士別市議会 令和6年第1回定例会 2024年3月7日
市立病院の経営安定化に向けた取組について
2024年3月7日、士別市議会の大綱質疑で、村上緑一議員が「市立病院の経営安定化に向けた取組について」質問し、経営管理部長 池田亨、病院事業副管理者 中舘佳嗣が答弁しました。
- 質問者
- 村上緑一 議員
- 答弁者
- 経営管理部長 池田亨、病院事業副管理者 中舘佳嗣
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 村上緑一
令和6年第1回定例会に当たり、通告に従いまして大綱質疑を行います。市立病院の経営安定化に向けた取組について伺います。初めに、地域医療の現状です。社会の人口減少や高齢化などにより、医療ニーズに対応するため、各地域に適した医療制度をつくり、医療機能や病床数を推定し、機能分化や医療機関同士の連携を図ることを進めてきました。本市としても、名寄市立病院との連携を図り、機能分化を進め、急性期から回復期、慢性期を中心とした医療体制へ転換し、また、病院経営面においても、院長を先頭に職員の意識改革をはじめ経営改革を率先して行い、赤字経営から脱却し、黒字経営となったことは敬意を表するところです。その後、コロナ禍になり患者数が減少し、コロナが収束してきている中でも患者数の減少が続いているとお聞きしております。現在の外来患者、入院患者が何%減少してきているのでしょうか。今後の患者さんが安心して病院に来ていただくためにも、看護師不足、医師不足の解消が急務だと思いますが、令和6年度の経営安定化に向けた取組の考えをお聞きします。次に、救急医療体制についてです。私は名寄で行われました上川北部救急隊症例報告に参加させていただきました。そこでは、救急車に乗られている救急隊員の実践報告がありました。本部と救急隊との連絡、連携、救急隊による被害者の症状の把握、救急車での搬送かドクターヘリを頼むかの決断、症状によっては他市町村間への連携や搬送なども考慮しているとのことでした。安全で早く病院へ届けることを心がけ、救急隊と医師との連携の必要性についてもお聞きし、より一層、救急医療体制の必要性を感じました。士別でも、前まで救急車での搬送は症状に応じて名寄市立病院へ直接搬送されましたが、今は医師不足のため、一度は士別市立病院で診断される体制となっております。今後の救急医療体制についての考えを求めます。次に、病院の経営安定化に向けての対応です。地方公営企業法によって病院経営に充てることが適当でない経費や経営収入など、訪問診療や看護、小児科医療などについても一般会計から補助するとあります。6年度病院事業会計補助金9億5,322万円となり、前年より約1億円ほど増えておられます。今後も一般会計からの補助は増えるのか、これらについての考えを伺います。次に、士別市立病院経営強化プランについて伺います。このプランは、地域完結型の治し支える医療とあります。市立病院の基本理念、基本方針、収支計画の考え、各種の取組についてのプランの進め方の考えを伺います。以上申し上げ、市立病院の経営安定化に向けた取組について答弁を求めます。
答弁 経営管理部長 池田亨
私から地域医療の現状についてお答えいたします。新型コロナは令和2年1月、日本で初めて確認されたとされております。初期段階では当院の患者数に直接大きな影響はないとの認識はしておりますけれども、患者数の推移で申し上げますと、直近3か年でいきますと、外来でいけば3年度が9万8,578人、4年度が9万7,235人、5年度の見込みとして9万5,940人ということで、マイナス2.7%と捉えております。一方、入院につきましては、3年度が4万1,823人、4年度が3万6,150人、5年度の見込みとして3万2,850人ということで、こちらはマイナス21.5%と、大きな減少となっています。4年度、5年度と大きく減少した要因ですけれども、4年度におきまして、変異株のオミクロンによって、それまでクラスターは1回もなかったんですけれども、合計4回のクラスターに見舞われました。クラスター発生によって、患者さんにおいては新規の入院を受けられない、そういったことがまず制約として発生しましたし、職員や家族の感染も出てきましたので、そこでスタッフの出勤に影響が出てきて、体制を維持が苦しくなりまして、その診療体制を確保するために、4年度の11月から2階病棟を休止しまして25床が減じている状況であります。これは現在にも至っております。そういったことで、コロナの影響というのは本当に多大と思っておりますけれども、色分けはできませんけれども、地域の人口減少も相まって患者数には大きな影響になっております。続いて、6年度の経営安定化への取組になりますけれども、今回、3年度から7年度までの独自で策定した現行の経営改革プラン、これを国の示すガイドラインに基づきまして6年度から10年度までの経営強化プラン、こちらのほうに改定しようとしております。その柱としまして、4月からは3病棟体制129床、この形に改めるとともに、地域包括ケア病床を今より15床拡充しまして、住み慣れた自宅での生活を中心とした、いわゆるときどき入院、ほぼ在宅に向けた回復期ニーズをより充実させようということで対応しております。この3病棟の体制再開に当たって、看護師、それから看護補助者の確保は極めて喫緊の課題としておりまして、特に夜勤体制を維持することが急務となっています。現在、養成機関への声かけでありますとか民間の紹介業者を活用しつつ、潜在的な資格者に向けて、短時間勤務ということをいろいろ提案しまして、様々な働き方で募集をしているところでございます。あわせて、フロアをまたいだ、例えば2階と4階の病棟をまたいだ看護体制の連携をやるとか、看護体制、それから各部門、検査、放射線、リハビリ、そういったスタッフの垣根を超えた業務を分かち合うタスク・シェアというのもこれから今進めるところで取り組んでいる最中でございます。それから医師については、この4月から年間の時間外の上限規制をはじめ、働き方改革が本格的に開始されます。既に当院は労働基準監督署のほうから宿日直許可を得ているところでございます。しかしながら、将来的な人材確保に向けまして、初期臨床研修医の積極的な受入れを推進したり、地域総合診療の専門プログラムによる指導で、若い人から中堅、それから高齢を含めて、セカンドキャリアを含めた多様な人材育成を目指しております。それから、医師については現在65歳定年でありますけれども、これも必要に応じて延長すると、さらに特例任用を検討するということを考えまして、さらに活躍の場を広げていきたいと思っております。それと医師、看護師、補助者に関係する部分ですけれども、病床の効果的な稼働をもくろんでおります。それに対して、緊急入院というのはどうしても必然でありますから、その緊急入院に対する業務負荷も今後増えますので、それに対する処遇改善として何らかの手当てということを考えております。今のところ知己を通じまして、この4月から消化器内科の医師の赴任が確定しております。週4日間の勤務となりますけれども、外来病棟をはじめ、宿直や化学療法、それから看取りといった部分での活躍を期待しているところです。それから、医師については就学資金の貸付け制度をやっておりまして、これは平成21年度から開始しておりますけれども、現在2名の方が継続中であります。これについても、近い将来というよりは中期的なものになりますけれども、活躍を期待しているところであります。それから続いて、救急医療体制のことになりますけれども、これについては、これまで名寄市立総合病院との間で、士別は2次救急ということで入院や手術を必要とする患者さんを365日24時間受けるという体制を取っております。それから名寄については、救急救命センターを持ちながら、より重篤な患者さんを対応する3次救急としての役割を担っていますので、その機能の分化と連携をしているところでございます。その取組としまして、小児の救急、それから脳血管疾患、整形外科領域、それから心臓疾患は現在、名寄に直送する運用を行ってきましたが、脳血管疾患については平成27年度から救急隊のチェックシートを用いて直送できるという体制を取っておりましたけれども、令和5年度におきまして、名寄の脳神経外科の医師体制の縮小もあって、これが中止となりまして、現在は一旦士別に搬送して、それで画像診断を行った上で名寄の搬送の可否を判断してもらうという流れに変更しております。それから、地域でそういった限られた医療資源になっておりますので、これについてはそれを補う意味で各種のICTツールを支援策として使っております。例えば、ポラリスネットワークといいまして、これは名寄との間で中心に救急の切り分けをやったのをはじめ、現在はID-Linkという二世代目に発展しましたけれども、そちらで入退院の調整それぞれを含めて広く活用しております。それから、士別の消防、それから私どもの病院で持っておりますケースラインということで、これは心臓疾患の紹介の際に心電図や心エコーの画像を直接送れると。それでまた判断をいただくというシステムを使っております。それから、この2月から画像共有アプリのJoinというのを導入しまして、これはまだ多く使ってはおりませんけれども、時間外においても専門の担当医が自宅においても画像診断が可能であったり、あるいは旭川赤十字病院への支援の拡大も可能ということになっております。医師の臨床研修医制度による医師の偏在の影響というのは大きくて、地域医療体制、救急医療体制を守るための医師派遣を行っていただく旭川医大をはじめ医育大学のほうでも医局内に十分な医師を確保できていない状況と聞いております。そういったことで、医師の確保については、一つの病院や地方自治体で解決できる課題ではないものでありますけれども、これからも救急医療を含め、地域を守るために、名寄との協議、あるいは医大への交渉というのは継続して行ってまいります。続きまして、経営安定化に向けての一般会計繰入金の考え方でございます。このたびの強化プランの改定に伴いまして、繰入れ基準の見直しは協議してまいりました。その中で新たに会計年度任用職員の勤勉手当の部分、それから電子カルテの起債償還が始まることによる影響ということで、規模的には1億円ということになります。ただ、これはそれぞれ有利な普通交付税の算定でありますとか財政措置もありまして、市の持ち出しが1億円になるということではございませんけれども、病院のほうには9億5,300万円の規模で頂くということになります。それでも6年度の当初予算では収益的収支で2億6,300万円の純損失の発生見込みということで、大変厳しい状況であるということでございます。今のプランにおいても、繰入れ基準に基づいた額を基本としまして、単年度不良債務が発生したとしても、これまで積み上げてきました内部留保で補填するという考えにございました。これについては、新たな強化プランにおいてもこの考え方は継続しますし、ただ、4月からの3病棟体制の再開ということを柱としまして、回復期病棟の活用を十分に行って改善を目指すところでございます。以上です。
答弁 病院事業副管理者 中舘佳嗣
私からは経営強化プランについてお答えいたします。まず、基本理念についてです。今回の計画策定に併せまして、患者さん中心の医療、これをこの基本理念に据えて病院経営に当たるという考え方です。この理念を踏まえて、患者さんの意思を尊重し尊厳を守る、こういった考え方を持って、お話にありましたとおり、治し支える医療ということを主題としておりますが、これは病院として治療し治すのみならず、地域の介護、保健、福祉、こういった分野と連携することで患者さんの生活を支える地域完結型のサービスを目指すという意味で設定をしたところであります。各種の取組についてでございますが、今、池田部長から御答弁申し上げましたとおり、まずは病棟を再編するということで、回復期に力を入れて運営をしていくということ。それから、新興感染症に対する対応につきましても、専門性を持った職員の人材育成が急務だと思っておりますので、こういった部分にも併せて取り組む。また、地域包括ケアシステム、これの実際の実現のためには情報の共有が必要ですので、電子カルテのデータなどを情報基盤としながら、入院から在宅まで切れ目のない支援を行っていきたいという考えです。また、現状の建物、病院が建築も40年近くたっているということもありますので、今後、大規模改修なり建て替えということを視野に検討を進めなければなりません。そういった再整備についても議論を深めていく考えです。この強化プランの中では、経営の効率化、医業収益の増加ですとか経費の最適化のみならず、地域に求められる医療機能の確保、医療の質の向上、こういったことを併せて進めていくことで地域住民に信頼される病院を目指す。これが肝要と心得ているところです。次に、収支計画についてです。現状としては、この計画期間内に何とか収益的収支で純利益を出していきたいということで、令和10年度までの計画期間となっておりますので、その10年度にはそれが達成できるような取組を進めていきたいと考えております。最後に、プランの進め方についてです。経営改善の状況、それから効果、こういったことをしっかりと検証していくということがこの計画を実効性あるものにしていくという意味で重要だと考えております。そのために、経営改善とか運営の見直し、プランを実行していくための進捗管理を行う機関として新たに経営強化本部、これを院内に設置することを考えております。今後は、そういった機関の中で議論を深めて、各部門ごとのアクションプラン、こういった部分の策定などについても具体的な取組を進めるための議論を進めていくという考えで、それぞれの部門の目標を、先ほど申し上げました基本理念の達成と連鎖させていく取組が重要だと考えておりますので、そのように取組を進めてまいる考えであります。以上です。
質問 1番 村上緑一
ちょっと2点ばかりお聞きしたいんですけれども、最初に、救急医療体制について御説明ありました。その中で、医師不足により、なかなか士別から直接名寄に搬送できないのが今実情なんですけれども、やはり急性期の症状で、例えば脳梗塞、脳溢血、こういったことが結構何回も起こっている方とか、そういう方も結構多いんですけれども、やはりそういった症例がある場合は、緊急を要することなんで、できれば名寄の医師が、今後、脳外科の方が着任された場合、また、そういった中で専門医に診ていただく体制をぜひ整えていただきたいと思うんです。やはり命に関わる、障害が出る、そういったことも含めまして、早急な救急体制を整える中でもそれは必要だと思いますので、ぜひ名寄の医師の確保も含めて、そういった中で、今後の展開がすぐなるかどうか分かりませんけれども、また、先ほど御説明ありました画像診断の中で、例えば名寄の医師、旭川の医師に診断を委ねて、それに映して対応できる、それは本当に特によいと思います。やはりそういった形も含めて、今後の救急医療体制のことを改めてお聞きしたいと思います。
答弁 病院事業副管理者 中舘佳嗣
ただいまお尋ねがありました救急医療体制につきましては、今回、脳卒中疑いの患者さんの直接搬送ができなくなった。やはり、いつ、どんな場合でも緊急手術ができるような体制ということになりますと、医師体制を確保していかなければ、継続した、そういった運営が難しいということが一番のネックとなりました。そういう意味では、御指摘のとおり、そういった体制が今後進められてくれば、そういった再開についても議論をしていきたいと思いますが、様々なツールを使ってということで言いますと、その画像診断も、例えば患者さんの状態が本当に脳卒中疑いなのか、どんな病気なのかというのは、ほとんど、まず分からない状態というのが一番大きいので、まずは医師にどういう治療が必要なのかというのを見ていただくというのが重要だと考えておりますので、今回こういうふうな形で、例えばJoinというシステムで、本当であれば1時間近くかかるところを、まず最初に一番近くの病院に行って、専門医に何の病気、どういう治療が必要かをまず診断してもらうということで、効果的な治療ができるということも当然あり得ると思いますので、そういった両面で、そういった緊急体制、患者さん中心の医療ができるようにということで、さらに検討してみたいと考えております。以上です。
質問 1番 村上緑一
今のことも含めまして、やはりもしそういう体制が取れれば、本当に緊急を要する場合もありますので、ぜひいろんな、今の画像診断を含めて、迅速な対応で当たっていただきたいと思います。よろしくお願いします。それと、もう一つのことなんですけれども、まず、各年度の収支、この士別市立病院の経営強化プランの案のことなんですけれども、各年度の収支計画案ということで載っていますけれども、その中でこのプランの単年度不良債務が発生したということで、先ほども御説明ありましたけれども、やはり今後も5年、6年ということで、不良債務が発生した中で、留保財源を使って充てるということになっておりますけれども、ちょっと言える金額かどうか分かりませんけれども、留保財源はどのぐらいあり、またそれに5、6年を充てるのか、ちょっと再度お聞きしたいと思います。
答弁 病院事業副管理者 中舘佳嗣
お尋ねがありましたいわゆる内部留保につきましては、令和5年度の決算見込みではありますけれども、3.6億円の留保があるということですが、これが今の計画上で申し上げますと、6年度には1.8億円、7年度には1.3億円ということで、いわゆる単年度の不良債務が発生することによってそこを充てるということで、減少していかざるを得ないだろうと見込んでおります。計画上で申し上げますと、8年度においては単年度の不良債務を解消するということで、それまでに、いわゆるこの計画で考えている様々な経営改善の取組を進めることによってこの単年度不良債務を解消し、現状の留保財源の中で何とか経営を立て直していきたいという考え方でおります。以上です。
質問 1番 村上緑一
ぜひ本当に今いろんな病院経費は本当に高騰している中で大変だと思いますけれども、ぜひプランに沿って、こういった単年度不良債務が発生しないように頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。これで終わります。