更別村議会 令和3年第4回定例会 2021年12月14日
特別な支援を必要とする児童生徒の教育体制の現状と今後の方向性
2021年12月14日、更別村議会の一般質問で、遠藤久雄議員が「特別な支援を必要とする児童生徒の教育体制の現状と今後の方向性」について質問し、教育長が答弁しました。
- 質問者
- 遠藤久雄 議員
- 答弁者
- 教育長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 遠藤久雄
議長にお認めいただきましたので、通告書に従って一般質問をさせていただきます。特別な支援を必要とする児童生徒の教育体制の現状と今後の方向性について。現在本村を含めほとんどの公立小中学校が共同学習の場を持ちながら、基本的には健常児は通常学級で学び、障害児は特別支援学級で学ぶという、括弧つきですけれども、分離教育の形態で行っている。そうした中、2006年の国連総会で採択された障害者の権利に関する条約でこれまでの概念を覆す教育方法として、健常児と障害児が一緒に同じ教室で学ぶインクルーシブ教育という教育方法が示されました。さらに、2011年の改正障害者基本法では、障害児が可能な限り健常児と一緒に教育を受けるようにする教育方法が示された。こうした新しい障害児教育の在り方は、健常児と障害児が同じ場所で一緒に学ぶという点で共通している。教育長に以下の2点について質問いたします。1点目、今後村は健常児と障害児の教育体制について現状のままと考えるのか、それとも共に学ぶという方向を検討していくという考えをお持ちなのか。2点目として、現在特別支援学級に特別なネーミングをしているが、これによって特別支援を受けている者が特別な子といった差別感を持つのではないかと危惧するところです。以上の点につきまして教育長のお考えをお聞かせください。
答弁 教育長
遠藤議員の特別な支援を必要とする児童生徒の教育体制の現状と今後の方向性についてのご質問に対しお答え申し上げます。本村では、特別支援教育に関しまして各小中学校に学校教育法で定める特別支援学級を設置しております。同法第81条では、幼稚園、小学校、中学校等においては、知的障害者、肢体不自由者、身体虚弱者、弱視者、難聴者、その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し障害による学習上、または生活上の困難を克服するための教育を行うものとするとあります。また、小学校、中学校等にはそれら教育上特別な支援を必要とするもので、特別支援学級において教育を行うことが適当な児童生徒のために特別支援学級を置くことができるとされており、北海道教育委員会の基準に基づき、本年度は小中学校合わせて10学級を置いているところであります。一方、ご質問にありました障害者基本法では、教育をうたった条項で国及び地方公共団体は、障害者がその年齢及び能力に応じ、かつその特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童生徒が障害のない児童生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図るなど、必要な施策を講じなければならないと定められているほか、児童生徒、保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない、またそれぞれの児童生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによってその相互理解を促進しなければならない、さらに障害者の教育に関し調査研究並びに人材の確保、資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備、その他の環境の整備を促進しなければならないと規定されております。加えて特別支援に係る学習指導要領では、児童生徒の障害の状態を考慮すると、小中学校の教育課程をそのまま適用することが必ずしも適当ではなく、個々の実態に応じて自立活動等を取り入れた特別な教育課程の授業時数を確保する必要があると示されております。質問の1番目であります教育体制の方向性については、当該児童生徒が普通学級の児童生徒と共に授業を受けることがその子の理解や学びにマイナスになるようであれば、本人の気持ち、保護者の考えなども聞き入れながら、個々の状況を見て該当する学級に移動し、授業を行っておりますが、本村ではこれまで申し上げました障害者基本法などに基づき、健常児も障害児も共に学ぶことができる学校づくりを目指しておりますので、各学校に特別支援教育支援員の配置を継続するなどして、可能な限り普通学級で学校生活が送れるようにするための一番最適な教育環境の充実に努めているところでもあります。各学校においては、これまでも健常者と障害者を区別することがなく、共に学ぶ学校環境を維持しておりますので、多くの皆様のご意見を頂戴し、改善すべきところは改善しながら、これまで同様の対応を図ってまいりたいと考えております。2点目の学校のネーミングによって差別感を持つのではないかとのご指摘ですが、制度上の学級編制においては○○障害特別支援学級、例えば知的障害特別支援学級という名称になりますけれども、子どもたちの印象を考慮し、学校の判断で学級名をつけております。特に小学校では花などの名前をつける場合が多いようですけれども、この花の名前が先ほどのような特別支援学級を示す呼び方にはなっておりません。子どもたちの中にも差別感を持った様子は見られないこともありますことから、現状の名称で取り進めたいと考えております。学校行事などで本村の児童生徒の皆さんは、障害の有無にかかわらず、それぞれが理解し、協力し合って学校生活を送っております。このような学校環境がいつまでも維持できるよう共生社会の構築に向けて教育活動、教育行政に努めてまいりたいと考えております。以上、答弁とさせていただきます。
質問 1番 遠藤久雄
私が思うところの話をまずさせていただきますが、そもそも公共的な学校教育というのは、大きく分けると2つ働きの意味があると思うのです。1つは、当然のことですけれども、個々の学力の向上、もう一つは他者との交わりを通じてお互いを認め合い、高め合う、そういった場。これは何を教えるということよりも、いわゆる健常児と障害児が一緒にいることの中でお互いがお互いを知っていくということ、この二面性を持つものでなければならないというふうに私は考えています。共に学び、共に育ち、共に気づき合う、そういった体験をある意味成長過程の中で一番多感な時期、自分を知り始めて、将来こういうふうになりたいなと、こういうところに住みたいなというようなことをまず受け入れていくべきところが小学校、それからその1つ先の中学校というのは、そういう二面性を備えたものであるというふうに思っています。そういった体験を通すことによって、将来を担っていく今の時代の子どもたちが共生社会の実現のために必要な体験の場、学びの場だというふうに位置づけるべきだというふうに思っているところです。答弁の中にもございましたけれども、健常者と障害者を区別することなくというふうにおっしゃいました。間違いないですね。区別はしているのです。健常者、障害者ということ自体がもう区別です。あえて差別とは言いません。共に学ぶ学校の環境ということもおっしゃいました。共に学ぶというのは、共にと漢字で書いてあります。漢字の場合の共というのは、私辞書で調べたのですけれども、一緒にということです。一緒に学ぶ。今の現行の教育体制でいえば、障害を持っているがゆえに特別支援学級。でも、その子どもたちも通常学級にも籍があるのです、更別の場合。通常学級で勉強する、いわゆる読み書きそろばんという意味の勉強をするに堪えられる、そうすることが決してその子にとってマイナスにはならぬと、同じようなことで、そこに支援の担当の先生もついてという前提がありますけれども、そういう環境を維持していると先ほどおっしゃいました。でも、最初私が2つあると言った中の後から言ったほう、つまり障害を持っている子とそうでない子が一緒に触れ合うことによって心で感じている部分、知識ではなくて、障害があろうが、なかろうが、同じクラスの仲間として云々といった言葉を理解するということではなくて、感じ取るといいますか、お互い認め合っていく、私の隣の遠藤久雄はいわゆる特別支援学級にも行っているのだと、でもというところだと思うのです。区別することなく共に学ぶ学校環境、全体からすれば普通学級にいるときもあるし、支援学級に行くときもあるけれども、その子の特性に応じて、より意味のある制度というか、組織だというふうにお考えになっているというふうな思いで聞かせていただきました。でも、本当にそれでいいのだろうかというところです。先ほど障害者基本法の話も出ましたけれども、2006年に国連総会で採択された障害者の権利条約、これの第24条の教育という欄があります。そこは、障害者を完全に包括するという表現がうたわれています。包括というのは、包み込むという訳が一般的かなと思うのですけれども、完全になのです。これ英文で出されたものの中には、日本語で言ったその部分というのはフルインクルージョンというふうに書かれているのです。つまり100%インクルージョンなのです。時によっては通常学級にいて、時によっては支援学級にいるというふうなことはこれには該当しないと、私はそう思っています。これにはというのはフルインクルージョンという。あれは何年でしたか、2006年だったかな、国連総会で採択されたとさっきも言ったかもしれませんけれども、障害者の権利条約、ここの24条にはそう書かれている。そのすぐ後の2012年、これ文科省の所管になっていますけれども、特別支援教育の在り方に関する特別委員会、これが何回も開かれています。その19回目のその会の中でこのようにうたっているのです。最終的ゴール、特別支援教育を否定は一切していません。それはそれで大切だと。しかし、ゴールは共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育、このシステムを構築するというふうに言い切った形で将来像を明らかにしているのです。私は、この観点から見ると、今の在り方というのは、そこに向けての今現在の姿として肯定します。だけれども、今後教育長がおっしゃった今の体制を維持していくおっしゃいました。それに関して私はやっぱり疑念を持たざるを得ない。こういう公の特別委員会においてもインクルーシブという表現がうたわれていますし、その前にお話しした国連の総会での決議も同じような方向でうたわれていると。改めてお聞きしたいのですが、そのことに沿った、後段に言ったその2つの世界的な、あるいは国内の文科省の言っているそれを無視してという言い方は語弊があるかもしれませんけれども、そうではない現在の方向を維持したい、するつもりだというご発言に関して果たしてどうなのかなということですけれども、私が理由づけした2つの世界的な、あるいは国内でもきちんとした位置づけを持った話合いの中での方向とは違うなというふうに感じざるを得ないのですが、改めてその件に関してのお考えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 教育長
ただいま何点かご質問がございました。初めに、障害者、健常者という、そういう区別の仕方がというお話をされました。私この場でそういう呼び方をしましたけれども、これはあくまで法で呼ばれている呼び方なものですから、そういう呼び方をさせてもらいましたけれども、現場ではそういう呼び方はしないで、サポートが必要な子、あるいは支援が必要な子というような形で、障害者という呼び方はしておりません。まず、その辺については答弁させていただきたいなと思っております。それとあと、子どもたちについては、学力の向上と、それから共同で生活することによる社会性を身につける、これはまさにそうだというふうに思っております。私は、この特別支援教育で必要とされるものについては、当然学力もありますけれども、やっぱり障害のある子どもたちが積極的に活動し、豊かに生活できるよう同世代の子どもとの交流を通して生活の基盤を盤石にしていく、これがまず重要なことであると。先ほど遠藤議員が言われましたとおり、まさにそのとおりだというふうに思っております。現状のとおり進めていきたいという話をさせていただきましたが、ただいまの質問の中で、議員の質問の中にもありましたけれども、分離教育の関係で質問もありました。この分離教育につきましては、障害者を特別支援学級あるいは特別支援学校という形で健常者と区別して進めていくというような、そういう内容のものであります。特別支援教育につきましては、文科省も賛否いろいろあるのはいろいろなものを見て承知しております。しかしながら、現状としてこの取扱いについては行われておりますので、本村もそれに基づいた学級の設置をしなければならないということで進めております。ただ、更別村もインクルーシブ教育の理念、これは大変重要だと思っております。そういう意味で、障害のある子どもたちを通常学級には在籍をさせて学校に通っていただいております。そして、この子どもたちもその学級で、出席番号も普通学級にあります。あるいは、学級通信も普通学級の児童生徒として発信されております。給食も掃除も普通教室の一員として班分けされて一緒にやっております。障害のない子どもたちと同様に教育指導を行っているところであります。要するにふだんの生活は、周りの仲間と同じように暮らしているということはご理解いただきたいなというふうに思います。ただし、その子どもたちが授業を理解をできなかったり、孤立感を抱いてしまってはやっぱり意味がないというふうに思います。そういう意味で本人の気持ち、あるいは保護者の考え方なども聞き入れながら、個々の状況を見て該当する学級に移動し、授業をしているということでございますので、ご理解いただきたいなというふうに思っております。就学前の保育園、幼稚園では、障害があると思われる子どもたちも保護者、周りの子どももその辺分け隔てなくいろいろ活動しているにもかかわらず、小学校就学時に分けられてしまうということについては、やはり保護者の方も含めて地域とのつながりが断たれてしまうのではないのだろうかというような不安感非常にお持ちだというふうに私も思います。そういうことがないように更別村では障害者基本法の規定に基づき、今後もそういう分け隔てのない共生の社会を目指した学校運営に努めてまいりたいというふうに思っております。以上でございます。
質問 1番 遠藤久雄
やっぱりちょっとかみ合わないなというのが正直な印象です。インクルーシブ教育というふうな形での教育体制、要するに特別支援学級がないということなのです、インクルーシブという発想の中には。質問の繰り返しになってしまうのですけれども、その方向にいくということは今の段階としては考えていないと、これ確認ですけれども、ということでよろしいのですね。
質問 1番 遠藤久雄
もう一つのほうは、特別なネーミングということです。先ほどの答弁いただいた中では、子どもたちの中にも差別感を持った様子は見られないと、だから今のまんま今後も特別なネーミングをしていくというご答弁だったというふうに思います。しかし、障害を持った多くの子どもは、言葉に表せない子って何ぼでもいます。悶々としたまんま誰にこの気持ちを聞いてもらえるのだろう。これが通常学級の中でとっても思いやりがあるというか、いう子がいて、あの人に聞いてほしいというようなことって体験することっていっぱいあると思います。現に私の娘は障害を持って、特別支援学級でお世話になった経緯がありますけれども、先生が何ページ開いてと言って、何ページが開けない、うちの子はそういう子でした。そしたら、通常学級で隣に座っている子がそおっと教科書を見せて、ここと教えてくれた。そういう体験ってやっぱり大切なのだろうなと思うのです、お互いにとって。たったそういうふうなことが分からないのだ、でもこういうふうにすれば理解してもらえたのだ、健常の子はそう思うだろうし、やっぱりこの人とはお付き合いしていくことが自分にとっても障害の壁が少しでも低くなるし、大切にしたい人だなというふうな受け止め方をするというふうなことにつながっていくのではないかなというふうに思っているのです。繰り返しになりますけれども、差別感を持っているようには見受けられないというのは、思いを言葉にできない子がいる、あるいはそのことでもって親がうちの子は特別支援学級で世話になっているというような思いを持つようになってしまうというふうなことは、決して本人、子どもにとってプラスなことではないというふうに思っているのです。それは、将来の共生社会の実現というような意味からしても、とても大事な部分になってくるのではないかなというふうに思っています。でも、このことに関しても先ほどの答弁の中では変えるつもりはないというふうなことでしたけれども、インクルーシブの教育体制ということとそれを成り立たせるための配慮といいますか、合理的な配慮という表現が使われておりますけれども、危惧するようなことはもう削除していくというふうな方向性をぜひ考えていただきたいなというふうな私としての思いを改めてお伝えするということで、新たな質問にはなりませんけれども、よろしくご配慮いただければというふうに思っています。以上です。
答弁 教育長
最初の質問でありますインクルーシブ教育の取扱いなのですけれども、本村で特別支援学級を置いているのは、あくまで学校教育法に基づいて設置しております。それによりまして教員も配置されるというようなことで進めているところであります。その中で、先ほども申し上げましたけれども、子どもたちにつきましては極力健常者の子どもといいますか、普通の子と一緒に学べるような、あるいは生活ができるような、そういう体制を各学校で進めております。そういうことで、あくまで特別支援学級は設けておりますけれども、その進め方につきましてはインクルーシブ教育、つまり障害のある子どもたちを通常学級に在籍させ、障害のない子どもたちと同様に教育指導をするというような内容のインクルーシブ教育の実態に沿って進めていきたいというふうに考えて、先ほど現状のまま進めていきたいということで答弁をさせていただいたところであります。それとあと、特別なネーミングの関係なのですけれども、私もいろいろ調べてみました。小学校でいえば管内で81校あるのですが、全部が全部調べ切れなかったのですけれども、81校中73校について実態をつかめまして、73校中72校が花などの名前で特別支援学級をクラス分けしているところであります。それ以外は1校ということで、これがそうだから問題ないということではないのですけれども、管内の実態がそういう実態にあるところも考えて、その呼び方が支援学級そのものを示しているものではないということも判断いたしまして、当面この名前で、学級でいきたいなというふうに考えております。それとあと、学校からそれに対する子どもたちへの差別感、問題がないと私が答弁したという部分について指摘がございました。確かにそれを声に出せない子もいるのだというふうに思います。そういう部分の声につきましては、支援学級には担任の先生もついておりますので、先生方にはきちんとサポートしていただいて、その声を拾っていただいて、そういうような気持ちにならないような対応を進めていきたいなというふうに思っております。いずれにしましても、学校につきましては、教員がその子どもたちにそれぞれサポートしていただいておりますけれども、将来共生の社会を進める上で先生がその支援を必要とする子どもたちの前で指導するのではなくて横に立って子どもたちをサポートしてもらえるような、そういう体制で子どもたちを成長させていきたいなというふうに考えております。以上でございます。
質問 1番 遠藤久雄
私以上で。ありがとうございました。