みんなの議会

小樽市議会 令和5年第2回定例会 2023年6月21日

人口減少について

2023年6月21日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「人口減少について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
髙橋龍 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 髙橋龍

新たな任期が始まりまして、初めての質問となります。本市のみならず、この国が危機にさらされている人口減少、先般の選挙戦を通して、この問題に触れなかった議員はいなかったのではないでしょうか。初めて国勢調査が行われたのが約100年前の1920年。当時は小樽市ではなく小樽区で、人口は約10万8,000人、現在とほぼ同等の人口規模でありました。行政区面積は今の4分の1以下で、人口密度も高く、活気のある都会であったことでしょう。1964年に人口のピークを迎え、約20万7,000人。1世紀の間に倍増、そして半減を経験してきたということです。この数十年の人口減少に伴い、市民の年齢構成も大きく変化しています。1990年に65歳以上の老年人口が14歳以下の年少人口を上回ってからは、今に至るまでその差は開く一方です。このままでは、2040年には15歳から64歳までの生産年齢人口すら老年人口が超えてしまう超高齢化の時代を迎えることから、今こそ対策に全力を傾けなくてはなりません。そもそも人口減少の何が問題なのか、簡単に整理をさせていただきます。一つ目に、財政への負担。人口減少により労働力や税収が減少すると、自治体の財政への負担が増える可能性があります。高齢化に伴い、医療費や介護費の需要が増加し、同時に税収が減少すると財政のバランスが崩れる可能性があります。例えば、日本の一部の地方自治体では、高齢化と人口減少により財政赤字が深刻化している事例が報告されています。二つ目に、公共サービスの縮小。人口減少により需要が減少すると、自治体が提供する公共サービスの維持が難しくなる可能性があります。例えば、学校や公共交通機関などの利用者数が減少し、施設やサービスの縮小・廃止が検討されることがあります。これは、特に地方の人口減少が進んでいる地域でよく見られる傾向です。三つ目に、地域経済の低迷。人口減少で需要が減少し、地域経済にも悪影響を及ぼします。消費が減少し、地域内でのビジネス活動や雇用創出が停滞することがあります。また、若年層の減少と高齢化により、地域内のイノベーションや起業の活性化が妨げられることもあります。地域の衰退と人口流出。人口減少が進むと、地域の魅力が低下し、若い人材の流出が進むことがあります。就職や教育の機会の減少、医療や福祉の不足などが魅力低下の要因となり、地域の衰退がさらに進む可能性があります。つまり、経済が毀損され、医療リソースも不足、行財政は立ち行かず、地域社会が成り立たなくなってしまう、こんな危機的な状況がこのままでは訪れてしまう。そうした課題を直視した上で、将来に向けた議論をしていきたく思います。まず、人口減少には、出生数を死亡数が上回る自然減、転入者数を転出者数が上回る社会減があります。本市では、その双方が起きている状況です。迫市長は、2期目の公約として、社会減対策を強化していくと掲げておいででした。その意図としては、社会減対策が即効性のある施策であるからという理由でよいのか、改めて確認をさせていただきます。いかがでしょうか。その上で、社会減対策として位置づけている主な事業について、定住性を高める転出回避、転入者を増やすための移住促進、この点、いま一度御説明を願うものです。また、社会減対策の数値目標はどのように設定されているのか、お示しください。社会減対策の中で、転出回避のために住みやすいまちとして定住性を高めるよう、内向きの施策効果を上げ、今住んでいる方々の満足度を高める必要があります。対して、転入者を増やしていくのは、移住促進として外に向けたPR、また、市民でない方に対して予算を割き、リターンとして移住者増加を狙うということになることから、プロモーション予算は、ある意味、先行投資と考えられます。札幌市近郊の自治体を見ても、江別市、恵庭市などは札幌市から比較的若い世代の流入が見られます。江別市は14歳以下人口が増えていて、移住促進の事業も功を奏していると考えられます。ただし、自治体ごとの社会増減は、マクロで見るとその時点では人口の移動であり、本質的な人口増ではありません。例えば、東京都から小樽市に移住してきたAさん夫婦。東京都にいるときは、経済的にも時間的にも余裕がなく、子供を持ちたいが諦めざるを得なかった。しかし、小樽市であれば通勤時間も短く、物価も比較的安い。心理的にもゆとりができたことから、子供を望み、このたび3人家族になった。この事例では、移住による社会増に加え、東京都にいては産まれることがなかった1人が、市にとっても、国にとっても自然増になっています。そうした積み重ねが人口減のスピードを緩めていくことにつながります。昨今、社会減対策として、子育てしやすいまちを標榜する自治体は加速度的に増えています。少ないパイの奪い合いになってしまうため、自治体の子育て支援は過当競争になり、結果として予算の多寡で優劣がつくことになってしまう。ですから、他市と同じ土俵ではなく、差別化を図ることができるアプローチをするほうが得策ではないかと考えます。そうした意味では、今年度から始まっている親子ワーケーション事業など、独自性が高く、とがった施策展開をすることで、ニュースバリューも生まれます。そうした観点でこの間、私も様々な御提言、特に先進的な案なども申し上げてきましたが、度々壁にぶつかりました。それは行政の前例主義です。社会増を目指すには、ほかの自治体が取り組んでいない事例を創出できるかが差別化につながってくると考えます。そのためにも、前例にとらわれない柔軟な発想での行政運営が望まれます。もちろん、そうした気概を持った理事者もいることは承知をしていますが、ここで問いたいのは、全体の体質としてのことであります。この点についていかがお考えか、お答え願います。ここで、関連する施策の各論について、もう幾つか触れたいと思います。移住促進にはPR、とりわけデジタルマーケティングが重要です。移住志向のある比較的若い層に対する広告のタッチポイントは、一般論として、グーグルなどの検索エンジン、ホームページへの誘導など、基本的にはウェブに関わる部分が多くを占めることとなります。ただ、SNSの広告はセオリーで言えば、移住の場合それほど効果的でない可能性があるということもお伝えしました。また、訴えかけ方、つまり広告コピーも重要です。データを多面的に取得し、事業後に効果を分析・検証することを意識したスキームにしなくてはならないと感じます。ここでPRに要する費用について伺います。直接的に移住を呼びかけることに使う広告費は年間どの程度の額を充てていますか。費用対効果のはかり方についても御説明ください。移住を呼びかけるターゲットについても、ペルソナ設定などで、より戦略性が高まることは、以前から申し上げてきました。ここでUターン・Jターン希望者をターゲットとした事業について伺います。Uターン・Jターンということは、進学等をきっかけとして地元を離れていた小樽市ないしは近隣の出身者で、その方々を呼び込むということです。移住先がふるさとの近隣であるということになれば、転居の心理的障壁も低くなると考えられます。本市で行われている移住・定住促進住宅取得費等補助金の事業は、対象者としてUターンの方が多く当てはまることと思います。この事業は、移住者が中古住宅取得をする際、市内に2年以上、親ないし子がいて、3世代同居か近居になるという場合に、最大で100万円の補助を受けられるというものです。申し上げたように、中古物件の取得、3世代同居・近居を要件とする補助だと認識していますが、1点目として、本事業において、近居とはどのように定義されていますか。既存の建築ストックである中古物件を活用するということで、空き家対策にもつながるものと考えます。空き家問題は、本市でも様々生じていますが、空き家バンクの制度は、現状登録もほとんどなく、ある種、形骸化しています。制度見直しの必要性を感じますし、移住施策や子育て世帯の住宅施策など他の事業との連携をして、発展させていくことを求めて伺います。移住・定住促進住宅取得費等補助事業と建設部における空き家対策、例えば、空き家バンクとの事業間の関連性についてはどのようになっていますか。人口減少は、様々な要因が複雑に絡み合って起こっているのは周知のとおりで、解決するためには、様々な施策を負担して有機的に結びつけなくては効果は最大化できませんし、同時にミクロの視点で各課題も理解しなくてはいけません。木を見て森も見るというイメージです。ここで、自然減、とりわけ少子化対策の話をいたします。政府も異次元、次元の異なる少子化対策と言っていたことを受け、これで本市の少子化問題が解決に導かれることを期待していたのが本音でもありましたが、6月13日の会見で示された内容を拝見し、やはり小樽市が頑張らなくてはいけないと理解をいたしました。自然減を克服するには長い年月を要します。一度に多くの方が亡くなることはあれど、一度に産まれる子供の数には限度がありますし、今日、産まれた子供が明日、二十歳になるというようなことは起こり得ないのです。かといって、自然減は仕方ないと諦めることもできません。小樽市の合計特殊出生率について、全国、北海道と比較しても低い水準にあります。第7期小樽市総合計画における合計特殊出生率の目標値は、令和元年から10年の平均で1.27となっています。数値目標の設定の際の算定根拠と、昨年までの平均値についてお示しください。また、少子化対策は、まさに国を挙げて取り組む大きな課題です。本市も合計特殊出生率の目標を上方に見直し修正することは考えられますか。政府の目標は2030年の出生率1.8を目指すということで、小樽市も現状より上を目指していかなくてはなりませんし、それにはやはり長期的な施策を要します。ただ、少子化が問題だとこれだけ言われていても、多くの方は我が事として考えていないとも言われています。それはそれで理解もできるのです。そもそも少子化が大変だから地域や国のために子供を産もうという話ではないからです。日本が置かれている少子化の現状として、1990年代産まれの方が出産に適した年齢であるうちに手を打たなくてはならない。比較的経済の余裕のある家庭で子供が増え、そうでないところで減っている。子育て支援は、産んでも大丈夫と思えるような一つのファクターでしかなく、子育て支援と少子化対策は重なるところはあってもイコールではない。かつてと比べて、近年は一人っ子も減っていって、子を持つ世帯の平均では約1.9人。そして、望む方が第1子にたどり着かないことも大きな原因。これらは、本市にとっても当てはまることだと考えます。特に、第1子にたどり着かないということには、収入との関連が深いということが示されています。かつて子供は労働力でした。多産多死の時代から、医療や食の進歩で多産少子になり、社会的価値観の変容で少産少死になっていく。産業革命前後で多くの国家がたどった道です。労働力としての子供という価値観は今の社会にそぐわないことから、家計にとっては、基本的には子供は支出となり、育てるのにはお金がかかるから、経済的余裕がない方は、子供を諦めるということになります。それゆえ、以前も申し上げましたが、経済的な理由から子供を諦めることがないようにすることが望ましく、若年層の未婚カップルあるいは既婚の低所得世帯に対してのサポートが必要になってきます。これは金銭の直接的な支援にのみ限られるものではありません。労働者のリスキリングを支援することで職能給的なものが加算されるようになること、転職でキャリアアップを図ることもできます。また、事業所に対し生産性向上のための支援を行うこと、商品の付加価値を上げていくことで給与水準を高めていくことなども考えられます。本市では、少子化対策として、このような取組は行っていますか。若者が社会に出る際、雇用形態が正規か非正規かが、後の婚姻率に影響を及ぼすという研究データもあります。つまり、通年での雇用、安定した収入は、出生数増加に寄与すると言えます。その観点で地域経済について伺っていきます。本市の産業構造として、観光が基幹産業であることから、第三次産業、サービス業の従事者が多くなっています。全国的に見ても、サービス業では非正規の雇用形態が多く、女性がその役割を多く担っています。配偶者がいる場合、控除の都合で意図している人も少なくないため、望む・望まない非正規の実態が見えづらい状況ですが、いずれにしても正規雇用に比べると収入の安定性を欠くことは確かです。また、製造業では、昨今の物価高によって、仕入れ値も上がっているが、売れなくなるからコストカットのために人件費を抑える。現場は人手不足で激務だけれども給料は上がらない。こうしたいびつな経済構造は、本市にも見られる状況です。商品価格に適正な人件費を転嫁させなければ、消費のための原資が生まれません。極端にデフォルメして申し上げれば、物価とともにしっかりと所得が上がるというのが経済成長のメカニズムでありましょう。そのためにも、今般の円安の状況下で戦略的に外需を取り込まない手はありません。インバウンド客に向けた高価格帯の商品の造成、あるいは国外マーケットに向けた販路拡大は、本市の経済回復に向けた道筋になろうかと考えます。海外に向けた販路拡大に関して、本市が行う既存の事業にはどのようなものがありますか。あるいは、助成など間接的に関わる事業はどうですか。あわせて、効果の検証についても御説明をいただけますか。高単価の商品という意味では、観光の分野においても、富裕層観光あるいは高付加価値型観光という価格帯の旅行形態もあります。一度の旅行で1人100万円以上の消費額というのが定義とされています。シンプルに考えても、コストカットで低廉な商品造成には限界がありますが、高価にするのは青天井であるため、大いに伸び代があると考えます。高付加価値、高単価の観光商品のコンテンツ造成に対する本市の御所見はいかがですか。アクティビティーや文化体験などで滞在時間を延長させ、小樽市のまちの魅力を満喫していただく。そして、薄利多売ではなく、客単価を上げることで、接遇の質や商品価値を高めることにもつながる。それがサービス業の待遇改善にもつながり、ひいては小樽経済全体に波及し、好循環を生み出していく。付加価値が高いということは、非代替性が高いということです。まちとして、他の観光都市との差別化、人で言えば、スキルを身につけることでその収入を上げていくということにつながります。ここで、現状の雇用環境について伺います。本市の観光産業における正規・非正規職員の割合について、どのように押さえていますか。富裕層観光のように、高価格帯の宿泊を勘案すれば、観光税の仕組みも再考の余地があると考えます。宿泊税に関しては、定額の方向性が示されてきましたが、1泊1万円の部屋と1泊20万円の部屋、どちらも同じ額でよいのでしょうか。観光税の議論において想定する宿泊料の幅が狭いようにも感じます。本市の見解を求めます。もっと言うと、宿泊税は定額ではなく、率、つまり料金に対しての割合で考えるほうがよいと考えます。定額制は、低廉な料金を求めるお客様に対して逆進性が高くなってしまうとも感じますが、いかがですか。観光税を基にして、さらに観光客を呼び込めるよう環境整備を行う。そこでまた観光税収入が上がるといった好循環をつくることが望まれます。次に、企業誘致等に関連してお聞きします。広域での大きな開発などに関わり、情報を集めて、中期的なスパンで流れを予測し、先んじて動くということが、他市と比較して優位性を得ることにつながります。例えば、世界的に半導体が不足する中で、千歳市にはラピダス株式会社が5兆円規模で工場を造るということは、連日の報道で御承知のとおりであります。周辺地域にも経済波及効果がもたらされると考えると、早期に手を打つ必要もあります。半導体関連産業への企業誘致は戦略的に行うべきと考えますが、御見解を求めます。ラピダス株式会社関連でもう1点。他の自治体との連携体制や情報共有などについてお考えがあればお聞かせください。人口減少対策と地域経済雇用対策についても一体的に取り組んでいただきたく思います。ここまで、人口減少に歯止めをかける対策について伺ってきましたが、対策をしてもなお、現実論として、今後100年にわたりペースの緩急はあれど、人口が減ることからは逃れることはできません。しかるに、人口減に耐え得る社会と行政組織をどうしたら構築できるのかも、より具体に想定していかなくてはならないのです。その観点から、以前もお聞きしていますが、人口減少が続く中での行財政運営について、市としての大きなビジョンをお聞かせください。全体的にダウンサイジングしていくのか、あるいは強弱をつけながら、まさに選択と集中でドラスチックに変えていくことになるのでしょうか。次に、交流人口と関係人口について伺います。交流人口とは、簡単に申し上げると、観光等の目的で地域の外から訪れる方々で、その地域への思い入れはそれほど高くない方のことを指している言葉です。類似の語句として、関係人口があります。観光以上定住未満とも表現されますが、地域貢献志向、地域支援志向など、交流人口と比較して情緒的な応援の意思が付加されるものです。毎年、ふるさと納税をしていただける方のように物理的な往来がないという方も関係人口に分類されます。人口が減る分、交流人口、関係人口の増加で補うという考え方もできるかと思います。ハードリピーター化や二地域居住の推進について、さらに可能性を探ることを検討していただけませんか。場合によっては、定住以上にまちと深く関わる方もいることから、新たな地域コミュニティーの在り方として強く意識していただくようお願いするところです。そこから最後に、本市の将来像の共有についてです。総務省が作成を呼びかける地域の未来予測に関して、以前お聞きした折には、小樽の将来像の可視化は必要だと市長からも御答弁をいただけました。そうした理念の共感から、次は実際に動き出すフェーズに入っていただきたいのです。このままの将来と、うまくいった将来など、市民の皆さんと意識を共有できる方法を具体的に御検討いただけないでしょうか。この質問中に申し上げた、前例主義から脱却することは、イノベーティブな地域を目指すこととも言い換えられます。かつて小樽市は、高速で近代化が進む、技術でもカルチャーでも最先端のまちでありました。それは今でも誇らしくある一方で、先人たちの遺産だけでなく、我々が自ら立つことができるよう、矜持を新たにしてまいりましょう。以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の御質問にお答えをいたします。人口減少について御質問がありました。初めに、社会減と自然減についてですが、まず、社会減への対応を強化する理由につきましては、本市のみならず我が国全体の少子高齢化が進む中、一自治体のみで自然減に歯止めをかけることは難しく、時間を要することが想定されますので、まずは、政策による効果が見込まれる移住や定住の促進など、社会減に歯止めをかける取組を重点的に進めることとしたものであります。次に、社会減対策として位置づける主な事業につきましては、子育てに関する事業としては、保育料の引下げをはじめとした子育て世帯の負担軽減や、産婦健康診査費用の助成など、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を実施し、仕事に関する事業としては、サテライトオフィスの誘致に向けた事業や、若者の創業支援の強化など、新たな雇用の場の創出や、新規創業への支援を実施しております。また、移住に関する事業としては、相談体制の充実を図るため、おたる移住・起業「ひと旗」サポートセンターを運営するなど、子育て、仕事、移住の三つの対策を柱に、社会減対策に取り組んでいるところであります。次に、社会減対策の数値目標の設定につきましては、社会減の抑制は、市の事業全体の取組による効果の現れと考えられるため、政策ごとに効果を測定することが難しく、具体的な数値の設定はしておりませんが、目指すところは、転出者の減少と、転入者の増加による社会動態の改善であります。次に、組織として前例にとらわれない行政運営につきましては、戦略的な人口減少対策に取り組むため、人口戦略推進本部を設置するとともに、今後は、若手職員で構成する戦略的な政策検討グループを設置する予定であります。これら新たな組織により、分野横断的な取組を検討し、全部局の職員が一体となって、本市の強みや特性を生かした施策を進めてまいりたいと考えております。次に、直接的に移住を呼びかけるウェブ広告費につきましては、令和4年は、オンライン移住体験ツアーとテレワークモニターツアーの参加者募集の際に、大手検索エンジンのグーグルやヤフーにおいて、本市のサイトへ誘導するためのウェブ広告などを掲載し、その費用は約50万円であります。また、費用対効果につきましては、広告の表示件数に対する本市のサイトへの誘導件数により測定をいたしております。次に、移住・定住促進住宅取得費等補助金における近居の定義につきましては、子育て世帯と親世帯が共に市内に居住することとしております。次に、移住・定住促進住宅取得費等補助金と本市の空き家対策の関連性につきましては、同補助金の活用を前提に、中古住宅の取得に関する相談を受けた場合には、空き家バンク制度に協力していただいている市内業者19社を紹介し、空き家の有効活用を図ることができるよう取組を進めております。次に、総合計画における合計特殊出生率の目標値につきましては、平成27年に策定した本市の人口ビジョンにおいて、国が目指した数値と同じ1.8を令和22年に達成するとした場合、5年ごとに0.136上昇していくことになるとした試算に基づき算定をしたものであります。また、実績の平均値につきましては、総合計画の初年度に当たる令和元年から直近の数値の令和3年までで申し上げますと、1.07となっております。次に、合計特殊出生率の目標値の見直しにつきましては、総合計画における基本計画の改定を令和6年度に予定をしており、設定されている各指標やその目標値を含め、見直し検討の対象としていることから、合計特殊出生率の目標値についても、社会情勢の変化や実績値の推移等を踏まえながら、検討することとしております。次に、市が行う事業者等への支援につきましては、事業者への支援として、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が導入する先端設備に関わる固定資産税の減免を行っているほか、地域雇用活性化推進事業や小樽産品販路拡大強化支援事業で市内事業者の商品の開発や改善などの支援を行っております。また、労働者への支援として、就農直後の経営確立を支援する助成を行っているほか、季節労働者の通年雇用化を促進する小樽市季節労働者通年雇用促進協議会が行う技能資格取得支援事業等への補助を行っております。こうした取組は、事業者の収益力を高め、市民の所得の向上や雇用の確保につながることから、少子化対策に寄与するものと考えております。次に、人口減少と地域経済についてですが、まず、事業者への海外販路拡大支援等につきましては、札幌市や札幌物産協会などで構成する札幌食と観光国際実行委員会に自治体会員として負担金を支出しており、海外バイヤー向け商談会などの事業に市内企業数社が参加し、成約に至っていることを確認いたしております。また、間接的な支援等につきましては、農林水産省が実施する食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備緊急対策事業に申請する事業者へ間接補助を行っており、申請時に輸出事業計画を策定しておりますので、今後、計画の進捗確認により、効果を検証してまいります。次に、高付加価値、高単価の観光商品のコンテンツ造成に対する本市の所見につきましては、宿泊施設の高付加価値化改修などの設備投資や、本市の持つ歴史、文化、港、自然などを生かした魅力ある旅行商品の造成などにより、富裕層の誘客が期待をされます。これらの取組を通じ、観光事業者の収益が向上することで、さらなる設備投資や従業員の待遇改善など、雇用の確保や安定、所得の増加が見込まれることから、地域経済の好循環につながるものと考えております。次に、本市の観光産業における正規・非正規職員の割合につきましては、市では現在、観光産業を抽出した調査は行っておりませんが、毎年度、小樽市労働実態調査において、日本標準産業分類に準拠した産業別の従業員の構成割合を調査しております。その中で、観光産業に分類される事業者が多く含まれると考えられる飲食店、宿泊業における令和4年度の従業員構成は、正規従業員の割合が35.9%、非正規従業員の割合が64.1%となっております。本市の産業全体の正規従業員の割合は64.7%でありますので、観光産業における正規従業員の割合は低いものと推測をしております。次に、観光税議論で想定する宿泊料の幅につきましては、令和4年8月、本市が宿泊施設を対象に実施をした宿泊税導入の検討に係るアンケート調査によりますと、最高となる5万円以上の部屋数は1%に満たない状況であることから、現状の想定は妥当であるというふうに考えております。次に、宿泊税の税率・税額につきましては、本年2月に手交された小樽市観光税導入に係る有識者会議からの提言書では、「簡素な制度で広く負担を求めることが望ましく、また、宿泊料金によって宿泊者が享受する行政サービスの程度に違いはないことなど、公平性及び応益性の観点から、「定額制」による一律での課税とし、宿泊料金での段階税率は設けるべきではない。」とされており、現時点では定額制が望ましいと考えております。次に、半導体関連産業の企業誘致につきましては、ラピダス株式会社が技術開発、量産製造を目指す半導体は、最先端の次世代型半導体であることから、高度な技術力が求められ、参入障壁は高いものと考えておりますが、半導体関連産業の設備投資動向も注視しながら、本市に立地可能性があるターゲット企業を選定し、誘致に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。次に、他の自治体との連携体制や情報共有につきましては、北海道などが主催する半導体産業セミナーや次世代半導体プロジェクトに関する説明会に職員を参加させているほか、北海道へのデータセンター立地活動を行う、北海道ニュートピアデータセンター研究会などから関連する情報を収集しております。また、石狩湾新港地域への企業誘致に関しましては、石狩市や石狩開発株式会社などとも情報共有しながら、本市への立地に向け連携して取り組んでまいりたいと考えております。次に、人口減少下の自治体運営についてですが、まず、今後の本市の行財政運営につきましては、人口減少や少子高齢化により、市税などの一般財源収入の確保が難しくなることが想定され、また、老朽化した公共施設の建て替えなどが控えている状況において、中長期的な視点も持ちながら収支改善に取り組むことで、将来にわたり行政サービスを安定的に提供できる、持続可能な財政構造の確立を目指す必要があるものと考えております。一方で、限られた財源の中ではありますが、将来に向けた重要課題である人口対策、自治体DXの推進、脱炭素社会の実現などに対しては、後年度の財政負担に留意しながらも、財源を重点的に配分するなどのめり張りをつけながら取り組んでまいりたいと考えております。次に、二地域居住の可能性の検討につきましては、コロナ禍をきっかけに、働き方や住まいに対する考え方の変化が加速していることから、二地域居住の研究も進めながら、関係人口の創出や拡大に取り組んでまいりたいと考えております。次に、小樽の将来像を市民の皆さんと共有できる方法の具体的な検討につきましては、国が提供する地域の未来予測やリーサス、千葉大学が提供する地域の未来カルテなどの分析ツールにより、グラフで地域の現状や将来像の可視化が可能になってきておりますが、より分かりやすい情報共有手法などを研究しながら引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 髙橋龍

幾つか再質問をさせていただきたいと思います。まず、社会減対策の目標設定に関してなのですけれども、やはり施策ごと一つ一つ図ることが難しいので設定はしていないのだという御答弁をいただきました。これは一つ一つの施策ということではなくて、例えば全体的な目標設定みたいなことができるのではないかというふうに思ってはいるのです。ただ、その分析をするときに何が要因か分からないから、設定をする意味があまりないのだと言われてしまえばそうなのかもしれないのですけれども、これは、合計特殊出生率を上方修正する、見直しを検討するというようなお話もありましたので、例えば総合計画の中間見直し等で、こちらも社会減対策としてある程度、その目標設定みたいなのは考えていただけないかというふうに思うのです。こちらに関しての御見解をいただきたいというのがまず1点目です。次に、空き家バンクの関係で、今連携はしているということでお示しをいただきましたが、ただ、問題としては、やはり空き家バンクの絶対数が少ないということだったのです、きっと。なので空き家バンクそのものに、てこ入れの必要もあるのかというふうに感じていますけれども、こちらに関しても、少しお考えをいただければと思います。3点目です。経済政策、各種事業に関して少子化対策として行っていますかというふうに聞いたものに対しての御答弁で、関連はしているから少子化対策の一環でもあるというようなお答えだったのですけれども、私が聞きたかったことというのは、少子化対策を意識してこの事業設計を行っているかということなのです。なので、今いただいたお答えというのは、そういう意味でも、入り口の時点で当てはまるのだということでお答えいただいたということなのか、改めてお聞かせ願いたいと思います。そして、観光税の議論の部分です。本市の観光税の議論の中で、宿泊料金の設定、幅が狭いのではないかというお話をさせていただいて、御答弁としては5万円以上の部屋が少ないから、必ずしも議論の中で、料金設定の幅が狭いというわけではないということでお答えをいただいたのですけれども、他方で、今、高付加価値化を図っていくということになっているわけです。そう考えると、その部屋数の割合だけではなくて、売上げベースで見ていかなければいけないのではないかと思うのです。つまり、1万円の部屋を100室売るというのと、100万円の部屋を1室売るということで、同じ売上げにはなりますけれども、前者であれば、例えば、今お話にあった数百円、200円とかの議論で言うと200掛ける100室分だけれども、後者であれば、100万円分の部屋1室で200円、ここは見直していく必要があるのではないかというふうに感じたということなのです。この件に関して、もう少し売上げベースでの議論みたいなものは検討していただけないかとは思うのですけれども、この点をお聞きして、再質問は終わりたいと思います。以上、御答弁をお願いいたします。

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の再質問にお答えをさせていただきます。1点目は、社会減の目標設定について考えられないかというお尋ねでございましたけれども、何らかの目標設定というのはやはり必要だというふうに思っております。例えば、少し調べてまいりましたけれども、転出の数で見ますと、平成20年頃というのは、転出者数というのが毎年5,000人ぐらいおりましたけれども、令和4年で見ますと転出者というのは3,500人程度ということで、この転出者数というのが、この十数年で減少傾向にあるのですけれども、こういった社会減がどうして減ってきているのか。小樽市にとってはいい傾向ではありますけれども、こういった動態をしっかりと分析していかなければ目標設定の根拠にはなかなかなり得ないと思いますので、まずはこういった社会減の動き、要するに転出の動きですとか、転入の動きだとか、こういったものをしっかり分析をさせていただいて、その上で、今お尋ねがあったのは、総合計画の見直しのときにでも目標設定はできないかということでございましたけれども、それに向けて、根拠がしっかりと把握できれば、目標設定につなげていきたいなというふうに思っております。それから、空き家バンクのことでございますけれども、空き家バンクと連携していくということは大切な視点だというふうに思っておりますけれども、髙橋議員の御質問の中にもありましたけれども、空き家バンクそのものが形骸化しているということは、これは間違いなく事実だというふうに思っております。私としては、むしろ、もうやめてもいいのではないかというふうに思ってもいるくらいではあるのですけれども、もう少し検討させていただきたいと思います。なかなかこの空き家バンクが前に進んでいかない理由というのは、昨日の御答弁の中にもありましたけれども、処分したい空き家が郊外にあったりして不動産業者として扱いづらい、いわゆる市場性のない物件が多いということで、なかなか空き家バンクの中にのってこないものですから、この辺りは、課題はしっかりはっきりしていますので、この課題解決ができて、空き家バンクとしてしっかりと展開できるようであれば、その辺については考えていきたいなというふうに思っております。改正、てこ入れということでお尋ねがありましたけれども、てこ入れできるような要素があれば、てこ入れをしていきたいというふうに思っております。3点目でありますけれども、先ほど御答弁させていただいた経済対策が少子化対策につながるのか、あるいは意識したものなのかというお尋ねでありますけれども、私としては常々職員に言っておりますけれども、それぞれが担当している仕事が、人口減少対策なり、少子化につながっていくという意識を持って仕事をするようにという指示をしておりますので、この御答弁申し上げた事案だけではなくて、職員一人一人が関わっている事業、政策が少子化対策なり、人口対策につながっていくものだというふうに私は認識をしております。それから、観光税についてお尋ねがありました。本答弁の中では、部屋数で御答弁をさせていただきましたけれども、今、髙橋議員からは売上げベースで考えてはどうかということの御指摘がありましたけれども、観光税についての考え方については、先ほども御答弁させていただいたように、有識者会議からの提言というのを、いわゆる宿泊料金によって宿泊者が享受する行政サービスの程度に違いはない、この部分をしっかり尊重させていただきながら、進めさせていただきたいなというふうに思っているところで、御理解をいただければというふうに思っております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 髙橋龍

転出入の分析等に関しても、少し進めていただけるという旨の御答弁もありましたし、空き家バンクの今後に関しても少し考えていただけるということで御答弁をいただいて、ありがたいなというふうには思っておりますので、そこは引き続き、お願いをしたいと思います。そして、この空き家バンクに関連をして、空き家法の改正で住宅街等の空き家の利活用に関して、今までよりも法的な制約が少し外れるというようなお話も伺っていますので、そういったことも意識しながら小樽市の施策として展開していただければなというふうには思っております。細かい部分は、後の委員会でやらせていただきますので、今日に関してはこちらで終わらせていただきたいと思います。

出典:小樽市議会 令和5年第2回定例会 2023年6月21日 議事録 PDF(107ページ) 間違いを知らせる