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標茶町議会 令和5年第2回定例会 2023年6月6日

支援策を見直して新規就農の誘致を図るべき

2023年6月6日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「支援策を見直して新規就農の誘致を図るべき」について質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 11番 類瀨光信

通告に従いまして、3点について質問いたします。なお、この3点につきましては、当初は私としては1つの質問として考えたところでありますけれども、それぞれを一つ一つに分解して3つの質問とさせていただいております。つまり、それぞれに深い関連性があるものとして、矛盾のないご答弁をいただければと思います。まず、1点目ですけれども、支援策を見直して新規就農者の誘致を図るべきについてであります。標茶町では、様々な支援策によって新規就農を支援しております。しかし、対象となる新規就農者の資格要件や営農内容の選択肢には、まだまだ改善の余地があると考えます。特に新規就農者に「既婚」を要件としているのは、未婚化や非婚化が進む現代の家族観の変化に対応が遅れているのではないかと考えます。また、「新たに農業を始める意欲のある方を支援する」としながら、支援の内容を酪農か畜産としている点も、地球温暖化によって畑作の可能性が大きく広がった本町の実態と乖離しているのではないかと考えます。時代の要請や現状を綿密に分析した上で、新規就農に関する支援策全般を見直すべきではないでしょうか。その上で、移住と新規就農が一体化するような新たな標茶スタイルの制度を構築すべきではないでしょうか。

答弁 町長 佐藤𠮷彦

11番、類瀨議員の支援策を見直して新規就農の誘致を図るべきとのお尋ねにお答えします。標茶町では、様々な支援策によって新規就農をしている。しかし、対象となる新規就農の資格要件や営農内容の選択肢に改善の余地があるのではないか。特に新規就農者に「既婚」を要件とするのは、未婚化や非婚化が進み、家族観が変化していることに対応が遅れていると思うがどうかについてですが、標茶町新規就農者誘致特別措置条例に新規就農者の定義を定めており、「就農時の年齢がおおむね45才以下の心身ともに健康で自立した農業経営を営む能力と経験を有する者で、専業で配偶者若しくは同居の成人親族との家族経営を行う者、3名以上で農業共同経営を行う者又は農業法人構成員として新たに経営に参画する者」としているところであり、家族経営のほか、共同経営等についても新規就農者の要件として定めておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。「新たに農業を始める意欲のある方を支援する」としながら、支援の内容を酪農か畜産としている点も、地球温暖化によって畑作の可能性が大きく広がった標茶町の実態と乖離しているのではないかについてですが、標茶町新規就農者誘致特別措置条例施行規則で新規就農の認定要件を定めており、標茶町担い手育成協議会作業部会での協議で、酪農経営、肉牛経営、畑作経営、それぞれにおける持続可能な経営が可能であると認められる場合にのみ認定を決定することとして、具体的に飼養頭数、農地面積などの一定基準については定めないこととするとしているところであり、畑作についても酪農同様に新規就農支援を行うこととしております。しかしながら、畑作で新規就農を希望されても、TACSしべちゃのような研修施設がないことや、研修プログラムが具体的に整っていないのが現状であります。このような状況でもあることから、先日開催された標茶町担い手育成協議会総会でも、畑作で新規就農を希望した方を受け入れる体制づくりについても今年度1年間で研究を進めることとしておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。時代の要請や現状を綿密に分析した上で、新規就農に関する支援策全般を見直すべきだ。その上で、移住と新規就農が一体化するような制度を構築すべきではないかについてですが、新規就農支援の内容については、国の支援内容や、釧路・根室管内市町村の支援内容なども鑑み、標茶町担い手育成協議会の場において、関係団体との協議によりその内容を決めてきております。昨年度、農楽校で短期酪農研修を行った人数は50名であり、標茶町で酪農を体験してもらい、それをきっかけとして将来標茶で酪農がしたいと思っていただけたらありがたいと考えていますし、昨年度新規就農した2組のうち1組については道外からの移住者でもあります。今後も引き続き関係団体と連携をし、新規就農者の受入れを継続してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。

質問 11番 類瀨光信

大変几帳面にご答弁をいただいたわけですが、さすがに私もこの場に立つに当たって、標茶町新規就農者誘致特別措置条例、その中に定める新規就農者の定義、これは当たり前に承知してこの場に立っているところでございます。そういう意味で、それでは新規就農者が何であるかという条例上の定義は別として、そもそも、ではその基になる農業について、農業とはどういったものであるかというのを、標茶町ではどのように定義されているのでしょうか。

答弁 農林課長 村山尚

農業の定義について今お尋ねがあったわけなのですけれども、議員おっしゃるとおり、特別措置条例の中には農業の定義については明記されておりません。ただ、標茶町新規就農者誘致特別措置条例施行規則の中で、新規就農者の認定要件というところで、これは標茶町担い手育成協議会作業部会での協議で、酪農経営、肉牛経営及び畑作経営というふうにしております。こちらについて持続可能な経営が可能であると認められる場合にのみ新規就農者として認定をしますよというようなことで記載をしてございます。

質問 11番 類瀨光信

そこでそういった非常に広い範囲で新規就農というものを受け止めているのだなというふうに今のご答弁で思うわけですが、にもかかわらず、新規就農時の年齢がおおむね45才以下の心身ともに健康で自立した農業経営を営む能力と経験を有する者で、専業で配偶者もしくは同居の成人親族との家族経営を行う者、そういった定めがあるわけですけれども、これ、なぜ45歳以下でなければいけないのか、おおむねですけれども。それから、なぜ専従の配偶者がいないといけないのか、これについてご説明願います。

答弁 農林課長 村山尚

お答えいたします。今、議員のほうからご指摘があったとおり、就農時の年齢についてはおおむね45歳以下であると。あと、新規就農者の定義として、「専業で配偶者若しくは同居の成人親族との家族経営を行う者、3名以上で農業共同経営を行う者又は農業法人構成員として新たに経営に参画する者」というところで定めてございます。まず、年齢の部分については、このおおむね45歳以下というところにつきましては、基本、就農するに当たって、酪農については大きな資金を借入れするわけなのですけれども、それら資金を償還するに当たって、おおむねこのぐらいの年齢で就農しなければそれが難しくなるということで、この45歳以下というような定義づけをしているというふうに認識しております。それから、新規就農者の定義でございますけれども、確かに婚姻を絶対に条件としているわけではございませんが、実際、例えば認定農業者の認定を行う上で、ではこの要件を満たさなければ認定できないのかというと、決してそういったことはございません。その辺については、ちょっとまだ研究をしなければならないのかなというふうに、今、議員のご指摘を受けて考えたところでございます。

質問 11番 類瀨光信

そうですね。それぞれ農業というのは何かということについて考えたときに、そういった年齢であるとか、既婚であるか否かということというのは、実際問題としてはあまり関係ないのですが、今ご答弁の中にもあったように、様々な支援を受けるに当たってのその後の償還等を考えたときに、例えば年齢について一定の上限を設ける。これは、つまり酪農とか畜産のような大規模経営を新規就農というふうに考えているその証拠ではないかと思うのですが、いかがですか。

答弁 副町長 牛﨑康人

農林課長の先ほどの答弁に若干補足をさせてもらいます。端的に償還計画等々という話があったのですけれども、前提となるのは国の青年等就農計画制度とのフィッティングで年齢制限が設けられたというふうに理解しております。それから、未婚、既婚の別につきましては、標茶でもう何十年も新規就農受入れをしているのですけれども、実際問題、特に酪農においては、搾乳、それから家畜の世話等々を含めて考えると、ご本人1人だと大変だと。1人で来ても潰れてしまうというケースも中にはあったりしたことも聞いておりまして、それらを緩和するために、入り口では家族または共同経営といった形で複数の労働力を確保するといったことで、これまで制度が設計され運用されてきたというふうに理解しております。

質問 11番 類瀨光信

昨今の酪農、それから畜産の経営を考えたときに、家族経営であると言いながらスタートの時点で従業員を雇うようなケースというのは非常に増えていると思います。つまり、酪農・畜産イコール家族経営であるという概念自体が少し陳腐になってきているのではないかなと考えるべきだと私は思っています。そういった家族経営を補完する意味で、コントラクターの制度があったり、それからヘルパー制度があったりしているわけですから、そこのところで、例えば既婚であることとか、同居する親族がいることであるとか、そういった要件というのは、どうも時代に合っていないのではないかなと思うわけです。私が今回この質問をしているのは、実際に私の周りで未婚で馬の生産に携わっている青年がいて、スタートの時点は1頭、2頭から始まっていますけれども、現在16頭の肌馬を持って、今年も子馬が6頭生まれていますから、二十数頭を1人で管理している。もちろん大変なのですけれども、これも私は立派な畜産業であると思います。また、私の周りには、標茶町に肉牛生産で新規就農したいということでご相談を申し上げたところ、その方はたまたまパートナーがいないということで、その時点でご婚約とかの事実もないということでお断りされているわけです。同じような要件を付しているのですけれども、釧路町ではそこのところを認めてくれたと。だから、私は釧路町で新規就農しますということで今回ご相談を受けたことが、この質問のきっかけになっています。実際に本気で新規就農者を誘致する場合に、そういった要件の緩和というものを考えなければ、50頭、100頭の搾乳、そこのところだけにフォーカスして、当初から1億円、億単位の借金を背負うようなことばかりが私は新規就農ではないと思うのですが、その点に関してどうですか。現状についてどのようにお考えですか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。まず、先ほど来やり取りをされている部分なのですが、現状について再度ご承知いただきたいのですけれども、議員から、今、雇用等で労働力は賄い切れるというようなお話があった。中にはヘルパーとかコントラとかということもあったのですけれども、これまで標茶の新規就農者制度は、経験を重ねながら、るる改正をしてきたわけであります。その中でこの部分がまだ残っていたというのは、やはり夫婦2人で、酪農が主だったものですから初期投資に大きな金額をしなければいけない、そんな中で雇用の方が確保できるのか、あるいは将来的にその方がずっといらっしゃるのか、欠けることがないのか、そういったリスクを少しでも減らすために、まず家族内で、ある程度の労働力を確保できるようにという意味合いで定められていたというふうに承知をしています。そもそもそれで新規就農の条例なのですけれども、情勢の変化に合わせて適宜適切なものに変えていくというのが制定以来持っている精神でありまして、担当のほうとも話したのですけれども、近隣の制度等とも見比べながら、今の社会条件、環境に合ったものに向けて適宜変更していくことを考えなければいけないという、そういう考えが、今、出てきましたので、それについてこれから検討していきたいというふうに考えております。

質問 11番 類瀨光信

農業を取り巻く状況というのは大変目まぐるしく変わってきていて、ここ数年は本当に未曽有の危機であるというふうに言われているのですが、そんな中でも北海道で新規就農、それは酪農・畜産に限らず、畑作であるとか、養鶏であるとか、養豚であるとか、羊飼いであるとか、そういったあまり投資をしなくても済むような、リスクが最小で収まるような、そういった分野での就農というのを移住と併せて考えている若い方というのが多数いらっしゃる、これは事実でございます。現に課長の答弁にありましたように、単身での農業体験をされた方が50名いらっしゃるという、このことがまさにそういった新たに農業を始めるという人の可能性を私は示していると思います。ですから、こういった可能性をきっちりと拾い上げていけるような、そういった制度にぜひしていっていただきたい。ただ、一番大切にしなければいけないのは、現在営農されている酪農家が非常に苦しい状況であって、そして営農指導委員会等の情報によれば、今年度中にはもしかしたら全道平均の4.9%をはるかに上回るような離農者が出るかもしれない、そういう危機感があるわけです。参考までに、酪農、それから畑作、バランスよく行われている栃木県の例ですけれども、人口が194万人、その中で認定農業者が8,000人、これを標茶の認定農業者数に合わせると12戸です。これは新規の認定農業者が認定農業者8,000人のうち毎年300人以上、昨年度に関しては384人が新規で就農しているという、そういったことでこれを標茶の新規認定農業者の数に置き換えると、年間12戸ぐらいが新規で就農しているということになります。標茶では2戸新規就農したということをご答弁いただきましたけれども、ここの比率の違いが、そういった酪農・畜産のような大きな経営か、そうではない、家族がいてもいなくてもできる農業の範囲であるかという、そういう差ではないかなというふうに私は思っていますので、質問の中で申し上げておりますけれども、気象変動とかそういったことを踏まえて、標茶でもそういう小さなところからこつこつと始められるような農業というものも、これから標茶の一次産業のメインステージに登っていけるような、そういった取組を町でも、それから担い手協議会でも進めていただければ幸いでございます。ということで、

出典:標茶町議会 令和5年第2回定例会 2023年6月6日 議事録 PDF(55ページ) 間違いを知らせる