斜里町議会 令和元年12月会議 2019年12月18日
災害時に避難所となる小中学校トイレの洋式化への取り組みについて
2019年12月18日、斜里町議会の一般質問で、若木雅美議員が「災害時に避難所となる小中学校トイレの洋式化への取り組みについて」質問し、教育長 岡田が答弁しました。
- 質問者
- 若木雅美 議員
- 答弁者
- 教育長 岡田
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 若木雅美
1項目、災害時に避難所となる小中学校トイレの様式化への取り組みについて質問します。今年は、記録的な大雨をもたらした台風19号をはじめ、8月の九州北部豪雨、台風15号、台風21号など風雨により甚大な被害をもたらす自然災害が多い年でした。特に被害の大きかった台風19号は、東日本および東北地方の広範囲に記録的な豪雨をもたらし、多摩川や千曲川、阿武隈川といった主要河川の氾濫、堤防決壊を引き起こしました。この一連の豪雨で7県71河川、128カ所で堤防が決壊しました。家が濁流に飲まれ流されていく様子を報道で何度も目にしましたが、自然の猛威の前では何もできないことをあらためて考えることとなりました。この台風19号から2カ月が経過していますが、現在も8県で1500人の方がまだ避難所で生活をしているとの報道があります。避難所の設備の問題、生活空間の問題などで大きなストレスを抱えながら生活をされている方が、一日も早く以前の生活環境に近づけることを願っています。東日本大震災以降、避難所における生活環境についてさまざまな調査が行われており、避難生活をしていた方々は、音の問題、においの問題、トイレの問題、プライバシーの確保の問題などさまざまな問題を抱え、強いストレスを感じながら長期にわたっての避難生活を余儀なくされている実態が明らかになっています。現在、国は、防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策において、避難所として使われる学校施設の防災機能を強化するために、トイレ整備も重点的に推進することとしており、本年度も事業予算が組まれています。学校施設を所管する文科省としても、学校のトイレは和式が多くこれまでの災害では、避難所となった学校において不慣れで使いづらい和式トイレが敬遠され、洋式トイレに長い列ができるなど、避難所として利用されるトイレ環境について改善が必要との考えです。さらに足腰が弱い高齢者が避難した場合、和式だけでは困る事情もあるので洋式トイレの設置が急がれています。一方で、学校生活においては、家庭のトイレはほぼ洋式となっていることから、子どもたちが和式を敬遠し、生理現象を我慢してしまい勉強に集中できない、便秘気味になるなど学力や体にも悪い影響を与えるとの指摘もされています。以上のことから、次の二点を質問します。一点目、現在の避難所として指定されている町内の学校について、トイレの洋式割合はどのようになっていますか。二点目、財政面にも課題がありますが、子どもの学習環境と災害機能強化のために、洋式化を計画的に進めていくべきと考えます。考えをお聞かせください。
答弁 教育長 岡田
若木議員の、災害時に避難所となる小中学校トイレの洋式化への取り組みについてのご質問は、私からお答えいたします。はじめに、一点目の、避難所指定されている学校のトイレの洋式割合についてですが、まず、町内の学校の避難所指定状況につきましては、斜里小学校が地震避難所に、朝日小学校が洪水、地震、津波避難所に、知床ウトロ学校が洪水、津波避難所に、斜里中学校と斜里高校が洪水、地震避難所にそれぞれ指定されているところであります。各学校のトイレの洋式割合については、斜里小学校は43個中、17個が洋式で39.5%、朝日小学校は25個中の11個で44.0%、斜里中学校は55個中の51個で92.7%、知床ウトロ学校は27個中の25個で92.6%、また、斜里高校は32個中の23個で、71.9%となっており、町内全体では69.8%の洋式割合となっています。次に、二点目の、子どもの学習環境及び災害機能強化のために、洋式化を計画的に進めていくべきについてですが、各学校に確認したところ、議員ご指摘の、子どもたちが和式トイレを敬遠して生理現象を我慢し、勉強に集中できないことや、体調不良を訴えるようなことは、現状では起きていないとのことです。一方で、学校施設が担う災害対応面においては、震災などを機に全国的に学校トイレの洋式化率の向上が図られている現状を踏まえて、今後予定している学校施設の長寿命化計画を策定する中で、学習環境面だけでなく、災害対応機能強化の側面にも配慮したトイレの整備を検討していく考えであることを申し上げ、若木議員への答弁といたします。
質問 若木雅美
一点目の洋式化の割合ですが、全体の割合では約70%に近い数値で、整備が進められているようにみえますが、別の視点でいうと、この高い数値は改善、改修が行われた中学校と知床ウトロ学校が92%と高い水準になっているのが要因という見方もできるのではないでしょうか。その中で、近年、整備をした斜里中学校や知床ウトロ学校が100%ではない点については、何か理由があるのでしょうか。
答弁 教育長 岡田
洋式化の考え方は、いろいろな自然災害が相次いで、学校が避難所として利用されるケースが増えてきて、その中でいろいろな知見が得られるようになった。そういう流れの中で、トイレについては全て洋式化にしても問題ないのではないか、むしろそれが望ましいという声は、おそらくこの間に高まってきたのではないかと思います。それ以前は、全て洋式化するよりも一定程度和式がよいという方もいるので、そういったものも最低限は残すべきというのが、相次ぐ自然災害以前の考え方としては、そういった考えもあったように思いますし、そのように認識していたので、そういった流れで100%ではなく、あえて和式も残すという整備が進められてきたと認識しています。
質問 若木雅美
斜里小学校と朝日小学校については、文科省が平成28年4月現在で調査を行っていて、公立の小中学校の洋式化が全国で43.3%という調査結果があり、これに近い数値だと思います。斜里町の洋式の分布ですが、どちらとも3階建てで体育館も別に備えているので、どのような分布状況になっていますか。
答弁 教育長 岡田
斜里小学校については、全体で便器の総数は43個あります。そのうちの37器が校舎に配置されています。37器のうちの16器が洋式、和式が21器で、校舎についてはそのような割合になっています。一方で体育館側には全部で6器あり、その内訳は洋式が1器、和式が5器で、和式がメインの配置になっています。校舎も体育館も含めてそういう状況になっているのが斜里小学校です。一方で、朝日小学校は総数が25器ですが、このうち22器が校舎に配置されていて、その内訳は洋式が9器、和式が13器、校舎についてはそうなっています。体育館は便器の数としては三つだけで、そのうち洋式が2器、和式が1器という割合になっています。
質問 若木雅美
校舎は3階までありますが、洋式化をされているのは1階が多い状況でしょうか。
答弁 教育長 岡田
詳細については、きちんと押さえていません。おそらく階によって変化があるというよりは、均等に配置されていると認識しています。詳細については、後ほど確認して情報提供したいと思います。
質問 若木雅美
今回の視点が災害時の避難所ということになるので、大勢の方が避難された場合、上の階も利用されると思います。体育館、1階などそういう形で利用するので、洋式化を急ぐ場所をそのように考えていくとよいのではないかと考えるため質問しました。文科省が調査した目的は、全国の7割近くが築25年以上を経過している現状を踏まえて、老朽化対策と一緒に、近年多発する自然災害に対応した防災のための強化が必要ということで調査が行われたということが、いろいろな資料に書いてありました。斜里町も洋式化を進めている中でも、まだ斜里小学校はされていないので、洋式化を進めていきたいという思いです。二点目、子どもの学習環境のためというところでは、そのような状況はないと確認しているといいますが、改修のたびに中学校や知床ウトロ学校は洋式化が進んでいることをみると、やはり生活環境が変わってきていることから洋式化が望ましいと考えていると考えてよろしいですか。
答弁 教育長 岡田
確かに斜里中学校と知床ウトロ学校については、高い洋式化率になっています。斜里小学校、朝日小学校については、ほぼ全国平均レベルではあり極端に低いことはないですが、今後はより洋式化率を高める方向で検討したいと思います。実際に各家庭でも洋式が当たり前になっている現状を踏まえると、学校においても長時間子どもたちが生活をする場なので、そういったところも現状の生活スタイルに合わせてより洋式化率を高める方向で進めたいと考えています。
質問 若木雅美
小学校がまだ進んでいない視点で見ると、そういう声がないという学校の認識だとお話があったので、全てが言えていないということもあります。そういう点を配慮して、小学校がまだ未整備ですと、そこは早急にしていくべきと考えます。今後については、予定している学校施設の長寿命化計画の策定をする中でというお考えでしたが、策定の時期はいつ頃となっていますか。
答弁 教育長 岡田
この長寿命化計画は、予定では令和2年度中に作る予定です。計画的に施設改修を検討することを国からも求められていて、個別の施設の長寿命化計画を持っていないと国庫補助の対象にならないと明言されています。そういったことを踏まえて、事業費も大きくなるので国庫補助を使っていきたいと思っています。そういった意味で、令和2年度中にしっかり作れるように取り組みたいと思います。
質問 若木雅美
厳しい財源の中で計画的に洋式化することに取り組んでいくことが大切だと思い、防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策の活用がよいと思いました。エアコンについて、今年の3月に国に要望を挙げているとお話を聞いて、これも同じ事業の中でエアコンの要望を挙げていると思います。このエアコンの要望を取りまとめる段階で、洋式化については、まだその時には含めて検討されなかったのでしょうか。
答弁 教育長 岡田
私どもの認識では、当時、ブロック塀の倒壊防止と熱中症対策のエアコンの2本が、緊急的に必要ということで事業の取りまとめがきました。その際には、特にトイレの洋式化については提示されていないと認識しています。
質問 若木雅美
1年間で全国のトイレの洋式化を、この予算の中でできるのか。令和2年度中というとあと1年です。全国の洋式化は、今年の予算ですと1608億円の中でやるようなので難しいと思いますが、長寿命化計画を早急に組んでいただき、財政的には有利な財源の活用が有効だと思うので生かしていただきたいと思います。12月の初めに東北に行く機会がありました。宮城県の名取市や東松島市に行き、東日本大震災の経験から今回の水害を経験された方のお話を多く聞くことがありました。経験が生かされたことが多い中で、まだまだ生かされていないというお話を聞いて、未経験の私たちは想像力を持った備えをしていかなければならないと感じて帰ってきました。9月の被害で未だに避難生活をされている方を想像した時に、斜里町で万が一こういうことが起きた時に、高齢者の方々がトイレに困ることに光を当てた早めの対策が必要ではないかということで質問させていただきました。避難所は、ハードやソフトの両面で被災者が安心、安全に滞在できる避難所であることを望んでいるので、有利な財源などを活用しながら計画的に進めていただきたいという考えを申し上げて質問を終わります。
答弁 教育長 岡田
国のほうでも文科省から最重要としていわれているのは、地震に対する直接的な対応です。一つは、耐震強度を持っていること、次に問題になったのが、非構造部材が落下してくる。後付けのもので、バスケットゴールや照明器具などが落下してくる。それは東日本大震災の時にもすでに課題になっていて、一定の対応はされていましたが、結局十分ではなく、熊本地震の時にも同じように非構造部材が落ちてきて、避難所として使うことができない状況が発生した。トイレの洋式化もその施設が使えることが前提で、そこに避難して生活が始まった時に必要になるものということでは水洗トイレ。ただ、それ以前に避難所として機能する、そこに人が集まる状況が作れることが大事で、まずそこに最優先で対応してきたのがこれまでの経過です。そういう意味では、町の学校施設については、全て新耐震基準にのっとっていますし、6月に補正予算を認めてもらって落下防止の非構造部材の固定化をようやく完了することができた。併せていうと、東日本大震災の時もそうですが、インターネット環境やWi-Fi環境は情報入手の点で、ネット環境が情報収集の手段として大きく機能したことがありましたので、これもすでに各学校で授業でも使っていますが、災害対応の際にはチャンネルを切り替えてフリーでWi-Fiを使えるような整備もすでに進んでいます。そういった昨今の自然災害の多発も踏まえて、着実に状況は整えていますので、引き続きこの後も計画的に有利な財源を見極めながら対応を図っていきたいと思います。