小樽市議会 令和4年第1回定例会 2022年2月28日
財政問題について
2022年2月28日、小樽市議会の一般質問で、高橋克幸議員が「財政問題について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 高橋克幸 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 高橋克幸
令和4年第1回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。新型コロナウイルス感染症が発症して2年が経過いたしました。今年初頭からオミクロン株への変異により、爆発的な感染拡大が起こっており、経験したことのない状況にあります。この間、感染症でお亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げます。また、これまで感染症対策に関わってこられた医療従事者の皆様、保健所や担当職員の皆様、そして、これまで長期間にわたり、直接現場で対応されている関係者の皆様に心から敬意を表するものであります。できる限り早期にこの危機を乗り越えられるよう、強く念願をいたします。それでは、質問に入ります。初めに、財政問題であります。収支改善プランの中間点についてであります。-39-本市では、今後、人口減少が続くものと予想され、地方税や地方交付税など一般財源の収入の減少が見込まれており、さらに厳しい財政状況が続くと考えられます。これまで平成30年11月に収支改善プランの策定を行い、財源不足の解消や他会計や基金からの借入れに依存しない財政健全化を目指し、財政運営に取り組んでこられたと思いますが、令和4年度にプラン期間の中間点を迎えるに当たってどのように検証されたのか、これまでの効果額とその主な内容、そして、今後の課題や問題点も含め、見解を伺います。次に、歳入、歳出について伺います。歳入についてであります。一般会計の中で一般財源の約9割近くを占めている市税と地方交付税の増減が、予算編成に大きな影響を与えます。市税全体では、対前年度比で約3億1,000万円の増額となっており、その内訳として、個人市民税では、約3億1,000万円の増、法人市民税では約5,000万円の増、固定資産税では約6,000万円の減、都市計画税では約150万円の減、たばこ税では約2,000万円の減であります。これらの増減の理由と市民税の直近5年間の推移で、平成30年度と令和4年度を比較し、傾向も含めお答えください。次に、地方交付税の対前年度比では、普通交付税は約8億1,000万円の増であり、特別交付税は増減がなし、臨時財政対策債は約12億1,000万円の減となりました。普通交付税が大きく増となり、逆に臨時財政対策債が大幅な減となっているようですが、それぞれどのように算出されたのか、これらの増減の理由とともにお示しください。地方交付税の算定方法は、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた額であり、いわゆる財源不足額と言われているものであります。また、基準財政需要額の算定方法は、国で定められた算定項目ごとに単位費用、測定単位、補正係数を掛け算で算出されたものの合計であります。この中で、測定単位は自治体の人口とする項目が多くあり、人口減少が確実に基準財政需要額に反映されるため影響が大きく、結果、地方交付税の減少が続くものと思います。ここ数年は、財政調整基金を取り崩して予算編成を繰り返しており、本市の脆弱な財政構造を考えるとき、財政状況は厳しく、財政調整基金頼みでは限界であります。今後の財政の課題について、市長の見解を伺います。次に、歳出であります。経費別では、人件費が対前年度比で約1億3,000万円の減、扶助費が約2億4,000万円の減、公債費が約6億円の減、建設事業費が約9億6,000万円の増となっております。それぞれの主な要因についてお示しください。公債費ですが、最近の傾向として減少傾向にあります。地方債は、ある程度の範囲内で活用すべきことは当然ですが、後年度の財政負担を生ずることから、その限度をどこに求めるかが問題であります。通常、健全性に影響を与えないためには、公債費比率は10%を超えないことが望ましいと言われております。今後、小樽市公共施設長寿命化計画等の実施により、公債費比率の増加が懸念されるところでありますが、公債費比率の上限設定について、どのように考えているのか見解を伺います。次に、他会計借入金の償還であります。平成23年度をピークに、毎年着実に償還が行われ、先が見える状態になってまいりました。他会計からのそれぞれの借入残高と今後の償還計画及び償還最終年度について、お示しください。また、他会計借入金の償還終了による今後の財政の影響についてどのように考えられているのか、見解を伺います。次に、財源対策基金であります。他都市においても財源対策は重要課題の一つであり、様々な検討の上で対策を行っているようであります。特に最近顕著なのはふるさと納税であり、紋別市や根室市は、全国でも常に上位にランキングされて-40-おります。自治体ではいろいろな対策のために基金を創設し、政策を実行しているようであります。本市においては、他都市を参考に対策を検討し、昨年度よりもさらに増額傾向と伺っておりますが、今年度の状況について、増収対策の内容及び対前年度比でお示しください。また、今後のふるさと納税の対策について、見解を伺います。今後の市税の増収対策として新たな市税の検討や企業誘致など、プラス要素の財源対策はどのように考えているのか、市長の見解を伺います。次に、基金であります。基金は地方自治法第241条で、普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、または定額の資金を運用するために設ける財産であると規定をされております。積立基金には、財政調整基金、減債基金、特定目的基金に区分されるようであります。財政調整基金は、地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するための基金であり、近年の予算編成では必要な財源となっております。地方財政法第7条第1項では、「地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち二分の一を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌々年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない」と定められております。厳しい財政状況にあっては、この基金の積立ては重要であります。財政調整基金の残高規模の考え方ですが、他都市では一定の割合を目標として設定しており、平均では、標準財政規模の10%程度が適正という考え方で進めているようであります。仮にこの考え方で行くと、本市の標準財政規模とその10%程度とはどのような数値になるのか、お示しください。この残高規模の目標設定は必要と思いますが、どのように考えられているのか、見解を伺います。減債基金であります。この基金は、市債の償還財産を確保し、将来の負担軽減と財政の健全な運営に資するための資金を積み立てることを目的に設置された基金であります。本市の状況では、小樽市の概況によりますと、平成16年度以降、残高はなく、現在まで積み立てておらず、ゼロのままであります。補正予算では、減債基金積立金として約4億2,000万円が計上されております。これまで積立てがなかった減債基金の経緯と、このたび積立金が計上された理由、そして、どのように算定されたのか、お示しください。減債基金の考え方では、償還のための計画的な積立てにより、将来の負担軽減と世代間の負担の公平性や次の世代に負担を先送りすることを予防できると言われているようであります。法的に積立て基準はないようですが、他都市でも行われている一定の基準が必要と思いますが、どのように考えられているのか、見解を伺います。次に、令和3年度の決算の見通しについてであります。除雪費の増額等で懸念されるところでありますが、現在の状況で決算の見通しを、分かる範囲でお示しください。これからの市政運営を考えますと、財政上の観点から、これまで以上に選択と集中という政治的判断が求められると思いますが、今後の財政運営の考え方について、市長の見解を伺います。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
高橋克幸議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、財政問題について御質問がありました。初めに、収支改善プランの中間点についてですが、これまでの効果額と主な内容につきましては、計画1年目であります令和元年度の効果額は約2億6,800万円で、プランの見込みよりも約5,700万円の減となりました。主な要因といたしましては、「資産の有効活用・遊休資産の売却」の取組において歳入増が図られた一方、歳出減の見込み効果額の大きな要素を占める「臨時費全般の削減」の取組においては、予算編成時の経費の精査による節減などにより、目標値を設定しておりましたが、達成に至りませんでした。計画2年目であります令和2年度の効果額は約9,300万円で、プランの見込みよりも約3億3,300万円の減となりました。これは「ふるさと納税制度の更なる推進」の取組において、見込みより大きく増収が図られた一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、市税や使用料・手数料などの歳入が大きく減少したことによるものであります。また、「臨時費全般の削減」の取組については、前年度に引き続き目標値の達成には至りませんでした。次に、今後の課題等につきましては、歳入増の取組においては、ふるさと納税の税収が図られましたが、歳出減の取組においては、プランの目標値に到達できていない状況であることから、今年度に外部の視点から業務の現状把握する業務量調査を実施したところであり、今後、本調査結果を参考に業務の効率化を推進し、将来的な経費の削減につなげる必要があるものと考えております。次に、歳入、歳出についてですが、まず、市税の対前年比の増減理由につきましては、個人市民税の増収は、令和3年度は新型コロナウイルス感染症による影響を、リーマンショック時の減少幅を参考にして納税義務者の減や1人当たりの所得金額の減を見込みましたが、4年度は3年度の決算見込みなどを参考に積算したところであります。法人市民税の増収は、新型コロナウイルス感染症による影響は限定的であったことによるものであります。固定資産税及び都市計画税の減収は、令和3年度の新型コロナウイルス感染症等に関わる軽減措置が終了したことによる増要素はあるものの、特例猶予の納期到来による収入増が3年度で終了したことなどにより減少したものであります。たばこ税の減収は、健康志向の高まりや健康増進法の改正による喫煙可能場所の限定などにより消費量の減少が続いていることによるものであります。また、市民税の推移につきましては、平成30年度と令和4年度の当初予算の比較でお答えいたしますが、個人市民税は約1億9,000万円の減、率にして約4.5%の減となっており、傾向としては2年度まではほぼ横ばいでしたが、3年度は新型コロナウイルス感染症の影響による大きな減、4年度は3年度の決算見込みなどを参考に積算したことによる増となっております。法人市民税は約4億円の減、率にして約28.2%の減となっており減額傾向でしたが、3年度と比較して4年度は増となっております。次に、普通交付税と臨時財政対策債の算出内容と増減理由につきましては、普通交付税においては、基準財政収入額は全国的な地方税の増減率を勘案して増と見込む一方で、基準財政需要額については人口減少や生活保護費が減となるものの、臨時財政対策債への振替額が少なくなったことにより大きく増加したことから、昨年度よりも増加するものと見込んでおります。一方で、臨時財政対策債については、国は地方の税収増を背景に臨時財政対策債の発行額を抑制しており、国から示された増減率を勘案すると令和3年度の決定額から大きく減少するものと見込んでおります。次に、今後における財政の課題につきましては、令和4年度当初予算編成においては、財政調整基金からの取崩し額を令和3年度当初予算と比べて約3億円圧縮したところであります。しかしながら、財政調-42-整基金の取崩しによる収支均衡予算を編成する状況は変わっておらず、財政の健全化は道半ばであります。今後は財政調整基金に頼らない予算編成にしていくことが課題であるものと考えております。次に、経費ごとの主な対前年度増減要因につきましては、人件費は定年退職予定者数の減などにより退職手当で約7,400万円、扶助費は医療扶助費における利用見込額の減などにより生活保護費で約4億800万円、交際費は徴収猶予特例債の皆減などにより約4億6,000万円、それぞれ減少いたしました。一方で、建設事業費は、忍路中央小学校の校舎等耐震補強等事業費で約5億800万円、(仮称)堺町駐車場整備事業費で約3億8,800万円、クルーズターミナル整備事業費で約2億7,400万円、それぞれ増加したものであります。次に、公債費比率の上限設定につきましては、直近の令和2年度決算における公債費比率は5.3%であり、健全性の観点から一般的に望ましいとされる10%の半分程度であることから、現時点で設定を行う考えはありません。しかしながら、今後、事業規模が大きい建設事業が予定されており、主な財源として市債が想定されることから、公債費比率が高くなることも懸念されるため、今後においても後年度の負担が過度にならないよう、計画された事業の実施に当たっては、その優先度や事業費、財源の有無などを十分に検討し、将来の公債費負担に留意する必要があるものと考えております。次に、他会計からの借入金につきましては、下水道事業会計の令和2年度末時点での借入残高は約10億6,900万円、償還最終年度は8年度、産業廃棄物等処分事業会計については同じく約8,000万円、6年度となっております。また、償還計画における元金償還額は、3年度が約2億7,200万円、4年度が約2億6,300万円、5年度が約2億6,400万円、6年度が約1億9,400万円、7年度が約1億1,400万円、8年度が約4,300万円となっております。次に、他会計借入金の償還終了が本市財政へ与える影響につきましては、毎年度の償還財源は一般財源であることから、償還終了により財政負担が軽減され、収支改善につながるものと認識をしております。次に、財源対策、基金についてですが、まず、ふるさと納税の今年度の状況と今後の対策につきましては、今年度の増収対策として寄附金額の細分化や返礼品の掘り起こしを図ったことなどにより、寄附金額の増加につながったものと考えており、寄附件数は対前年度比、約55%増の4万件、寄附金額は約75%増の6億5,000万円を見込んでおります。また、今後の対策といたしましては、引き続き魅力ある返礼品の掘り起こしに努めるとともに、寄附者の利便性の向上及び寄附金額の増加のため、寄附の受入れ窓口であるポータルサイトの増設に向け検討を進めてまいりたいと考えております。次に、今後の市税増収などの財源対策につきましては、新たな自主財源となり得る法定外目的税である観光税の導入に向けた検討については、新型コロナウイルス感染症の動向を注視しながら議論を進めたいと考えているほか、銭函工業団地や石狩湾新港地域への企業の立地は近年順調に進んでおり、今後、新たな設備投資や雇用の場の創出に伴う固定資産税や市民税の増収効果が期待されることから、産業展などへの出展や企業訪問など、引き続き企業誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。次に、財政調整基金の残高規模の目標設定につきましては、令和3年度における本市の標準財政規模は324億6,760万9,000円であり、仮にその10%が同基金残高の適正規模であると試算いたしますと約33億円となります。令和4年度当初予算編成では、財源対策として同基金から約4億8,000万円を取り崩して収支均衡を図っていることから、今すぐに残高の目標設定を行うことは難しいものと考えており、まずは当初予算編成において同基金に頼らない財政構造を目指し、着実に収支改善に取り組む必要があるものと考えております。次に、減債基金の積立ての経緯及び算定につきましては、減債基金は平成16年度からの「三位一体の改-43-革」による地方交付税の削減により財源不足が生じたことから全額を取り崩し、その後22年度決算において累積赤字は解消するも、年度間の財源の不均衡を調整するための基金である財政調整基金の確保を優先し、減債基金の積立ては行わなかったところであります。今回の補正予算による減債基金への積立ては、昨年12月の普通交付税再算定において国が臨時費目として臨時財政対策債償還基金費を創設し、これにより交付される額は後年の普通交付税算定に用いる臨時財政対策債償還費に算入されないこととなるため、将来の公債費負担に備え補正予算にて積み立てるものであります。なお、算定方法は、令和3年度臨時財政対策債発行可能額の27.4%を基準財政需要額として算定を行うとされております。次に、減債基金の積立基準の設定につきましては、同基金は市債の償還に必要な財源を確保し、将来にわたる市財政の健全な運営に資するために積み立てることを目的として設置される基金であります。本市においても、今後予定される建設事業の市債償還に備え、同基金に積立てを行うという考え方もありますが、一般財源を減債基金に積み立てられるまで財政状況が改善している状況にないことから、一定の基準を設けることは難しいものと考えております。次に、令和3年度の決算の見通しについてですが、まず3年度決算の見通しにつきましては、現時点では事業執行中の段階ではありますが、例年、歳出においては一定程度の不用額が見込まれるほか、3年度最終補正予算後の財政調整基金取崩し額は約3,800万円と前年同時期よりも大きく減少していることから、今後の歳入動向にも左右されますが、実質単年度収支の黒字化が視野に入ってきているものと考えております。次に、今後の財政運営につきましては、令和4年度の当初予算編成において事業の厳選に努めた結果、財源不足額を圧縮でき、当初予算編成後の財政調整基金を前年度より約11億円多い約20億円を確保することができました。一方で、想定を大きく上回る降雪による除雪費の増や、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず回復時期によってはさらなる歳入減が懸念されることから、決して気を緩めることなく、これまで以上に自主財源の確保や事業の厳選に努め、必要な施策に適切なタイミングで財政出動できるよう備えてまいりたいと考えております。