音更町議会 令和2年第2回定例会 2020年6月12日
持続可能な農と食について
2020年6月12日、音更町議会の一般質問で、神長基子議員が「持続可能な農と食について」質問し、町長 小野信次、経済部長 傳法伸也が答弁しました。
- 質問者
- 神長基子 議員
- 答弁者
- 町長 小野信次、経済部長 傳法伸也
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 3番 神長基子
通告に従いまして、持続可能な農と食について質問を行います。今国会に種苗法改正案が提出されました。この改正案は、これまで原則として農業者に認められてきた登録品種の自家増殖を一律禁止するということが盛り込まれています。禁止対象になる登録品種を農家が栽培する場合に、種や苗を全て購入するか、一定の許諾料を払って自家増殖するかの選択をせまられるため、農家の負担増は避けられず、今後の農と食のあり方を大きく変質させる恐れがあるものと考えます。加えて今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、食料をはじめ生活全般にわたって外国に依存する経済のあり方に警鐘を鳴らしています。農と食をめぐる社会情勢は目まぐるしく変化を遂げようとしていますが、コロナ禍は改めてローカルの力を強くすることの大切さを私たちに教えてくれているのではないかと考えます。本町においては、これまでも農業を基軸に多岐にわたり地産地消の取り組みが系統的に推進されてきましたが、持続可能な農と食を維持するためには生産者と消費者の相互理解のさらなる促進を図ることが重要な要素になるものと考え、以下の点についてお伺いいたします。1、種苗法の改正が本町農業並びに町民の「食の安全」に及ぼす中長期的な影響は。2、「自家増殖の原則禁止」と「育成者権の強化」が同法改正案に盛り込まれていることに関して、問題点をどう認識しているか。3、音更町第2次食育・地産地消促進計画の達成状況と課題は。また、新型コロナウイルス感染の拡大が本計画全般に及ぼす影響は。4、生産者と消費者の相互理解の促進に関する本町の取組を強化する考えは。以上、御答弁をお願いいたします。
答弁 町長 小野信次
持続可能な農と食についての御質問にお答えをいたします。はじめに、1点目と2点目につきましては、関連がありますので一括してお答えをいたします。近年、我が国の登録優良品種が海外に流出し、諸外国で増産されて第三国に輸出されるなど、農産物の輸出並びに農林水産業の発展に影響が生じる事態となっていることから、これらの流出防止は喫緊の課題となっております。また、育成者権の侵害を立証するためには品種登録時の種苗との比較栽培が必要とされるなど、育成者権の活用が難しくなっている状況にあります。このような背景から、国は、植物の新品種の育成者権の適切な保護及び活用を図るため、輸出国または栽培地域を指定して品種登録された登録品種についての育成者権の効力に関する特例の創設やその範囲の例外を定める自家増殖に関する規定の廃止、また、品種登録簿に記載された特性の位置付けの見直しや、品種の登録に当たっての審査方法の充実・見直しなどの措置を講ずることとし、種苗法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。この法案は、我が国の優良品種の海外流出防止のための措置として、育成者が輸出国や栽培地域を指定できるようにするとともに、違反した場合は刑事罰や損害賠償の請求が可能となることで知的財産の保護につながるものであるほか、海外流出防止策の一つとして、農業者が得られるべき利益が毀損されることのないよう、新品種を中心とした登録品種に限り、自家増殖を許諾制にするものとなっております。また、今回の改正は、法改正前に購入した種苗であっても、法改正後に自家増殖する場合は許諾が必要となることや、増殖ができる量や販売などの制限が明確化され、許諾に反して種苗が販売された場合は損害賠償を求められるなど、生産コストや事務手続などの負担が増加し、営農に支障が生じる懸念があることは認識をしております。これに対して国は、現在、農業者が利用している品種のほとんどが一般品種であるため、今後も許諾の必要がなく自由に自家増殖できること、また、自家増殖に許諾が必要となるのは、国や道の試験場などが年月と費用をかけて開発し、登録された品種のみとされており、許諾を受ければ自家増殖ができること、公的機関は法改正後も許諾料を高額に設定しないものと想定されること、許諾は農協などの団体がまとめて受けることができることなど、生産コストや事務負担などを含めて、農業者の営農に支障は生じないとの見解を示しております。今国会での審議は見送りとなる可能性がありますが、町といたしましても、国にはしっかりとした説明を行っていただき、農業者が混乱することのないよう、また、消費者の疑問や不安に丁寧に答え、先ほど申し上げました懸念を払拭する必要があるものと考えております。次に、3点目と4点目につきましても、関連がありますので一括してお答えいたします。音更町第2次食育・地産地消促進計画につきましては、「楽しく食べて 楽しく知る」を基本理念に掲げ、町民の皆さんが楽しく食べることや体験することを通じて「食」についての学びを深めるとともに、地産地消を促進することを目的としております。現在推進している第2次計画の策定に当たっては、第1次計画で数値目標を定めた項目について改めてアンケート調査を行い、その達成状況などについて検証した結果、「朝食の欠食や孤食など食生活に関すること」をはじめ、「地産地消への関心の薄さ」、また、「地場産食材の活用に向けた情報提供の不足」、「子どもや保護者に対する食育の意識付け」などの課題が上げられました。このため、第2次計画においては、「周知」と「実践」を繰り返し行うことで食育や地産地消への理解を更に深めることとし、特に子どもやその保護者に対する取り組みを重点的に進めてまいりました。具体的には、「学校や保育園などの給食への地場産食材の提供」、「おおそでくんキッチンや地場産品を使用した加工教室の開催、「ふれあい農園を活用した農作業体験」、「おとふけ食のフォーラムや、みのり~むフェスタおとふけなど、食育・地産地消をコンセプトとしたイベントの開催」などに取り組んできたところであり、現時点においてはおおむね順調に計画を推進しているものと認識しております。今後の課題につきましては、第3次計画の策定作業の中で明らかにしてまいりたいと考えており、これまでの取組実績やアンケート調査などにより、第2次計画の指標や目標値の達成度を評価・検証してまいります。第3次計画においては、第2次計画のこれまでの取り組みを踏まえつつ、食育・地産地消を更に進めるため、引き続き周知と実践を基本に取り組んでまいりたいと考えておりますが、このたび公表された国の第3次食育推進基本計画の達成状況によりますと、若い世代の朝食の欠食率やバランスの良い食事の摂取割合が計画策定時と比べて悪化しており、依然として、全国的に若い世代の食育推進が課題となっております。また、食品ロスの削減がSDGsにも盛り込まれていることを踏まえ、環境に配慮した食育の推進や関連法に基づいた普及啓発が重要であると考えているところであります。また、新型コロナウイルス感染症による計画への影響につきましては、感染拡大防止のため、食育・地産地消の推進拠点であるふれあい交流館を2月29日から3月22日までの土日・祝日及び4月18日から5月27日まで休館としたほか、交流館で実施している「手づくり加工教室」や「おおそでくんキッチン」などの開催を当面自粛することとしております。また、毎年、ふれあい農園において園児や小学生を対象に実施している農業体験につきましても、感染拡大防止の観点から、春の播種作業を教職員や保護者に限定して行ったところであります。このような状況の中、年度内の策定を予定しておりました第3次計画については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、策定スケジュールを見直し、来年9月の策定を目指すこととしたほか、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中で、当面、国や道の動向を見極め、感染拡大防止策を講じながら各種事業に取り組んでいかなければならないものと考えております。今後も、次世代を担う子ども達が「食」への感謝の心を養い、健全な食生活を送ることができるよう、また、子どもから高齢者まで全ての町民が健康で元気に暮らせるよう、食育、地産地消や食品ロス削減に向けた取り組みを推進するとともに、本町の農畜産物に対する知識やGAP及び化学肥料・化学合成農薬の使用低減の取り組みによる地元産食材の安全性など、「食」と「農」への理解を深め、生産者と消費者との相互理解やつながりの醸成がより一層図られるよう、町内農協や関係団体とともに連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。以上、答弁とさせていただきます。
質問 3番 神長基子
それでは、先に種苗法の関係についてお尋ねいたします。今回国会に提出はされましたけれども、一部報道を見ますと、今回の会期内には議論が進まないような状況でございまして、今年秋の臨時国会で成立を目指すというような、そういう報道も見受けられたわけなんですけれども、2年前には種子法が廃止されまして、この種子法というのは、米、麦、大豆、いわゆる主要農産物の種を国や都道府県が責任持って生産しようと、そういう内容が定められていたものであったというふうに認識をしております。今回の種苗法なんですけれども、種苗法というのは、これは全ての農産物が関わってくるというふうに認識をしております。花もキノコも含めてですけれども、これらの新しく品種を育てた人のいわゆる知的財産権、これを守りますよということで、種苗法上はこの権利のことを育成者権というふうに言っていますけれども、この育成者権が近年侵害されるような動きが特に海外などにおいても起きているということでありまして、答弁にもございましたけれども、この品種開発というのには大変な労力と時間、それからコストがかかっているというふうなことで、この営みはしっかり守らなければならないと。ここの部分については私もその法の改正の趣旨というのは理解できるところなんですけれども、中身見ていきますと幾つかやはり疑問というか、懸念されるところがございます。今回御答弁の中では、本町にとってこれが中長期的にどういうふうに影響が出てくるのかというのは、明快な御答弁はいただけなかったのかなというふうに思いますけれども、農業者の営農には支障は生じないということが、これが国のほうの見解、これで示されているということであります。登録品種、今回その改正に関わって、新品種を中心とした登録品種に限ってということで自家増殖を許諾制にするということでありますけれども、この登録品種は現在、全国的にですけれども、どれくらいの品種があるかというのは押さえていらっしゃいますか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
全国的なものというのはちょっと今押さえてございません。今手元には北海道で栽培されている登録品種というものは押さえておりますけれども、これは出願中も含めてでございます。稲につきましては「ななつぼし」ほか17品種、それから小麦につきましては「きたほなみ」ほか7品種、大麦が1品種、大豆が「ユキホマレ」ほか11品種、小豆が「しゅまり」ほか7品種、インゲンが「福うずら」ほか6品種、ソバが「レラノカオリ」ほか4品種、バレイショが「きたひめ」ほか22品種、あと玉ねぎが「ゆめせんか」ほか1品種、てん菜が「北海みつぼし」などとなってございます。今申し上げた品種でございますけれども、ほとんどが北海道立総合研究機構、もしくは農研機構等の公的な機関の開発した品種でございます。ですので、先ほども御答弁もしたとおり、御答弁のとおり、ほとんどが登録品種に限っては公的な機関のものだというようなことで押さえているところでございます。以上でございます。
質問 3番 神長基子
北海道の品種について今御答弁いただきました。私のほうでは全国的なことで統計を見ていたんですけれども、現在350品種以上この登録品種というのはあると。国としては、現在農業者が利用している品種のほとんどは一般品種であるという言い方をしております。つまり、登録品種はごく一部なので実際そんなに影響はないよというようなことなんだろうと思うんですけれども、この350品種、これが実はこの数年で急増しているということは御存じですか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
その辺につきましては押さえてはおりません。
質問 3番 神長基子
この種苗法は成立したのは1978年でありますけれども、成立時点ではこういった品種はなかったんです。1998年に種苗法が一部改定になりまして、このときに23種の自家増殖禁止の品種というのが出てきたということなんです。出てきたというかそういう流れになったと。それから今度2006年に82種に拡大をしているんです。ここから、今度2017年なんですけれども、これは割と最近ですが、禁止品種というのが一気に289種類に拡大しているんです。今現在は350種というようなことで、増えているんです。国としては、ほとんどが一般品種だから問題ないよということではありますけれども、実際2016年の12月に、これは農業資材審議会種苗分科会というところの議事録を拾ってみましたら、自家増殖禁止、これは今後全ての植物を対象にしていく、こういう考え方というのも示されているんです。そうすると、今時点では確かに品種そのものはそんなに多くはない、そういう見方もわかるんですけれども、今後にあってはこれは何の保証もないということにならないかと。今影響ないから問題ないというふうにはならないというふうに私は考えるんですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
今、議員さんがおっしゃられたことも一理あるのかなというふうには思っていますけれども、今御答弁でもお話ししていますとおり、自家増殖に許諾が必要となるのは、国や県の試験場で開発したものが、登録品種のみということでございまして、それにつきましては今後も、それは国の見解ということで我々は押さえてございますので、今のところ我々としましては国の見解を静観というか、見守るしかないのかなというふうに思ってございます。今後中長期的にどうなるかということにつきましては、いろんな御意見はあるかと思いますけれども、町としては、先ほど申しましたとおり、国の見解、それを見守っていくというような考えでございます。
質問 3番 神長基子
わかりました。それでは本町に関って少しお聞きしたいんですけれども、例えば、先ほど北海道の品種ということで御答弁いただきました。このうち音更町で主力品種となっているものというのは大体どの程度あるのか、その数と農産物全体の生産に占める割合がどの程度あるのかというのは押さえていらっしゃいましたら御答弁いただきたいと思います。休憩(午前11時25分)
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
今押さえています数字につきましては、あくまでも概数ということで御了解いただきたいと思います。まず秋まき小麦ですけれども、全町の作付面積で6,364ヘクタールのうち大体ほぼ100%、これが登録品種ということでございます。それから春まき小麦、これについても121ヘクタールのうち全て、100%ということで、これも登録品種ということでございます。それから加工用バレイショで言いますと、917ヘクタールのうちほぼ5割が登録品種ということでございます。それと大豆につきましては2,240ヘクタールのうち約8割が登録品種でございます。それから、小豆につきましては2,237ヘクタールのうち4割程度が登録品種ということでございまして、この登録品種につきましては、先ほど申しましたとおり、ほぼ北海道立総合研究所機構のものが大多数でございます。中には民間、民間と申しましてもホクレンがつくっているようなものでございますので、純然たる民間というのはほとんどないのかなというふうには押さえてございます。以上でございます。
質問 3番 神長基子
今詳しくお答えいただいたんですけれども、多くの主力品種が登録品種に値するのかなというふうに認識をいたしました。そうなると、この種苗法がもし改正されますと、実質2022年からということで法が動き出すということになるかなと思うんですけれども、音更町にとってやはり影響というのは大きく出てくるのではないかなというふうに考えているんですけれども、今私がちょっと調べていたのは音更の大豆で大袖振大豆、これに関しては在来種ということで、一般品種、登録品種のほうには値しないかなというふうに理解をしておりましたけれども、その点については間違いなかどうか。それから、今言いました農家さんの影響というのはどういうふうにお考えなのか、この辺についてお伺いいたします。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
今御質問ありました音更大袖につきましては一般品種ということでございます。それから、今後の音更町の農家についての影響ということでございますけれども、例えば今現在小麦の流れというのが、農業試験場で育成品種として開発された原原種は北海道に委託によりホクレン滝川種苗生産センターで生産をされます。その原原種の供給を受けて北海道が指定する女満別等の原種圃場で原種が生産され、その原種の供給を受けて町内の採種圃場で生産された種子小麦が十勝農協連に出荷されます。その後十勝管内のJA向けに供給されるというようなことでございまして、この流れというのは結局先ほど申した種子法が改正されても流れは変わらないのかなと。ほかにも大豆もこのような流れでなっていますけれども、町としては、今現在、こういう流れは変わらずに農家さんのほうに、手元のほうに行くのかなというふうには押さえてございます。
質問 3番 神長基子
流れは変わらないということであります。今回育成者権を強化するというのが今回種苗法の改定の大きなポイントかなというふうに思っているんですけれども、新品種を育成した育成者というのは具体的に誰を指すのか、この点、対象を明らかにしてください。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
新品種を開発というか生産をした者というふうには押さえてございます。
質問 3番 神長基子
新品種を育成した者というのは、この流れ全体で見ますと民間企業も含まれるということでよろしいですよね。その点についてもう一度お願いします。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
北海道で申しますと、先ほどお話ししたとおりホクレンとか農協あたりも全部民間という考えになりますので、そのほか種子を専門に扱っている純然たる民間も含めてということで考えてございます。
質問 3番 神長基子
わかりました。それでは、答弁の中で、農家さん側にとっては生産コストですとか事務手続などの負担が増加するというような営農に支障が生じる懸念があるという認識が示されておりました。実際にどの程度のコスト的な負担が生じるのか、この点についてはどのような見解を持たれていますか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
これにつきましては農協さんともいろいろとお話を聞いたところでございます。結局のところ、町内農家さんほとんど自家増殖をされている方はいらっしゃいませんので、一括農協さんのほうで先ほど言ったように農家さんのほうに種を配るというようなことでございますので、そんな負担が増になるというような押さえは持ってございません。
質問 3番 神長基子
町内の農家さんということでは影響はほとんどないということであります。ただ、ここで全国的なところで考えてみたいと思うんですけれども、例えば大根のコストについてちょっと手元にありましたのでお話ししますけれども、登録で数百万から約1千万かかると。申請には少なくとも数十万で、出願の費用だけで4万、年間登録料が6千から3万6千円というようなことでありました。こうなると小さな農家さんほど難しくなってくるのかなというふうに想像するわけなんです。政府がここまで求める理由としましては、やはり日本の良好な種子が海外に不正な形で流されて、その地で栽培、また増殖されて逆に日本に輸入されてくる、そういった事実があるということで、これを厳しく取り締まるということだとは思うんですけれども、実際この辺の海外に流出した例として御存じな点がありましたら御説明いただきたいと思います。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
はじめのほうで議員さんが今おっしゃいました出願料、それから登録料の話でございますけれども、私たちが今農水省のほうから押さえている資料でございますけれども、品種登録につきましては、現行法では出願料として4万7,200円、それから登録料として初年6千円を支払えば可能となっております。登録料は登録期間が長くなると増額され、10年目から上限の年間3万6千円ということでございまして、本改正によりまして品種の出願者は栽培試験の手数料の実費は徴収されますけれども、出願料につきましては4万7,200円から1万4千円、それから毎年支払う登録料の上限は3万6千円から3万円に引き下げるということで、負担軽減されるというようなことでの農水省の見解をいただいているところでございます。それから、海外に流出した品種ということでございますけれども、サクランボにつきましてはオーストラリア、それからイチゴでございましては韓国ということでございます。以上でございます。
質問 3番 神長基子
種苗法を改正することによってその海外に流出したものへの規制が本当にできるのかどうかというの私が思っている疑問の一つであります。自家増殖を規制しても海外の持ち出しは物理的に止めることはできないということは、こういったふうにはお考えにはなっていらっしゃらないのでしょうか。農水省も海外で品種登録を行うことが唯一の方法であるというふうに認めていると思うんですけれども、町の考えはいかがでしょうか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
今、議員のほうからおっしゃられましたとおり、法改正をしなくても開発者が輸出国で品種登録をすればブランドの侵害を防ぐというような御意見もございます。ただ、現行の種苗法では購入した種苗の海外持ち出しの防止はできない、そのため海外で品種登録するしかないということでございますけれども、実情は野放し状態ということでございます。今回法改正によりまして海外持ち出しが制限できるようになりまして、海外流出の未然防止につながることができるということになるかと思います。開発者の権利を侵害した場合は罰則が設けられるということでございますので、ある程度の抑止力は働くものになるのかなというような押さえで考えているところでございます。
質問 3番 神長基子
法の改正によって制限が加えられるのであればそれは私も納得はできるんですけれども、UPVO条約のことは御存じかと思いますけれども、このUPVO条約は、加盟している国、加盟していない国、また、どういった内容で加盟しているかというのでもその国によって違いますので、種苗法というのは国内法でありますから、どこまでその効力がきくのかというのはやはり不完全な部分もあるのではないかなというふうに申し上げておきたいなと思います。誰のための法改正なのかというのがやはりちょっとすっきりと落ちないところではあるんですけれども、この間、種子法、これは廃止されました。2017年、この時を同じくして農業競争力強化支援法というのが定められまして、この中で都道府県が有する種苗の生産に関する知見を民間事業者に提供するということを求められたというふうに思っております。種子法自体は一旦廃止はされましたけれども、音更の議会としましてもこれに対しては、しっかりと守る、地域の地場産の種を守るということで意見書も上げまして、北海道も今はその趣旨を復活する、そういった条例を定めているところではありますけれども、全体の流れとして、やはりこの農業競争力強化支援法の中で民間企業の参入というのをどんどんと拡大していく、その流れの中で今回の種苗法の改正がある、こう見たときに、どうも公的事業を縮小させて、企業の利益のために私的な品種開発に比重を移していく、こういった狙いが見えるんじゃないかと思うんですけれども、こういった考え方についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
考え方につきましては、今回種苗法の改正につきましては、御答弁をさせていただいているとおり、国内で生産されて開発された新品種、それが海外に持ち出しされるということの防止が一番の目的だと思っておりますので、町としましてもそのような考えといいますか、そのような国の見解ということで見守ってまいりたいということでございます。
質問 3番 神長基子
わかりました。自家採種の禁止法案ということで海外でいろいろな動きがあることは御存じかと思うんですけれども、いわゆるモンサント法案と呼ばれているものですけれども、こういったものが、企業の求めるままにそれぞれの国が法案、自家採種禁止法案を定めて、成立した後で結局結果的に農民の方が暴動を起こして次々に廃止されたり、そういった動きが世界的にはあるわけです。今、日本もそうですけれども、東南アジアですとかアフリカなどでこういった企業が、多国籍なグローバル種子企業、こういった企業がこういう法案の成立を迫ってきているというような見方もできると思うんです。そういった中でこの国内法を日本でも変えていくということが今後どういうことになっていくのか。消費者の側からしますと、最も心配されるのはやはり食の安全かなというふうに思っております。今回ゲノム編集の種子というものが、これ、流通は昨年の10月ごろから始まっているのかと思うんですけれども、作付が始まるというようなことも情報としてはつかんでいるところであります。ゲノム編集の種子に関して、この動向と安全性についてはどういった見解をお持ちなのか、その辺についてお答え願います。
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
ゲノム編集の関係でございますけれども、詳しいことはよく私もわかってございませんけれども、遺伝子操作とゲノム編集が違うというのが、遺伝子に新たな遺伝子を取り入れてするのが遺伝子操作、ゲノム編集については、その遺伝子のあるところを切り取って行うというのがゲノム編集というようなことで、うろ覚えですけれども、そのようなことで覚えております。ゲノム編集につきましてはある程度一定的な安全性はあるというふうには聞いておりますので、今の私の知識としてはこれぐらいの知識しかございませんけれども、以上で、そういうようなことでございます。
質問 3番 神長基子
確かに日本の政府は安全というふうに認めていらっしゃるようなんです。ただ、このゲノム編集というのは遺伝子組換えによるものだという見方もあるわけで、EUなどではニュージーエムオーという言い方をして、遺伝子組換えと同様の厳しい扱いをしているんです。もし作付が始まったら、日本では花粉の交雑によって有機栽培の、これができなくなる可能性も指摘されております。有機栽培の農産物を求める消費者というのはこれからどんどん増えていくように思うんですけれども、それとは逆行して、有機栽培のできない、断定的な言い方ちょっとさせてしまいますけれども、遺伝子組換え、汚染農地、こうなってしまうのではないかというような懸念もあるんです。実際に北米のほうでは日本ほどの面積の農地が汚染されて、有機栽培はできなくなっているというようなこともお聞きしております。こうした有機農業への打撃も考えますと、ゲノム編集の種子、この動向につきましても極めて慎重に見ていくべきではないかなというふうに指摘はしたいなと思います。コロナウイルスの関係に入っていきたいと思いますけれども、今回のパンデミックで、世界的な規模で物流が寸断されました。人の移動も止まって、それが食料の生産と供給を減少させたことが輸出規制などにもつながっていったというふうに認識をしております。これから一層の価格高騰なども起きて、食料危機になるのではないか、こういう懸念もされているところであります。コロナ危機というのは、こういった物流、グローバルサプライチェーンという言い方しますけれども、このもろさというのを改めて顕在化したのかなというふうに思っております。十勝におきましては食料自給率というのは断トツですけれども、日本の食料の自給率はやはり37%、低いままであります。この低下の問題には歯止めをかけなければならないというふうに思いますし、そういう瀬戸際に来ているのではないかなというふうに思います。グローバルサプライチェーンそのものを否定するつもりはないんですけれども、このコロナ禍にあって、今このグローバルサプライチェーン、ここに比重を置くということの考え方についてはどういった認識を持たれているか、改めてお伺いしたいと思います。休憩(午前11時59分)
答弁 経済部長 傳法伸也(経済部長は2021年3月まで)
御質問につきましては、コロナ禍におきます食に対する生産、それから流通、消費というサプライチェーンの影響ということの質問かと思います。お答えになっているかどうかちょっとわかりませんけれども、今回のコロナウイルスの影響につきましては、消費者側から申しますと、感染拡大の防止の対策で自粛要請があったことで外食を控え、3食とも自宅で食べる人が急増しました。それで食材を扱うスーパーマーケットは大盛況となったところでございますけれども、このため消費者につきましては、食材に対しまして安全性、鮮度、価格などより重視し、健康意識が向上するということで、どこで食べるかというよりは何を食べるかという人が増えると思われますので、これを機会に日本の農業、特に地域の農業に注目していただければいいのかなというふうに考えてございます。それから農業側のほうから申しますと、今回在宅機会が増えたことでスーパーマーケットからの食材を購入するための出荷は増えてございますけれども、一方、休校、営業自粛、休業要請、外出制限によりまして、学校給食向け、それから飲食店、ホテル等向けの業務用の出荷は大幅減となってございます。業務向け食材を消費者に振り向けるというのは簡単ではないということで聞いてございます。今後新型コロナウイルスの変化で生活様式が少なからずも生産現場においても影響が出るものかなというふうに思われていますので、その辺の対応も必要かということで考えているところでございます。以上でございます。
質問 3番 神長基子
今最初に消費者の方の立場でということで、どこで食べるかというよりも何を食べるかということで、改めて言い方を変えますと、地元産の安全な食材を消費者としても買っていく、選んでいくというんですか、そういう視点がさらに高まるんではないかなというところで、私もまさにそのように感じております。コロナウイルスの感染症の問題というのはまだまだ尾を引く部分があると思いますし、危機という言い方をしましたけれども、本当にこれは食糧危機を迎えるその一歩手前にも来ているんではないかなというふうに感じております。しかしながら、この危機をチャンスに変えるといいますか、そういった時期にも来ているんではないかなと思います。今、部長おっしゃられましたように、消費者の方の食に対する考え方、捉え方というのも、今までもそういう方向性がありながらも余り顕在化していなかった。けれども、今回はこのコロナを機に、やはり自分たちの足元の食料、農業、これを守る立場に自分たちもあるんだということへの気づきにもなっていくのではないかなというふうに思っております。今回質問の中では国際的な動向についても多く触れさせていただきましたけれども、実践として求められていくのは、それぞれの地域が地域の特性を生かした農と食、これをしっかりと守って発展させていくことに尽きるのではないかなというふうに考えております。その観点でいきますと、最初に触れました種苗法の関係、ここについては、やはり農業者が混乱しないよう、また、消費者の疑問ですとか不安に丁寧に答えるというふうに最初に答弁もいただきました。ぜひここで懸念を払拭するための情報収集、また情報提供に努めていただきたいなと思います。それから、生産者と消費者の相互理解が重要であるというふうに今回私も質問の中で述べさせていただきました。これが持続可能な農と食というのを考えたときに非常に強みになるんではないかなと思っております。ここをより一層重視するというようなことも答弁の中では触れていただきましたので、ぜひその姿勢も貫いていただきたいなと思います。コロナ感染の防止策ということで、今までできていた食育、地産地消の取り組みというのがなかなか同じようにはできない、そういう困難ですとか提供する側としてのジレンマも多々あるかなと思うんですけれども、ぜひ生産者と消費者の方の相互理解を深める、こういった取り組みというのは互いに知恵を絞って発展させていく、そのことを次の第3次の計画にはぜひ組み入れていただきたいなと思いますし、そういった町の姿勢を今後も貫いてほしいということで、その点を求めまして質問を終わりたいと思います。
答弁 町長 小野信次
今、神長議員の、普段から本当に食と農ということで、このコロナ禍という、特に今その大切さを訴えたのかなというふうに思っています。そして、最初の種苗法に関してのお話がありました。これは、もう誰もが御存じのように、当初TPP、この中での知的財産の中に含まれているというふうに思っています。でも、その当時振り返ったらどうでしょう。今、都道府県で農業試験場があった、それが大分整理されちゃった。それがやがてそこから、公的な機関でもって、日本というのは北から南まで長い中で、その地に合った作物をつくろうとしてみんな研究したんです。北海道は、だから今、北海道の米ということで、この時代にむしろ北海道の米が市場性の中で一番高いという時代を迎えているのも事実です。しかし、神長議員が訴えられたように、そういった時代の今度流れから国際的な取引の中で変わってきた。だから10年くらい前から北海道の、例えば北海道議会なんかでも、種子法、これをしっかりと堅持すべきだという。もう御存じだと思うけれども。それを言い続けてきたにもかかわらずこうなってきた。そして、やがて種苗法というふうに置き換えたのは何なのかといったときは、今神長議員からお話しされたように、やはりいずれ、今はこういう形だけれども、変わっていかざるを得ないというような不安感が今にして起きるようになってしまった。それはやがて公的な機関から民間に移管していく。それは日本だけ見たら何ら問題も何もないよと。今の法律でくくれるよという話だけれども、たまたま、どの方もこの間の新聞等で、この1週間前ぐらいの新聞でも見ているように、今コロナ禍の中でも、芸能人の皆さん方、アーティストの皆さん方が生活って何なのかということを訴えるようになった。それが、ここ1週間ぐらい前からこのことを取り上げたのが柴咲コウさんです。そういったことが国会の中で出されて、そして、このままちょっといくのは、もうちょっと慎重にすべきということでさっきの神長議員のお話だと思います。そこで、種子法、種苗法というのは今神長議員からお話があったので、それはそれで僕も共通理解の中にあるし、それから農業者団体、特に農協さん、じゃ地元の農協さんどうでしょうと振り返ったときに、やはり我が町の笠井組合長あたりもこのことには非常に関心を持ちながら、運動も展開してきたのも事実であります。かといいながら、行政はじゃどうなのというお話をさっきもされました。我々は、国が定めるもの、そして道が定めるものの中で、それをしっかりと見ながら、そしてまた地域は地域としての意見をしっかり出して、みんなとともに意見を出していくというのが建前というよりも運動かなというふうに思っています。そういう意味で、今そういうふうにならないように我々もこれから協議しながらしっかりとした要望、要請もしていきたいし、手を緩めないでいきたいなというふうに思っています。これが公的なものから民間に移ったときに、グローバルな状態に移行されたときに、最終的には、農業者団体が言っているように農家ばかりの負担が増えていくような状況になる制度になりはしないかということの疑念があるということは、これはもう新聞だけでなくて実際に農業者団体が言っているわけだから、そういうことを含めて我々も行政として、そしてそういった生産者の人たちの団体の声をしっかり受けとめながら、どうあるべきかというのも慎重に捉えながらこのことを注視していきたいというふうにも思っております。そしてあわせて、一番大事な点をおっしゃっていただきましたけれども、この時代に、さっき部長からも、それから神長議員からもお話くれましたけれども、どこで食べるかというよりも何を食べるかというふうな考えに変わっていかなければならんと。本当にそのとおりだと思います。それが、幾多の議員さんからもお話が出ていましたが、食料・農業・農村基本計画、これが今一生懸命つくられようとして、つくって、できたようにも思うけれども、その中に、今神長議員がおっしゃっていただいたように、生産者と消費者がどうやって相互理解を深めていくかというこの展開、その中によく披瀝して出されるのが、ヨーロッパあるいはスイスの話が出るでしょう。卵1個が70円。じゃ皆さん方もこうやって運動、ここで意見は出してくれるけれども、店頭に行ってノンジーエムのものを買うとか、あるいは地元のものを買うとか。でも70円の卵は売っていないから、なかなか。でも、音更だって立派な卵屋さんがあって、そういった卵を買うだとか、そういった消費生活の中から食の安全という運動を展開しながら、今神長議員がおっしゃっていただいたようなことをぜひとも町としても、今もやっているわけです。第2食育・地産地消計画、これを今ふれあい交流館、あそこにあります。あの中で一生懸命そこの担当を含めて、小学校から、そして保育園から、さらには今は、一生懸命、産連の担当の人たちで今考えているのは、農協さんも含めて、農業者もそこで一緒に交流しながら、そして農業者の奥さんも食というものを皆さん方に発信してもらうためにも、そんな活動もあそこでできたらという話を、まだ特別な計画はないけれども、組合長さんなんかもあそこで子ども達と一緒に食べたときに、こういう食べ方がある。そして、さっき話されたように、何を食べるかと。今年あたりの食育を含めた中であそこで貫田先生が来たときの講習なんかを見たときも、組合長さんなんかもそういった提案をしていただいておりますので、今まさに神長議員さんがおっしゃったようなことを含めて広く、種子法、そして種苗法というのが何であるのかと。そしてまた、それが我々の食を守っていくために「なぜ大事なのか」ということをそういった機会にも知見のある人たちにまたお話をしてもらえるような機会をともにつくっていければいいなというふうに思っています。そういうことで答弁にさせていただきます。これからもどうぞ御協力のほど。