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士別市議会 令和7年第3回定例会 2025年10月21日

市立病院経営強化プランの進捗について

2025年10月21日、士別市議会の一般質問で、西川剛議員が「市立病院経営強化プランの進捗について」質問し、経営管理部長 池田亨、病院事業副管理者 中舘佳嗣が答弁しました。

質問者
西川剛 議員
答弁者
経営管理部長 池田亨、病院事業副管理者 中舘佳嗣

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 7番 西川剛

3点目の質問は、市立病院経営強化プランの進捗について伺います。令和6年度から10年度までを期間とする士別市立病院経営強化プラン、このプランは、総務省が示した持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドラインに基づく策定に向け、医療系コンサルタントの経営分析とシミュレーションや経営アドバイザー支援を活用した病棟再編ワーキンググループの議論によりまして、計画のスタートとなります6年4月から3病棟129床体制と、患者さん中心の医療を行い地域から信頼される病院づくりを進めますと、病院の基本理念、さらには基本方針をも見直しての経営初年度を終えまして、決算概要も示されているところでございます。プラン進捗に関わります実績報告書については、今後の取りまとめ公表だとは思いますが、まずはその概要として、このプランで求めていた医療機能や医療の質に関わる目標や経営指標に関わる数値目標に関して、この実績の概況とそれらに対します見解をお知らせいただきたいと思います。10月6日に開催をされました士別市立病院講演会で、島根県の公立邑智病院副院長で、総務省経営強化アドバイザーの日高武英氏の御講演を聴講する機会をいただきました。現在、市立病院は再整備を検討、これに当たって病院の将来に向けた在り方と目指すべき方向性について、市民委員会から答申をいただいている状況でもあります。今回の講演では、士別市立病院同様に人口減少の進む地方にあっても再生を図り、健全経営を実現するとともに、病院再整備が実践された、それら取組について、本当に数多くの取組を御紹介いただいたところでございます。今回の講演は、過疎地域における自治体病院経営の成功例として、士別市立病院の目指すべき目標とも言えるものだと、私は講演を聞いて受け止めましたので、先日の講演の中で御紹介のあった邑智病院の経営改善の取組と市立病院の現状について、お聞きをしたいと思います。一つ目は、病床利用率についてです。邑智病院は、急性期57床、回復期41床の一般病床98床、その病床利用率は95%を超えるとのことでした。病院経営においては、病床利用率が上がれば収入改善だけでなく、業務施設改善の投資経費にも回せるとのお話でした。1ベッド一日当たり3万5,000円の売上げ、この状況で病床利用率を改善し、3床増えれば年間3,000万円の売上げ増だ、こういった数字も具体的にお聞かせいただきました。士別市立病院は6年度の病床利用率80.38%、前年比では9.28ポイントの増と、大幅に改善とはなっているところでありますが、経営強化プランの数値目標は86.1%です。ベッド数に換算すれば、七、八床でありましょうか。収益についても1ベッド当たりの単価が邑智病院とは違うということもあると思いますけれども、この病床利用率を上げていく取組というのが病院経営の中では大事だと講演の中でも言われておりましたので、まずはこの点、本市市立病院における利用率向上の方策はありますでしょうか、お聞きをいたします。次に、病院原価管理手法の導入です。管理会計によって経営を職員と共有することで、職員一人一人が病院を我が家のように考え、改善の知恵を出し合った結果、時間当たりの付加価値、職員の生産性がアップしたと紹介でございました。その手法として、診療報酬を管理部門ごとに分解。入院であれば入院患者1人増で、その増収分を見える化できる。また、収入を分けることによって支出も部門ごとに分けることができ、結果、職員一人一人の業務や働き方が経営にどう寄与するかが分かり、職員生産性の向上につながっているとの講演での御紹介でした。そこで、市立病院の場合、管理会計の仕組みについてはどのような手法を取られているのか教えていただきたいと思います。次に、好循環な病院づくりに向けた職員満足度を高める取組についてです。邑智病院では、患者満足、健全経営、療養環境、職員満足、この4つの循環の中で、患者満足を上げるには医療の質を向上、そのためには職員満足を高めることが重要視されていると、非常に興味深い講演でございました。医師の負担軽減はもとより、女性が多く働く医療現場ですので、女性が働きやすい環境の整備では、病児保育室の開設、託児事業を病院主導で導入、夜勤看護師へ検食を利用して食事を提供、職員授乳室の整備、また、施設再整備においては、夜勤者駐車場を設置するなど、数多くの職員満足を高める取組が紹介をされていました。本市市立病院の経営強化プランでは、人材確保に関する取組は多く計画されているものの、邑智病院の取組のようないわゆる福利厚生のような取組までの記載はないわけでありますが、こういった職員満足を高める取組こそが結果、職員確保につながる。また、患者としてお世話になる場合にあっても、生き生きと働く医師、職員にお世話になりたいと思うものです。市立病院での取組の現状をお知らせいただくとともに、職員満足を高める取組から、好循環な病院づくり、これについての見解をお伺いしたいと思います。最後に、健全経営の確保についてです。公立邑智病院は、多くの努力による経営改善を果たすとともに、その中で施設再整備も進められました。高い病床利用率、医業収支比率を維持してきておりましたが、そんな中にあっても令和6年度は14年ぶりの赤字ということでございます。6年度においては、全国の公立病院の86%が赤字とはいえ、経営指標がこれだけ高い病院でも赤字となりました。その理由はもちろん、人件費高騰や診療材料ほか物件費が急騰し、診療報酬が全く追いついていない状況だからです。国においては、次年度の診療報酬改定でしっかりとこの情勢対応をすることはもちろんでありますが、昨年度改定での不足分についても対応すべきだと思います。この点、公立病院の安定経営に向けた診療報酬見直しに関する取組の強化が必要だと思いますが、いかがでしょうか、見解を求めます。それにも増して直近の課題としましては、今年度の公立病院を悩ます課題は賃金改定の対応だと思います。人事院勧告の水準が3%を超えました。自治体によっては、病院経営の厳しさや病院賃金改定に関する直接的な交付税措置がないといった事情もあって、市町村は改定できても公立病院まではできないというところが出てきそうだと、そんな情報も聞こえてまいります。本市においても当然、病院の経営環境は厳しい状況でありますが、市役所と病院でこういった賃金改定の対応に差がつくこととなれば、ただいま取り上げております好循環な病院づくりのため、職員確保や職員満足にも当然マイナスとなりかねない事態だと思いますので、本市における今年度の賃金改定についての市と病院において差をつけることはないということを確認させていただいて、この質問を終わります。 (降壇)

答弁 経営管理部長 池田亨

ただいまの質問にお答えいたします。最初に私から、市立病院経営強化プランの6年度実績、病床利用率向上の方策、管理会計の仕組みについて答弁申し上げ、働きやすい環境づくりによる職員満足度を高める取組、診療報酬見直しに関する取組強化、今年度の給与改定に対する考えについては、事業副管理者から答弁申し上げます。初めに、市立病院経営強化プランにおいて設定しています医療機能や医療の質に関する目標、それから経営指標に係る数値目標に関しての主な実績と見解についてです。まず、医療機能や医療の質に係る区分においては、入院患者に関する数値目標は一日当たり一般病棟で39人、地域包括ケア病床で35人、療養病棟で37人の合計111人として議員からお話のとおり、病床稼働率を86.1%と設定しておりますけれども、実績では一般病棟で39.7人、地域包括ケア病床で32.2人、療養病棟で31.8人と合計103.7人となりまして、病床稼働率は80.4%となったところです。また、外来患者数でも一日当たり390人と設定しておりましたけれども、こちらも365.1人となったところです。これまでの取組としましては、医師確保に向けては多様な働き方やインセンティブになり得る制度設計を目指しまして、定年延長や職場環境の改善に取り組むとともに、招聘活動も強化しまして、昨年から新たに7名の着任に結びついたところです。地域医療に対する市民の理解を深めるために、市民有志から成ります応援隊によります応援隊だより、これらの増刊やSNSによる情報発信も新たに取り組んだところです。また、医療DXの推進においては、電子カルテ情報を活用しました士別市医療介護連携ネットワークシステム、こちらの運用開始のほか、胸部エックス線の撮影においてAIの診断システムも導入しております。また、画像管理システムの連携によりまして、高次救急医療機関内での救急のトリアージのほか、専門医とオンラインにより連携する、例えば遠隔透析の導入に向けても、現在準備を進めているところです。次に、経営指標に係る数値目標におきましては、収支改善に関するものとして経営の健全化を示す経常収支比率、こちらは94.8%設定のところ実績は91.4%、医業収益が医療費用をどの程度賄えるかを示す医業収支比率では72.0%設定のところ67.3%、それから医業収益から他会計負担金を除いた修正医業収支比率では67.0%設定のところ62.3%となっております。6年度からは医療系コンサルタントの支援も受けまして、診療報酬改善に取り組んできており、また、そのノウハウを蓄積することで、今後さらなる収益改善につなげていきたいと考えております。経費削減に関するものとしては、職員給与費対医業収支比率、こちらは73.1%設定において80.0%、それから経費対医業収支比率、これは37.9%設定のところ43.9%となり、これは人件費をはじめとする経費増加の影響が顕著に現れております。次に、病床利用率向上の方策についてです。これまで入院が必要な患者さんに対しては、看護師等の人を入れ苦労した面もありますけれども、人員体制が厳しい中でも入院を断ることなく受入れを行ってまいりました。こうした中、病床利用率向上に向け、6年度の下半期からは適切で効果的なベッドコントロールと、それから退院調整手法の見直しを図りまして、患者さん、病院ともメリットを得られることを基本的な考えとして、医師が方針を決めて、それで看護師が実際の調整を行うという看護部主体のベッドコントロール会議なるものによる退院、それから転棟の決定を行うこととしております。また、4月に3病棟129床体制でスタートしたわけですけれども、合わせて病床機能の見直しも行ってまいりまして、機能分化によって当院が担うべき回復期病床の機能を拡充しております。具体的には、地域包括ケア病床を24床から39床へと15床を増床させまして、これに合わせて理学療法士を増員するなどして、病床回転率の向上に向けたリハビリ体制の拡充も併せて図っております。入退院支援体制の強化に向けては、6年度にこれも機構改革を行いまして、入退院支援センターを設置したほか、他の病院や診療所、介護施設などとの連携を担う地域医療室においても、医療ソーシャルワーカーである社会福祉士の増員を図ってきております。こうした取組が一定程度軌道に乗りまして、7年度の上半期の病床利用率においては、83%から85%ぐらいの間を推移している状況がありまして、6年度を上回る利用率となることは見込んでいるところです。次に、当院の管理会計の仕組みについてです。先日の公立邑智病院の取組の講演で、時間当たりの原価を職員で共有する、そういった新たな手法の紹介がなされておりましたけれども、当院では今のところ、経営強化プランの進捗管理を担って各部門の課長職以上がメンバーとなります月例開催の経営強化本部、こちらにおいて月別の患者数や医業収支、それから四半期ごとには各部門が担った検査の件数や業務目標の進捗状況、これらの報告を行うとともに、院内の意思決定機関としまして事業管理者が主催する院議、こちらも設置して毎週開催するなど、的確な経営判断に努めることとしています。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)

答弁 病院事業副管理者 中舘佳嗣

私から、働きやすい環境づくりによる職員満足度を高める取組、診療報酬見直しに関する取組強化、今年度の給与改定についてお答えします。当院では、これまで医師の負担軽減に向けて随時改善を図っており、6年度におけるAI診断システムの導入のほか、医師の事務作業を行うドクタークラーク体制の充実についても、現在協議を進めております。看護師の負担軽減に向けては、これまで看護師が行っていた採血を臨床検査技師が行うなど、看護師以外の医療職が法令の範囲で可能な医療行為などをタスクシェアワーキンググループで検討を進めて、部門間の応援体制の推進を図っています。また、福利厚生的な働きやすい環境づくりについては、院内保育所での受入れ対象の職種を、以前の医師と看護師のみだったものを医療従事職に拡大し、特別休暇の取得期間についても延長するなど、環境改善を図ってきました。こうした子育て支援や柔軟な勤務体系など、多様な働き方を充実させることにより、ライフステージに応じて働き続けられる職場環境の構築を強化プランにも位置づけているところです。職員満足度を高め、基本理念である患者さん中心の医療を行うためには、組織の価値観に基づいた行動を促す仕組みが重要となります。このため、多職種から成る医療現場でそれぞれのスタッフが納得感を持って業務に取り組むために、結果のみならずプロセスを重視した経営マネジメント手法を導入しました。このことにより、部門ごとの目標管理を行うとともに、心理的安全性の向上を図ることで、医療の質の向上や経営改善などの好循環を図り、よりよい病院づくりに取り組んでまいります。次に、診療報酬見直しに関する取組強化についてです。西川議員お話のとおり、当院も加盟する全国自治体病院協議会が実施した6年度決算状況調査の結果、86%の加盟公立病院が赤字の状況にあり、また、医業費用は前年度比4%の増加、うち材料費は3%、人件費は5%、光熱水費等の医業外費用は3%の増加と公表がされました。政府は、骨太の方針2025において、社会保障関係費については、高齢化による増加分に相当する部分にこうした経済物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する。また、社会保障関係費の注釈に、社会保障関係費の伸びの要因として、高齢化と高度化等が存在するとしたところであり、国としても危機的な医療機関の現状を危惧されたものと思料されます。こうした中、対応策の早急な具体化が求められる状況にあり、全国自治体病院協議会は全国自治体病院開設者協議会との連名で、8年度診療報酬改定の大幅な引上げや緊急的財政支援、地方交付税措置の拡充など、国に対する緊急要望活動を行いました。さらに、北海道市長会も8月に関係省庁に対し、公立病院の経営安定化に関する緊急要望を行ったところであり、報道機関等を通じて市民の皆様にも現状の課題に対する理解を深めていただくよう努めるとともに、今後、来年度の予算編成や診療報酬改定に向け、様々な機会を捉えてこうした働きかけを続けてまいります。最後に、今年度における給与改定について、市と病院において差をつける考えになるかとのお尋ねです。これまでお話ししたとおり、当院の経営状況は大変厳しく、今年の人事院勧告を考慮するとますます厳しさを増すことが危惧されます。現行制度においても、診療報酬におけるベースアップ評価料により、幅広い職種の処遇改善に活用しているところですが、財源としては一部にとどまります。今後、経営改善の一層の取組と様々な制度の活用により、現段階としては市と同様の給与改定にのっとって実施していく考えです。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)

出典:士別市議会 令和7年第3回定例会 2025年10月21日 議事録 PDF(37ページ) 間違いを知らせる