重要です。一方では、泊原発における重大事故に備え、道防災会議が 10 月に住民が 30 キロメートル圏外に避難する防災訓練を初めて実施するべく準備を進めています。その中で、本市の位置づけ、役割は、主に 30キロメートル圏内の避難住民の受入れとのことですが、いったん本市がUPZ圏内となれば、緊急避難をするほうに回るわけで、道の防災計画の中でも極めてどっちつかずの微妙な立場になってしまっていると言わざるを得なく、このままでは市の防災計画の改定にも大きな影響を与えてしまいます。しかし、この段階に至っても、依然として国から判断基準となる拡散シミュレーションは示されておらず、議論はとまったまま、期限が迫ったことから、よく言えば自治体独自に、実態はなし崩し的に動かざるを得ない状況です。こうした状況の打開のために、第3回定例会開会を前に、私たち民主党・市民連合は、会派視察として、8月 22 日経済産業省原子力安全・保安院深野弘行院長にお会いして情報を調査収集してきました。その概要は、まず前提の確認として、国としてもUPZ30 キロメートル圏はあくまでも目安で、機械的に線を引くものではない。地域の実情を含めて道がイニシアチブをとることを確認してきました。拡散シミュレーションについて話を伺いました。拡散シミュレーションは、今、計算中である。9月中に結果をまとめて公開をするということです。この拡散シミュレーションは、福島第一原発事故並みの 77 万テラベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した場合、緊急避難をしなければならない範囲をあらかじめ押さえ、防災準備の手がかりにしようというものです。その範囲とは、具体的数値で吐き気が出るなど、確実に人体に急性的な影響が出るレベルの外部被曝と内部被曝の合計 100 ミリシーベルトとなるエリアです。この数値は、人体にとってかなり過酷で致命的な値と言わざるを得ません。計算方法は風向き、強さの年間 8,000 時間の気象データを使って、大気の安定度等の条件ごとに、どこまで放射性物質が飛んでいくか計算しています。これに地形データは入っていません。山野等遮るものがない平面を想定しているそうです。この拡散シミュレーションはあくまでも一つの目安だが万能ではないので、これですべてが決まるものでないともおっしゃっていました。続いて、原子力地域防災計画についての国の考えですが、防災対策の中身は国が方針を出し、最終的に決めるのは各自治体。よって、道で大枠をつくり、市町村で具体策を立てることになります。30 キロメートル圏に地域防災計画をつくってもらうが、人口分布、地形を見て範囲外でも要らないわけではないとのことで、本市もこれに該当するでしょう。特に、30 キロメートルを超える地域には、避難を受け入れる立場としての計画を要請される内容で、病院、福祉施設の要介護者の広域での受入れ態勢を道が、市が個別具体の計画を策定する必要を強調していました。内容的には、避難対策だけでなく、モニタリングで濃度が上がれば屋内退避、ヨウ素剤配布、使用も考えられるので、30 キロメートル圏外の小樽でも想定される影響に対応策も準備してほしいとのことでした。この地域防災計画を立てる期限は、今年度中ということです。そこで、地域防災計画を各自治体が策定するためのガイドラインを9月に国がつくって示すことになりました。そのガイドラインの内容は、情報システム、オフサイトセンターのほか、避難の進め方、受入れ態勢、輸送手段の確保、警察、自衛隊との協力体制などです。オフサイトセンターは支援の中心になる場所なので、あまり遠くない、5から 30 キロメートル圏内に移転、代替オフサイトセンターを 30キロメートル圏外にも複数置くことになるそうです。これらを踏まえて何点か質問をします。これら、9月中の拡散シミュレーション、地域防災計画ガイドラインの公開情報は、市として押さえておられたでしょうか。それらへの対応はできていますか、あれば具体的に挙げてください。4月 10 日の第6回泊発電所に係る防災実務者会議は、それ以降話は進んでいるのでしょうか、その内容をお聞かせください。10 月の原子力防災訓練の際、本市の役割は主に 30 キロメートル圏内の避難住民の受入れとのことですがその準備は進んでいますか、その訓練内容をお教えください。また、それ以外の本市の対応はどうなっていますか。想定される影響の内容とそれへの対応策も準備しているのでしょうか。本市は圏内、圏外両方の対応準備が必要と考えますが、いかがでしょうか。次に、7月中旬に示されました安全確認協定案について伺います。この新協定案は、締結対象を別の安全協定を結んでいる 10 キロメートル圏内の泊村など地元4町村を除く 30 キロメートル圏外を含む後志管内 16 市町村としていること、道、北電、各市町による連絡会の設置、各市町で放射線量などを測定する環境モニタリングの実施などの内容が盛り込まれていて、全国でもほとんど例がないとのことです。一方、以下の点が地元4町村との現協定とは異なっています。地元4町村との安全協定では、原発の新増設時に自治体側の事前了解を必要としているが、新たな安全確認協定では事前了解の規定がないこと、核燃料の輸送が事後報告となっていること、現協定にある立入調査権がなく、結果のみが連絡会に報告されること、これらについて後志管内各首長の意見は、一定の評価をしつつも判断は分かれているようで、4町村と同等の権限を求める首長もいる一方で、中松市長の見解は報道によると、環境モニタリングが盛り込まれたことは評価し、4町村には事前了解などある程度任せなければならない面はあるとのことで、この新協定を容認するように受け取れます。また、これに関連して、泊原発再稼働の同意、事前了解についての道の考えは、現行4町村の協定でも再稼働は協議事項ではないことを理由に、16 市町村は事前了解の対象としない方向のようです。7月28 日付けの北海道新聞によれば、中松市長も周辺4町村とは少し違う感じで対応していかざるを得ないと、同意範囲の拡大に慎重姿勢とのことです。しかし、いったん原発で過酷事故が起きれば、被害は自治体の境界線にかかわらず拡大してしまうのは、福島第一原発の事故でも十分わかったはずです。4町村だけに判断を任せてよいはずはありません。なぜならUPZ及び周辺地域は万が一の際に、一番大きな被害を受ける可能性がある地域だからで、その地域の住民に再稼働同意等の権限がないというのは、日本国憲法第 25 条の生存権、第 29 条の財産権の規定に照らして許されないと考えます。そこで、周辺4町村と同様の権限を認めるよう要望していくことを本市に望みますが、現段階での安全確認協定に対する市長のお考えを直接お聞かせください。最低限、国の拡散シミュレーション公開後となる、道によるUPZ範囲指定、道原子力防災計画の見直しの前に、安全確認協定だけを単体で締結しないよう求めますが、いかがでしょうか。泊原発再稼働の同意範囲についての市長のお考えをお聞かせください。また、この同意範囲は本市を含めたできるだけ広範囲にするよう、道、北電に要望すべきです、いかがでしょうか。肝心なことは、原発が事故を起こさないよう自治体がしっかり監視をしていくこと、万が一事故の際には、市民の生命を絶対的に守り抜くシステムを整備することです。安全確認協定と地域防災計画はそのかなめです。間違っても泊原発再稼働の地ならしのためのものにならないよう、慎重な判断をお願いします。次に、いじめ問題への本市の対応について伺います。大津市でいじめに遭っていた中学校2年生の男子が自殺した問題を受け、学校現場の教員や教育委員会へ批判が集中しています。生徒間のいじめが重大な事態に至るという事例については、これは決して他人事ではなく、本市においてもいつ起きてもおかしくない。実際程度の差はあるにしても、こういういじめという事例は途切れることなく起きていると考えたほうが問題の把握に間違いはないと思います。こうした状況の中、教育行政側からは、7月 13 日の文部科学大臣談話で子供たちの命を守るための迅速かつ適切な取組を求めています。また、道教委より8月に緊急メッセージ、「いじめをなくしかけがえのない子どもたちの生命(いのち)を守るために」が出され、その中で道教委は、いじめは人間として絶対に許されないという強い認識に立ち、各学校の取組状況を十分把握し、家族や地域の方々と連携し、いじめの未然防止、早期発見、早期解消に全力で取り組んでいくとのことです。そこでまず、大津市の事例について、特に今回の大津市教委の対応について教育長の率直な感想をお聞かせください。また、小樽市教育委員会として重大事例発生に備え、適切な判断をするために、この事例の分析や大津市のこのような事態を想定し、シミュレーションしておくべきと考えますが、いかがでしょうか。現段階での市内小・中学校のいじめ問題の事例の把握について、その方法と現状はどうなっていますか、答えられる範囲でお答えください。現段階でいじめの事例を把握した場合の市教委や学校現場の対応について、その内容をお示しください。どうすれば教育現場においていじめを早期に発見し、深刻化を防ぐことができるのか、市教委としての考えと今後の取組についてお聞かせください。さらに、二つの側面から伺います。1点目は、携帯電話、情報ツール等といじめ事例とのかかわり、子供たちへの影響と対処についてです。使い方によっては、この上なく便利で有用なものですが、今や小・中学校の生活面での問題事例の半数以上がネット、携帯電話絡みです。情報の無防備な公開、流出、それを悪用する大人、グループの存在、一方、次々と登場する新技術、機能、それに追いつけない保護者や教職員、それでもスマートフォンを欲しがる子供に与えてしまう保護者がいます。いじめとの関連で見ると、いじめメール、なりすましメール、写真を隠し撮りされ無断でネット上に公開されるなど、本市でも数多くの事例が見られます。大津市の例でも、いじめ動画がネット上に公開され、いったん問題がネット上で騒がれると、被害者も加害者もその家族、級友まで洗いざらい情報がさらされ、消すことができなくなりました。プライバシーも個人情報保護も関係なしです。その意味では、いじめ被害者だけでなく、加害者も守らなければならない現実があります。そういう厳しい現実に対応する教育委員会の情報モラル教育に対する基本的姿勢をお聞かせください。市内のネット上のいじめの実態に関する情報収集は、主に道教委、小樽市情報モラル対策委員会のネットパトロールによって行われているようですが、その状況はどうなっていますか。事例があった場合の対応方法と解決事例を、また小樽市情報モラル対策委員会について組織や目的、活動内容、予算についてお聞かせください。いったん問題がネットに絡むと解決が非常に難しくなります。その場合、学校側や各家庭がどこに相談すればよいかわからない。特に、市内で解決のための身近な、そして最新情報に対応した相談場所が少ない。そういう声をよく聞きます。現在、ネットいじめの相談に対応した機関はどこでしょうか。根本的対策は、家庭、学校で、一層情報教育や人権教育を進めることと考えます。大変厳しい状況ではありますが、最新情報による啓発啓蒙活動、指導が必要です。教員も学び、学校現場での子供たちへの学習の場で扱うべきと考えますが、いかがでしょうか。市教委の進める携 10 運動がこの問題に果たす役割をお聞かせください。この問題に関する小・中・高の連携が大切と考えます。市教委のお考えを、また具体的対応等があればお示しください。2点目は、いじめ等の問題事例に対応する現場の教職員についてです。今回の大津市や全国のほかの例でも、さまざまな原因の中でとりわけ問題視されるのは、やはり直接生徒とかかわる担任の教員の学級経営、その指導力についてです。いじめを発見できなかった、黙認した、被害生徒、加害生徒両者に適切な指導ができなかった、保護者や管理職に事実を報告しなかった等の問題点が指摘されます。しかし、なぜ教員がそのような子供を守るという基本的なことができなくなってしまったのでしょうか。もともと子供たちの成長をみずからの喜びに変えられること、教員という職業に対する責任感など、教員の基本的資質があるからこそ難関の採用試験に合格し、教員になっているはずです。教員は授業が終わった放課後に、教室や部活動、委員会活動のときに生徒たちとさまざまな話をします。そうしたかかわりの中で少しずつ信頼関係を築き、子供たちの悩みや学校に対する要望や不満を聞いたり、中にはクラス内のいじめについての相談をしてくれる場合もあります。経験上、いじめの発見は対応マニュアルに書いてあるような生徒観察による場合もありますが、ふだんから一緒に生活している級友から、又はその話を家で聞いた保護者から担任への情報提供や告発による場合もありました。子供たちに黙って見てられない、そういう行為は許せないという問題意識がなければ、教員や保護者に知らせることはありませんし、そこに信頼関係がなければなおさらです。また、教員同士が生徒についての各授業中や部活時の様子などを情報交換したりして子供を多面的にとらえていました。ところが現在、放課後は報告文書づくり、生活指導関係やさまざまな会議や打合せでその貴重な時間をなかなかとれないのが実情です。結果、子供たちと向き合う余力をなくし、いじめ発見のアンテナが極端に弱くなってしまっています。教員の多忙化による子供たちとのかかわりの希薄化、教員間の情報共有の欠如、そのような状況を市教委は把握しておられると思いますが、教員の多忙化を解消し、児童・生徒とともに活動する時間確保のための施策は進んでいますか。また、さらなる対策や道教委への働きかけをお願いしたいが、いかがでしょうか。この問題の本来的、根本的解決方法は、子どもの権利条約にもあるとおり、自他の権利を尊重し、認め合うこと、その精神を子供たちの中に育てることです。そのためには、個々の教員の力量に頼るのには限界があります。学校全体のプログラム、活動として、いじめを許さないという人権意識を育てる方針を打ち出し、生徒会、児童会を中心に話合いによる問題解決能力を育てる具体的な取組を進めることが一見遠回りに感じますが、大切なことです。市教委は学校でのそうした取組を働きかけ支援していくべきと考えます。最後に、小樽市指定歴史的建造物旧寿原邸について伺います。本市東雲町8番1号、水天宮の北側に建つ旧寿原邸は、大正元年に小豆将軍と呼ばれ、北のウオール街を実現した人物の一人とされる高橋直治氏が建て、その後昭和に入って、小樽を代表する実業家で、小樽商工会議所会頭、小樽市議会議員を歴任された寿原外吉氏の手に渡り、その別邸となったそうです。1985 年に外吉氏が亡くなり、妻のハツエさんがお世話になったお礼にと、土地建物その他の資産とともに翌年小樽市に寄贈されました。現在、土・日・祝日に一般公開されています。私も何度も訪ね、じっくりと見せていただきました。急な傾斜地に建てられ、母屋から上手に二つのそれぞれ和と洋の接客棟を連ねています。庭園は斜面を3段に地割りし、上段には和室に面して池を配した日本庭園があり、中段には洋間に大きな六角雪見灯籠を配し、下段では小樽港を見下ろすことができるようになっています。大正、昭和初期のぜいたくな和洋折衷建築とそれに合わせた庭園との変化に富んだ組合せが、小樽市指定歴史的建造物第 27 号として指定された理由とのことです。関係する方にお話を伺ったところでは、特に大正年間に建てられた上段の和室客間は、上質な木材をふんだんに使って当時の木材建築技術の粋を尽くしたものですし、建物の土台の石積みや玄関の門柱の見事さはまさにそこだけでも美術的、建築史的にも価値のあるものだと感じました。同じ市の資産である旧日本郵船株式会社小樽支店や祝津の鰊御殿のような見栄えのよさ、大きさはありませんが、当時の小樽商人の羽振りのよさや粋を静かに感じさせるこの旧寿原邸を同じように後世に残しておくべきです。しかし現在、この旧寿原邸は大変残念なことに、建物、庭園ともに、傷みや荒廃が激しく、往時をしのぶ姿もなくなりかけています。見かねた市民やNPO法人、ビジット・オタル・プロジェクトの皆さんがボランティアで掃除や庭の手入れをしてくれているのが現状です。その皆さんのお話では、先日来の大雨で建物内の数十か所で雨漏りがひどくなって、専門家によると、天井に相当量の水が滞留している可能性があるとのことです。この冬に耐えられるのか、また公開時に不測の事態が起きはしないか、心労が絶えない毎日だそうです。私たち民主党・市民連合は、この7月の会派視察で、愛媛県大洲市が管理する臥龍山荘を視察してきました。肱川流域随一の景勝地に臨む 3,000 坪の山荘で、もともとは大洲藩藩主の別荘として築かれた歴史があるものの、明治に入り、補修もされず、自然に荒れゆくままだったのですが、明治の貿易商、河内寅次郎氏が旧寿原邸と同時期の明治 40 年まで 10 年をかけて現在の臥龍院などの数寄屋造りの三つの建物を築きました。それぞれ数寄を凝らした逸品ぞろいで、昭和 31 年9月に大洲の名勝として、大洲市文化財に指定され、大洲市教育委員会がここに専従の学芸員や管理者を配置し、大変丁寧に維持・管理し、その一方で、見学者のガイドもしていて、お話が大変興味深く、その内容や様子からこの施設と地域への愛着を感じました。旧寿原邸とは規模も歴史も違いますが、本州に比べ、歴史の浅い北海道、小樽市としては貴重な歴史的建造物をどう扱っていくのかという点では、とても参考になる面があると感じました。そこで、この旧寿原邸をかけがえのない本市の文化歴史的資産、観光資源としてこのまま朽ち果てさせることなく、きちんと管理・維持し、活用していく必要があると考え、その観点で質問をさせていただきます。まず、旧寿原邸の市としての評価、その学術的、歴史的、観光資源的価値について、どう評価、位置づけしているのか、お示しください。寄贈時の土地建物とその他の資産価値はどのくらいと押さえていたのか、お示しください。旧寿原邸は、寿原家がお世話になった小樽市のために、市民に有効活用してほしいとの意図で寄贈されたと伺っています。当初は、市民の公民館や小樽市出身の若い芸術家が創作意欲を発露できるような施設にしてほしいという意向だったとも聞いています。市は寄贈者の意図をどの程度反映させた施設運営を実施してきたのでしょうか。市が寄贈を受けてから現在までの経過と管理方法、使用状況、そのための維持管理費用は、またその使途はどうなっていますか。旧寿原邸の具体的な損傷箇所を把握していますか、主な状況を報告してください。ほかの例では、社会教育施設として旧日本郵船は教育委員会の所管、観光施設として鰊御殿は観光振興室の所管となっています。では、この旧寿原邸が現在公園緑地課の所管となっているのは、なぜでしょうか。今後、市として旧寿原邸をどのように活用しようと考えていますか、ビジョンをお聞かせください。市長はかねがね、市民力を生かした協働のまちづくりを提唱されています。今後の市民との協働に対する指針、模範例として、まずは現在この建物にかかわっている市民の皆さんのお話をお聞きし、その後、旧寿原邸の建設的ビジョンを明確に示し、第一義的には市が維持・管理についてしっかりと予算をつけ、その上で、市民やNPOの皆さんと市が連携して管理・運営を進めるべきと考えます。しかし、それを示せないのであれば、旧寿原邸存続のための次善の策としてやむを得ず、民間や道への譲渡や委託、道の協働事業助成等を利用した民間との協働事業について検討したほうがよいのでないかと思いますが、どうでしょうか。どちらにせよ、危機的状況にある小樽市の貴重な文化歴史遺産である旧寿原邸を、このまま手をこまねいて失うことのないよう、早急な措置を求めます。以上、再質問を留保し、代表質問を終えます。(拍手)

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

佐々木秩議員の御質問にお答えします。初めに、平成 23 年度決算について何点かお尋ねがありました。まず、恒常的に赤字とならないための対策についてでありますが、一般会計の累積赤字は平成 22 年度に解消したものの、本来の意味での収支バランスがとれていない財政状況にあり、みずからの歳入に見合った歳出構造の下、災害などの不測の事態や年度間の財源の不均衡にも柔軟に対応し得る財務体質をつくり上げることが必要であります。市民の皆様へ一定の行政サービスを提供していくためには、安定した財政基盤が必要不可欠でありますので、引き続き財政健全化のため最大限の努力してまいりたいと考えております。次に、地方交付税などについてでありますが、普通交付税と臨時財政対策債と合わせた実質的な地方交付税は、平成 15 年度までは増加傾向にありましたが、16 年度からの三位一体の改革による大幅な削減の影響などで 19 年度まで減少してきたところです。その後、各算定項目の見直しなどにより、回復傾向にありましたが、平成 22 年の国勢調査人口の大幅な減少により、23 年度は前年度に比べ約3億 9,000万円の減となったところです。また、歳入に占める割合は、市税収入の減少に伴い年々高まってきており、市財政に果たしている役割といたしましては、地方自治体が自由に使える一般財源であるとともに、市税と合わせて一般会計の歳入の約半分を占める貴重な財源であります。したがいまして、地方交付税については、地方の財政需要を適切に積み上げ、地方税などの収入を的確に見込み、必要総額の確保が図られるべきものと考えております。また、国に対しましては、これまでも地方交付税の総額の確保とともに、地方に影響を及ぼす税制改正の検討に当たっては、国と地方の協議の場などにおいて協議を行い、地方の意見が十分に反映されるよう、北海道市長会などを通じて要望を行ってきたところであります。次に、市税の推移とその分析についてですが、過去5年間の調定額と収入率は、平成 19 年度は 187億円で 80.7 パーセント、20 年度は 191 億円で 80.2 パーセント、21 年度は 185 億円で 78.3 パーセント、22 年度は 184 億円で 77.2 パーセント、23 年度は 184 億円で 75.4 パーセントとなっております。収入率は年々下がっており、その内訳は現年度課税分はおおむね 94 パーセントで推移していますが、滞納繰越分が滞納繰越額の増加に伴い下がっており、それが全体の収入率を押し下げる原因となっています。また、平成 23 年度の道内主要 10 市の収入率の平均は 92.8 パーセントとなっており、それと比較しても低い状況となっております。次に、市税の収納対策の強化についてですが、これまでの主な取組としては、平成 19 年度には従前の納付催告中心の体制から差押え中心の体制に変更したほか、21 年度には差し押さえた動産などの換価のために、インターネット公売を開始しました。さらに、平成 22 年度には市・道民税の滞納額の一部を北海道に引き継ぎ、北海道による直接徴収を実施しているほか、24 年度からは滞納状況に応じて柔軟に対応するため、収納担当課の組織を係制からグループ制に変更し、収納体制の強化を図ったところです。今後も他都市の事例なども参考にしながら、収納対策の強化を図ってまいります。次に、相談支援強化事業を行う必要性についてでありますが、特別支援学級の児童・生徒で、障害福祉サービスを利用していないために家庭での支援が困難となっていたり、通常学級でも発達障害が疑われる児童・生徒への対応に苦慮することがあると聞いております。本年5月、相談支援強化事業が北海道の補助対象になりましたことから、この補助金を活用して教育分野と福祉分野が連携し、これら児童・生徒や保護者への支援体制の構築に向け、相談支援体制の強化を図ることとし、本定例会での補正予算の提案となったものです。また、具体的事業内容ですが、業務は相談支援事業所に委託し、事業所が小・中学校を訪問して、サービス内容や事業所の役割などの情報提供をするとともに、発達障害が疑われる児童・生徒等の保護者に学校と連携して啓発するほか、保護者からの求めに応じて家庭訪問を行い、それら児童・生徒の情報等を教育分野と福祉分野が共有し、児童・生徒の特性に対応したサービス利用や保護者支援等を行うもので、本年度はこの事業により、こうした仕組みづくりの道筋をつけたいと考えております。次に、この事業の進め方についてでありますが、教育委員会にはこの事業について概略はお知らせしているところですが、今後は家庭状況や児童・生徒に関する個人情報の共有の仕方などを具体的な取組内容について、校長会と協議を進めてまいります。次に、こども発達支援センターなど関係諸機関との連携についてでありますが、教育分野と福祉分野の支援の一貫性を図るため、こども発達支援センター、児童相談所など、関係諸機関との連携を図ってまいります。次に、国の放射性物質拡散シミュレーション公開と泊原発周辺 16 市町村との新たな安全確認協定案について何点か御質問がありました。初めに、放射性物質拡散シミュレーションと地域防災計画ガイドラインについてでありますが、拡散シミュレーションにつきましては、8月に行われた北海道議会総務委員会の中で、この秋にはその予測結果が公表されますと答弁されたと伺っております。また、地域防災計画ガイドラインにつきましては、7月末に行われた防災実務者会議の中で北海道から計画を策定する必要がある自治体に対し、参考として国の原子力防災計画マニュアル(案)が示されたものであります。市の対応についてですが、今後、拡散シミュレーションの結果により、市の位置づけが異なることも踏まえ、防災実務者会議や計画策定ワーキンググループに参画し、今後の計画の策定に反映できるように取り組んでいるところであります。次に、泊発電所に係る防災実務者会議についてでありますが、4月 10 日以降に5月 18 日と7月 31日に2回の会議が開かれており、その主な内容として、平成 24 年度北海道原子力防災訓練の概要や国の原子力防災マニュアル(案)、さらには後志管内を対象とする安全確認協定(案)などについて説明が行われました。次に、北海道の原子力防災訓練についてですが、本年度の訓練は 10 月 24 日に 30 キロメートル圏内の住民を 30 キロメートル圏外まで避難させることを重点項目として、陸上のほか、航空、海上輸送を利用して行われるものであり、北海道、管内市町村、関係省庁など、約 250 の機関や地域住民の参加により実施すると聞いております。本市としましては、30 キロメートル圏内の避難住民を陸、海、空から合わせて約 400 名を、さらには船舶や多数の大型車両などを受け入れるとともに、緊急時通信連絡訓練についても参加する予定であり、小樽としての対応について北海道と協議をしております。なお、このたびの訓練はあくまでもUPZの範囲を 30 キロメートルに設定して行うものであり、本市としては避難者を受け入れる立場で、訓練に参加するものであります。今後の拡散シミュレーションの結果、本市がUPZの範囲に含まれることになった場合には、訓練内容について北海道と協議してまいりたいと考えております。次に、安全確認協定(案)に対する考え方についてでありますが、これまでも北海道や北海道電力に対しましては、泊原子力発電所に関する情報の提供や意見を述べる仕組みになどについて要請した経緯があり、このたび、その内容が盛り込まれた協定案が示されたこと、さらには 30 キロメートル圏外の自治体も対象とされたことにつきましては、評価したいと考えております。しかしながら、協定案の個別の条項につきましては、他の町村の意見も聞きながら、市としての考え方を整理している段階であり、今後、北海道と事務レベルでの協議を進めてまいりたいと考えております。次に、安全確認協定の締結についてですが、現在、北海道から示されている協定案は、UPZの圏内と圏外を区別することなく、16 市町村が一体となって締結しようとするものであり、一方で原子力防災計画につきましては、UPZの圏内だけを対象としていることから、同計画の見直しにかかわらず、協定の締結が先行することもあり得ると考えております。なお、協定の締結に当たっては、十分にその内容を精査し、本市を除く 15 町村の意見も聞きながら、市としての考え方をまとめてまいりたいと考えております。次に、泊原発再稼働の同意範囲についてでありますが、原子力発電所の再稼働の地元同意については、本来、法的には義務づけられていないことから、現時点では北海道などに要望することは考えておりませんが、今後設置される国の原子力規制委員会の下で、同意などの手続も含め検討されていくものと伺っておりますので、国の動向を注視してまいりたいと考えております。次に、旧寿原邸について何点か御質問がありました。初めに、旧寿原邸の市としての評価、位置づけについてでありますが、議員からもお話がありましたように、旧寿原邸は傾斜地を利用した建物や港を眼下に見下ろし、遠くは増毛連峰を一望する庭園など、小樽を代表する歴史的建造物であると認識しております。また、市で把握している資産は、土地と建物でありますが、寄贈された当時の評価額では、土地が1億 2,000 万円、建物が約 2,000 万円となっております。次に、寄贈者の意図をどの程度反映させて施設運営をしてきたかについてでありますが、寄贈者から寄贈を受ける際に、市民庭園憩いの場として利用してもらいたいという意向が示されていたことから、市としては建物や港を一望できる庭園を維持・管理し、現在も夏場の土・日・祝日に市民や観光客に無料で開放しているところであります。次に、寄贈を受けてから現在までの経緯などについてでありますが、市は当初から寄贈者の意向を受けて、市民に無料開放することとし、俳句、短歌、茶道などの文化団体のほか、老人クラブ、婦人団体などに利用されてきたところですが、ここ数年、利用者は減少傾向となっております。また、維持管理費用やその使途についてでありますが、昭和 61 年度から平成 23 年度までの維持管理費の合計は約 5,800 万円であり、その内容は庭木の冬囲いや剪定、建物の清掃や管理人経費などであります。次に、損傷箇所についてでありますが、現在、屋根の雨漏りが発生しており、この雨水が天井にしみこむことにより、配電設備にも支障を来している状態であります。このことから、現在修繕方法などについて検討しているところであります。次に、旧寿原邸の所管についてでありますが、建物だけではなく、眺望のよい庭園があることや、当初は公園的な利用も念頭にあったこと、また庭木の冬囲いや屋根の雪下ろしなどは公園の維持・管理と共通の業務であったことから、公園緑地課の所管になったものであります。また、今後の活用についてでありますが、これまで同様に一般開放しながら、保全活用してまいりたいと考えております。次に、民間との協働事業についてでありますが、これまでもNPOの事務所や体験工房などに貸したり、民間への譲渡などについても検討してきた経緯があります。旧寿原邸は市民の貴重な財産であることから、市民との協働で維持・管理に努めていくことは重要なことだと考えておりますので、今後市民や関係団体の皆さんの意見も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)

佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。初めに、大津市教育委員会の対応などについての感想でございますが、まずはいじめにより、児童・生徒がみずからの命を絶つという痛ましい事故が起こったことは、極めて遺憾なことであり、事態を深刻に受け止め、緊張感を持って推移を見守っております。私としては、いじめの問題はどの子にもどの学校にも起こり得るものと考えており、学校においては、日ごろから子供たちの様子を把握することや、家庭とのコミュニケーションを図っておくことが最も大切であり、事案が起きた場合には、早期対応に努め、家庭と学校、教育委員会が一体となって解決に向け全力で取り組むことが大切であると考えております。次に、いじめの問題の事例分析や事態を想定した対応などについてでありますが、小樽市教育委員会では、8月下旬に大津の問題をテーマに、事例の分析や本市における対応等について5名の教育委員で学習会を開いております。その中では、本市の学校においては教職員が日ごろから子供や保護者としっかり人間関係を築くこと、学校内における報告、連絡、相談体制を徹底し、組織的な対応をすること、教育委員会への迅速な報告と情報の共有化を図ることの必要性などについて話し合ったところであります。市教委におきましては、これまでも校長会議を通じていじめの問題を含めた事件、事故などが発生した場合の危機管理体制について指導を行ってまいりましたが、今後とも市教委と学校、さらには関係機関との連携を強化し、個々の事例に応じて迅速に対応してまいりたいと考えております。次に、現段階の本市のいじめの把握などについてでありますが、道教委による年2回のアンケート調査における6月期の状況では、小学校で9件、中学校で 20 件のいじめがありましたが、現段階ではすべてのいじめが解消されていると報告を受けております。市教委では、道教委の調査以外にも学期ごとにいじめの実態と指導状況調査を独自に実施し、きめ細かな把握に努めております。次に、いじめを把握した場合の市教委と学校の対応についてでございますが、事案によりさまざまな対応となりますが、学校では正確な情報を得るために、アンケートなどを実施し、該当する児童・生徒が特定される場合には、個別面談により事実確認を行い、再発防止を含め、保護者の理解と協力を得ながら指導を行っております。なお、学校では該当する児童・生徒が複数の学校にまたがる場合や暴力や恐喝などの問題行動が伴い、事態が深刻化、長期化することが懸念される場合には、市教委に報告をし、市教委の指示の下、必要に応じ警察、児童相談所などの関係機関と連携し、対応することとしております。次に、いじめの深刻化を防ぐ手だてと今後の取組についてでありますが、いじめを深刻化させないため、学校においてはいじめはどの子にもどの学校でも起こり得るという危機意識を持って、教員一人一人がいじめの問題の重大性を正しく認識し、日ごろから児童・生徒及び家庭との人間関係を築き、わずかなサインもキャッチできるようにしておくこと、全教職員が緊密な情報交換や共通理解を図り、校長のリーダーシップの下、スピード感を持って組織的に取り組むことが重要であると考えております。市教委としては、学校においていじめがあった場合には、学校だよりなどを通して、保護者や学校評議員などに知らせ、理解と協力を得ながらいじめの問題に取り組むよう、校長会を通じ指導を徹底してまいりたいと考えております。次に、市教委の情報モラル教育に対する基本的な姿勢についてでありますが、本市では児童・生徒の携帯電話の所持率が高く、市内においてネット上の書き込みなどの事例が発生しております。各学校においては、技術・家庭科や道徳の時間などの授業の中で、ネットワーク上のルールやマナー、恐ろしさなどを身につけさせることが必要であると考えております。次に、道教委と小樽市情報モラル対策委員会によるネットパトロールの状況などについてでありますが、道教委では民間会社に委託をして、ネットトラブル未然防止のためのネットパトロールなどの業務を行っており、小樽市内の学校にかかわる事例があった場合は、市教委に連絡が来ることになっております。これまでの事例としては、自分の名前やプロフィルなどの書き込みがあったことから、市教委から当該学校へ連絡し、学校において保護者に状況を説明し、書き込みの削除を求めるなどの対応を行っております。また、小樽市情報モラル対策委員によるネットパトロールも随時実施しており、問題を発見した場合には、同様の対応をしております。次に、小樽市情報モラル対策委員会についてでありますが、この委員会は生活指導委員会、教頭会、識者、実践者、教育委員会の計7名の委員で構成され、児童・生徒に情報社会における正しい判断や望ましい態度を育て、安全に生活するための危機回避の能力を育てる取組を推進することを目的に設置されたものであります。この委員会では各委員が市内小・中学校における情報モラル教育の指導計画のモデルや保護者向けの啓発資料を作成したり、各研修会における講師を務めたりするなどの活動を行っており、教職員については業務の一環として、また民間の識者はボランティアで参加していただいております。次に、ネットいじめの相談に対応している機関についてですが、書き込みなどの学校、保護者による特定が困難な場合や、掲示板等への誹謗中傷の書き込みがあって、削除に応じない場合などについては、警察や法務局に相談することが適切であると考えております。次に、情報モラル教育にかかわる教員の研修についてでございますが、情報通信ネットワークの進歩は目覚ましく、子供や保護者からのネットトラブルに関する学校への相談も素早く対応するためには、教員自身が最新の情報に触れ、知識を高める必要があると考えております。市教委では現在各教職員へのコンピュータの配備を進めており、教職員自身がインターネットなどに関する基本的な知識を習得するとともに、陰に潜む危険性について理解を深めていくことが必要でありますことから、市教委主催の研修会の見直しを行い、情報モラル教育に関する内容を取り入れ、教員の指導力の向上に努めてまいりたいと考えております。次に、携 10 運動の情報モラル問題に果たす役割についてでございますが、本市の児童・生徒の携帯電話の所持率は全道、全国と比較してかなり高い状況にあるとともに、携帯電話を使用する時間も長くなっていることから、家庭で勉強や読書をする時間が少ないこと、睡眠時間が不足して学校での授業に集中できないことなどへの懸念もありますので、大変憂慮すべき状況にあると認識しております。市教委で推進しております携 10 運動とは、本市の子供たちの携帯電話の使用状況を改善するために、小樽市PTA連合会及び小樽市校長会と連携して、子供たちに携帯電話やインターネットを夜 10 時以降は使わせないことを各家庭に求める運動のことであります。この運動により家庭において携帯電話等の利用についてルールを親子で話し合うきっかけをつくり、全市的な取組となるよう期待をしているところでございます。次に、情報モラル教育の推進にかかわる小・中・高の連携についてでございますが、情報モラル教育は学習指導要領の内容を踏まえ、各学校で作成した指導計画に従って実施されており、小・中・高それぞれの段階で確実に学習する必要があると考えております。また、情報モラルにかかわる問題については、小学校、中学校、高校の生徒指導担当者や市教委、警察などの関係機関で構成する小樽市学校生活指導協議会が設置されておりますので、その中で小中高校間の連携と情報交換のあり方を協議するなどの取組を行ってまいりたいと考えております。次に、教員の多忙化解消のための施策についてでありますが、道教委では教職員の時間外勤務等の縮減に向けた取組方策をまとめ、学校等の事務処理体制の改善、調査等の業務見直しなどの項目についてみずから取組を行うとともに、市町村教育委員会及び各学校に対しても取組を求めているところであります。平成 23 年2月、市内の各学校で調査を行ったところ、全校が時間外勤務縮減強調週間を設定しており、また各校の状況に応じ、効率的な会議運営をするための改善、校務分掌の見直しによる平準化、コンピュータを活用した校務処理体制の整備などの取組を行っているところであります。教育委員会におきましては、校務処理の効率化等を図るため、平成 22 年度から各教職員へのコンピュータの配備を進めておりますが、今後は学校への各種調査についても精査を行うなど、引き続き校務の省力化に努めてまいりたいと考えております。(「議長、17 番」と呼ぶ者あり)

再質問 17番 佐々木秩

2点だけ再質問させていただきます。1点目は、市長の御答弁では、泊原発再稼働の同意範囲については国の動向に注視してということでした。私のほうで新聞等の過去の報道を見ていたのですけれども、4月 21 日の北海道新聞に後志管内20 市町村長のアンケートが出ておりました。その中で、市長の地元の範囲についての回答がありまして、そこには後志管内1市 19 町村を一つの圏域として地元の範囲に含めてほしいという考えが示されておりました。ここを見ますと、国の動向ということで、お考えが変化しているのではないかというふうに感じられるのですけれども、そこら辺のところの整合性というか、考え方に変化がもしあるのであれば、その理由をお聞かせ願いたいというふうに思います。2点目は、ネットパトロール、それから情報モラル対策委員会について教育長に再度伺います。情報モラル対策委員会、先ほどお話のあった組織で活動されているということですけれども、その中の一人とお会いして、特に民間の識者と言われる方にお会いしてお話を伺ったところによりますと、実質的にネットパトロールを情報モラル対策委員会の中でやっておられる方は一人という状態で、その方が昼食をとる間もなく一人でネットをパトロールしているということなのです。そういう状況の中で行われる情報モラル対策委員会なのですが、先ほどの御説明をよく聞いていますと、予算はついていないということですから、そういう中で行われているというのは非常に寂しいかと。できれば、この情報モラル対策委員会を、法務局や警察という少し離れたところの相談所ではなくて、もう少し組織としてきちんと整備して、相談専門の人を置いて、市内の保護者や教員、児童・生徒が相談できる、そして啓蒙活動やネットパトロールもしていくような、そういう少し実効性のある対策ができるように発展させていただけないかという提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

佐々木秩議員の再質問にお答えいたします。先ほどの泊原発の関係でありますけれども、再稼働については国の動向ということで私は先ほど答弁させていただきました。今日の昼のNHKニュースを見ておりますと、原子力規制委員会が今月 19 日に立ち上がるというようなニュースがありました。また、同時に原子力規制委員の任命も同じようにするということでありますけれども、基本的には原子力発電所の再稼働については、国の判断で行うのだろうというふうに思っております。地元の自治体の意向ということについては、現在もそのようになっていないわけでございまして、私も北海道新聞の取材でどういうふうに答えたか定かではありませんけれども、私の責務としては、小樽市民の安心・安全を守るということが本当に大前提だということを今までも繰り返し申し上げてまいりました。その中で、安全確認協定というのは、それまでは地元4町村だけとの協定でありましたので、本市といたしましては、やはり泊原発に関する情報の提供、それからこれに対する意見を述べる機会、こういったことも本市にも与えてほしいということで今まで取り組んできたわけです。それは本市単独でそういう取組をしても極めて弱いわけでございますから、やはり泊原子力発電所のあるこの後志管内20 市町村が一つになって取り組んでいきましょうということでやってきたわけでございます。そのために、私どもも昨年からでありますけれども、後志町村会 19 町村の皆さんと一緒になって道や北海道電力にそういう要望をしてきたところでございます。その結果、道や北海道電力が新しい安全確認協定については、後志管内 20 市町村を入れましょうというふうになったわけでございます。なお、この安全確認協定については、地元の4町村は別のくくりでございまして、残りの 16 市町村についてが新しい安全確認協定の対象ということであって、これは本市と北海道電力と北海道と協定を結ぶということではありませんので、御理解いただきたいのです。これは要するに4町村を除く 16 市町村が連名で協定を結ぶということですから、昨日来からの答弁の中でも、本市のほかの 15 町村との動き、15 町村の考え方なども勘案して、この新しい安全確認協定に取り組んでいきたいと申し上げてきたわけでございます。ですから、議員がおっしゃるように、7月でしょうか、私も今頭の中に入っていませんけれども、いずれにしても国の動向ということは、原子力規制委員会が設立して、そちらのほうで泊原発だけではありませんけれども、全国の原子力発電所の再稼働について判断するということでございますので、それで私は国の動向を見極めていきたいと答弁したということでございますので、御理解いただきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)

ネットパトロールの体制についてでございますが、できれば予算があれば民間に委託してということが一番いいのでしょうけれども、本市の財政状況を考えれば、大変難しいものがあります。ただ、現在、道教委から非常勤でありますけれども、一人コンピュータに詳しい事務職員の定数をもらって校内LANなどの研究をしていただいておりますので、来年度も引き続きそういう職員を活用して、ネットパトロールに詳しいその人を講師として、学校の教職員にコンピュータのネットパトロールの方法などについて伝達していただく、又は研修会などで教職員に数多く技術を学んでもらって、人数が多くなれば、交代でパトロールもできますので、そういう体制で当面は行っていこうかというふうには思いますが、ただ、今後もこの情報モラルに関しては、年々どんどん新しい技術が進展していくということもございますので、当面はその対策で、将来的にはある程度お金をかけた体制も考えなければならないかなというふうには考えております。(「議長、17 番」と呼ぶ者あり)

再質問 17番 佐々木秩

教職員にネットパトロールをするための技術を教えるというお話もありましたが、先ほども言いましたように、教職員にはこれ以上ネットパトロールをするという余裕は全くありません。私の友人で一人生活指導を担当した者がいますが、何か月間かネットパトロールをやって、精神的に追い込まれて、ついにそれはできないということで断念しました。それほど大変な作業だというふうに思いますので、できたら専門のことでおっしゃれるような方向でもう少し検討をお願いしたいと思います。次に、市長の御答弁で少し理解できないような部分もあったものですから、伺いたいのですけれども、国がそういうことをやっていくというのに注視してということはわかりましたが、市長がおっしゃるように、市民の安全・安心を第一にということであれば、小樽市を守る立場で、市長が確かな見識を持ってしっかりとこの再稼働について判断をするという考えをきちんと持っているということは、非常に大切なことだと思いますので、そこのところはきちんと主張をしていただけるようにお願いしたいと思います。どうしても、この再稼働の問題については、電力の需給や経済性の問題になりそうですけれども、それよりもやはり小樽・後志に住む人たちの安全第一だとおっしゃる市長のお気持ちを生かした形で、対応していただけるようにお願いしたいと思います。

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

佐々木秩議員の再々質問にお答えいたします。私はかねてから申し上げていますように、原子力発電所についてはやはり安全・安心、こういったものが見えなければ、なかなか再稼働ということについてもしてはいけないのだろうというふうに、私自身も思っているところでございます。ただ、小樽市がそれを認可するかしないかというのは、そういうことではありませんので、国の動向を見極めてというふうに申し上げているのであって、私は常々申し上げているのは、やはり安全を第一に考えて取り組んでいただきたいということで、これは道に対しても北海道電力に対しても常日ごろ言っていることでございますので、御理解いただきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)

ネットパトロールの必要性については、十分認識しておりますので、今後ともその体制についてどうあるべきかということについて、引き続き検討してまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 平成24年第3回定例会 2012年9月11日 議事録 PDF(73ページ) 間違いを知らせる