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小樽市議会 令和7年第3回定例会 2025年9月9日

災害対策について

2025年9月9日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「災害対策について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
髙橋龍 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 髙橋龍

災害対策についてお聞きします。本年6月、北海道から、新たな日本海沿岸の地震・津波被害想定が公表されました。それを受け、今定例会の議案にも債務負担行為が示され、今年度からBCPの改定作業を開始する意向であります。現段階では、具体的な方針を示すことは難しい点もあるとは思いますが、市民の生命・財産を守るためには、職員配置など、現行BCPの抜本的な見直しが不可欠でありますので、土台となる考え方などをお聞きしていきます。新しい被害想定では、従来の留萌沖地震の被害想定を大きく上回る甚大な被害が予測されています。F06断層では、避難者は1万1,000人、上水道断水は8,400人、停電は390軒、建物全壊は920棟が想定され、現行BCPの前提とは大きく異なっています。まずは、この被害想定に対して、どのような御所見であるのか、現状の課題認識や今回の改定はどういう方向性でBCPを変えていくのか、大きな枠組みでお聞きします。ここで細かな各論に入ることはためらわれますが、複数断層による被害シナリオと最悪ケースへの備えについて幾つかお聞きしなくてはなりません。新しい被害想定では、20の断層モデルが示され、それぞれ異なる被害パターンが想定されています。単一の災害想定では対応できない複雑なリスクが存在することから、最悪ケースを想定した柔軟な対応力の確保が課題です。F03連動型では、建物全壊は230棟、避難者は1,700人、F06Dでは最大規模の被害が予測され、各シナリオに応じた職員参集や初動体制も検討が求められます。これまでの留萌沖の地震による被害想定よりも被害の大きいケースへの対応力確保や、複数シナリオへの柔軟な対応に関する課題認識を伺います。季節・時間帯別、例えば夏の昼、冬の夕方、冬の深夜の職員参集や初動体制はマルチシナリオ的に考えられるものなのでしょうか。新しい被害想定では、避難者数が従来の約2倍に増加し、65歳以上高齢単身者が90人、要介護認定者が70人、5歳未満乳幼児が50人など、500人の要配慮者への支援が必要とされます。いわゆる災害弱者と言われる人たちへの対応は、現行の避難所能力だけでは困難が想定されます。福祉避難所の拡大、要配慮者専用スペースの確保、感染症対策を考慮した収容人数など、検討すべきことは山積であります。また、BCPには津波や急傾斜地への具体的避難手順や救助体制は記載されていませんが、BCPの上位計画である本市地域防災計画には関連する記述があります。現状をお聞きしますが、仮に今、津波を伴う大規模の地震が起きた場合、消防・警察・自衛隊との連携、避難ビルや避難路の安全確保、急傾斜地監視・警戒態勢がどのようになるのか伺います。また、BCPの改定までの間も、早期避難率の違いによる被害差など市民への避難意識向上や迅速な避難行動の促進に向けて、当面どのような対策を講じていきますか。次に、災害発生時の初動体制についても伺います。新しい被害想定では、被害想定が従来の約2倍となる中、現行計画の発災3時間以内の業務従事可能職員数が約300人、割合にして約27%で対応が可能かという点に疑問が残りますが、その点において、現行BCPは実効性を持っていると捉えてよろしいのですか。また、冬期や深夜発災時の参集について、現段階での課題認識を伺います。次に、大規模災害で市役所が使えなくなった場合の代替庁舎・災害対策拠点に目を向けます。本市の市役所本庁舎は、建物の老朽化により大規模災害時の庁舎機能停止リスクは高くなっています。仮にこの庁舎が使えないとなった場合の代替庁舎について、その被害予測、耐震性能、災害対策本部機能移設の可能性、必要な設備・スペースなど検討項目についてお示しいただけますか。避難者数の増加、被害の拡大に伴い、情報処理・通信需要は大幅に増加すると考えられます。代替庁舎への通信機器の配備、避難所との通信確保、被害情報収集・伝達・住民への情報発信、あるいは外国人避難者への多言語対応のための翻訳ツールを使う通信など、できるだけ通信環境が災害の影響を受けづらい場である必要もあるかと思います。条件の整った代替庁舎の適地があればいいですが、そうでない場合、ある程度の通信機能の強化は図らなくてはならないと考えます。市の御見解をお聞かせください。当然、災害時には行政だけでの対応には限界があるため、市民との協働が不可欠です。本市の現状の自主防災組織活動カバー率はどのくらいですか。また、新しい被害想定レベルの災害対応になったときに、なるべく自主防災組織が機能するように、避難所運営・要配慮者支援・津波避難促進など市民・町内会・企業との協働体制を今までよりも一段上の取組にするために、市としてどのようなことができると考えますか。小樽市は観光客が多く訪れる地域であり、繁忙期には避難対象人口が大幅に増加します。現行BCPでは、観光客について明示されていません。観光客の避難行動、避難所利用、外国人観光客への情報提供・誘導など、観光振興室はもちろんのこと、小樽観光協会や観光事業者との意見交換なども行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。近年の気候変動の影響等により、これまで想定していなかった規模の災害が各地で発生していることを踏まえれば、災害に強いと言われる本市であっても、例外ではないという強い危機意識を持つことが不可欠です。言うまでもなく、災害は発生を完全に防ぐことはできません。しかし、備えによって被害を最小限に抑えることは可能です。そのためには、行政の危機管理体制を不断に見直すと同時に、市民一人一人が自らの命を守る行動を取れるようにすること、そして地域全体で助け合う仕組みをつくることが重要であります。平時からの準備をさらに徹底していただくことを強く期待しております。以上、この項の質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、災害対策について御質問がありました。初めに、新たな日本海沿岸の地震・津波被害想定に対する所見につきましては、本市の被害想定は、地震発生から津波到着までの時間や浸水想定区域等に従来の被害想定と差異はありませんが、津波浸水想定区域からの避難者数や、家屋等の被害が具体的に示されたことから、改めて被害想定に基づいた必要な各種の備えを進めていく必要があるものと感じております。また、課題といたしましては、避難者数や被害家屋等の増に対する対策や備蓄品の確保などがあるものと認識しており、今後、実施する小樽市業務継続計画、BCP改定の中で、新たな対策などを検討していくことになります。次に、今回示されました被害想定への対応力確保などにつきましては、新たな被害想定に対応したBCPの改定に併せ、他自治体や関係機関等からの支援を受け入れるための受援計画を策定いたします。また、複数シナリオへの柔軟対応については、昨年5月に災害対策準備室や災害対策連絡室の開設、勤務時間内・外の別や災害の規模に応じた職員の参集範囲を定めた、職員初動参集フロー図を策定し、職員に周知を行っており、季節・時間帯別の職員参集や初動体制への対応を図っております。次に、現状で津波を伴う大規模な地震が起きた場合の各種対応につきましては、小樽市地域防災計画に基づき、災害対策本部を設置し、消防や警察、自衛隊などの各関係機関と本市の被災状況や、人命救助活動の状況などを情報共有し、必要な災害対応を行うこととしております。また、BCPの改定までの間にあっても、小樽市地域防災計画に基づき迅速な避難行動のため、防災マップの配布や内容の周知、広報おたる、本市ホームページや各種SNSなどを通じ、市民の皆さんの防災意識高揚を図ってまいります。次に、新しい被害想定に対する現行BCPの実効性につきましては、BCPの目的が大規模災害時における非常時優先業務の特定であり、大規模災害発災後3時間以内の業務従事可能職員数300人という数値は、他自治体の過去の被災経験を踏まえた妥当性がある数値でありますが、被害想定が変更されたことにより、現行BCPよりもさらに優先順位をつけて業務を行うことが必要と考えております。また、今回の改定に際しましては、新しい被害想定に基づき、冬期や深夜発災時の参集など、より厳しい条件下で検討することが必要になると考えております。次に、大規模災害時における本庁舎の代替庁舎につきましては、現行のBCPでは、代替庁舎の指定に関する設定がないため、今回のBCP改定に合わせて設定する予定ですが、代替庁舎に関する検討項目につきましては、耐震性能や必要な設備、スペースなどを有し、災害の被害予測がない施設を選定したいと考えております。なお、災害対策本部の設置を予定している消防庁舎は耐震性能を有し、災害の被害を被る可能性が低いため、現時点では災害対策本部を代替庁舎に移設することは考えておりません。次に、代替庁舎に必要と考えられる通信環境につきましては、代替庁舎を指定する際には通信環境が一定程度整備された施設とすることを想定しておりますが、通信環境が整っていない施設を指定する場合に備えて、災害対策用移動通信機器を有する機関等との連携を図るなど、通信環境の確保に努めてまいりたいと考えております。次に、本市の自主防災組織カバー率につきましては、令和7年4月1日時点で68.9%となっております。また、市民の皆さんや町内会、企業との協働体制を強化するための取組としましては、市民の皆さんに対しては、広報おたるや市のホームページ、各種SNS、FMおたる等の各種媒体や防災講話、防災訓練を通じて防災意識の高揚を図るとともに、町内会等に対しては引き続き自主防災組織結成や防災訓練実施を働きかけてまいります。企業等に対しては、災害時応援等の協定締結や防災講話、防災訓練の支援などを通じ、協働体制の構築や拡充を図ってまいりたいと考えております。次に、小樽観光協会や観光事業者との意見交換につきましては、BCPは市職員の非常時優先業務の特定と業務の執行体制や対応手順、継続に必要な資源の確保等を定める計画であることから、現時点では予定いたしておりません。しかしながら、今回のBCPの改定に併せ、本市の災害時における観光客への対応を定めた小樽市観光客等の災害時対応マニュアルの見直しを行う予定としておりますので、同マニュアルの見直し作業の中で、観光関係者との意見交換を行ってまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和7年第3回定例会 2025年9月9日 議事録 PDF(85ページ) 間違いを知らせる