斜里町議会 令和2年12月会議 2020年12月16日
(1)コロナ後を見据えた観光のあり方に、今こそ取り組むべき時です。観光振興計画にある課題に取り組む体制を早急に作ってください/(2)知床100平方メートル運動・原生の森を復元するために、本来は運動地にはなかった樹種である植林木の対応を検討すべきです/(3)今回開催された町民懇談会に寄せられた声を、共有するために公開してください
2020年12月16日、斜里町議会の一般質問で、櫻井あけみ議員が「コロナ後を見据えた観光のあり方に、今こそ取り組むべき時です。観光振興計画にある課題に取り組む体制を早急に作ってください」「知床100平方メートル運動・原生の森を復元するために、本来は運動地にはなかった樹種である植林木の対応を検討すべきです」「今回開催された町民懇談会に寄せられた声を、共有するために公開してください」について質問し、町長 馬場が答弁しました。
- 質問者
- 櫻井あけみ 議員
- 答弁者
- 町長 馬場
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 櫻井あけみ
通告に従い、三つの項目に関して一般質問をさせていただきます。1項目め、コロナ後を見据えた観光のあり方に取り組む体制を早急に作ってください、という内容に関して質問させていただきます。コロナ禍において、観光事業は大変大きなダメージを受けています。一方で、こんな時だからこそ、今後の観光のあり方をしっかりと模索する時でもある、という声が観光に関わる方々から出ています。当面の対応、対策だけではなく、今後の観光のあり方についても早急に取り組むべきと思います。10月に実施された事業は、国立公園内の移動、交通課題、新しい観光形態が社会実験で見えてきました。コロナ禍で見えてきた観光の動きも確認できたと思います。これまで長い期間課題としてありました保護と利用、国立公園内外連携の観光のあり方など、地域では常にこの課題についての声や問題、疑問が出てきていました。今回の事業は、観光施策にとっては大きな動きと地域では捉えています。シャトルバスその他の事業実施については、知床財団が大きく関わり、企画を行い事業を進めてきました。国立公園内の保護管理を担う斜里町設立の公益財団と、知床の観光を担うNPO法人である観光協会の役割分担は、今回の社会実験事業の中でどのように連携されて行われてきているのでしょうか。そうした中で、行政として環境課と商工観光課としてそれぞれの課題を、観光振興計画の位置付けの中でどのように協議され、町として関わり実施されてきたのかについて伺います。また、今回の社会実験では、今後の観光のあり方に関わる具体的な提言など、地域からの声も多々あったと思いますが、町はそれらをどのように受け止められていますか。そして、あらためてコロナ後の知床観光のあり方を、町としてどのように進めていくべきか。今回の過疎地指定となった人口減少の中、町長が普段からおっしゃる伸びしろのある観光産業の基盤整備が図られるのではないかという期待も含めて、今後どのように観光のあり方について取り組むべきかを伺います。2項目め、知床100平方メートル運動・原生の森を復元するために、本来は運動地になかった樹種である植林木の対応を検討すべきではないか、について質問いたします。100平方メートル運動のことを知ったのは、東京で訪れた会社の方が、北海道出身の私に、あなたのふるさとでこういう事業が行われていると告げてくださったのが初めてでした。その後、東京都内で仕事に就いた時に、同じく会社の社長が、素晴らしい取り組みがあると朝礼で紹介され、私たちがこの運動に参加することになり、1985年に縁あって斜里町の住民になった時は、この運動の町の住民になったことが今でも変わらず誇りでもあります。日本中の方が、そして町の方の多くが運動に参加してこの運動を支えてきたことを、これまで暮らしてきた中で十分感じています。それから現在の運動へと発展を遂げていることは、町中の人がご承知のとおりだと思います。そんな中、今年送られてきた森通信53号で、現在の運動地における原生の森への復元作業では、アカエゾマツとカラマツなどの本来はこの地には生えていない植林によって植えられた、しかも単一種の人工林が広がっていることに、これまでも違和感を感じていたことが裏付けされたとよくわかりました。単一種の針葉樹林は、現在の間伐などを行っても、その林床に他の樹種が生えてくるのが難しい環境であることが、各地域の研究などからもわかっていますし、この運動地でもそれを実感として感じていると思います。6月の一般質問でも伺いましたが、これからもこの運動を行う中で、大量の間伐材を所持しなければならない中、現状は運動地に枝葉を含めて木材を積み重ねて置くだけの対応となっています。なぜそうなるのか。そこには、不変の原則があるということですが、本当にそうなのでしょうか。今後のこの運動の持続的で、知床本来のサイクルを維持しながらの発展を強く願う観点から、質問を行います。これら植林された樹木は、元々はこの地に存在しない樹種です。原生の森に戻すための運動に人工林として植えられていた樹種があり、しかも、その樹種の性質上他の種を育てることのできない土壌をつくっているという大きな矛盾を、なんとか変えていくべきではないでしょうか。100年、200年、それ以上の時間がかかる運動だということは、誰もが理解しています。しかし、その本来自然界で繰り返される持続可能な再生の動きを、これまで植えてきた、あるいは開拓の方々が植えてきたアカエゾマツやカラマツが阻害しているのであれば、存在しない樹種を残すことが、この運動の基本的な理念の中では大きな矛盾となっているのではないでしょうか。この運動に参加された方の熱い思いを、託された約束の遂行を思えばこそ、私も、そして大きく育ってきた人工林の植林地を見て、少しおかしいのではないかという多くの方々の声を受け止めて、今一度この不変の原則を変えていくことが必要に迫られてきているのではないでしょうか。そして、この原則の中には、過去の作業の結果を評価するモニタリング調査があります。このモニタリング調査は、何のために、ここの原則の中にうたわれているのでしょうか。こうした本来の目的の運動の大きな支障になる結果が、今、出てきています。森林再生専門委員の先生もおっしゃっています。ぜひ、かつて植林された樹木が大きく成長し、天然林の再生に支障をきたす状態になっている今だからこそ、現状を捉えた対応が必要ではないでしょうか。町長のお考えを伺います。3項目め、先ほども同僚議員から一般質問がありましたが、先般、開催された町民懇談会に寄せられたいくつかの声を、ぜひ町民皆で共有するために、そして、これからのまちづくりの参考にするためにも共有し公開してはいただけないでしょうか。11月に6会場で開催された持続可能なまちづくりを考える町民懇談会で、皆さんからのアンケートなどの感想や意見、会場で出された質問や意見などについては、広く町民に公開していくべきという意見が多々寄せられています。さまざまな状況を町民皆で共有することも持続可能なまちづくりには必要なことだと思います。ぜひ早急にホームページなどで公開していただきたいと思います。また、各自治会を通じて回覧できるようにすべきとも思いますが、町のお考えはいかがでしょうか。以上、3項目について質問いたします。
答弁 町長 馬場
櫻井議員のご質問にお答えいたします。はじめに、1項目めの、コロナ後を見据えた観光のあり方に、今こそ取り組むべきです。観光振興計画にある課題に取り組む体制を早急に作ってください、についてお答えします。まず一点目の、知床オータムバスデイズの実施にあたっての協議調整状況についてですが、この社会実験は、例年のシャトルバス運行と同様に、知床国立公園カムイワッカ地区自動車利用適正化対策連絡協議会を事業主体として実施したものであり、この協議会は、環境省、北海道、斜里町の行政機関のほかに、自然公園財団や知床財団、観光協会、旅館組合、斜里バスを構成員としています。また、協議の枠組みも、例年同様に、適正利用・エコツーリズム検討会議の下部組織であるカムイワッカ部会を活用しており、この構成組織、団体とは、5月から7月の事前準備の段階から意見交換を重ねて事業調整を進めました。中でも知床財団は、連絡調整や企画立案、モニタリング調査などを業務として請け負っていましたので、今回の現場調整でも中心的な役割を担い、観光協会や旅館組合は、主に周知広報の役割を担っていただきながら、事業趣旨を共有していました。また、庁内でも、環境課と商工観光課は検討の初めの段階から、この事業の意義や内容を十分に共有しながら進めてきたものです。次に、二点目の、この社会実験にあたっての意見についてですが、事業実施前から実施後まで、交通規制のあり方や、シャトルバスの運行形態、実施時期、誘客イベントの内容まで、多くのご意見をいただいたところです。地域の方々の意見は、議員と同様に、町としても重要なものと受け取っており、実際にこれらの意見の一部は、事業内容にさまざまな形で反映されながら進めてきました。引き続きオープンで丁寧な説明を行いながら、地域の方々と一緒に事業を作り上げていきたいと考えており、今年度の実施内容に関しては、全般的には好意的な意見が多く、継続実施を求められたところですので、次年度以降の計画づくりに生かしていきたいと考えているところです。次に、三点目の、コロナ後の知床観光のあり方についてですが、これまでのところ、観光振興計画の基本的な方向は変わるものではないものと認識しています。例えば、インバウンド比率や居住地のバランスに留意するべきという点や、個人型への最適化、滞在、体験重視、イベント依存の脱却、ターゲット世代の引き下げ、ブランディング戦略なども、今回のようなコロナ禍による影響の縮小につながっているものと思いますし、また、テレワーク事業の推進も、今後の状況を踏まえると有効に働くものと考えています。また、宿泊税の導入を急ぎ、観光投資を進めてほしい旨の声も強くなってきていますので、なお状況をみて、この間停滞していた宿泊税の地域協議を再開し、道や総務省との協議につなげていきたいと思いますし、観光関連の基盤整備の検討についても、辺地債など従来の財源に加え、企業版ふるさと納税や過疎債の活用も視野に入れて、進めていきたいと考えているところです。いずれにいたしましても、このように、コロナ後を見据え、観光振興計画の早期実現を目指してまいりたいと考えていることを申し上げ、1項目めの答弁といたします。次に、2項目めの、知床100平方メートル運動・原生の森を復元するため、運動地になかった植林木の対応を検討すべきです、についてお答えします。ご質問のありましたカラマツの扱いについては、運動開始前に開拓者によって植栽された本州からの移入種であり、開拓以前の自然林への復元を目指す運動地内においては、将来的には在来樹種への転換を図るものとしていますが、既存のカラマツ林は、開拓者が意図したとおり、知床連山から吹き降ろす強風に対して防風効果を発揮しており、周辺の植樹木の成長を手助けする効果も期待できることから、当面の間は残存させる方針です。運動地内でも特に強風にさらされる場所においては、森林化を進める上でさらなる防風効果が必要とされるため、あえて若いカラマツを残存させ、その成長による防風効果を期待して基本的には手を付けず、いずれ在来種が多くを占めるまで自然の遷移に委ねることとしております。また、アカエゾマツ植樹地については、運動当初はアカエゾマツのみならず在来広葉樹の植栽も行っておりましたが、その後急増したエゾシカの食害により植栽した広葉樹のほとんどは枯れ、新たな広葉樹の植栽はシカ柵の中でしか生育が望めない状況となったため、結果的にエゾシカの影響を受けにくいアカエゾマツが植樹地の多くを占める状況となっております。アカエゾマツは知床にも分布する樹種であり、着実に成長し防風効果を発揮している反面、生長に伴い林床への日光を遮断し、林内は多様性の低い状態となります。このことから、アカエゾマツ林の密度調整作業を順次進めているところであり、実施したエリアのモニタリング結果では暗かった林床に光が届くようになり、15種の樹木実生が確認されたところであります。今後とも、計画的な密度調整やササ掻き起しなどを行い、人による植樹に頼らず広葉樹を含む在来種が天然更新可能な環境の創出を行い、植樹地の樹種多様化を進めることとしております。次に、不変の原則についてでありますが、不変の原則は運動地を経済林としてではなく、自然林として再生するという運動の趣旨に基づく基本理念であり、この理念のもと20年の中期計画、さらに5年毎の回帰作業計画に分け、森林再生を進めております。また、取り組みを進める上で専門的見地から助言をいただく森林再生専門委員会議においても、基本理念である不変の原則の変更、修正については安易に行うべきではないとのご意見もいただいているところであります。一方で、密度調整した材の活用については、来年度試験的にチップ化を行い、遊歩道の路盤材への活用の可能性やコスト面での検討を行う予定であります。このことから、100平方メートル運動の理念であります不変の原則は理念として尊重しつつも、密度調整によって発生した材については、専門家の助言も参考としながら、柔軟に対応していくことを申し上げ、2項目めの答弁といたします。次に、3項目めの、町民懇談会に寄せられた声を、共有化するために公開してください、についてお答えします。議員からは、ホームページ掲載や自治会回覧のご提言をいただいたところですが、既に今月号の広報において懇談会の記事を掲載し、来月号には参加いただいた皆さんのご意見や質問等も掲載することとしております。また、周知の方法については町ホームページでの閲覧もできるようにしてまいります。先ほどの答弁と重なりますが、町の財政状況やアクションプランの進捗状況については、これからも積極的に情報を発信する機会を設け、お知らせしていく考えであることを申し上げ、櫻井議員への答弁といたします。
再質問 櫻井あけみ
最初の観光関係に関しての再質問ですが、答弁の中にありましたように、今回10月に実施された事業は、しっかりと観光や環境と庁舎内の中でも連携を取りながら進めてきたという答弁でした。今後の観光のあり方について取り組む体制の中で、あえて今回実施された事業を取り上げたのは、これまで知床観光は国立公園の内外の連携が必要である。それは施策の連携だと捉えています。国立公園内外の保護と利用の観点で観光のあり方がずっと問われてきた流れの中で、今回の事業は、まさしくそうした部分が十分加味されているものであることも踏まえ、知床の観光施策にとって大きな動きと地域では捉えていると申し上げました。その中で、連携を取りながら進められてきたはずの成果検証について、一部では新聞でも取り上げられ、さらにテレビでもその内容や今後の取り組みについてマスコミでは広報されました。それを見た方々は、観光に関わる方々をはじめ多くの方々からその内容について、こういう目的だったか、この形で進めてどこがやっているのかというような、進め方や対応、内容についての疑問が多く出てきています。これはどうしてだろうと思いますが、町長はこういったマスコミの報道にあったような部分が流されて、こういう声が出ていることに関してなぜだと思われますか。
答弁 町長 馬場
この事業の結果に対するマスコミの報道、それを受けて、こういう目的だったのか、こういう進め方だったのかという声があがったというお話でしたが、全ての報道を見ているわけではないので、どの部分を指しているのかわかりかねるのですが、もっと具体的な部分はありますか。
再質問 櫻井あけみ
私も見ているのは二つだけで、北海道新聞で取り上げられた検証結果と今回行われた事業と、NHKの報道で流れた部分だと思います。町の方々から結構な声をいただきましたが見ていなかったので、その声をいただいた後でNHKで報道された部分を見ました。それについての疑問が非常に多かった点を伺っています。
答弁 町長 馬場
北海道新聞とNHKの報道に対しての意見があったことはわかりましたが、どんなふうにおっしゃったのかわからない中では、コメントがしづらいと思います。ただ、何が目的が違う、どこがどう違う、進め方もどこがどう違うとおっしゃっていたかがわらないのでお答えしようがないのですが、そこは具体的にありますか。
再質問 櫻井あけみ
町長は、庁舎内では観光課と環境課で十分コンセンサスを取りながらやってきたというお話でした。地域でお話を伺った時には、環境省の事業の目的のメインは、知床五湖へ向かう車の配列が1キロ近くにもわたって渋滞してしまう。交通のアクセスを円滑にするためと、途中で起きるヒグマを見る渋滞も勘案した形でスムーズにお客さんを目的地へ運ぶことが、大きな目的である。それに付随して、一部で岩尾別川などヒグマを見せることに特化した観光のメニューを作っていく、それも試してみたいという話で始まったと理解しています。説明の中でいただいた資料は、そういう形でした。それについて地域でそういった説明を聞いていない、どこでこういう形で進んできたのか、コロナ禍の時期にそういった社会実験が有効かと先の議会で久保議員からも質問があったと思います。実際には新聞の報道や町長も一時期、知床の取り組みの紹介の中でお話されていたと思いますが、ヒグマを一つの観光資源として見せる取り組みに特化している部分は、ある程度お話の中で言っていましたが、観光の方々は、やはりその取り組みに関しては、この事業が出てきた時からも慎重意見が多かったと思います。実際にやってみてどうだったかに関しては、地域の方々が集まって、どうだったかという検証に関しては少しお話をさせていただきましたが、今後、3年間これに取り組んでいきますという話も、地域の中では出てきていませんでしたし、テレビの報道を見た方々から、ここまで進んでいて、なぜ知床財団が公園内の移動や観光のツアー的な取り組みにまで関わっていくのか。そこに観光事業者としての総体的な知床の観光のあり方はどこで議論されていたのか、という声が寄せられています。関係する省庁の中にもそういった声が届いているということを伺いました。実施した部分に関して、あるいは今後どのように取り組んでいくかに関しては、それなりの形で進めていくしかないのではないかと思います。一番不安に思っているのは、これまでもそうだったように、エコツーリズムでイコール観光という形でなかなか動いていない体制になっている部分を考えると、もう少し観光としての視点でこの事業、これからの事業に関してしっかりベースを築いて両者が切磋琢磨しながら、それぞれの立ち位置の課題や良いところを構築して進めていくことが必要ではないかと思います。そういった部分では、今の状況、体制が十分だと町長はお考えでしょうか。
答弁 町長 馬場
いろいろ伺ってもわからない部分、私自身理解できない部分がありますが、目的は、五湖への渋滞の解消やヒグマを見る渋滞の解消、かつプラス岩尾別でクマを見せるツアーがあるという、クマを見せるツアーというのがわからないのですが、今回の社会実験をした大きな理由は、コロナ禍によってお客さまがどうなるか正直わからない、4月時点での話からです。これが7月、8月のお盆の帰省プラス9月ということですが、まず8月の五湖のお盆時期の渋滞は毎年大変なことで、そのためにマイカー規制をしてシャトルバスを走らせてスムーズな観光を提供してずっとやってきたものです。これが斜里バスさんが、料金をいただいての運行は難しい、できないところがあったわけです。できないのだからやめる選択もありましたが、何とかやれる方法はないのか、そういう中で、先ほど自然保護か利用かというお話もありましたが、環境省もきちんと保護の部分と利用は矛盾をしないということで、ここのところずっとやってきています、国立公園満喫プロジェクトもそうです。そういうことでやってきている中で、環境省としても、このコロナ禍においてさまざまな取り組みに対して支援をするということで制度を作って交付金の需要がありました。最終的には満度の額は交付いただけなかったのですが、それを活用する道を探ることをいろいろ協議しながらやってきました。加えて、クマ渋滞は、一つは見ることによる渋滞もあればカメラマンがクマに接近する危険もあれば、さまざまあったわけです。この課題をどうやって解消するのかをさんざんやってきて、モラルに訴えて、何とか近づかないでください、餌をやらないでください、櫻井さんも中心になってそういう呼び掛けをしたけれども、それだけでは収まらない状況が続いていました。だからこそ、違う方法がないのか模索をしている中で、JRの取り組みの一つでもあるMaaSというMobility as a Service、交通をサービスに、という考え方があることを学びながら、これを知床で活用できないのかというものも合致して、そういう社会実験ができないか、お盆の時期にやる、無償で交付金を活用してバスの運賃は無償にしてやるということと、もう一つ、そういったクマ対策を含めた社会実験を当初は9月にやるというプランを練って、その内容を地域の皆さん、さまざま関係者の皆さんにお話をしながら、協議をしながら進めてきました。途中いろいろ進め方に不備があり、お怒りを買った部分もありますが、最終的に実施することで今日に至ったわけで、そのことが目的と全く違うなどお話をされること自体が私にはよくわからない、正直。コロナ禍に本当にこれが有効かというのは、コロナ禍だからこそやったということです。いつものようにやれるのなら、ここまで考えて社会実験もできなかったのではないかと正直思います。そういう意味で、タイミングとしてはコロナがあってお客さんも来るかどうか、たまたまある程度落ち着いてお客さんも来てくださいました。でも、8月でも6割です。9月で7割になって、10月でやっと100%くらいですから、本当に先が見えない中で計画をせざるを得なかったということです。そういう意味の企画であったと思いますから、そこに疑問と言われても私はわかりかねます。知床財団がなぜ関わって主体的にやっているのかというお話でしたが、まさにクマ対策を担っている現場で追い払いもして、追い払いにいたところカメラマンに追い払われるという矛盾をした中で、苦労をしている中で何か道がないのか。そういう中での一つのプランがたまたまこういう形で計画としてなったということです。こういうモラルに訴えているだけでは駄目だという部分は、エコツーリズム戦略会議や検討会議、あるいは地域連絡会議などそういう場面で、環境省やそういう部分で訴えながら、法的な何かタガをはめなければ解決しないだろうというお話もずっとやってきた中での今回だと思います。描いている部分が伝わっていない部分があるかもしれませんが、こんなに長くなって申し訳ないですが、そういう趣旨で今回の企画はやらせていただいたということです。せっかくやったものがどうだったかということ、無料だから利用いただいた面もありますが、基本的にゆっくり、あずましく五湖に行けて、途中クマも見られたという話しなども聞いていますし、私もバスの中で一緒になってクマを見ることもありました。今後の進め方はいろいろ課題がありますから、改善すべき部分はたくさんあるかと思いますので、それをしながら1回やってみてもう少し続けて様子を見ることで、新しい知床の観光のあり方も見えてくるのではないかという声もいただいていると報告を受けているところです。櫻井議員の質問に答えたことにはならないかもしれませんが、報道を受けて出た意見に対しての率直に感じたものをお話させていただきました。
再質問 櫻井あけみ
この事業自体は、地域の方々と一緒に検証という部分では、一つの評価では示しています。さまざまなところで申し上げていますが、シャトルバス化について地域が反対しているものではないという観点でご理解いただきたいと思います。環境課や知床財団の担うヒグマ渋滞、そういった部分を含めて知床公園内と知床公園外がしっかりと、保護と利用の部分でもう少し意見聴取をしながらどうあるべきか。今回非常に大きな成果を出している一方で、観光としてこれでよいのか、観光としてのお客さんの集客はどこを目指すべきか。そういったところを観光振興計画で持っているわけです。そうした中では、かなり矛盾するところも、我慢しなければならないところも出てくる。もしかしたら、価値が上がる、単価も上がるかもしれない部分の調整を、しっかりと観光サイドの方と一緒に連携を取って進めていっていただきたいということで質問させていただいています。これから知床の観光の価値をさらに高めるために、エコツーリズムでもずっと言われています。観光産業の堅実な成果につなげるために、観光としての立ち位置で、利用者、来てくださる方を今よりもっと増やしながら知床の観光はどうあるべきかという着地点を、事業者の方々としっかり議論を重ねる。しっかりとした観光施策の部署、環境課で地域の方々とコンセンサスを取りながら、保護管理を行う部分と十分一緒に話しながら良い形をつくっていく、それがコロナ後を見据えた観光のあり方につながるのではないかと思いますが、そういう形で進んでいくことに間違いないと捉えてよろしいでしょうか。
答弁 町長 馬場
間違いがないでしょうかということに直接ではありませんが、今、斜里町の観光がどうあるべきかという部分で、いろいろ動きながら状況が変わりながら、そういう中でも目指すものをきちんと持ちながらやっていく。それは定めたからそこから全然変わらないではなく、やりながらお客さまの反応を見ながらやっていくことだと思います。そういった意味で、観光の立場で十分事業者や関心のある方との意見交換が不十分ということを言っているのかと思いますが、そういうことであれば、そういうのはどこまでもしっかりとやっていく必要があると思います。町が観光をやるわけでも、観光協会だけが観光をやるわけでもなく、斜里町全体が、来られるお客さまに対して本当にようこそおいでくださいましたと言えるためには、観光に直接関係ない人も、観光のお客さまにありがたいと思う気持ちがなければなりませんから、そういう意味でも意志をしっかりと確かめ合い、伝え合い、よりよく磨き上げるというのでしょうか、そういう作業は必要と思いますので、それをやっていくことは今後も必要という認識は持っています。
再質問 櫻井あけみ
それぞれの立ち位置の方々が納得して、一つの知床の観光のあり方に向かっていけるような体制作りを今後も望みます。次の100平方メートル運動に関連した質問に移ります。確かに風よけになっている。それぞれ外部から移入した樹種が2種類入っているのは、違和感を持たざるを得ません。この運動によって知床だからこそ知ることのできる、他の植林地、造林地にはない持続可能な自然界のサイクルを学べる素晴らしい地域に暮らしていると思っています。多くの方々の意志を受けて目的を遂行しなければならない運動だからこそ、この知床の地で、自然界の持つ再生や持続的なサイクルの支障となるような課題をしっかりと変えていくべき。それが私たちが行う運動の一つではないかと思います。そう言いながらも、実際になかなか森林再生、自然林に戻す、自然林を再生する事業は困難を極めていると思います。その困難を極めている支障になるものに関しては、大原則としての理念、今つくられている不変の原則が理念ではなく、その理念の根底にあるものがどういうものかをしっかりと見据えていけば、自ずと今やらなければならない大きな課題を、私たちが担っている時に少しずつ解決していくことも、この運動の持続性につながるのではないかと思っています。ある程度柔軟な姿勢でという対応でしたが、もう少し具体的にこうすればよいのではないか、本来生えていない樹種がここにこれからもずっと残っていく、それがどんな形になるのかは、今後も専門家の先生のご意見を伺って柔軟な対応を望んでいきますが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 馬場
お聞きいただいた部分に適切にお答えできるかは自信がないのですが、お話の趣旨としては、今の知床の100平方メートル運動、特に森林原生の森に戻すという森林再生の部分では、今のやり方は不十分で、変えるべきではないかということが趣旨かとお聞きしました。確かに元々の樹種ではないなど、そういう部分はあるかと思います。プロセスの中で風から守る、そういう部分でやっているのも事実です。成すがままやるのであれば鹿対策もする必要がなくなってしまいます、自然のままにやるという意味では。それでは木は戻らないということで、風から守る、鹿から守る、さまざまな工夫をしながら今に至っている。この状態が良いかどうか、間伐をしなければまずいということで、森林再生専門委員からもご指摘を受けた中で、ではどうするかということを、不変の原則もきちんと意識しながら、こだわり過ぎても駄目だという葛藤をしながら専門委員の皆さんも触れながら、今回も、オンラインではありますが協議をしています。この先どのようにするかは、さらなる検討を重ねながら進んでいくと思います。専門家の意見も聞きながらより良き道を、今やれることをやっていくことになるのかと思います。また、私の主観かもしれませんが、この運動は私も首長になってあらためて尊さを感じながらやっています。単に原生の森に戻すということよりも、ここに開拓の歴史があったことをしっかりと残すことと、そのことがこういう運動によって跡形もなくなるという未来も想像しながら、私たちが生きていくのは、まさに自然があって生かされているのだ、そこを理解、気付きをする場所であり、だからこそ大切にするという意識。それは知床の森ばかりではなく、地球全体の環境を守るという意識にもつながる。そういう心の運動ではないかと思っています。元々ない樹種があるから、それで良しと言っているつもりはありません。そういう不具合もおっしゃるとおりですから、そこをどの段階かは別としても改善していく、変えていく必要もきっとあると思います。そういうことも含めて長期計画を立てながら、私たちの一方的な、あるいは首長の一方的なことでいろいろなことをやるのではなく、しっかりと検証しながら進めていくことが大事だろうと思いますので、今の段階でこの進め方はいかがなものかとご指摘いただいているとは思いますが、まさにプロセスの今であるとご理解いただいて、これからの進め方について私たちもしっかり検証しながらやっていきますが、また見ていただいて気になる点はアドバイスをいただければと思います。
再質問 櫻井あけみ
今だけを見据えての質問ではありません。この運動が始まってずっと見てきた中で、単一種で植えられた林は他の植物を受け入れない、そこには鳥も鳴かない、そういった部分を植えられた樹種の成長とともに、毎年見てきているからこそ、今何らかの形で手を掛けてきたものを、手を掛けてきちんと整理していかなければならないという思いから質問をさせていただいています。実際、運動地では大きな支障になっていることを、53号の森通信の中で知って、なおさら今私たちがやるべきこと、次に続く持続可能な取り組みの一つとして選ばなければならないことの一つではないかという意思で質問をさせていただきました。今後の町の発展的な持続可能な取り組みを期待します。次の質問に移ります。町民懇談会に寄せられた様子を、広報で見ましたし、来月号は皆さんの寄せられた意見を掲載しますというのは、読ませていただきました。一部ではなく、さまざまな方からさまざまな視点で寄せられた意見、そこに書き込まれた部分は全部を載せるべきではないか。全部を公開していただきたいという趣旨で質問しています。ホームページなどでは全部を掲載して出していけると思いますし、広報紙では一部にならざるを得ないと捉えています。どのような生の声や疑問、もしかしたら町民懇談会として財政難の中では違う意見も出ているかもしれませんが、そういったものを含めて、実際に書いていただいた生の声、寄せられた声は、今後のまちづくりの一助になることを、町民皆で共有するためにも全部を掲載していただきたいと思います。ぜひそういったことをご検討いただきたいと思います。
答弁 町長 馬場
いただいた意見については、まさに今おっしゃったとおり、それぞれの立場でさまざまな意見がありました。これを全てあからさまに全部載せるにはホームページしかできないと思いますが、ホームページには全部を、今後の広報しゃりには抜粋を載せていく考えでいます。