小樽市議会 令和5年第1回定例会 2023年2月27日
行財政と組織について
2023年2月27日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「行財政と組織について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 髙橋龍
次に、行財政と組織に関する項目で質問をいたします。まずは、人材育成の切り口でお聞きします。自治体側の需要として、専門人材の雇用継続、拡大が見込まれます。そして、円滑に組織を動かしていくためにも、今後の職員配置のバランスや形を想像しなければなりません。専門的な人材が不足しているのは、地方自治体ではよく課題とされていますが、小樽の状況はどうなのでしょうか。本市として、現状不足しているのはどのような人材ですか。また、不足を補う方法としては、生え抜きで育成するか、新たに採用するか、外部委託をするかということになりますが、その辺りのバランスについて、考え方をお聞かせください。また、現在の職員配置とDXのような行政改革などが進んだ後に必要な人員は、部署によって変化が起こると予想されます。長期的な視点で考えると、人員配置のバランスはどのようになっていくという見通しですか。どのような部署、あるいは業務で多くの人員が必要となるのか。または、省力化によって、今よりも削減されていくのはどこなのかをお答えください。今後の人員配置が変わってくるならば、採用試験において重視するポイントや望むスキルなども変わってくることも推察されます。そうした考え方は、特に若い世代の採用や人事において重要になってくると思いますが、その点を見据えた人事的な面での戦略は立てているのかどうかもお聞きします。次に、会計年度任用職員の雇用に関する質問です。総務省の助言により、会計年度任用職員の採用の段において、公募の制度を取る自治体が増え、本市もその方向性を示していたと認識しています。公募は3年ごとに行われ、この春、本市でも更新時期になると報じられたのを御覧になった方もいらっしゃると存じます。その件につき、懸念となっている部分をお-40-聞きしたいと思います。まず、3年目公募について、法律で義務として定められているものではないことから、市が主体的な判断を行うことができると思いますが、その理解でよろしいのか確認をいたします。次に、公募制導入の是非を決めるまでに、どのような検討の経緯があったのでしょうか。この制度により、いわゆる雇い止めの懸念も出ると指摘をされています。引き続きの雇用を望むが、そうならない方は出てくるのでしょうか。一般論として、事実上の雇い止めになる方が出るとすれば、どのようなケースが想定されるのか、お示しください。そして、公募の要件については、どのように決められていますか。年齢や経験なども踏まえて、どう考えているのか。また、選考はどのようなプロセスなのか、お答えください。制度の必要性についても議論をしたく思います。本市の考える公募制のメリット、デメリットについて御説明ください。それも踏まえて伺いますが、そもそも雇い止めが発生するかどうかに関係なく、この公募制は不要であると言う識者の御意見もありますが、その点はどのようにお考えでしょうか。次に、DX、デジタルトランスフォーメーションについてです。まず、大前提として申し上げておくのは、なぜDXを進めるのか。その本質を見失ってはならないということです。あくまでも目指すところは、市民の方々が小樽のまちで幸せに暮らすこと。そのために、行政サービスの利便性向上と予算の最適化による効率的な行財政運営にしていかなくてはならない。したがって、デジタルの技術を積極導入しましょうということです。釈迦に説法かとは存じますが、あえてこう申し上げたのは、DXの議論をすると、方法論にフォーカスし過ぎて目的を見失うことがあるからです。ここからの質問においては、そうした考えに基づいたアプローチについて論ずるものであります。さて、振り返れば2015年の初当選から、ICT化の推進という形で市政各般にわたり御提言を申し上げてまいりました。当時、近い将来、自治体業務にAIが導入されるようになることから、先行して進めましょうと度々申し上げたものの、なかなか御理解いただけなかったことが思い起こされ、そして悔やまれます。その近い将来が、今現実となって訪れたからです。自治体DXを進めていくに当たり、業務の棚卸しやフローのデザインが重要とも以前に申し上げました。そこで関連して、コニカミノルタ株式会社が行った業務量調査について触れていきます。令和3年度に行われた本業務量調査において、職員がやるべきコア業務と職員でなくてもよいノンコア業務に大別されました。コア業務は、さらに細分化されて、ICTの活用で置き換えが可能なものが抽出されると伺っています。資料として配られた業務量調査の概要版には、その内訳が載っていないことから、まずはどのような業務がICTに置き換え可能と報告されたのかを伺います。本調査は、DXに向けた課題抽出の方法論の一つであり、正解例がこれしかないというものではありません。昨年11月に、デジタル庁のデジタル臨時行政調査会から、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第1.0版】というものも出されましたが、これもDX推進に当たり、デジタル転換可能な業務を抽出し変革するためのツールです。アナログ規制とは、デジタル技術が広く用いられる前に確立した、アナログ的手法が前提のルールを指すもので、DXの阻害要因が七つの項目に大別されます。その七項目とは、目視、実地監査、定期検査・点検、常駐・専任、対面講習、書面提示、往訪閲覧・縦覧のことです。先般の業務量調査で抽出されたICTへ置き換えるべき業務と地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第1.0版】、DXの進め方を示すものが二軸になってしまっているようにも見えます。その二つの考え方が違えば、当然方向性がぶれてしまいますが、それらを照らし合わせたとき、おおむ-41-ね整合性は取れているのでしょうか。差異があるとすれば、どのような部分ですか。また、一口にDXと申し上げておりますが、先ほどの七項目を見ても、それぞれの部署において該当する業務が存在します。スムーズにDXを進めるためには、デジタル推進室が、各部署に対し理想的な流れを早期に勧奨することが望ましいと考えますが、本市の考えを伺います。また、各部署はどのように関与していくのかも、お答え願います。次に、業務を置き換えていく際の優先度をつける判断基準は何かという点です。業務量調査によって示された業務の量、性質や予算などは基準となるのか。あるいは、別に指標とするものがあるのか、判断のよりどころについて御説明を願います。次に、予算案の中からDXに関連するものをお聞きします。民間の持つデータの活用、実証事業を行うとのことです。民間データといっても、その数は無数にありますが、どのような分野で、どんなデータを用いるかということは決めているのでしょうか。予算をつけるに当たり、試算の根拠としたのはどのような事業で、規模はどの程度なのでしょうか。民間の持つデータを行政として利活用することも大切ですが、行政データを民間が活用するということも重要であります。市の持つデータを使って何ができるのかという観点で、民間企業に活用法を募ることも有益と考えますが、今後そうした点も検討していただけませんか。また、民間での活用を図るためには、本市がどんなデータを持っているのか、その整理も必要になるかと考えます。現状、市長部局でデータとして保有しており、個人情報以外で民間で活用することが想定できるものについて例示をしてください。また、データ化されていないが、今後デジタルに移行しなくてはならないものがあるとすれば、どのようなものでしょうか。続いて、マイナンバーカードに関してです。交付率を向上させるための様々な動きが出ています。全てを否定するものではありませんが、懸念することはまだあり、もろ手を挙げて賛成というふうにも思えないのが正直なところです。いや応なく個人番号、つまりマイナンバーは付番をされていることから、行政としては、まずその番号によって業務は一定効率化されているものとも推察します。ここで、物理的なマイナンバーカードの話です。マイナンバーカードの交付率が上がらなくては作業効率も上がらないという、本市の業務、システムについて御説明願います。次に、 個人の意思の問題について。マイナンバーに口座情報のひもづけを拒否する場合には、それが尊重されるということでよろしいのでしょうか。大前提として、マイナンバーは行政側の管理を簡易にするためのものであり、直接的に住民側が恩恵を受けることはあまり多くないと考えています。そもそもマイナンバーカードの取得に対して大きなメリットが存在するなら、2万円のマイナポイントなどのようにインセンティブを与えずとも、皆が取得するのではないでしょうか。保険証や免許証を総合することや、交付率を交付税算定に用いるなど、個人と自治体双方へ取得を半ば強制的に進めているということには違和感を覚えてしまいます。マイナンバーの交付率によって交付税算定に影響があるとも言われますが、どの程度の影響であるのか、お答えください。以上、第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、行財政と組織について御質問がありました。初めに、人材育成についてですが、まず本市で現状不足している専門的人材につきましては、近年、土木などの専門職や、保育士などの免許、資格を必要とする職の確保に苦慮しているほか、直近ではデジタル人材の確保が課題と認識をしております。不足を補う方法としては、新規採用が基本と考えますが、特にデジタル人材については、民間のデジタル専門職の待遇を考えますと、正規職員での採用は難しい状況でありますが、庁内での育成を図りつつ、現在も行っている非常勤外部人材の登用のほか、外部委託も検討する必要があるものと考えております。次に、DX等が進んだ後の人員配置につきましては、AIやRPAなどのDXツールの活用により、データ入力やチェックなど、いわゆるノンコア業務に従事する人員が減少し、その分、政策形成などのコア業務に重点的に人員を配置することが考えられますが、現時点で省力化により削減となる部署を具体的にお示しすることはできません。次に、若い世代の採用や人事面での戦略につきましては、職員採用試験における総合適性検査で得られる職務適正などの結果も参考にしつつ、小樽市人材育成基本方針に掲げているとおり、採用後10年程度の間で複数部門の職務を経験させて、適性を見極めた上でスペシャリストとしての育成も含め、適材適所の人員配置を行うよう努めてまいりたいと考えております。次に、会計年度任用職員についてですが、まず3年目での公募につきましては、国から示されているマニュアルでは、任用時の選考において公募は法律上必須ではなく、任期ごとに客観的な能力実証を行い、適切に対応するよう要請されているにとどまっておりますので、市として主体的な判断を行うことは可能であると認識をしております。次に、公募制導入に関わる検討の経過につきましては、国から示されているマニュアルでは、任用時の選考において公募は法律上必須ではないものの、できる限り広く公募を行うことが望ましいこと、国の期間業務職員が公募によらず再度の任用を行うのは原則2回までとしていることが例示されておりましたので、多くの地方公共団体と同様に、本市においても国の例に準じ、令和2年度の会計年度任用職員制度導入時においては、公募によらない年度ごとの再度の任用は2回、トータルで3年までとしていたものであります。次に、事実上の雇い止めとなるケースにつきましては、公募を行った場合、現在任用中で継続を希望する方に加え、新たに任用を希望する方も応募する可能性がありますので、面接等による選考の結果、新たに任用を希望する方が採用となり、現在任用中の方が継続とならない場合もあるものと想定をされます。次に、公募の要件につきましては、制度導入時においては、年齢や経験、職種にかかわらず、公募によらない再度の任用を既に2回行った3年目の会計年度任用職員全てを公募対象とすることとしており、選考のプロセスにつきましては、市のホームページやハローワークにて公募情報を掲載し、各職場において応募した方の面接、選考を行い、任用者を決定することを考えていたものであります。次に、公募制のメリットにつきましては、より優れた人材を採用できる可能性があること、デメリットにつきましては、公募を経た結果、相当数の会計年度任用職員が入れ替わる可能性があり、行政の継続性や安定したサービスの維持に支障が生じるおそれがあることが挙げられます。また、公募制についての見解につきましては、国からの要請の趣旨を踏まえ、十分な能力実証が得られない場合には、公募する必要があるものと考えますが、公募によるデメリットを考慮し、今後3年目の会計年度任用職員の全てを公募対象とするのではなく、勤務成績が良好な職員については再び公募によらず-43-再度の任用を可能とするよう、運用の見直しを検討しているところであります。次に、DXについてですが、まず令和3年度業務量調査につきましては、今後における業務の効率化や改善を図る基礎データを集めたものであり、各業務のフローのどこにどのようなICTを導入すべきかについては分析されておらず、今後各部署において、業務フローを分析した上で適切なツールを選択していく必要があるものと考えております。しかしながら、本市においては、特に資料等作成、編集や相談、問合せについて全庁共通で業務時間が多いことが見えてきたことから、AI音声文字起こしやチャットボットなどのICTツールの活用により、全庁的な業務効率化が図られる可能性が高いとの報告をいただいております。次に、業務量調査と地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第1.0版】の整合性につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、業務量調査では、業務のどの作業手順をデジタル化するかということまでは分析されておりません。一方、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第1.0版】は、代表的なアナログ規制として七つの項目を選定し、実際にそのデジタル化を推進することとしているものでありますので、この二つにそもそも整合性の問題は生じないものと認識をしております。次に、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第1.0版】に対する取組の進め方につきましては、このマニュアルでは主体となる推進部門に関し、既存の総務部門や行政改革部門などが考えられているとされているところであります。今後、推進部門が中心となり、記載されている見直しのプロセスを参考にしながら、全体的な方向性の検討を進めるとともに、条例、規則の改正が必要なものを取りまとめ、各部署においては、その方向性に従い、所管の条例、規則等の改正に着手するといった流れになるものと考えております。次に、業務をICTの活用により置き換えていく場合の優先度の判断基準につきましては、業務量調査によって明らかになった専門性が不要で定型的な作業については、業務時間の縮減効果が見込まれるものかどうかが判断基準となります。あわせて、ICTの活用には、そのツールごとに導入費用やその後の使用料などが発生することから、費用対効果についても判断基準の一つになるものと考えております。次に、民間データの活用実証事業につきましては、この事業はインターネットの検索サイトが保有する検索ワードや位置情報により、人々の興味、関心や特定地域の滞在人口推移などを分析する仕組みを導入するものであり、通行量調査や観光分野などで活用できると考えております。各職場においては、この仕組みを活用して探求的に分析をし、施策検討における基礎資料とするほか、EBPMの推進にも寄与することを目的としております。次に、行政データの民間企業における活用におきましては、民間企業が提案する制度としては、令和5年度から、いわゆる個人情報保護法において民間事業者から個人情報の活用について提案があった場合に、特定の個人の識別ができないよう加工した情報の提供ができる制度が、地方公共団体にも拡大されたところであります。この制度導入は任意であり、本市においては、現時点において実施する予定はありませんが、今後、他都市の動向を注視し、制度の実施について研究をしてまいりたいと考えております。次に、市長部局で保有している民間で活用することが想定できるデータにつきましては、民間の自由な発想に基づいてデータが活用されることが想定されるため、基本的に市が保有する全てのデータが対象となる可能性がありますので、特定のものを例示することは難しいと考えております。また、今後データ化を進めるべきものについては、各部署において、アナログ処理されているものはデジタル化を進めていくことが基本になるものと認識をしております。-44-次に、マイナンバーに関連してについてですが、まずマイナンバーカードの交付率と作業効率が連動する業務などにつきましては、これまではマイナンバーカードの交付率が本市の作業効率に影響を及ぼすようなものはなかったと認識をしております。今後、マイナンバーカードの保有を前提とした住民票や印鑑登録証のコンビニ交付、子育て分野などのオンライン申請の開始といった手続の利便性向上を図っていく中で、マイナンバーカードの普及によるアナログ処理のデジタル化が進み、これに伴い、業務の作業効率も上がっていくものと考えております。次に、マイナンバーとの公金振込口座情報のひもづけにつきましては、国において明確な意思表示をすれば、ひもづけを拒否することができる仕組みを検討していると認識をいたしております。次に、マイナンバーカードの交付率が地方交付税算定に与える影響につきましては、国の令和5年度地方財政計画において、全ての市町村で基準財政需要額が増額するように算定をした上で、交付率の上位3分の1の市町村にはさらに手厚くするとの見解が示されたところであります。なお、現時点では、増額される需要額や交付率の基準日などの詳細は示されていないことから、影響額についてお示しすることはできません。