大空町議会 令和3年第4回定例会 2021年12月21日
水田活用の直接支払交付金について
2021年12月21日、大空町議会の一般質問で、後藤忍議員が「水田活用の直接支払交付金について」質問し、町長が答弁しました。
- 質問者
- 後藤忍 議員
- 答弁者
- 町長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 後藤忍
はい、1番。通告に従い、令和3年第4回定例会、一般質問を始めます。項目は、水田活用の直接支払交付金についてであります。農林水産省は来年度から、消費が落ち込む主食用米からほかの作物への転作を促すため、農家に支払ってきた交付金の条件を厳格化し、米を今後5年間つくらない農地について新たな作物の生産が定着したと判断し、交付金の対象からはずす方針を出しています。国は、1970年から米の生産調整、減反政策を行い、代わりに麦や大豆などへ転作支援の補助金を支給し、調整を行ってきました。これまでは主食用米から麦や大豆などに転作した農地に対し、基本的には用水路や畔があれば転作後の期間を問わず支払いをしてきましたが、新たな条件では2022年から2026年度に飼料用米、加工用米なども含め、米を生産した実績がなければ、交付金を出さないこととなっています。現在、大空町の経営耕地面積は1万2,551ヘクタールあり、うち地目が田は1,524ヘクタール、そのうち183ヘクタールで水稲が作付けされ、残りの転作地が約1,341ヘクタールあり、水田活用の直接支払交付金は、令和元年度で5億647万1,385円、令和2年度は4億7,418万7,524円が支払われており、多大な影響を受けることが考えられます。質問の1点目といたしまして、現在までの水田転作の変遷、現在の水田収益力強化ビジョンについて伺いたいと思います。質問の2点目といたしまして、交付金の厳格化方針についての見解を伺いたいと思います。以上、町長よりお伺いしたいと思います。
答弁 町長
ご答弁申し上げます。我が国におきまして米は主食でございます。食料安全保障上、最も重要な作物であることから、戦前から食糧管理法を定め、政府が管理をしてきたという経緯がございます。戦後の食料難時代においては、生産量引き上げが国全体の課題でございました。その後、肥料や農業機械の技術革新により生産量が大きく引き上がりましたが、反比例するように米離れが加速し、1960年代後半には米の余剰が発生することとなりました。過剰処理に多額の財政負担を投じる結果となったことから、1970年に新規の開田を禁止し、生産調整が開始されました。これが米政策における大きな転換、分岐点となったわけでございます。この際に支払われたのが転作奨励補助金でございます。大空町においても国の方針に従い、今日まで転作を進めてきているところでございます。何度か事業の再編、改廃を経て、現在は経営所得安定化支援事業の水田活用の直接支払交付金として、当初とは性格は異なりますが交付金が支給されている現状でございます。水田活用の直接支払交付金には、政府が単価を決める戦略作物助成と北海道と市町村農業再生協議会が地域の実42情に応じ単価を設定することができる産地交付金がございます。産地交付金の配分は再生協議会の裁量ではありますが、協議会ごとに作成する水田収益力強化ビジョンをまずは北海道に承認してもらう必要がございます。水田直接支払交付金でございますけれども、この厳格化の第一報は農林水産省から政府与党内への提案段階で、過去5年間、水張りをしていない水田を来年度から除外するという内容でございました。与党内部より慎重な対応を求める声がありまして、修正した結果、今後5年間で1度も水張りをしていない転作畑は交付対象からはずすという内容に修正されたと聞いてございます。ルールの見直し、厳格化が実施された場合、令和3年度の実績ベースでは、年額4億3,000万円の交付金が減額されることになります。現在、地域の中に122戸ありますが、そのうちの116戸が影響を受けます。1戸あたり平均で380万円ほどの減収となる見込みであり、非常に大きな影響でございます。廃業を考えられる農業者も出てくるのではないか、その可能性もあると受けとめております。情報収集はもちろんでありますけれども、北海道やJAなどの関係団体とも連携をしていかなければならない。その中で対処してまいりたいと考えているところでございます。
質問 後藤忍
はい、1番。1つ目の水田転作の変遷、現在の水田収益力強化ビジョンについては、分かりました。2点目のことで再質問したいと思います。この厳格化が今後見直されず実施された場合、大空町で想定される懸念事項、考えられるものがあれば伺いたいと思います。
答弁 町長
考えられます懸念事項、今、私どもで考えたものでございますけれども、今まで大空町女満別地区におきましては、こういった転作の問題については、地域全体として一体的に、統一的に対応をとってきたという歴史がございます。今回の見直しが個人ごとの判断が優先されて、それぞれ皆さんが個人の自由意思で全くフリーでやられるということなりますと、例えば「じゃあ私は復田をしよう」と、さらには、転作畑としてすぐに5年間分ま43とめて、今、国が言っている向こう5年間ではなくて一括で受け取る方式もありますので、「一括で受け取りたい」と、その交付金をですね。10アールあたり10万5,000円だったかと思います。それをそのまま受け取りたいという人が出てきたり、さらには「私は5年間とりあえず転作として、5年間の先ほどの期間の間、受け取りたい」と。それが自由に選択されるということになると、地域の中にまず分断が起きてしまうのではないかと。そういう不安を私は持っております。まずそれが第1点でございます。それから、今言った復田ということを申しましたけれども、復田をもしするということになりますと、そこでとれる品質や収量というものは、これは十分なものにはなっていかないだろうと、そのように思いますし、水稲面積が増えるということになりますと、今の状況といいましょうか価格の形成からいいますと価格の大幅な下落に繋がりかねないということになってきます。また、畑地化ということで、そこを選択するということなれば先ほど言ったように地域で4億3,000万円、令和3年度ベースで1戸あたり380万円、6年後からは、そういったものの収入がなくなるということでありますので、当然、農業者個々の収益が悪化ということが離農に繋がったり、地域の崩壊に繋がっていくというような心配もあるわけでございます。さらに、土地の売買でございますけれども、現在はそういったところは田として転作畑ということで、田の評価でございます。それは、通常の畑に比べて高い価格で取引がされておりますけれども、そこが下落するという可能性もありまして、これは個人個人の皆さんの資産の低下に繋がるということになるのではないかとも思います。また、現在、田という位置づけでございますので、水利権の問題が発生をしてまいります。これは土地改良区の維持管理にも大きな影響を及ぼす可能性もあるなと、そのように受けとめております。さらに、まだ不透明でありますけれども多面的機能支払交付金の算定にも、その田でありますとか畑というものの位置づけがありますので、こういったものも変わってくるのではないかと。もっと言えば、いろんな基盤整備事業を実施しておりますけれども、これもひょっとしたらその事業の選択とか事業工種、こういったものに制約が出てくる可能性もあるのではないかと。非常に数多くの課題といいましょうか、懸念材料というものが考えられると。今時点でも、これだけのものが考えられますので、細部にわたってもっと研究をといいましょうか、検証を進めていけば、さらに、いろいろなところに対して影響が出る可能性があると、そのように受けとめております。
質問 後藤忍
はい、1番。今、町長よりご説明あったように、この厳格化がそのまま見直されずにいった場合、水張りする場合においても、米を作付けする農家が増えて需要に応じた生産が困難になると。水張りしない場合においてでも、畑地化として、地目は畑になりますけれども、10アールあたり1440万5,000円助成を受けたとしても、今まで一体的に、統一的に行ってきた地域社会が分断という混乱が予想される可能性もあります。また、この交付対象からはずれた田については、先ほど説明あったように農家の資産や町の固定資産税収入の減少にもなりますし、農地を担保にした借入金の担保評価額が下がるわけですから、JAの運営に支障が出る。先ほど言いました水利権の関係で土地改良区の施設の維持管理にも支障が出る。多面的機能の支払交付金にも影響、そして基盤整備なども困難が予想されるわけであります。現状から今後を考えますと、水張りせず畑地化することが予想されまして、畑地化する際の助成、先ほど言いましたけども10アールあたり10万5,000円受け取り地目を畑にするか各農家は選択を迫られ、取り組む、取り組まない農家が出て、不均衡が生じ、地域の混乱が予想されるわけなんですが、今後、生産者が将来に向けて意欲を持って営農できるように今回の水田活用の直接支払交付金にかかわる諸問題について、関係機関であります町、農協、土地改良区、農業委員会等の相互の連絡調整を緊密に行うために対策連絡会議もしくはプロジェクトを設置する検討もしていただき、地域の実情を踏まえた必要な対応、見直しを継続的に国や道に町として発信していただければと思いますが、そこら辺、何かお考えがあればお聞きしたいと思います。
答弁 町長
今回の問題は大空町だけではなく、北海道多くの市町村の大きな課題、問題だと、そのように受けとめてございます。関係機関へ現状の維持を要請していくことはもちろんでございますが、生産者団体と連携した取り組みが非常に重要になってくるだろうと、そのように考えてございます。そんな中、12月18日の北海道新聞でございましたが、この問題に対して、JA北海道中央会の小野寺会長の記者会見でのコメントが載っておりました。方針の撤回を求めるのは現実的ではないと述べ、見直しを前提に対応を検討する考えを示したということでございました。現状の対策維持、これについては当然、私は要望していかなければならないと思っておりますが、一方でそれ一辺倒では、どうしてもひっくり返せなかったときに大変なことにもなると。将来、私たちの地域が成り立っていく方法は何かと。一方ではそういったこともしたたかに考えて対策を練っていかなければならないのではないかと、そのように思ってございます。今、プロジェクトチームという話がありました。町の農業再生協議会、これは町が中心となってつくっておりますが、先ほど議員が言われたようなさまざまな農業関係の団体も加盟しているところがございます。その中の水田部会など、まずはそういった会議体を利用して議論を始め、そして、さらに大規模なプロジェクトといいましょうか、そういうものが必要になったような場合については、そういったものの立ち上げも想定しながら、この問題には対処していかなければならないと、そのように思ってございます。45今時点で明確な、具体的な対処方針というところには至りませんけれども、非常に大きな課題であるということを受けとめて、今後対応してまいりたいと思っているところでございます。
質問 後藤忍
はい、1番。今、町長がおっしゃったように、今はまだ方針が打ち出されたばかりで、道も市町村に対してアンケートといいますか実態調査を行っている状況にあります。全道でいいますとこの交付金の総額は約536億円ありまして、全国的に見ても転作している率、北海道は50%、都府県はそれより20ポイント低いということで、当時は転作するために条件不利地だった北海道が国の転作に対して協力してきた経緯にあるんですよね。そこで、ここでルールを変更して、協力してきたにもかかわらず、今後5年間水張りがなければ田として認めないというのはなかなか認められないと思うわけであります。最後になりますけども、現在地目が田で耕作している農家は、低台地区の本郷、住吉、豊里地区の農業者です。その3地区の農業者は交付金を活用し、水稲を中心に麦、豆類、てん菜、玉ねぎ等の野菜類などの転作をしつつ、水田農業を発展させてきました。発展の過程におきましては、町の潤沢な基盤整備の推進が功を奏し、過去には畑作物において高台地区のお荷物などと言われたこともありましたけれども、現在では収量、品質ともに全町でもトップクラスの地帯へと成長を遂げました。国は1970年から米の生産調整を行い、当時、当地区の水田耕作は条件不利地ということもあり、主食用米からの作付転換に主産地の割り当て分まで請負、協力してきた経過にあり、その結果、長年水稲を作付していない農地が数多くあるため、今回の方針は、町内の地域に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。先ほども町長よりお話をいただきましたが、撤回は困難であったとしても、地域の実情に合った見直しへの方向に進むよう、ぜひ、町としても発信していただければと思います。以上で質問終わります。
答弁 町長
私も平成5年から5年間、農政の担当係長を仰せつかって、その当時は1,500ヘクタールのうち、女満別地区で転作率約50%ということで半分半分でございました。その後、さらに転作が進んで現在は200ヘクタール弱という水張りになってございます。それぞれ農業者の方々がご努力をして、そして、その技術力を高める中で生産力を上げてこられたと。今年の麦の生産などを見ても、地域ごとでいうと低台の本郷地域が最も麦の個別生産量といいましょうか反収が高いというような状況もございます。こういった地域が今、この制度の執行によって崩46壊の危機に立たされるということになってきてはいけないと、そういう強い思いをもとに関係の皆さんと連携をしながら、この問題に対処してまいりたいと思います。オホーツク管内では、この問題が大きくクローズアップされるのは私どもと北見市かと思いますけれども、全道には私どもと似たような地域がたくさんありますので、オホーツク管内に限らず、全道のそういった地域の方々と相図りながら対処してまいりたいと思います。今後もこの問題、しっかりと対応できるようにしてまいりたいと思いますので、また議員には折に触れいろいろご指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
質問 後藤忍
終わります。