みんなの議会

斜里町議会 令和4年6月会議 2022年6月22日

(1)知床の体験観光・エコツーリズムの推進は振興計画の中で進められてきました。今後の課題と斜里町の役割は?/(2)知床半島先端部・海域利用に関するルールの制定を、管理者である環境省に要望することも考えてはいかがでしょうか?/(3)子供の医療費負担の助成について、地域還元事業と連携した取り組みを提案します

2022年6月22日、斜里町議会の一般質問で、櫻井あけみ議員が「知床の体験観光・エコツーリズムの推進は振興計画の中で進められてきました。今後の課題と斜里町の役割は?」「知床半島先端部・海域利用に関するルールの制定を、管理者である環境省に要望することも考えてはいかがでしょうか?」「子供の医療費負担の助成について、地域還元事業と連携した取り組みを提案します」について質問し、町長 馬場が答弁しました。

質問者
櫻井あけみ 議員
答弁者
町長 馬場

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 櫻井あけみ

私は、今回の定例会で、通告に従い、大きく3項目について質問をさせていただきます。1項目めは、知床の体験観光・エコツーリズムの推進は振興計画の中で進められてきました。その振興計画の今後の課題と斜里町の役割について質問いたします。4月23日に起きた事故は、町長の先ほどの町政報告にもありましたように、原因・責任についてはまだ調査中であり、いまだに行方不明になられた方々も見つかっていない中ではありますが、改善してできる課題は迅速に対応していくことが、これからの知床観光に課せられた取り組みと対応であると私は認識しています。事故で犠牲になられた方々が、先の5月13日の招集会議でも町長がおっしゃったように、知床が大好きな方々だというお話を伺い、本当に非常に残念です。痛ましく、そして悔しく思っております。その事故で犠牲になられた方々に報いるためにも、知床は、町はしっかりと、今後知床の観光について取り組んでいかなければならない、そう思っております。今現在も多くの方々が知床に目を向け、国も関係機関も調査中であること、そして捜索活動が今なお続けられている中ではありますが、これから今回の事故を、私たちは決して忘れることなく、風化させずに、命を守り、救うために、今だからこそ見えてきた課題に対して、斜里町として取り組んでいくことが必要と思い、この質問をさせていただきます。2015年に策定された観光振興計画は、今年度で計画期間を終了します。これまで取り組んできた振興計画の検証を行い、次期計画を策定していくときです。早急に対応し、変えていかなければならない課題に対しては迅速に取りかかり、今後の知床の観光のあるべき方向性をあらためて考えていくべきだと思います。各事業者が行う体験観光は、振興計画の中に記載されているとおり、近年は知床観光の魅力として欠かせないものとなっています。この計画書の安全管理と自己責任に記載されている内容についてもそのとおりだと思います。通告では省略して質問いたしましたが、この三つの項目について、傍聴される皆さんにも聞いていただくために読み上げます。斜里町観光振興計画、体験観光・エコツーリズムの充実、安全管理と自己責任の内容として、3項目が記載されています。一つ目、自然体験には危険が伴いうるため、一人ひとりが自己の安全管理を心がけ、一定の自己責任を負うべきであることを、観光客に周知するよう努める。二つ目、事故が発生した場合には、関係機関・団体が協力し、可能な範囲で救出活動などに協力する。三つ目、体験ガイド事業者は、客の安全を守ることを第一の使命と自覚した上で、知床の自然の魅力を伝えるものとする。以上の内容について、書かれています。今議会中に提案されるであろう補正予算のリスク管理に関わる事業などにも関係しますが、体験観光のリスク管理について伺います。1点目は、現状の命を助ける対応の構築と体制については、町はどのようにとらえ、そして現状はどのようになっているのか伺います。2点目は、利用者が参加にあたり判断・選択できる、自己責任の判断基準とは、知床観光の中で何を基準として、どこを見て判断していけばよろしいのでしょうか。3点目は、事業者の安全対策対応についての現在の状況の認識、そして課題をどのように捉えているか伺います。これまでの間、見えた課題、そして見えてきた課題に対して、町として取り組んでいくことが、今後、重ねて言いますが、知床の観光には本当に必要なことと思い、質問させていただきます。町のお考え、町長のご認識を伺います。2項目めです。知床半島先端部・海域利用に関するルールの制定を、管理者である環境省に要望することも考えてはいかがでしょうか、という内容です。現在、遺産エリアの海域では、シーカヤック、船舶、釣り、遊漁船などの利用が行われています。環境保全と利用という観点から、こうした利用に対し、一定のルールを設けることも必要かと思います。例えば、観光船クルーズなどでは、海鳥の繁殖期などは営巣地より一定の距離を取るなど、あるいは営巣が終わっているときにはもう少し近寄れるなど、環境の配慮、生態系への配慮です。そして、シーカヤックなどの利用に関しては、上陸したときの利用についての取り決め、あるいはさっきと同様に海鳥、あるいは住んでいる生き物、そこでのあつれきが生じないような保全と安全の観点からのルールが必要ではないかと思います。これは、利用を制限するということではなく、こうしたルールづくりがさらにエコツーリズムの推進につながり、これからの知床観光の質を高め、多くの方が知床の野生動物をはじめとする生態系の価値ある循環そのものを体験できる環境に参加できる、非常に貴重な場につながるはずです。ぜひ斜里町として検討し、関係する検討会議、協議会などへ提案してはいかがでしょうか。最後の、子どもの医療費負担の助成についてです。地域還元事業と連携した取り組みを、今回は提案いたします。質問の最初なのですけれども訂正します。通告では、北海道内176市町村と記載してしまいましたが、179市町村の間違いでしたので、ここで訂正いたします。申し訳ありませんでした。質問を続けます。以前より子どもの医療費無償化への町からの助成について、私のみならず同僚議員からも、一般質問が続いています。また、所管委員会の中でも課題として少々発信をしております。おそらく今年度になり、北海道内の179市町村の9割以上が何らかの形で、子育て世代に対し医療費の助成を実施しています。旭川市でも市長が実施に向けてロードマップを表明しております。財源確保が非常に難しいということで、実施できない状態と理解していますし、これまでもそのような答弁をいただいておりました。しかし、近隣自治体で、これなら斜里町が抱える課題の解決にもつながるのではないかという取り組みがあります。ぜひ、積極的にこの課題、この事業に対して検討してみてはいかがでしょう。その事業というのは、子育て世帯の医療費が実質無料となり、子育て環境の負担も軽減されます。そして、その実質無料になったポイントは、町内の店舗や飲食店、宿泊施設などで利用できます。ここで大きく着目したいことは、この実質無料のポイントは、斜里町内の生産世代、子どもさんのいる世帯は多分そうだと思います。若い世代が、町内店舗を利用するということにつながるということです。地元離れが進む中では、消費喚起に非常に有効ではないでしょうか。商工会とタイアップする町内消費喚起には、これまでも事業費を助成して、プレミアム商品券を発行しています。また、ほかの対応もしています。ここで、先ほども言ったように、生産年齢世代が地元で消費できるということは、町の活性化にも大きくつながるはずです。生産世代の内需消費の促進、そして医療費の軽減、私は第7次総合計画を待たずとも、財源確保が可能ではないかと考えています。子育て世代の負担は待ったなしの状態です。あらゆる子育て世代の施策がとられていますが、先ほども申しましたように、北海道内の179市町村中9割が今実施している事業です。これまでの一般質問の中でも町長から、多々答弁をいただいてまいりました。ぜひ、こうした取り組みを斜里町でも積極的に実施すべきかと思いますし、今後の商工会との連携を兼ねて、ぜひ消費喚起、そして内需拡大という部分で、この事業に取りかかる検討をされてはいかがと思いますが、町長のお考えを伺います。

答弁 町長 馬場

櫻井議員のご質問にお答えいたします。はじめに、1項目めの「体験観光・エコツーリズム推進の課題と斜里町の役割」についてお答えいたします。私も議員と同様に、体験観光、各種アクティビティは知床観光の魅力として欠かせないものになっていると認識していますが、今回の海難事故は、ずさんな運航管理や安全軽視と捉えられても仕方のない経営思想しか持たない事業者が起こした事故とはいえ、人気の高い体験観光の一つといえる小型観光船で起きたものであることから、あらためて知床の体験観光の安全やリスク管理に関して総点検が必要であると考えているところです。まず、1点目の「命を助ける対応の構築と体制について」ですが、一般論で言えば、体験観光において事故が発生し負傷者がいた場合には、ガイドや近くにいる旅行者らが一定の救命措置をした上で、消防署や海上保安庁など救命救助を使命とする機関に迅速に連絡をとることがまず必要になることは言うまでもありません。知床の体験観光は、海から山まで、また、半島基部から岬まで、広域に展開されていますので、通信状況が悪いエリアで事故が発生する場合や、救急要請から現場への到着までには相当の時間を要する場合もありますし、登山が典型的なように、そもそも速やかに救助に行けないような場所からの救助要請もありえます。知床での自然を体験する上で、避けがたい宿命のような側面ではありますが、通信や救命救助の体制が少しでも改善され、人命を失うことに至らないように努めることは、体験観光を振興する上でも重要なことと考えています。2点目の「自己責任の判断基準」についてですが、質問の趣旨が掴みかねますので一般論としてお答えしますが、まず、ガイドプログラムへの参加の場合、法的には旅行者とガイド事業者との契約行為とみなされますので、募集や申し込み時点において、どのような説明を受けていたかによって、ガイド事業者が負うべき安全確保義務と参加者が負うべき一般的な注意義務とに区分されることになります。事故の発生時の責任で言えば、原因が故意なのか過失または重大な過失なのかにもよりますし、ガイドの指示に従わない、客の身勝手な行動に起因するならば、免責となる可能性が高くなります。また、個人利用の場合、登山のように、原則的に全ての行程が自己責任で行動することが社会的に広く認知されている場合もありますし、安全が期待される施設、例えば知床五湖の高架木道のようなものであれば、施設の管理責任が発生しますし、五湖の地上歩道やカムイワッカ湯の滝のように、レクチャーによって参加者にリスクを伝達することによって、自己責任を求める利用形態もあります。いずれにしても、自己責任なる一般的な判断基準というものはないものと考えており、ガイド事業者や施設管理者の側と、参加者との間での、安全の期待と認識が一致しているか否か、事故発生の原因は何かなどによって、法的な責任が分かれるものと考えております。3点目の「事業者の安全対策の現状と課題」ですが、知床では最大40社を超える事業者が年間を通じて多種多様なプログラムを提供しており、事業者の安全対策の現状はもとより、プログラム自体も大まかにしか把握できていない現状にあります。課題についても、関係団体や事業者から会議や現地で見聞きすることもありますが、一義的には個々の事業者で解決するべきことが多いものと考えています。しかしながら、事業者に原因があるとしても、知床を訪れた旅行者の人命に被害がおよび、知床観光全体にも相当の影響が及ぶことが今回の海難事故からも明らかとなりました。このことから、体験観光全般のリスク管理の現状や課題を可能な限り把握し、専門家などとともに地域的な対応事項を検討する協議会を設置するよう考えておりますが、リスクを明示することで透明性を高め、利用者の方々が自ら安心感をもって自然体験を選択できるようにすることも一例と考えております。いずれにいたしましても、この後、知床でのアクティビティに関する点検を進め、観光関係者とともに知床観光の安全の向上と信頼回復をめざしていきたいと考えていますので、検討の過程で明らかとなった課題を議員の皆さまとも共有しながら、あるべき姿を模索していくことを申し上げ、1項目めの答弁といたします。次に、2項目めの「知床半島先端部・海域利用に関するルールの制定を、管理者である環境省に要望することも考えてはいかかでしょうか?」についてお答えします。まず、世界自然遺産地域の管理にあたっては、私が申し上げるまでもなく環境省、林野庁、文化庁、北海道が管理者として、陸域と海域の統合的な管理を行っているところであります。次に、知床世界自然遺産地域の海域のレクリエーション利用については、「知床世界遺産地域管理計画」や、環境省で策定している「知床国立公園管理計画書」の中で動力船やシーカヤック、遊漁船を利用した釣りや河口付近での釣りについての利用ルールが定められており、より詳細な留意事項・禁止事項を「知床半島先端部地区利用の心得」等で定め、遵守するよう指導されているところであります。また、これらのルールについては世界自然遺産地域連絡会議において町も含め、各関係機関が情報共有を図ってきたところです。あらためまして、今回の海難事故にあるような観光船の運航については、海上運送法に基づいて行われているところですが、今回の事故は、荒天が予想される中で出航し、事故に遭われたことなどから、国土交通省では、地域の気象や海象といった安全情報や運航可否に関する判断などを共有するため、小型旅客船事業者のほか、漁業関係者、自治体なども参画する、仮称ではありますが「地域旅客船安全協議会」を設置することを予定しており、地域全体で連携して安全意識を高めていくこととしています。町といたしましても、地域全体としての安全管理の意識醸成と体制構築が必要であると考えておりますので、まずは、今後、国土交通省が方向性を示している新たな協議会に参画する中で、関係する行政機関や地域関係者の皆さまと協議を進めるほか、1項目めの協議会による検討も合わせて自然環境の保全と利用の安全が図られた仕組みが構築されるよう取り組みを進めていくことを申し上げ、2項目めの答弁といたします。3項目めの「子供の医療費負担の助成について、地域還元事業と連携した取り組みを提案します。」についてのご質問にお答えいたします。「子供の医療費負担の助成」については、相互扶助の考えの中で、子育て世代への負担軽減および子どもの健康保持増進のため、一部負担金の助成を北海道に上乗せして取り組んでいるところであります。以前にも他議員から同様の質問がありましたが、他の子育て支援も含め事業全体の中で優先施策を考えていくべきものであり、さらには町全体の事業見直しの中で恒常的な経常予算を必要とするものであることから、今後、第7次総合計画の策定を進めていく中で慎重に判断をしていきたいとの考えに、変わりはありません。議員ご提案の「地域還元事業」として、町内の消費喚起を目的に町内で使用できる商品券等により還元することで、子育て医療費の無償化を図るということも言わば逆の方向からの発想としてその手法の一つであると捉えています。また、今定例会においても予算提案している「デジタルクーポン発行導入準備事業」は、今後に向けてさまざまな活用も考えられるところです。子育て支援策としては、昨年度には国の補助金を活用しながら2本の臨時特別給付金事業を実施し、今回でも、「子育て世帯生活支援特別給付金事業」や「給食費の負担軽減事業」を実施します。また、子育て支援に向けた、保育士の確保や包括的な相談体制を構築するなどの他、老朽化する関係施設の増改築などのハード事業も今後目白押しに控えていることから、各種事業の見直しを並行して進める中で、財源確保も含めて調整を図ってまいる考えであることを申し上げ、櫻井議員への答弁といたします。

再質問 櫻井あけみ

それでは再質問させていただきます。町長の答弁を伺って、知床の観光、今回の事故、という部分をしっかりこれから捉えて課題解決しながら進めていくことが、今回の私たちの町に課せられた大きな課題であるという認識に関しては、同じ思いであるということが確認できました。私、観光振興計画をあらためて何度も全体を読みました。9年前、もう10年たちますけれども、進められてきたときから今に至るまで、取り組みの内容としては大きく変わっていませんし、このエコツーリズムの部分に関しては本当に大きな成果、あのとき以上に大きな揺るぎない知床の観光の形態を用いていると本当に思っています。しかし、これがちょうど見直しがもう迫っています。来年度いっぱいの計画のはずです。ここであらためて、先ほど質問しました自己管理、安全管理と自己責任という部分の項目を読み直しました。書いてあること、視点としては、そのときつくったものとしては本当に先進的だったかもしれないと思いましたが、実際にその取り組みという部分はなかなか曖昧で具現化されているもの、あるいはうたってはいるけれども、どういうことなのかということが見えてこない取り組みの内容だと私は理解しました。そこで、今回の質問をさせていただいたわけです。先ほどの、まず1項目めで、現状の命を助ける対応の構築と体制に関しては、ここの内容に書いてあるとおり、事故が発生した場合には関係機関団体が協力し、とあります。そして、可能な範囲で救出活動などに協力する。これの実施主体は行政が最初に項目の中で出てきています。行政、観光協会、ガイド協議会、ガイド事業者知床財団、私は本当に今回の事故を見て強く思ったのは、自然体験のメニューというのはどんな安全対策、本当に今までも各事業者は安全対策しっかりとってきていると思っていますし、その安全対策の向上というのも年々増してきている。これは、各散策、登山、そして、海もそうだったのですけれども、私はだんだんとそのレベルアップがされているなというのはずっと感じてきています。自分もそのプログラムを年に何度か受けますから、実感しています。しかし、命を助けるための体制、事故は起きてしまうかもしれない、絶対ということはありません。もしも起きてしまったら、その命を助けるための体制、どうするのか。どうやって達成できるのか、命を。その構築の中で、町が果たすべき役割は今回見えてきた、そして町の対応も参考にさせていただきながら必死に考えました。もちろん事業者が各自でやることは決まっています。しかしそれ以上に、命を助けるための体制構築は町が果たすべき役割、何があるかというと、今回見ていて分かるように、各関係機関の救助に至る体制がしっかりと発揮できるような、それがこの知床で発揮できるような連携体制、フローチャートなどをしっかりと確認して、なおかつ、現状での課題などを現場、つまり事業者からの声を常に拾いながら、必要なものについては各関係機関にしっかりと要望し、足りないものに関しては地域で一生懸命協議しながらそこを補う、そういう体制作りをしていく、そのつなぎ役が斜里町の行政の役割ではないかというふうに思ったのですけれども、町長はその点についてどのように思われますか。

答弁 町長 馬場

事業主体に行政が最初に来ているというお話がありましたが、これは表記の仕方として行政、事業者云々と並んでいまして、頭に行政が中心になってやるという意味ではございません。事業主体となるのはこれですよという、そういう並列な部分ですから、そこはちょっと違うのではないかなというふうに私は思っております。それからもう1点、最後にお話があった、まさに起きてしまったときに町がどうでしょうかという点。今回の事故の対応で、さまざまな機関が本当に必死の思いで捜索に当たっていました。そしてご家族対応もしていましたけれども、そんな中で、まさにそれぞれの部署でできていないことは何なのか、どうしたらよいのかという、私も意識したことは、つなぎ役、そして隙間があるとすればそれを埋める役、そんなことを私は意識しながら職員共々やってきたつもりです。ですから、そういう実際に起きて学んだ部分をしっかり揺るぎないものにするということは本当に大事なことだと思いますので、それをどういうフローチャートがいいかどうかはちょっとわからないのですけれども、あらためてそれぞれの、例えば海保であれば巡視船の配備をどうするかという話も出ていますけれども、さまざまなそういう今まで今回起きたことで見つけた改善点、こういったものをしっかり整理して共有するということが何より大事だろうというふうに思いますので、その中に町が一員として入ることはあり得るかなと思いますが、町が助けるという形にはなりませんので、そういう意味ではやるべき役割を整理しながら臨んでいきたいと、そのように思っています。

再質問 櫻井あけみ

もちろん町が助けるということではなく、先ほど言いましたように、各関係機関の救助に至る体制が、先ほど町長おっしゃったように、つないで、なかなかつながらないところはつなぎ役、そして、なかなか足りないところは埋める役、という部分でまさしくそこだと思います。私は、そこがなかなかもっとそれを各関係機関も一緒になって、そういう部分を常に構築していたらもう少しよかったかもしれない。「たられば」になりますけれども、本当に悔しい思いもあります。また、オホーツク沿岸がエリアの中に入っていなくて、そこだけ助けに来る時間が全然違っていたということも私自身知りませんでしたし、これは多くの、山岳ガイドの人が知ることではないのかもしれませんけれども、全体的なその救助の体制、命を助けるという部分の体制で設置されている機関ですよね。そういった部分の、今現状ではどういうことがされているのか、事故が起こったときに、あるいは起こるかもしれないことを防ぐときに、どの関係機関にどのような対応をすればよいのかというのがなかなか整理されていなかったのかもしれない、それは今回の事故に限ったことではありません。ですけれども、命を助けるための体制、今後、知床でやるべきことはそういう部分もしっかり入っているのかなと。いみじくも町長がおっしゃったように、行政のつなぎ役、埋める役、そして足りないところをみんなと確認する、そういった部分が今後斜里町行政としてしっかりとこの振興計画の中にも盛り込んでいくぐらいの、私はウェイトのあるものだと思っておりますので、その辺をしっかり構築するべきではないかなという意味での質問にさせていただきました。自己責任に関してなんですけれども、私の質問の仕方も悪かったと思うのですけれども、あくまでもこの観光振興計画の中に書いてある部分です。自然体験には危険が伴う、そして一人一人が自己の安全管理を心がけて、一定の自己責任を負うべきことであることを観光客に周知する。これはそうなのですけれども、では知床に来たときに自己責任、例えばアクティビティがある、あるいは観光施設に行く、散策道を自分で歩く、そのときにここを歩いていいのかな、私の足で歩けるのかな、誰もが考えます。そういうときに、自己責任の判断をつけられうる何らかの情報提供、あるいは基準という部分が必要ではないかなというふうに、これは以前からずっと思っていたことです。例えばフレペの滝を歩く、本当に歩きやすいですし見晴らしもいい、では何も気にせずにリスクを関係なく行けるかというと、そこには例えばヒグマが季節になると出てきます、気をつけてください、物を食べながらでは行けないところです、という部分が加わってきます。例えばカムイワッカ、今までは最初の1の滝までしか行けません、1の滝だったら、例えば私ぐらいでも行けるかもしれません。でも、3の滝、4の滝と上まで行くときにはこれぐらいのレベルで滑ったり、そういうことがありますよと。なので、手に物なんかは絶対に持ってはいけないとか、そういうレベルってあると思うのです。それは、観光の方々がそういう部分が示されていたら、きちっと自己判断できるわけです。やめておこう、1だけ行って帰ってこよう、なるかもしれません。そういう意味での、自己責任はある、負うべきである、だけれども、では何を基準にという部分をしっかりと町でこれから考えていくほうがいいのかなと。そういった中では、現在の自然体験観光では、自己責任の判断をどこにすべきか、その情報の可視化というのが求められているのではないかというふうに思います。大雪山の登山ルートでは、グレードを5段階に設定して、登山者の利用する判断情報を計っています。システムや施設での情報公開が、自己責任の判断基準の可視化につながっている例ではないかと思います。例えば、観光船でも、ウトロの再整備を検討する中で、これは観光振興計画の中にありますけれども、観光船に関しては、ウトロ港の再整備を検討する中で、看板整備や乗船場所の再配置を検討するとあります。そうした中に、例えば、もしもそういった整備ができれば、今日の運行状況とか、波の高さ、あるいは天気の予報、いくつかの情報を明記するなど、情報、知床の観光にも、グレードみたいなものを設定することは可能ではないかと、私はそういうふうに思います。自分で乗ろうとしてきた、ちょっと思っていたより波が高い、ほかの観光船は出向しているのだろうか、ここだけだ、ちょっときついから自分はやめておこうかな、と判断する人も出てくるかもしれません。私は自己判断・自己責任というのはそういうところに、そういう情報を得て、その人が自ら判断することだというふうに思いますので、今後、この振興計画をつくっていくときには、ぜひそうした自己判断の基準となる可視化されるもの、情報という部分をどのように、知床の観光、知床全部どこでもヒグマでますよとか、スズメバチもいますという部分がありますから、ただそんなに難しいことではないのかもしれない。特に、体験観光をこれから進めていく上では、そういったグレードという考え方は必要ではないかというふうに思うのですけれども、町長はいかが思うでしょうか。

答弁 町長 馬場

いろいろ櫻井議員から、お話をいただきました。そのことについてお答えする前に、私もこの事故が起きて、特に最近は、どうしてこの事故が起きてしまったのだろう、そんなことを本当に日々考えております。あれをしていなければ、あれをやっておけば、そういった「たられば」をですね、いろいろ頭をめぐらしているのが実情でございます。例えば、知床に魅力がなかったら、お客様は知床を選ばなかったのではないか。知床を選ばなければ、この事故に合わなくて済んだのではないか。船に乗らなければ、事故に遭わないで済んだのではないか、これ以外にもさまざまあるのですが、そんなことを思っておりました。しかし、知床の自然にも海にも罪はありませんし、ましてこの船に乗ったお客様に罪はないと私は思っております。今回一般質問では、事故を振り返りながら、これを次に生かすということでの質問でありますが、この事故の文脈で、自己責任というふうに言いますと、まさに選んだことと結びつく、そんな危惧を私は感じてなりません。そんな意味でも、先ほど言いましたように、自己責任、さまざまなアクティビティにはそういった自己責任があるということを伴う部分を伝えていかなければならない、これは振興計画に書いてあるとおりだというふうに私は思っています。そういう中で、先ほどの質疑でございますが、いろいろな基準をというお話でありましたけれども、私は櫻井議員のお話を聞きながら理解したことは、自分のこのアクティビティ等を選択する、その自己判断をできる、そういった情報、リスク含めた情報、これをよりわかりやすく、より確実に伝える、このことが何より大切だ、そういうことをおっしゃっているのではないかと、私は受け止めました。そのとおりしっかりやっていくことが、まさに自分の責任で、自分の選択で、アクティビティに参加をし、そしてそのもとで楽しんでいただくことにつながっていく、そのように私は思っておりますので、こういった十分伝えきれていない部分があるとすれば何なのか、よりわかりやすくするにはどうすればいいのか、そういったことを含めてしっかりやっていきたいなというふうに思っているところです。

再質問 櫻井あけみ

私も今町長が思われたこと、先ほど何回も繰り返しますけれども、斜里町でうたっている安全管理と自己責任という部分は、体験観光には欠かせない部分の取り組みです。そこで、いいことを書いているなというのが正直なところ10年前思ったことであります。しかし、こうして見て観光客に自己責任を負うべきであることを周知するという部分では、何をもってして、何を判断基準として周知すればよいのかということが非常に不明確だったなと、斜里町の観光全体ですよ。これが、例えば建物の中に入るのであればあまり必要ないと思います。しかし、自然体験、あるいは散策、そういった部分には、こういったことが必要かなと思いますし、かつて、奥入瀬渓流で事故があった後、奥入瀬に行きましたら、いくつかの危険と思われることを箇条書きがきっちりありまして、そこの中での判断をしっかりするということが明記されていたのを一昨年見まして、知床にもやはり必要だなというふうに思いましたので、今回その次期の振興計画に向けてこういう形で改定していくべきという趣旨でやっておりますので、ぜひ今後こういった部分を含め、知床の安全管理と自己責任という部分はしっかりともう少し明確にやっていくと、本当によいところになるのではないかなということを思いましたので、質問させていただきました。事業者が負うべき安全対策という部分の対応に関しては、町長おっしゃったとおりいろいろあります。しかし、実際事業者、これまでもかなりレベルが高い状態で実施されてきたと先ほども言いましたけれども、そう思っていますので、今回の事故でも明確な課題が浮かび上がってくるはずです。こうした各事業者の取り組みを実施していく中で、もしも事故の場合に命を助ける体制に反映させていくような流れをしっかりと行政がつくていければ、非常に有効になることにつながるのではないかなと。繰り返しますけれども、行政が命を助けると言っているわけではありません。その流れ、フローチャート、そして横断的、縦割りの部分の行政を危惧して、町がそういった情報を集約することが必要ではないかというふうに質問させていただいたのですけれども、その辺は再度伺いますが、いかがでしょうか。

答弁 町長 馬場

こういう安全を確保するという、そのための仕組みをどうするかということだと思うのです。それぞれの機関がどういうことをやって、どうつないで、お客様の命を守っていくか。それをやはりそれぞれの部署が集まって、しっかり話し合いをしながら、僕たちはここまでできるとか、いやそれは無理だとか、いろいろなことをやることによってより精度の高い仕組みができるのではないかと思いますし、それをしながら1回で終わるわけではないと思います。それにバージョンアップといいますか、アップデートをしながらよりよいものに仕上げていく、それがまさに、より安心の持てる仕組みになっていくのではないかなというふうに思っていますので、そういうものを私たちも一緒になってやるという意味では間違いないことでございますので、各関係機関そして事業者、さらには、事業者となればもう一つ懸念としては、どうしても当事者という意味での都合よく考える部分も出てくるかなというふうに思いますので、そういった意味では、第三者的な視点を持った方も含めて、トータルの中でよりよい仕組みを形づくっていければなというふうに思っているところでございます。

再質問 櫻井あけみ

ぜひ作って終わりではない、確認して終わりではない、世の中の変化、そして例えば救命体制の変化、レベルアップに伴って、知床にふさわしい救助、命を助ける方法がどうあるべきか、というのは、これからもずっと終わることなく、関係事業者と一緒に模索していく課題だと私は捉えておりますので、よろしくお願いいたします。次の質問に移ります。先ほどの先端部の利用のルールに関しては、このような町長が答弁していただいた部分は十分承知です。そこを一歩、もうちょっと踏み込んで、観光的な利用の部分でしっかりとそういうことも周知していくルールが必要ではないかというイメージで質問させていただきました。今後、いくつか町が課題としている部分を投げかけて、各関係機関と協議を進めていくということですので、その流れを見ていきたいと思っています。最後の質問の、子どもの医療費の負担についてなのですけれども、私、この質問させていただいたのですけれども、いただいた答弁は前回、前々回私が質問した、あるいは宮内議員が質問していた部分の答弁とほとんど同じなのです。私は、昨年の9月にいただいた答弁の中で、第7次、あるいは今後も事業見直しなど、財政確保に取り組み、第7次総合計画、あるいはその前の段階で取り組みを考えていきたいと思う、という町長の答弁をいただいておりましたので、具体的に取り組む場合、うちの町の可否、もう一つの課題である内需拡大、消費喚起という部分と組み合わせるのに、こういう取り組みがありますよと、こうした取り組みを積極的に町でも私は実施すべきではないかということを質問しております。それに対して、こういう取り組みについて町長ご自身、どのように受け止められますかということを質問しているのですけれども、それについてお答えください。

答弁 町長 馬場

私は以前からも地域内の域内循環、こういうことは当然、主要なことだというふうに思っています。いかに外にお金を出さないか、中で回すかというこの仕組みを、そして行動していかなければ、どんどん一生懸命稼いでも、どんどん出てってしまうようでは駄目なわけでありませんでして、そういう意味でも地元で消費するということは、とてもいいことだというふうに思っております。その部分を否定するわけではありませんが、そこにどれだけのお金をかけるか、そういう部分はまた別の問題ですし、先ほど、これまでの答弁と変わらないというお話もありましたけれども、そういう中でバランスをとって、どのようにしていくのかという、そこをしっかり見極める必要があるということで、そのためには第7次がもう目の前に来ていますから、何に力点を置いて、どこにウェイトを下げたとかという、同じようにウェイトを高めていくには財源限りがありますから。そうならないので、優先順位をつけながらやっていくためには時間も必要だということでお話をさせていただきましたので、そういう意味では変わりません。ただ、財源が別途その域内循環のための予算を出すという意味では、ある意味でプラスの予算を出すということですからね。どこかから生まれてくるわけではなくて出すということですから、そこも見極めをしっかりしなければならないという意味で、再度同じようにお答えをしたつもりでございます。

再質問 櫻井あけみ

今回の私が提案している取り組みというのは、質問の中にも書きましたように、これまで例えばプレミアム商品券で消費喚起を促していたりします。それには町からも助成金が出ています。そういった部分も一緒に活用できるのではないかという点が一つと、例えば網走の病院にかかったときの医療費も助成というふうにしていくとかかるわけです。そういったときに、網走でかかった病院代を町が助成したときに、その部分も斜里町内で消費喚起につながる、それともう一つ、ここに書いてあるように生産世代、この方々は地元のお店の使用率が非常に低い、うちの町はそういうデータはとれていませんけれども、他町村ではほとんど低いんだというデータが出ていますので、であればその世代がちょうど子育て世代であり、それがどんどんスライドしていくわけですから、繰り返し、そうして収益の消費喚起につながるという部分の取り組みとしては非常にいいのではないか。その中で、財源という部分も、もしかしたらそういった商工会のほうに使っているお金、あるいは消費喚起に使っているお金をこのままスライドするという考え方ができるのではないかということで質問させていただきました。今伺いましたら、一つ、考えようとしてはあるなという部分でしたけれども、それだけのことも考えて、第7次総合計画あるいはその前の段階で取り組みを考えていきたいという言葉もございましたので、どうせやるのであればこれでどうですかという私の提案ですので、そのように捉えておいていただいて大丈夫だと思うのですが、いかがでしょう。

答弁 町長 馬場

一つの考え方ということで、そこは理解したつもりです。ただそこに予算をつけるか否かというのは、それを総合的に判断しなければいけないなということと、一つは医療を受けた人だけが町内消費ということに貢献するという話ですよね。そういう部分での「いずさ」という部分。もう一つは敬老祝い金、本当に今は少なくなりましたけれども、この祝い金を配布するときに地元商品につなげるということで、半分を商品券にしました。けしからんと、こういうお声をいただいたりする現実もあるのです。ですから、それらも総合的に考えていかなければ私はならないのではないかということで、もろもろのポイントをしっかり見極めて、事業を選択する必要があるなというふうに思った次第です。

再質問 櫻井あけみ

これを実施しているところですが、例えば、全然1年間病院にかからなかった子どもがいたときには、それなりの健康でちゃんと暮らしたでしょうという、僅かですけれどもポイントが付いたりします。先ほど言った、敬老祝い金の質とはまるで別なものというふうに私は捉えていますので、ここら辺で町長との考え方に差があるのかもしれませんけれども、私ははなから敬老祝い金はなくてもいいというふうな部分です。それとここは違いますという部分は、あくまでも生産世代で、そしてなおかつ次の世代、ここの産業、あるいはまちづくりを担っていく世代です。その方々に対しての子育ての支援という意味では、かなり町に対する還元、そして今後のまちづくりという部分の基幹の部分にもつながるのではないかという意味で、今回のこの事業を私なりに検証してまいりましたので、ぜひ町も、他町で取り扱っている部分に関してしっかりと調べて、検討を進めていただきたいと思います。再度いかがでしょう。

答弁 町長 馬場

はい、目指す良い部分と、懸念される部分、そういったものをしっかり洗い出しをしながら、先ほども言いましたように、事業を選択する必要があると。そのような認識でおります。

出典:斜里町議会 令和4年6月会議 2022年6月22日 議事録 PDF(18ページ) 間違いを知らせる