小樽市議会 令和7年第2回定例会 2025年6月18日
(1)小樽市立病院の新体制について/(2)看護師確保策について
2025年6月18日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「小樽市立病院の新体制について」「看護師確保策について」について質問し、市長 迫俊哉、病院局長 有村佳昭が答弁しました。
- 質問者
- 中村岩雄 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、病院局長 有村佳昭
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 20番 中村岩雄
一般質問をさせていただきます。小樽市立病院の新体制について伺います。小樽市立病院は、平成26年12月に市立小樽病院と小樽市立脳・循環器・こころの医療センターを統合新築し、開院しました。それ以来、小樽・後志地域の基幹病院としての役割を担い、昨年12月1日には10周年を迎えました。この10年間は、並木前病院局長が新築開院してからの大変厳しい船出、航海を、強力なリーダーシップをもって見事に乗り越えてきたところであります。さて、並木前病院局長が今年3月末をもちまして任期満了で退任されまして、4月からは、有村前病院長が後任の病院事業管理者に就任され、そのかじ取りを任されたところであります。これから先、令和10年には市民病院としての開院から100周年を迎えるなど、歴史のある病院として市民からは、さらなる医療の発展など、有村新病院局長にも大きな期待が寄せられると思います。さて、そこでお尋ねいたします。新体制としてどのような体制を整えられたのかをお聞かせください。また、今後、人口減少を見据えた急性期医療の在り方、医療機関の役割分担、在宅医療の提供体制の確保が地域医療の喫緊の重点課題と言われております。昨年指定されました後志圏唯一の地域医療支援病院として、これらの課題にどう取り組んでいくのか、お考えをお示しください。次に、小樽市立病院の新たな役割についてお尋ねいたします。早速、4月30日付北海道新聞デジタルに、「小樽市立病院 8月に総合診療科新設 手術支援ロボ、今秋稼働 有村・市病院局長に聞く」という見出しのインタビュー記事が掲載されました。その内容は、小樽市内の高齢化率は4割超と道内10万人以上の都市で最も高く、高齢の救急患者の増加が見込まれること。また、高齢者は複数の疾患や介護ニーズを併せ持つ場合が多く、最初の窓口として対応する総合診療医が必要で、各専門科や地域の専門病院などとのスムーズな連携をするためにも、総合診療科が必要だとしています。そこでお聞きいたします。総合診療科というと、一般的にはどんな病気でも、そこで診てもらえば治療してもらえる診療科かと思うところですが、総合診療科とはどのような診療科であるか、また、小樽市立病院はどのような取組を進めていくのか、お示しください。また、新聞記事では、救急医療体制の充実としまして、8月からの当直医の体制見直しにも言及されておりました。見直しの背景と効果をお聞かせください。看護師確保策について伺います。令和7年5月10日付北海道新聞空知管内の新聞記事の見出しによると「空知管内の看護人材不足、対策急務 駒沢看護専門学校が閉校、他校も定員割れ 休日当番担えない診療所も」とあり、空知管内での看護人材の確保が課題となっています。さて、この空知管内の状況をまとめると、岩見沢市、砂川市での看護人材確保、看護人材不足対策が急務となっていることです。少子化の影響や4年制看護大学への進学増で、入学者数の減少・定員割れが続いている。コロナ禍で大変な仕事という印象が広がった。卒業生の都市圏への流出、札幌市・旭川市などの病院に就職する人が増えている。地元で養成する人材が少なくなれば、看護師不足にますます拍車がかかるとの懸念がある。医療現場では看護師の数が足りず、診療所が輪番制の休日当番病院を担うのは難しいとして、3月下旬に医師2人が退会、休日当番を担えない診療所が出ている。それに伴い、輪番に入る病院の負担も増していて、代休のため、平日に出勤できる看護師の数が減り、仕事が回らなくなる。人繰りが難しくなっているということです。この状況に対し、岩見沢市医師会会長は、看護職員の確保は地域医療の基盤維持に不可欠と強調し、その上で、診療報酬を引き上げ、専門性に応じた評価体制を確立することなどで、看護師の処遇を改善すること、道内に3校ある准看護師養成校を連携させ、オンラインで講義を相互に提供し合う体制を構築するなど、両輪で進める必要があると提言しています。この空知管内の状況と岩見沢市医師会会長の提言について、本市において参考になる部分があればお聞かせください。次に、令和6年第1回定例会のみらいの代表質問で、看護人材の確保について伺いました。新たな看護学校については断念したことで、令和9年度以降に輩出される看護人材が減少するため、何らかの方法で看護師を確保する方策が求められ、その方策として、まず、現在、働いていない看護師などの潜在的な人材の掘り起こし、札幌圏・道央圏からのインセンティブを付しての呼び込み、小樽市立高等看護学院の定員に地域枠を設け定員増を図ること、看護師人材の市外流出抑制、看護師離職防止のための北海道医療勤務環境改善支援センターの活用、また相談窓口を市内に設けるなどのきめ細かな対応をすること、看護師確保のための方策を話し合う場を急ぎつくるべきとし、小樽市や医師会、看護協会、看護人材を必要とする市内福祉施設関係者にも参画していただけるような新たな協議会の設置を速やかに検討すべきなどの提言もさせていただき、前向きな答弁もいただきました。あれから1年余りが過ぎ、その後の対策の進捗状況などをお知らせください。特に、小樽市立高等看護学院につきましては、本年1月22日付北海道新聞で「小樽市立高等看護学院定員増、市が検討 養成機関減で担い手確保へ対策」との見出しで、小樽市は、正看護師を養成する3年制の市立高等看護学院の定員増を本格的に検討する。准看護師を正看護師に養成する小樽看護専門学校は2025年度末の閉校が決まっており、市内の養成機関は1校となる見通し。看護師は既に不足気味で、医療関係者からは「このままでは診療規模を縮小する医療機関も出かねない」との声もあり、市は2026年度からの増員を目指すとの記事であります。市立看護学院の定員を1学年30人から35人程度に引き上げること、在学中の実習先を、現在の小樽市立病院以外にも広げること、さらに医師会会長の看護学院の卒業生が市立病院以外の市内医療機関に就職できるようにすることも必要との提案や、市の幹部からは、市内の医療機関への就職を促すため、小樽への引っ越し費用の補助など経済的な支援も重要になるとの提案もなされております。定員増をするとすれば、教職員の確保策も必要です。小樽看護専門学校は、今年度末で閉校します。小樽市立高等看護学院の定員増を図るに当たって、新たに教職員を増やす必要がありますが、すぐ教務にはなれないとのことですので、小樽看護専門学校の現職員を確保すべく、心優会と協議するべきと考えます。時間的にそれほど余裕はないと思います。看護の道を志す小樽市内や後志地域で、毎年、卒業してくる若い方々に、安心して検討・選択してもらえる確実な情報をでき得る限り早く確定し、発信していくことが強く望まれていると思います。これらの案についての市長の御感想をお聞かせください。次に、看護職員確保対策協議会の事務局を担当する保健所の説明で、検討しているとされた、新卒者の確保、既卒者の掘り起こし、離職防止の三つの柱について検討及び取組の内容をお知らせください。さらに、看護学生に対する支援についての案ですが、小樽市ではなく働く先の医療機関が出すという、つまり就学資金を民間が出す仕組みをつくるべきという案です。例えば、5年働けば返済免除とし、将来は5人から10人程度の枠とする。色のついた入学ですが、実際の民間奨学資金制度を参考にしながら、運用可能な方策を探ることも必要と思います。後志全域に広げ、まちが奨学金を出す仕組みも小樽市にできるだけ負担をかけない方法としての一案として検討してみるべきと思いますが、いかがでしょうか。小樽市内と後志地域を合わせ、後志管内の医療機関にも資金を出してもらい、定員増を図りながら、運営は民間が担うという案です。看護師対策において、様々な機関にも資金を出してもらうことについて、市長の御意見をお聞かせください。以上、再質問は行いませんので、明快な御答弁をお願いいたします。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
中村岩雄議員の御質問にお答えいたします。看護師確保策について御質問がありました。初めに、空知管内の新聞報道に関する本市の受け止めにつきましては、少子化の影響や高校生の大学志向に伴う看護師等学校養成所の減少や、定員割れによって看護師不足が進行していることは、地方に共通の課題と認識しております。また、国において診療報酬の引上げなどにより、看護職員の処遇を向上させることは、将来の安定的な看護職員確保に資するものと考えます。本市といたしましても、空知管内を含め、道内各地の取組の情報収集に努め、今後の検討の参考にしてまいりたいと考えております。次に、看護師確保策の進捗状況につきましては、昨年5月に本市のほか、小樽市医師会などの関係機関を構成員とした小樽市看護職員確保対策協議会を設置し、市内医療機関を紹介するサイトの立ち上げについて御提言いただいたところであります。また、本年4月には、市内の医療機関を対象に、小樽市内の看護職員確保に関する意見交換会を開催し、ハローワーク小樽や北海道看護協会ナースセンター、北海道医療勤務環境改善支援センターの担当者から、最近の求職者の傾向や看護人材の離職防止を目的とした事業について御紹介いただくとともに、会の参加者から、看護職員確保に向けた地域ぐるみの取組などについて御意見をいただいたところであります。次に、今後の看護職員確保策につきましては、今後、本市でも、少子化の影響等による看護職員不足の進行が予測されることから、行政としても早急に取り組むべき課題と認識しており、市といたしましては、看護職員の確保に向けて、小樽市看護職員確保対策協議会からの提言を踏まえ、小樽市立高等看護学院の定員増を含む各種の対応策に、可能な限り速やかに取り組んでまいりたいと考えております。次に、新卒者確保など3本柱に沿った取組につきましては、今年度の新卒者確保と既卒者掘り起こしの取組として、市内の医療機関の魅力を発信するウェブサイトを立ち上げ、市内医療機関への就職希望者などに対し情報発信を行うとともに、看護学校などの訪問を通じ、サイトの周知を行うこととしております。また、離職防止の取組として、北海道医療勤務環境改善支援センターが行う人材定着対策支援事業の活用について、市内医療機関に周知したところであります。次年度以降の取組については、現在、市内の医療機関に対して、看護師確保に関するアンケート調査を実施しているところであり、今後、小樽市看護職員確保対策協議会において、この調査結果を踏まえ、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。次に、看護師確保策における様々な機関からの資金支援につきましては、看護学生に対する経済的支援は、市内で看護職員を確保する上で有効な対策と考えますが、その原資をどこが負担するのかが課題となります。ただいま、中村岩雄議員から奨学金制度の拡充などについて御意見をいただきましたが、今後の取組を検討する上で参考にさせていただきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 有村佳昭
中村岩雄議員の御質問にお答えします。小樽市立病院の新体制について御質問がありました。初めに、当院のこれまでの経緯についてですが、まず、新体制につきましては、いかなる厳しい医療情勢においても、小樽・後志の基幹病院として、地域医療を維持することが当院の使命であります。これを着実に実現するため、これまでの病院局長と病院長の2名体制に加え、副局長を新設し、三役が共同して、当院の充実、発展を強力に牽引していく体制としたものであります。次に、後志圏唯一の地域医療支援病院としての今後の課題への取組につきましては、地域医療を維持していくためには、日頃の診療を行うかかりつけ医と、専門的な診療を行う基幹的な病院との役割分担、連携強化を進めていくことが必要であります。このため、地域の医療を守る制度の基幹となる地域医療支援病院として、多くの市民に必要なときに必要な医療を迅速に提供できるよう、当院の外来のスリム化をするとともに、小樽・後志地域の各医療機関の機能分化を促し、さらなる連携強化を図ってまいりたいと考えております。次に、当院の新たな役割についてですが、まず総合診療科につきましては、特定の臓器や疾患に限定せず、患者を総合的に診る診療科であります。具体的には、どこの科を受診したらよいのか分からない患者、複数の疾患を抱える複雑な患者というような診断の難しい症例などを担当します。当院におきましては、臓器ごとに特化した専門医との間に入るコーディネート役や、地域の医療機関などにつなぐ役割を担います。なお、高齢者救急の課題には、軽症の搬送例が減らないことのほか、孤独や貧困などの社会問題を有することも多く、誰が、どこで、どのように診るのかといったたらい回し問題もあり、一旦入院させると退院できない出口問題などが発生することもあります。総合診療科が高齢者救急の初期対応や入院加療を担当することで、これらの課題を克服できるものと考えております。次に、当直体制の見直しの背景と効果につきましては、現在の当直体制は、1次救急担当の管理当直医、2次救急担当のICU当直医、脳血管疾患専門のSCU当直に加えて、各診療科から毎日、待機医をリストするシステムです。現行の問題点は、ICU当直医の負担が極端に重く、当直医が待機医を兼ねざるを得ないなどが挙げられます。特に後者が重大であり、ICU当直医が手いっぱいになると、待機医が確保できなくなるため、その間ICU当直が機能しなくなってしまう欠点が挙げられます。そのため、管理・ICU当直を統合し、全科当直に見直すことで医師の当直業務の均等化が図られ、待機医を確保できることになり、結果として、救急患者応需の改善につながることが期待できます。