みんなの議会

更別村議会 令和5年第3回定例会 2023年9月19日

図書館、文化複合施設を造る可能性

2023年9月19日、更別村議会の一般質問で、尾立要子議員が「図書館、文化複合施設を造る可能性」について質問し、教育長が答弁しました。

質問者
尾立要子 議員
答弁者
教育長

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 4番 尾立要子

発言の許可を許されました。通告書に従いまして、質問を教育長に対してさせていただきます。更別村に充実したコンテンツのある図書館、文化複合施設がない状況に鑑みて、将来的に図書館、あるいは、文化複合施設を準備するための取組を始めてはどうか、というような趣旨のことです。8月4日に細川教育長と面会し、更別村における文化複合施設創設の可能性についてお伺いしました。3,000人のまちでの財政では、仮に何か特化した施設だったり、莫大なものは難しい。また、近くには大規模な帯広市図書館があるとしながらも、将来の可能性についてお聞きする機会になりました。2021年12月に、村民有志から成るグループのまちづくりの事業の一環で実施した講演会にお招きした、芸術文化観光専門職大学長で世界的知名度の劇作家でもある平田オリザさんは、若い人、子どもたちにとって充実した図書館や文化施設がなく、文化コンテンツに触れる機会が少ないことは、知的なコンテンツが手近にある都会の子どもたちといずれ競わなければならない地域の子どもの背負うハンデである、と言及されました。また、最近ですと、日経新聞2023年8月5日付では、図書館が地域の情報センターとしての機能を強化すると、2000年来の全国の公立図書館が120施設増となっていることとともに報じられ、しかも、図書館がまちの活性化の核となる近年の傾向とともに、過疎に悩む、例えば、高知県での図書館を軸にした観光客の呼び込みに至るまで図書館のポテンシャリティーが紹介されています。人口4,000人程度の中札内村では、図書館、文化複合施設を備えております。帯広市図書館と同様によく利用しますが、子どもたちは自分で行くことができません。図書館、文化複合施設を巡っては待ったなしの状況であると考えます。また、スーパーシティ構想には図書館づくりの項目がありました。図書館、文化複合施設を造る可能性についてお考えをお伺いできますようお願いいたします。

答弁 教育長

尾立議員からの図書館、文化複合施設を造る可能性についてとのご質問に対しお答え申し上げます。図書館は、図書、記録、その他の必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設です。現在、更別村においては、更別村農村環境改善センター図書室管理規則に基づき事業を進めており、令和4年度におきましては、利用者数2,824人、蔵書数4万2,859冊、住民1人当たりの蔵書数は13.6冊となっております。利用者数につきましては、ここ最近では2,000人弱の利用と少ない状況が続いているため、今一層の魅力アップに努めなければならないと感じております。尾立議員がお示しいただいた高知県での図書館の取組ですが、このケースは高知県と高知市が共同で図書館を設置した事例であり、同様のものを更別村に設置することは不可能であると考えます。また、子ども、若年層の文化コンテンツに触れる機会が少ないのではないかとのご意見ですが、本村では幼児から中学生を対象に、青少年劇場として、芸術文化に触れる機会を毎年実施しております。内容につきましては、その都度担当教員等と協議し、決定しており、音楽鑑賞や演劇など多岐にわたるものとなっております。そのほか、地域に合わせて住民自らが自主的に行う文化事業に対し事業費の2分の1を助成する文化振興公演等助成金事業を創設しており、過去にこの事業を活用し、社会福祉センターやふるさと館でコンサートなどを開催された実績がございます。住民が文化に触れ合える機会が更別村が極端に他の町村と比べると少ないかというと、一概には言えないと思っております。教育委員会としては、既存の施設の有効活用を図り、施設を新たに造るのでなく、まずはできる範囲で事業内容の充実を図ることを第一として文化振興及び図書事業を推進してまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。以上、お答えとさせていただきます。

質問 4番 尾立要子

ご答弁ありがとうございました。ご答弁では、頻度、それから地域の子どもの背負っていくハンデ、私のほうの通告書で書かせていただきました。こちらへの懸念についての、十分言及がいただけなかったのではないかとの認識から、再度お尋ねしたいと思います。図書館が無料貸本屋から脱しまして、教育長もおっしゃられたとおり、レクリエーションの部分が含まれたりとか、地域を支える情報拠点としての施設にシフトし、まちづくりの中核に図書館を据える自治体も増えてきています。年齢や職業、収入の差別なく全ての人に開かれている無料の公共施設として図書館がとりわけまちづくりの核と捉えられ、人口規模が例えばですけれども、2,400人に満たない島、島根県の海士町とか、中国人の観光ガイドにマル必の訪問先として記載される図書館がある市、佐賀県武雄市とか、あるいは有名な武蔵野プレイス、武蔵野市ですね、に代表される都市圏の人の交流を年齢区分を超えて促すような、そこで暮らしたいという子が出てくるような文化複合施設まで、この20年ほどで書店、図書館を巡る状況は大きく変化しました。ざわめきのある図書館、あるいは図書館を併設した文化複合施設への注目の背後にあるのは文化芸術活動がもたらす幸福感へのこだわりだと私は考えます。ウェルビーイングとの言葉はこの間よく聞かれる単語です。200キロ以上離れた札幌とか、飛行機で東京に出向くのかとか、更別村にあっては人々は文化芸術活動の希薄さに直面しています。私は移住してまだ間もないのですけれども、更別に来る前、文化の地場の近くに職場、住居があった経験から、文化のもたらす幸せ感の落差を感じることがあり、これまでささやかではありますけれども、村の方々と実行委員会を構成し、文化アクターだったり、アーティストをお招きする事業を実施したい、と各方面に働きかけを試みてきました。その中で見えてきたのが、鑑賞とか表現教育の実践者としての映画とか演劇とかアートの文化活動を行うアーティストが近年活発に地方の文化政策に関わり、文化活動を行っている実態であり、他方で適切な場所がないことによって関係人口の構築に遅れを取るだけでなく、その地域住民全体が、それぞれ享受できる文化の権利の行使が、したがって幸せ感の満喫において広がる地域間格差があるという事実です。ここで問題としたいのは、彼ら、彼女たち、このアクターたちを巻き込んで文化活動を展開する制度化された場は更別にあるのかなということです。こうした場所づくりは必要とはならないのでしょうか。文化芸術は、私たちに感動や心の安らぎをもたらすとともに、豊かな感性や想像力を育んでくれます。防衛費が6兆7,800億円という大きな金額の中で、文化芸術に関わる文化庁の予算はとっても小さくて1,076億円ですけれども、たった0.1%とはいえ1,000億あるわけです。この国費の0.1%に更別村はしっかりと関わりを持つことになっているのだろうかと、私は心配します。ここで、公立文化施設による地域活性化という話を若干お伝えしたいと思います。2017年、文化芸術振興基本法が文化芸術基本法と改まりました。この改正の主眼を端的に示す条項では、文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承、発展及び創造に活用することが重要であることに鑑み、文化芸術の固有の意義と価値とを尊重しつつ、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業、その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されなければならないとあり、文化芸術が素朴に信仰の対象とされてきた旧法から一転し、様々な領域と連携して価値を発揮する役割を持つものとして文化芸術が位置づけられ、その価値創造によってさらなる文化芸術の発展を目指すものとされています。例えばこの例示の中にまちづくり、国際交流、福祉、教育などがあり、また国民がその年齢、障害の有無、経済的な状況、または居住する地域にかかわらずひとしく文化芸術を鑑賞し、これに参加し、またこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならないとされていたように、いかなる人であってもひとしく文化芸術やそれが連携する現場において包摂されていかなければならないとする基本的な考え方が示されていて、これは2011年以来大きな話題となってきています。少なくない文化芸術の表現者、教育関係者が今日的な活動の指針とこれを考えるようになっています。また、文化庁の補助金事業にも実践の枠組みがあったりします。人口減少、少子高齢化の進む日本国の大きな政策課題の一つ、地域活性化のための方策には企業誘致、移住促進、福祉の充実等、様々なものが挙げられますが、近年、文化芸術を活用した地域振興策に注目が集まっている、と言うことができると思います。美術館とか、もしかしたら欲張り過ぎかもしれないけれども、文化施設の建設、アートプロジェクトの開催などにより、交流人口の増加をはじめとする地域活性化に大きな成果を上げる例が散見されています。何より郊外の大型規模量販店進出等による中心市街地の空洞化等、地方都市の画一化が指摘される中で、地域の歴史とかアイデンティティーとか文化、暮らしを大切に守り、育むことによってこのアイデンティティーをさらに確立していこうとする動きは各地で生じています。この地域活性化を論じるということですけれども、経済的側面に加えて住民の幸福感、精神的満足度が重要かと思われます。昨今のもちろんスーパービレッジ構想、デジタル化も大事なそういった側面を補強しようという取組ではあるとは思うのですけれども、それらと組み合わせてアナログのウェルビーイングを追求する必要というのもあるかと思います。ひきこもりとか自殺とか、様々なテーマとともに社会問題を解決することも地域活性化の重要な課題の一つであり、住民の参加、交流を促す文化芸術活動にはコミュニティを再生し、地域に活力をもたらすとともに、人々が健康で生きがいを持って暮らすことのできる地域社会の実現等の効果が期待されていて、アーティスト側、文化アクター側に目を向けると、こうした問題意識の下に全国の公立文化施設に着目し、地域活性化に果たすべき役割について考察し、積極的に動き出しています。では、こちらに目を転じるわけです。近年、各施設においては、芸術を限られた一部の人々のものから広く地域や住民に広めるために芸術普及活動、アウトリーチ活動に取り組んでいて、その重要性は高まっています。このアウトリーチ活動の中には、教育、医療、文化、福祉と様々な分野の連携を図ることで、社会的課題解決に大きな効果を発揮する例が少なくありません。こういう文化アクターがアウトリーチへと積極的になっている、特に都市部で有効活用がなされている状況があったときに地方との落差、これに文化アクターは自覚的で、だからこそ、小さい取組だったけれども、私が実行委員で関わった皆さんにご一緒いただいた企画に世界的に名前が通ったアーティストや演出家の方が更別村にいらっしゃってくださったりもしております。ところで、更別村では取組が多いとは言えず、その根幹に核となる文化的なことをしていく主体性を持つ文化芸術活動へと向かえる文化複合施設、あるいは、各地でその役割を担うことにもなるような、広がりがある公立図書館がないことが挙げられるのではないでしょうか。スーパーシティ構想には図書館の項目がありました。とても大きな希望だったはずです。改めて、文化複合施設、図書館の建造について村民の問題として考えるときであると思います。この点に関して改めてお尋ねいたします。過疎債とか、図書館が十分造れる、と関連本に記載があるのですけれども、本村で図書館とか文化複合施設を造ることに対して考えていく、プライオリティーを置くとは言わなくてもそういうお考えはありませんでしょうか。以上です。

答弁 教育長

ちょっと私の理解できないところもあったのですけれども、最初に質問のところで出た子どもたちへのハンデという部分では、再度繰り返しますけれども、青少年劇場ということで毎年幼児、小学校低学年、それから小学校中高学年、それから中学生とわたって、中札内村と協力して、かなり一生懸命この事業は進めていると思います。かなり効果はあることだと思っております。また、更別村文化振興公演助成金の関係です。過去にずっと札響を呼んだり、さらべつミュージックサービスということで会長を矢島俊郎さんやっているのですけれども、この方を中心に中央のアーティストを呼んで、社会福祉センターの大ホール使ってですけれども、ここで文化事業をやっているということで、決して他町村に劣っていると私は考えておりません。また、これはスポーツ施設との関連ですけれども、村の若い子どもを持ったお母さんたちが、更別村のトレーニングセンターのほうに小さなキッズルームがあるのですけれども、そこで子どもたちを遊ばせて、その帰りに図書室に寄って、奥の絵本を借りて、そして帰っているのです。これは、村の図書室の事業として親子読み聞かせマラソンというのをやっていまして、子どもに絵本を借りていって、5冊読んだことで1個判こ押して、10個もらったら50冊読んだということで目標達成ということで、このお母さんたちにミニ賞状とか記念品渡して、許可がもらえれば、本ごよみ等に紹介して、小さな事業なのですけれども、村民に根づいた図書の活動だと感じております。また、図書室でそのほかに夏休み、冬休みブックウォーク、ということで小中学生を対象にやっていたり、春と秋の図書室まつり、ということで小学生以下の子どもたちにいろんな事業をやったり、古本市、それから、毎月土曜日に絵本の読み聞かせ教室、ということで村民対象にやっていたり、上更別地区への移動図書館とかやって、小さいながらも予算の範囲の中で一生懸命やっていると、私は認識しておりますので、大きなホールとかはありませんけれども、ホールに関しては社会福祉センターの大ホール、それを活用していろんな事業に積極的に取り組んでいると、私は認識しております。以上です。

質問 4番 尾立要子

ご答弁と、それから具体的な事例のご紹介ありがとうございました。励まされるところです。では、最後、図書館に限った話を少し私が調べたところから懸念に思われるところがありましたので、お伝えしたいと思います。日本の市町村数が1,718ある中で、北方領土を加えるとまた変わるのですけれども、日本図書館協会によれば、昨年度全国には市が767あって、そのうち図書館を設置している市が754と、それから町村の中では、公立図書館が設置されていない市町村が全国の2割以上あって、それで市を除いた町村に限ると4割を超えて、いわゆる、制度的に言われる図書館というものと違う形のものがあったりなかったりという状況があります。そんな中には、情報センターに、最近、市の図書館から変えた夕張市も含まれたりしております。こういうものを数字で見ていきますと、数字で見る日本の図書館で人口が8,000人以下の市町村では本、平均して8万冊あたりが、8万3,153冊という数字が一つの指標で出ていて、今回ご答弁いただいた4万2,859冊というのは半分ぐらい、スペース的なことも含めて見ていきますと図書館の広がりの中は随分限られた部分になっているのではないかなということが、私としてはもっと広がりがあったほうがいいのではないかと感じるときの動機につながっています。文化複合施設を軽んじるかどうかです。私は、まとまったものでできる広がりをあちらこちらの自治体が実現しているということに注目しますので、当面、今ある図書室があり、それから社会福祉センターとか村内の施設でいろんなイベントができてという、そういうことは全く否定する考えはないし、そういう形でのチャレンジも実際自分でやろうとしてきた背景がありますので、教育長がおっしゃられることに対して真っ向から対立してということを言っているつもりではありません。ただ、長い目で見て、今、先ほど挙げました、鑑賞教育とか表現教育とかをする人たちが積極的に動いていく法整備があったり、あるいは予算組みがあったり、あるいはアトランダムにそれを取っていくような分かりやすいフレームの事業計画の仕組みがある中で、それらを取り込んで使いやすいような形の仕組みが更別村にもできてくるような、そういうような将来像というのは描けないのだろうかと。例えば、ゆったりした中札内図書館と、更別村の図書室と絵本の分量は大分違っていて、司書の方々にお聞きしていたり来ている方にお聞きしますと、更別村の図書室の絵本を読み終わったら中札内村の図書館に行って、それから帯広に行ってと、違うところに絵本を探しに行くという人の話をお聞きしたりもしています。規模とか、それから充実感というものは、ゆったりした中札内図書館だったりとか、あるいは2006年に今の場所に十勝圏の拠点図書館というコンセプトと一緒にできた帯広市図書館などの存在とかも含めて、それらに車でしか行けないという事実を考えていったら、やはり更別村にとっても何かまとまった図書館を軸にした施設が、今すぐではないかもしれないけれども、必要かどうかを住民の間で考える機会が持たれる、そういうようなことも必要なのではないかと私は考えますが、教育長、いかがでしょうか。

答弁 教育長

どちらかというと私、ソフト面といいますか、施設を建てるというのでなくて、できるだけ不便な部分の解消という形で考えておりまして、蔵書の数ですけれども、蔵書の数はうちの施設限られていますので、年間できるだけ読まれない本は処分しながら、新しい本を補充してという形で、古本市であまり読まれていない蔵書を村民のほうに提供して、また新しく村民の方が欲しいという本に関してはリクエストという形で、できるだけ当初予算を決めて、即どんと図書買うのでなくて、ある程度余裕持った中で村民の欲しいような本をできるだけ購入してあげるという形でやっているのと、あとは尾立さんにも指摘していただいた相互貸借制度というのですか、そういうのも利用してうちの図書室にない本を他町村のほうから借りたり、大きな図書館から借りたりしているということで、できる範囲のことは努力しているつもりです。ただ、大きな図書館は将来構想ないのか、という部分に関しましては、教育委員会のほうでもいろんなやりたいことはありますので、順番つけて、今、給食センター、それから冷房施設、そういうことを考えながら、今はまだある箱物を利用して、新規に建てるという計画は立てておりません。申し訳ありません。以上です。

質問 4番 尾立要子

ありがとうございました。

出典:更別村議会 令和5年第3回定例会 2023年9月19日 議事録 PDF(29ページ) 間違いを知らせる