小樽市議会 令和8年第1回定例会 2026年3月3日
小樽の観光について
2026年3月3日、小樽市議会の一般質問で、下兼薫議員が「小樽の観光について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 下兼薫 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 下兼薫
小樽の観光についてお尋ねいたします。まず、観光の意義の市民理解の促進についてお尋ねいたします。持続可能な観光振興には、市民の理解が欠かせないと考えます。昨年9月、観光振興に対する理解やマナー問題による市民生活の影響など、基本計画策定に向けた市民の意向を把握するため、市民ワークショップが開催されました。ワークショップで出た意見の分析では、市民と観光の関係性が課題の一つと挙がっており、市民・地域連携が提案されています。既存の強みをどう進化させ、市民や地域を巻き込みながら、持続可能な観光都市像を築くかが重要であるとしています。参加者からは、「小樽観光を持続発展させるために必要だと思うことは」に対し、小樽市民の意識の向上、市民の理解、そして、「市民と観光客が共に楽しめるまちにするために必要なこと」では、相互理解、市民との交流などの意見が出ていました。やはり小樽観光のキーワードは市民です。昨年11月、「市民のくらしと小樽観光」というリーフレットが発行されています。「小樽の現在と未来」「観光は小樽経済の牽引役!」など分かりやすい説明にはなっていました。ですが、小樽市の観光が市民の暮らしにつながると言われても、市民としては、何が、どこが、というのが正直なところだと思います。実感が湧かないのです。市民の理解が進み、市民の意識が変わることで、小樽市のまちはもっと活気づくと思います。令和7年度の市政アンケートでは、小樽市の山や海などの自然景観に愛着を持っている市民の割合は88.4%、小樽市の町並みに愛着を持っている市民の割合は79.3%、観光客に伝えたい小樽市のよさがあると答えた市民の割合は67.9%でした。高い数字だと思います。ですから、小樽市民がこれだけ地元に愛着を持っているのであれば、積極的に観光地域づくりに参加することも必要ではないでしょうか。それには、市民へ何かしらの還元も必要だと思います。例えば、第3号ふ頭の観光駐車場料金の減額や、ポートマルシェotarueでの買物の市民割引などがあれば、運河周辺へも市民が訪れるのではないかと考えます。これから、第3号ふ頭基部の緑地整備も完成いたします。一人でも多くの市民が自分たちの小樽市を再認識し、誇りと愛着を持つことで、小樽市を訪れる観光客を気持ちよく迎え入れることができるのではないでしょうか。そこでお伺いします。市民の観光に対する理解を促進するために、どのような取組が必要だとお考えでしょうか。リーフレットでは、「小樽観光に関するアンケートにお答えください」のはがきがついていました。市民からの反響についてお尋ねします。アンケートの回答は、何件寄せられてきましたか。また、アンケートで市民の方々からはどのようなお声が届いたか、主なものをお示しください。次に、宿泊税の充当事業についてお伺いいたします。新年度予算では、歴史遺産や個性ある景観の保全に700万円、観光インフラの整備に1,151万8,000円、受入環境の整備に4,811万円、マーケティング等に基づく観光戦略づくりと、それに基づく取組に6,671万円、賦課徴収に係る経費2,023万1,000円と示されています。令和6年度小樽市の観光入込客数は、800万人を超えました。北海道に来る観光客の半分が小樽市を訪れていると言われています。2月には小樽雪あかりの路が開催され、多くのインバウンドを含めた観光客が訪れました。いよいよ4月から、小樽市では宿泊税が導入されます。宿泊税は、ホテルや旅館などの宿泊施設を利用する際に課される地方税の一種で、持続可能な観光振興を目的とした法定外目的税です。小樽市宿泊税検討会議検討結果報告書の中で、使途検討の考え方については、先ほども言いましたが、「歴史遺産や個性ある景観の保全、観光インフラの整備、受入環境の整備、マーケティング等に基づく観光戦略策定とそれに基づく取組、観光振興における不測の事態や社会情勢の変化等に対応するための基金への積立てなど、小樽観光の振興を図る施策に要する費用に充てることを基本とする。」とされており、その上で、使途の検討に当たって特に留意すべき点の一つに、宿泊税の効果的な活用とDMOの主体的な推進体制の確立が示されています。そこで、DMOとはどのような組織であるのか、定義をお示しください。また、小樽市におけるDMOの登録状況についてお示しください。小樽市宿泊税検討会議検討結果報告書では、「宿泊税を活用した事業については、DMOが中心的な実施主体となり、自らの戦略に基づいて計画的かつ一体的に事業を展開する体制を確立することが重要である。また、宿泊税の効果を最大限に発揮するためには、DMOが、観光地域づくりの司令塔として主体性を発揮し、十分な自由度と規模を備えた財源のもとで、戦略的に観光振興を推進することが不可欠である。」と示されています。観光庁のガイドラインにも示されておりますが、DMOは、地域の稼ぐ力を引き出すことが重要と考えます。そこで、DMOである小樽観光協会が、地域の稼ぐ力を引き出すために求められる役割は何であると考えますか。新規事業の地域DMO交付金が事業費1億4,371万円で、財源として宿泊税6,000万円を充当することが示されております。DMOに対する総合的な支援の実施とありますが、事業費の内訳をお示しください。令和版ロマネスクイルミネーション事業で、ライトアップエリア拡大に向けた検討、実証実験とあります。拡大したエリアへの誘客など、本事業の目的等についてお示しください。次に、令和8年度における本事業の進め方についてお示しください。調べてみますと、ロマネスクとは、小説のように奇異な、空想的な、伝奇的な荒唐無稽などといった意味だそうです。不思議な感じはいたしますが、幻想的な運河周辺の新たな魅力をつくり出していただきたいです。次は、令和7年第2回定例会の代表質問でもお伺いしました、オーバーツーリズム対策です。警備員の配置やSNSによる観光客への注意喚起やマナー啓発等とあります。昨年から配置された警備員の継続によって、警備員がいる箇所の市民からの御意見や問合せ件数が減少していると、市長は記者会見でおっしゃっていました。市民からの御意見が減少している要因には、どのようなことが考えられますか。このオーバーツーリズム対策事業費は拡大とありますが、どのような内容か、お示しください。現在、第三次小樽市観光基本計画を策定中だと伺っております。ぜひとも市民と観光がしっかりとつながるような計画をお願いいたします。次に、小樽市観光客等の災害時対応マニュアルについてお尋ねします。令和2年3月に策定された小樽市観光客等の災害時対応マニュアルによりますと、「災害対策において、平常時から進めるべき取組や市と観光関係者(宿泊施設、観光施設等)に期待される役割、基本的な行動について整理し、本市を訪れる観光客等が、滞在中に災害に見舞われた際にも安心・安全に帰路につくことを目的とする。」とあります。また、「観光客等への対応は、行政、観光関係者、交通機関等が十分な連携を図っておく必要があり、各々が最新情報を共有し、迅速に対応がとれるよう、平常時から「顔の見える」緊密な関係を築き、訓練や定期的な勉強会などを通して人的ネットワークを構築し、有事の際に備えるものとする。」とあります。そこでお伺いします。関係機関とのネットワークについて、平常時に観光関係者とどのように関係を構築しているのでしょうか。また、個別の店舗への連絡体制はどのようになっているのでしょうか。災害が起き、観光客等が危険区域にいる場合の避難誘導には、どう対応するのでしょうか。災害時において、日本語が分からない外国人観光客に対する情報提供は、どのように行うのでしょうか。観光客がいるという想定での避難訓練は、事業者や商店街組合などと連携して備えておくべきだと考えますが、この先、どのように進めていくのか、お考えがあればお聞かせください。次に、大雪への対応についてです。本年1月25日の大雪で、JR北海道の全面運休、高速道路が閉鎖するなど、多くの方々が小樽市から移動できなくなりました。また、関連してJR北海道では1月28日、29日に最終便の繰上げや間引き運転が行われるなど、大きな影響が出ました。そこで、一連の大雪による交通障害への対応についてお尋ねします。市長は、さきの定例記者会見でも、記者の質問にお答えしていましたが、改めて、市として大雪による鉄道の運休への対応をお聞かせください。今回の大雪は、災害と言っても過言ではないのではありませんか。これが災害だとするならば、JRが止まったのも雪の影響によるもので、当然運休になると考えるのが一番納得できます。静岡県伊東市では、2月9日、雪の影響で国道135号でトラックなどが立ち往生し、帰宅困難者が一時最大400人になり、伊東市は市内の小学校に避難所を開設して受入れをしたそうです。大雪に災害としての定義はあるのでしょうか。今回は、幸いにして二次被害などはなかったものの、冬期間、いつ何どき、またこのような大雪になることは十分に考えられます。気候変動の影響で、雪の降り方が変わってきているとも感じます。大雪の警報が発表された場合には、観光客も含めた方々の安全の確保をお願いいたします。市長は、避難所としてマリンホール、いちびるプラザを予定していたとお答えされていました。それぞれの施設では、備蓄品は平時から常備しているのでしょうか。また、どのような備蓄品なのか、何人収容可能なのか、お聞かせください。令和8年度予算では、宿泊税を使って旅行者安全確保整備事業費が計上されています。備蓄品の内容をお聞かせください。また、この先、大規模な雪害が発生した場合には、災害派遣など国からの支援を要請することはできるのでしょうか。市長は常々、これからの小樽市は選ばれるまちにならなければならないとおっしゃっています。市民のみならず、観光客などの皆さんの安心・安全のためにも、しっかりとした対応をお願いいたします。第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、小樽の観光について御質問がありました。初めに、観光の意義の市民理解の促進についてですが、まず、理解促進に必要な取組につきましては、雇用の創出効果など、観光が地域にもたらす恩恵を見える化し、市民の皆さんに分かりやすく伝えることで、観光振興の意義や効果について共有することが重要であると考えております。次に、アンケートの回答につきましては、262件の回答があり、主な御意見として、小樽観光の現状や経済効果について理解できた点がよかった、観光が地域にもたらす恩恵について改めて認識することができたという御意見のほか、一部の時間帯や地域への観光客の集中を分散する取組を実施してほしい、交通ルールに関する観光客のマナー啓発をもっと行ってほしい、駅から観光地までの歩道整備や除排雪について力を入れてほしいなどの御意見が寄せられております。次に、宿泊税の充当事業についてですが、まず、DMOの定義につきましては、観光庁の観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドラインにおいて、観光立国推進基本計画の基本的な方針に沿い、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する地域経営の視点に立った観光地域づくりの司令塔として、多様な関係者と協働しながら、明確なコンセプトに基づく観光地域づくりを実現するための戦略を策定し、着実に遂行する機能を備えた法人とされております。次に、本市のDMOの登録状況につきましては、小樽観光協会が令和4年10月に地域DMOに登録され、令和7年10月に更新登録を行ったところであります。次に、DMOに求められる役割につきましては、市が観光基本計画で示すビジョンに基づき、そのビジョンを実現するための観光地経営戦略を策定し、市や観光事業者等と連携しながら、必要な事業を推進、効果検証を行い、市に説明責任を果たすとともに、ガイドラインが示す観光消費額などの重要業績評価指標(KPI)として設定した目標を達成することが求められるものと考えております。次に、地域DMO交付金の内訳につきましては、小樽観光協会運営費として3,995万7,000円、観光案内所運営費として3,555万3,000円、戦略的なプロモーション・魅力づくりとして5,320万円、戦略・データ・マーケティングとして1,500万円となっております。次に、令和版ロマネスクイルミネーション事業の目的につきましては、ナイトタイムエコノミーの推進を主眼とし、市内に点在する歴史的建造物等のライトアップを明かりでつなぐことで、観光客の皆さんが夜に周遊できる仕掛けをつくり、周辺エリアも含めた面的な波及などを目指すものであります。次に、令和版ロマネスクイルミネーション事業の進め方につきましては、令和8年度には関係団体のほか市民の皆さんの参加を募り、ワークショップを開催する中で、エリアなどを含めた整備方針を議論していただき、その結果を踏まえ、光の演出方法や安全性等を検証するための実証実験を行いたいと考えております。次に、オーバーツーリズムに関する意見の減少要因につきましては、本市では、昨年2月に小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会を立ち上げ、関係機関と連携して対策計画を取りまとめ、地域一体となって様々な対策に取り組んでまいりました。こうした取組の効果が現れているものと考えております。次に、オーバーツーリズム対策事業費の拡大内容につきましては、警備員の配置期間を1か月拡大し、令和8年12月から令和9年2月までとするほか、新たな取組として、AIカメラとスピーカーを活用した音声案内による注意喚起を一部エリアで試験的に実施してまいります。次に、小樽市観光客等の災害時対応マニュアルについてですが、まず、平常時の観光関係者との関係構築につきましては、災害時連携団体である小樽観光協会や小樽堺町通り商店街振興組合などと日頃から緊密に連携・情報共有を行っているほか、小樽ホテルミーティングへの定期的な参加などを通じて、宿泊施設とも情報共有できる関係を構築しております。次に、個別の店舗への連絡体制につきましては、小樽観光協会をはじめとする災害時連携団体を通じて、それぞれの会員の事業者に連絡する体制としております。次に、危険区域での観光客等の避難誘導につきましては、観光客等が観光施設等にいる場合は、施設等の職員が危険区域外へ誘導するとともに、指定緊急避難場所を案内することとしており、また、観光客等が観光施設等の外にいる場合は、防災行政無線等の情報により、避難情報を伝えることとしております。次に、災害時の外国人観光客への情報提供につきましては、多言語対応の防災行政無線を活用し、避難の呼びかけを行うこととしておりますが、緊急地震速報や津波警報などを多言語で発信する観光庁監修の外国人旅行者向けの災害時情報提供アプリ「Safety tips」の利用促進に向け、周知を図ってまいりたいと考えております。次に、観光客を想定した避難訓練につきましては、現在進めているBCPの改定を踏まえ、今後、小樽市観光客等の災害時対応マニュアルの見直しを予定していることから、マニュアル改定後にその内容に基づき、避難訓練の実施方法を含め、検討してまいりたいと考えております。次に、大雪への対応についてです。まず、1月25日の大雪による鉄道の運休への市の対応につきましては、JR小樽駅から降雪の影響により列車が運休し、運行再開の見通しが立たないとの連絡を受けたことから、職員による現地確認を行い、運行及び駅滞留者の状況把握に努め、庁内での情報共有を図ったものであります。また、市に対する支援要請があった際に備え、施設の開放や備蓄品の提供など支援体制を整えていたところであります。なお、移動手段を失った滞留者は46名おりましたが、駅構内での受入れやマット、毛布の配布などJR自ら対応可能との報告を受けたものであります。次に、大雪が災害に定義されるかどうかにつきましては、災害対策基本法において、災害は、暴風、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象等により生ずる被害と定められており、法的には定義されておりませんが、災害派遣などを要する大雪の際は、災害となり得る場合があるものと考えております。次に、施設の備蓄品と収容可能人数につきましては、マリンホールは毛布、備蓄食料、簡易トイレなど避難所機能として必要な備蓄品を、いちびるプラザは一時避難場所として毛布、敷マットをいずれの施設も平時から備蓄しております。収容人数はマリンホールが243名、いちびるプラザが50名となっております。次に、旅行者安全確保整備事業費による備蓄品の整備内容につきましては、アルファ化米やクラッカーなどの備蓄食料のほか、備蓄水、災害備蓄用トイレ、毛布、ストーブ、ポータブル発電機を整備することとしております。次に、国への支援要請につきましては、大規模な雪害が発生し、市として災害が発生したと判断した場合は、北海道開発局小樽開発建設部や小樽海上保安部などの国の機関による支援のほか、陸上自衛隊第11旅団に対する災害派遣などを要請することは可能であると考えております。