士別市議会 令和5年第1回定例会 2023年3月8日
教育行政執行方針について
2023年3月8日、士別市議会の大綱質疑で、加納由美子議員が「教育行政執行方針について」質問し、学校教育課長 須藤友章、社会教育課長 武山鉄也、教育長 中峰寿彰が答弁しました。
- 質問者
- 加納由美子 議員
- 答弁者
- 学校教育課長 須藤友章、社会教育課長 武山鉄也、教育長 中峰寿彰
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 加納由美子
続きまして、教育行政執行方針について伺います。令和5年士別市教育行政執行方針の中で社会教育について、SDGsの視点からも、多様な人々が相互理解の下で共生していく社会の実現に向けて、極めて重要な役割を果たすものと期待されています。特に一人一人の自発的な学びの成果が社会に還元され、リカレント教育が人生100年時代における豊かな社会の構築に大きな影響を及ぼすと捉えられていますとあり、結びにある誰一人取り残さないことや、安心していられる場所を確保していくことが世界的な共通目標として求められているとあります。国連の障害者権利委員会が昨年9月、障害のある子供が分離された場で学ぶ特別支援教育の中止など、日本に対して障害者権利条約に基づく政策の改善点をまとめた勧告を出しました。勧告に拘束力はないが尊重することが求められます。障害に応じて少人数で学ぶ特別支援学級に通う子供が増え続け、旭川市立の小・中学校ではこの10年間で倍増しています。当市では過去10年でどのような変化があるのでしょうか。特別支援学級が増えた理由は、一人一人の教育的ニーズに応じることを目指す特別支援教育に対する理解が進んだからとの考えもあります。多くの人は自分が障害者になる、親族が障害者となる、または新しい家族が障害を持って生まれてきたときに身近に感じるものです。障害者の定義は身体、知的、精神、精神の中には発達障害も含むとあります、その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活、または社会的に相当な制限を受ける状態にある者をいうとなっています。発達障害に関しては、文部科学省の調査で、公立小・中学校の通常学級に通う児童・生徒の8.8%に発達障害の可能性があるとされています。35人クラスで3人の計算となります。障害者と言われてイメージするのは、車椅子の人や手話が多いと言われています。多くの障害がある中で、私たちのイメージするものが限定的なのはどうしてなのか。これは私たちが成長期である児童・生徒のときに障害のある人と交流する機会が極端に少なかったからと考えます。多様性を認め合う社会を目指すことは大切ですが、成長してから自分の周りに多くの障害とともに生きている人が気づくより、教育を受ける段階で自然な形で当たり前にいろいろな人がいることは、相互理解の助けとなります。障害のある方、または障害者と診断されるには至らないが日常生活で生きづらさを抱えている人。その人たちを支援する関係者や家族は、いろいろな人がいて当たり前となる社会を求めています。教育の果たす役割は、人生100年時代においてはますます重要となると考えます。障害者を一くくりに考えることはできません。10人いれば10通りの障害の状態があり、年代や個性、性格の違いもあります。世界的な流れや国・道の施策を追従することも大切だと考えますが、当市の執行方針である誰一人取り残さないという言葉の具体的な執行方針を伺います。4月から新学期が始まります。期待に胸を膨らませている子もいれば、同年代の子に比べゆっくり成長している、新しい友達や環境になじむのに時間がかかるなどの心配があり、今後支援が必要と思われる子供さんもいるはずです。少しの合理的配慮を行えば、子供たちを隔てる壁を取り除く、または壁を低くできるものです。社会教育の部分で表記しているSDGsの考え方の具体策、世界的な流れであるインクルーシブ教育に近づく環境を担保する方向で進める考えについて伺います。以上です。
答弁 学校教育課長 須藤友章(学校教育課長は2024年3月まで)
加納議員の御質問にお答えします。まず初めに、過去10年間の特別支援学級在籍者数の変化についてお尋ねがありました。10年前の平成24年度ですが、小・中学生全員の合計人数が1,575人でございました。このうち特別支援学級に在籍していた児童・生徒が59人、割合にしますと3.8%になります。対しまして本年度、令和4年度でございますが、合計人数が1,020人、支援学級の在籍者が90人ということで、8.8%となります。子供の総数としては減少しておりますが、特別支援学級の子供は逆に増加している状況にあります。先ほど議員がお話しになりました旭川の状況ですが、本市においても倍増とまではいかないまでも増えているという状況でございます。次に、誰一人取り残さない具体的な方針ということで、学校教育の部分についてお答えさせていただきます。昨年9月に国連は、インクルーシブ教育の権利を保障するべきと日本政府に勧告をいたしました。国連教育科学文化機関ユネスコの定義によりますと、インクルーシブ教育は3つございますが、1つに障害のある子のみではなく、全ての子を対象とする。2つ目には、教育システム自体を子供たちの多様性に合わせて変えていく。3つ目には、多様なニーズに対応できるよりよい方法を模索し続けるものとされています。一方で、文部科学省では、インクルーシブ教育システムを推進しています。名称は非常に似ているんですが、こちらのシステムについては現在の特別支援教育の延長線上にあるものでありまして、障害のある子供が自身の教育的なニーズに対応する教育を受けながら、障害のない子供たちとできる限り一緒に学べるような機会を増やしていくというものでございます。ただ現実的には、インクルーシブ教育を行う特別支援学級の子供も通常学級に在籍をするとなった場合に、現在、学習指導要領のほうでは細かな規定がありまして、子供たち一人一人、学ぶスピードや理解の仕方も違っています。その中でこれらのカリキュラムというものを遂行していかなければならず、これまでのようなきめ細やかな指導というのが難しいというようなことがございます。どちらの制度についても、目指すところは共生社会の実現ということでありますが、制度ですとか仕組みにはそれぞれちょっと違いがあるというものでございます。ユネスコの定義によりますインクルーシブ教育、こちらのほうを行っていくには、これまでの日本の制度、これの仕組み、これらを大きく変えていく必要があります。実現には長い時間というものが必要になってくると考えております。人によって障害は様々であります。保護者が求める教育というのも違っています。一例ではありますが、大人数での環境が苦手なお子さん、通常の教室には入れないというようなこともございます。その場合でも、保健室ですとか相談室、別室の登校であれば対応ができるというような場合もありますので、現在のところはこれまでどおり、特別支援学級と通常学級によるきめ細かな指導を行い、一人一人に適した教育、こちらを充実させていくとともに、多様な子供たちに寄り添うことで、誰一人取り残さない教育、こちらを展開してまいりたいということでございます。以上です。
答弁 社会教育課長 武山鉄也(社会教育課長は2023年3月まで)
私からは社会教育の取組について御答弁させていただきます。教育委員会での障害者に対する理解促進でありますが、まず子供たちに対して、児童に対してですが、小学生が参加するチャレンジ寺子屋では、過去に手話体験やボッチャ体験を通じて障害がある方への理解を深めるメニューを実施しております。この手話体験のときには、実際に障害のある方にお越しいただいて講師を務めていただいたところです。また、事業を企画する職員、教育委員会職員については、北海道教育委員会の主催で障害者の生涯学習推進研究協議会が全道各地で開催されておりまして、本市でも令和4年7月に、社会福祉協議会職員、健康福祉部の職員、教育委員会の職員が参加して社会教育事業を実施する場合での合理的配慮について理解を深めたところでございます。社会教育事業についてはこれまでも障害の有無によって、事業の参加者は限定してございませんが、議員お話のとおり、10人いれば10通りの障害をお持ちの方がいる場合があるということもございますので、例えば資料のUDフォント、ユニバーサルデザインフォントの使用や、車椅子などでも参加できるスペースの確保など、従前の部分に加えて取り組むこともできますので、そのようなことを通じて、今後もよりよい参加しやすい環境づくりに努めてまいります。以上です。
質問 5番 加納由美子
やはり士別市も子供の数が減っているんだけれども、特別支援に在籍するお子さんが増えているという現実があるということですよね。その方々はやはりどこかで線引きというか、それは親御さんや本人の希望でこんなに増えているのでしょうか。その辺りがとても私は不思議に思うんですけれども。親になったらできれば、大勢の人数の中ではもうやっている子供はまあ置いといて、できればみんなと一緒に過ごしたいという人が多いように思うんですけれども、その辺りの相談はどのようになっているのかということを伺います。
答弁 学校教育課長 須藤友章(学校教育課長は2024年3月まで)
再質問にお答えいたします。まず保護者との相談の部分ですが、近年本当に早い段階から発達障害ですとかその辺りの御相談をされているケースが多くて、新入学、就学の際の教育相談においても、先に保護者の方のほうから、実はこういう特徴があるので特別支援も考えていますというようなお話があったりする場合もございます。また就学に当たりましての検査ですとかそういうものを行いますので、その際に少し気になる場合には、保護者の方に御相談という形をさせていただきまして、その中で通常学級にされるのか、特別支援学級を望まれるのかというあたりは確認をさせていただいています。以上です。
答弁 教育長 中峰寿彰(教育長は2023年3月まで)
1点だけ追加、補足させてください。そのお子さんの保護者の方がずっと子供さんを見てきて、学校上がるときにどういう選択がいいんだというのもあります。それ以外に幼稚園、保育園の段階からそういった形で引き継がれてということで、そこの連携も十分にしている中での判断もありますので、その点だけ付け加えさせていただきます。以上です。
質問 5番 加納由美子
以前に比べれば、多分すごく充実していて手厚くなっているんだろうなと想像はするんですけれども。私としてはユネスコの考えであるとか、国連からの通達とか、国の施策というのを伺いたかったんではなくて、士別市として、市の教育委員会としてどのようなお考えをお持ちなのかということを質問したつもりだったんですけれども。その辺りを改めて伺って、質問を最後にしたいと思います。以上です。
答弁 学校教育課長 須藤友章(学校教育課長は2024年3月まで)
お答えいたします。御質問の中でインクルーシブ教育もありましたので引用させていただきました。本市としましては、答弁の中にもありましたが、引き続き一人一人を見ていく教育、こちらを推進していきたいと考えております。国のほうの方針で考え方が変わってきた場合にはそれも踏まえながらということになりますが、先ほど来申し上げているとおり、丁寧な対応ということを心がけていきたいと思っています。以上です。
答弁 教育長 中峰寿彰(教育長は2023年3月まで)
先ほど社会教育課長、それから学校教育課長から、最初に答弁をさせていただいた中でもお答えさせていただいたと思っていますけれども、社会教育については様々な機会の中で、多様性という言い方でまとめてしまうのを一部にはどうなのかという話もありますけれども、やはりいろんなお子さんたちがいてということ、これは子供たちだけではなくて大人になって、生涯教育、生涯学習の視点でもそういった関わりというのは大事だと思っています。ですから、例えば手話等も含めて、これ大人の方たち、多くの方がやはり理解するという環境が必要だと思っていますので、そういった視点を持ちながら、さらにはいろんな方たちを、実際に自分たちが接するときにどういった配慮が必要なのかということを体験的に関わる職員や何かも学んでいきたいと思っています。学校教育のほうですけれども、一つインクルーシブということが非常に世の中報じられておりますけれども、理念、考え方はそれが理想だと思っています。ただ、現実的に今、日本の学校教育の中で、一部それを否定する言い方もされる部分もありますけれども、実際のところ、やはり先ほど須藤課長も申し上げましたが、それぞれ学んでいくスピードだとか、理解の仕方というのは、これはもう個々の児童・生徒によって様々だったりもしますし、とりわけその中で障害と認められる状況があれば、当然そこは配慮すべきところであるということになります。いわゆる先ほどお話もありましたけれども、身体、知的、精神、これはLDを含めてということですけれども、それ以外に例えば言語ですとか、ディスレクシアと言われるような一部の理解ができない、そういう子供たちをフォローするということも、本市では北海道大学の協力も得て先進的にやっていると自負しています。そういうものもそうですけれども、仮に全てのお子さんを通常学級にとしてしまうと、現在特別支援学級と設置するとそこに教員が1人配置されます、定数として増えます。ですから、必要に応じてスピードの違いのときには個々の授業を進めながら、一緒にやれる活動はできるだけ一緒にやるという、そういうふうに日常の生活もしていますし、もちろん学校行事はほとんどが一緒にやるという形態で動いていますので、そういう機会を設けながら進めていくことがやはり望ましいんではないかと思っています。現状においては、やはりその特別支援、さらに本市においては非常に多くの支援員を任用しているとこれも自負しているところなんですけれども、この支援員さんたちにも、決して特別支援学級のみならず様々な形で、活動によってはちょっと手助けが必要な子供さんもいらっしゃいますから、そこは通常学級の中でもサポートしたり、あるいは先生方もTTという形で、ティーム・ティーチングという形で、複数体制で子供たちの様子を見ながら指導するということで、本市ではかなり学校現場も工夫をしながら取り組んでいるということがありますので、この部分を引き続き大事にしていきたいと思っています。LDについても、これは今、非常に取り沙汰されるようになっていますが、ずっと以前から、私たち子供の時代から、これはあったものですし、私自身も、時に大人になってから、やはり何かこう自分でこの部分苦手だなというのはありますけれども、そこがちょっとしたところで、やはりどういうふうに見られるか、判断されるかということなんだと思っています。ですので、そういったそれぞれの個性やあるいは苦手なところ、得意なところ、それぞれを、そこを埋めたり、あるいは伸ばしながらという、いわゆる誰一人取り残さないという意味で言うと、これは多分、多分といいますか一つ裏返すと、誰もがやはり活躍できるという社会なんだと思いますので、そういう学校の中で、あるいは社会の中で、そういう存在に一人一人がなれるような形を目指していきたいと、そのように考えているところです。以上です。