士別市議会 令和7年第3回定例会 2025年10月21日
新たな歳入確保について
2025年10月21日、士別市議会の一般質問で、西川剛議員が「新たな歳入確保について」質問し、市長 渡辺英次が答弁しました。
- 質問者
- 西川剛 議員
- 答弁者
- 市長 渡辺英次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 7番 西川剛
次に、新たな歳入確保について質問いたします。本市財政の課題、過去に出されているものをひもとけば、令和3年度士別市財政健全化実行計画によれば、財政構造として、市税等の自主財源は25%程度、現在策定中のまちづくり総合計画における定住人口の推移見込みでも、人口減少を織り込んでいる状況です。令和6年度決算における財政運営のあらましでも、時代の変化や人口規模に応じた行政機能のダウンサイジングと持続可能な財政基盤の確立を目指すとされております。こういった状況に対しまして、市では事務事業アセスメントによる事務事業の見直し、公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の最適化、いわゆる総じてコストカットを進めているわけでありますが、私はそれだけでいいのかと大いに疑問を持つところであります。先日執行されて、渡辺市長が勝利をいたしました士別市長選挙、相手候補でありました北口ゆうこう氏は、行政が稼ぐ力を持つべきと、市町村宿泊税やJクレジット制度を活用した森林由来のクレジット創出、公共施設の命名権活用など、新たな歳入確保策に取り組むことを選挙を通じて訴えられておりました。そこで、今後の本市の歳入確保として、宿泊税と森林由来のクレジット創出についてお聞きしたいと思います。まず、宿泊税についてです。北海道は地域社会及び北海道経済の発展に資する観光の振興を図る施策に要する費用に充てるため、北海道内のホテルや旅館、民泊などに宿泊する場合に、宿泊者に対し課税する宿泊税を来年、令和8年4月から導入いたします。昨年12月、道議会における条例可決、今年7月一部改正、8月の施行規則等公布、その間、施策検討に向けた意見交換会、事業説明会なども開催されるなど、道としては来年度に向けた準備を進めているものと承知をしているところです。そこで、この宿泊税の導入による本市への影響を伺います。まずは、北海道宿泊税の概要、納税義務者、宿泊税の徴収方法や特別徴収事務を行う市内のホテルと宿泊施設の状況、税率によるところの本市関係の納税額見込みなどについてお知らせください。また、この宿泊税の使途、施策は、観光の付加価値の向上、観光に係るサービス及び旅行者を受け入れるための体制の充実強化、災害等の観光分野における危機に対応するための取組強化といった3つの政策目標を柱に検討されるとされているところでありますが、これによる本市への関連、例えば本市においてはどういった事業の財源として充て込まれるのか、あるいは本市としてはどういった事業に活用したいと考えているのかなど、本市への関連についてもお知らせいただきたいと思います。そして、市町村宿泊税についてです。本市は有名な観光地ではありませんが、この間の地域振興の取組によって、企業誘致やスポーツ合宿の振興、これにより一定規模の関係人口による宿泊数があると思います。とりわけスポーツ合宿の面では、直近においても士別inn翠月といった宿泊施設や朝日三望台シャンツェ、陸上競技場といったスポーツ施設の改修に多額の費用をかけ、引き続き合宿の聖地づくり、このことによって地域への入り込み状況を拡大しようという計画をしているところでありますので、道の宿泊税による施策、これを待つだけではなく、本市独自の宿泊税を創設し、今後の観光、合宿の振興に対して、来られる方の直接負担、これによって直接的な施策を検討するべきではないかと考えるところであります。この点、新たな歳入確保としての市町村宿泊税の導入についての見解を伺います。次に、森林由来のクレジット創出についてです。本市の面積の約74%を占める森林は、国土の保全や水源の涵養などの役割と同時に、大気中の二酸化炭素を吸収、固定し、温室効果ガスの吸収源として地球温暖化の防止に貢献しています。本市でも、森林吸収量の維持、増加を図り、効果的にゼロカーボンシティに貢献することを目的として、令和6年3月に士別市森林吸収源対策推進計画を策定し、成長力が高い活力のある森林の整備を重点的に進めるとしております。一方で、ゼロカーボンを目指す取組においては、温暖化対策実行計画区域施策編において、事業や生活において省エネルギー対策を中心に取り組み、地域の二酸化炭素排出量の目標が森林吸収量によりニュートラルになり、目標達成はおおむね可能であると見込んでいるところです。ただ、他の地域の状況を見ますと、この温室効果ガス排出量削減量や温室効果ガス吸収量をクレジットとして販売するJクレジット制度、森林分野における森林由来のクレジットの創出、販売が本格化しています。北海道においては、道有林の上川北部と網走西部管理区の人工林、約2万6,000ヘクタールを対象に、8年間、58万トンCO2を創出、その他市町村においてもクレジットを創出し、それらを販売。さらに、森林整備を進める財源として活用されているところです。また、これら森林由来のクレジット創出をはじめ、脱炭素社会の実現に向けた取組全体の推進に向けては、事業者との連携協定を締結して進めるといった事例も広がっておりまして、この士別市近隣においては名寄市が7月に、幌加内町は8月に、それぞれ事業者と協定を締結、森林由来クレジットの創出、ゼロカーボンの推進を図るとされているところであります。改めて、本市における森林吸収源対策による森林整備、その財源確保に向けても新しい歳入確保として森林由来のクレジット創出に取り組むべきと考えますが、これに対する見解をお伺いし、この質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 渡辺英次
ただいまの質問にお答えいたします。初めに、北海道宿泊税の概要についてです。令和8年4月に導入される予定の本税は、観光の付加価値の向上や観光に係るサービス、旅行者を受け入れるための体制の充実強化、並びに災害等の観光分野における危機に対応するための取組の強化、その他地域社会及び北海道経済の発展に資する観光の振興を図る施策に要する費用に充てる法定外目的税とされています。次に、納税義務者についてです。宿泊税の納税義務者は、北海道内に所在する旅館・ホテル、簡易宿泊所、民泊の宿泊者となっており、宿泊料金を支払う旅行者個人が納税対象となります。宿泊税の徴収方法については、北海道が直接徴収するのではなく、宿泊施設において宿泊料金と合わせて宿泊税を徴収し、北海道へ申告納入する形となり、市内の宿泊施設は現地での徴収を行い、一定の手続を経て北海道へ納付する運用となります。特に特別徴収事務を行う市内のホテル等、宿泊施設の状況についてです。宿泊施設の経営者は、旅館業法に基づく許可を受けた、または住宅宿泊事業法に基づく届出をした時点で、特別徴収義務者として位置づけられます。宿泊施設による徴収方法は、特別徴収義務者の間で統一された定めはなく、事業者が事前決済時に宿泊料金と併せて徴収する方法や、現地で徴収する方法など、事業者が運用判断できる柔軟な運用が認められています。また、本市の関係の納税額見込みについてですが、北海道における税率は2万円未満は100円、2万円から5万円未満は200円、5万円以上は500円となっており、基礎的な階層区分が設定されています。本市の令和5年度及び令和6年度の2か年の平均宿泊者延べ数は8万7,350人となっており、仮に8年度同等の宿泊数と税率を100円とした場合、概算納税額は873万5,000円となる見込みです。次に、北海道宿泊税の政策使途に関する本市への関連についてです。北海道では宿泊税を充当する3つの政策目的、観光の高付加価値化、観光サービス・観光インフラの充実・強化、危機対応力の強化を柱に検討すると示しております。また、それぞれの政策において、これまで開催された自治体や宿泊事業者等の意見を踏まえ、具体的な施策を検討するとしており、施設整備支援を含む受入れ機能の強化・高度化や、観光コンテンツの充実を含む資源を生かした観光の推進など、宿泊税の使途が検討されているところです。しかしながら、現段階において各市町村への具体的な内容は示されておらず、北海道に対し、早期の情報提供を求めてまいります。次に、新たな歳入確保としての市町村の宿泊税の導入についてです。本市におきましては、スポーツ合宿の誘致や観光振興を図るため、陸上競技場や朝日三望台シャンツェといったスポーツ施設のほか、士別inn翠月の改修も進めております。こうした中、財源確保の手段として、市独自の宿泊税を導入すべきではとの御提案ですが、将来的な財源確保の観点から、一つの選択肢として検討を進めてまいりました。しかしながら現段階におきましては、宿泊税を新たに課すことで、合宿を目的とした長期滞在者や自動車試験研究などの企業関係者の宿泊利用に対し経済的な負担を与えてしまうことや、本市の宿泊地としての競争力や誘致力にも影響を与えてしまうことから、慎重な見極めが必要と考えています。また、北海道における宿泊税導入の議論においても、宿泊税の使途が明確でないことや地域宿泊事業者との協議不足等により、不安の声が寄せられていると伺っております。このような状況を踏まえ、まずは多くの方が本市を訪れていただくことを最優先とする考えであり、現時点での宿泊税導入は考えておりません。なお、今後の宿泊税の導入を検討する際には、本市の合宿や観光を取り巻く環境の変化を見定めながら、士別旅館業組合や士別観光協会、合宿関係団体などと十分に話合いを行い、使途の明確化や理解の醸成を図り、地域の合意形成を得た上で慎重に進めてまいりたいと考えています。次に、森林由来クレジット創出やオフセット・クレジットへの活用検討についてです。森林由来クレジットは、適切な森林管理による二酸化炭素等の吸収量をクレジットとして国などが認証をする制度であり、創出されたクレジットの活動を通じ、地球温暖化対策への取組のPRを行うことや、クレジットを企業などへ販売することで、売却益を得ることができるものです。そこで、本市における森林由来クレジット創出の検討状況についてです。議員お話のとおり、近年、北海道や道内の自治体が企業と協力して、クレジット創出の取組が進められています。本市においては、これまでに複数の事業者からクレジット創出に向けた取組の提案を受けています。今後、仮に取り組むとなった際には、士別市有林の森林吸収量を販売することになりますが、クレジット創出には精度の高い計測が必要となり、多額の費用もかかることから、本市としてどのような取組方法がよいのか、調査・研究を進める必要があります。また、二酸化炭素等の吸収量が算定でき、プロジェクト実施地となり森林由来クレジットの創出対象となる森林は、森林経営計画が策定されている森林で、1990年以降に植林や間伐等の施業を実施した育成林、保安林などに指定されている天然生林であることが条件とされています。一方で、一定区域にある木を全て伐採する主伐を実施した場合、二酸化炭素等の排出量をクレジット創出時に吸収量から差し引かなければならず、現在最終的に創出できるクレジット量とその売却益の検討を行っているところです。本市としては、士別市森林吸収源対策推進計画において、計画的な森林の整備などによる活力ある森林づくりを推進するとしていることから、市有林全体の状況を鑑み、市有林の健全育成や森林資源の充実の視点、森林由来クレジットの創出による財源確保など、総合的な視点で調査・研究を進めてまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)