小樽市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月14日
(1)DX推進に関連して/(2)小樽の縄文遺跡に関連して
2022年9月14日、小樽市議会の一般質問で、高橋克幸議員が「DX推進に関連して」「小樽の縄文遺跡に関連して」について質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。
- 質問者
- 高橋克幸 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 高橋克幸
一般質問を行います。初めに、DX推進に関してであります。まず、毎回質問をしておりますが、認識共有と機運醸成(ステップ0)であります。ステップ0とは、自治体DXの認識共有と機運醸成であります。DXを推進するに当たり市長や幹部職員のリーダーシップや強いコミットメントが重要であり、その重要性を十分に理解すること、また、DXという言葉を聞いても具体的なイメージを抱きにくく、あるいは単なる電子化との誤解がある場合が多くあるようです。組織を挙げてDXを推進するに当たり、市長や幹部職員から一般職員までDXとはどういうものなのか、なぜ今DXを取り組む必要があるのかなど基礎的な共通理解を初めに形成することが不可欠であります。これまで市長と幹部職員等の研修会や説明会が行われているようですが、その主な内容とどのような認識共有がなされたのか市長の見解を伺います。また、約1年が経過しましたが、職員全体の認識共有と機運醸成はスタートした昨年と比較して確実に進んでいるのか、その状況と、また、今後の予定や課題についてお示しください。次のステップに進んでいくことを想定しますと、今後、外部人材が在籍できる年数を考えるとき、DX推進のためには、できるだけ早期に内部人材の育成を検討する必要があると思いますが、これについてどのように考えられているのかお示しください。次にRPAについてであります。2回目として、別なソフトでのRPA実証実験は昨年 10 月から本年1月末まで実証実験を行い、導入による効果があると応えた7部署、13 業務で 1,363 時間の削減効果と試算されております。担当した職員からの意見は、繁忙期における大量の入力処理を行わないため、精神的、肉体的な負担が軽減されたほか、正確に入力ができるとの声があった一方、RPAのロボットの作成やメンテナンスなどを不安に思う意見がありましたと以前の議会で答弁がありました。直接RPAに関する業務を経験された方は、着実に内容や効果を実感されたと思いますが、今後のRPAの推進についてどのように考えられているのか、各業務担当者と外部人材による相談効果も含め、見解を伺います。今年度のRPAに関する事業について入札が行われ、予定されていた事業が進められていくと思いますが、これまでの関連事業の経緯、経過についてお答えください。また、RPAの今後のスケジュールと主な内容をお示しください。全庁業務量調査により、今後対象となる部署でRPAの導入の検討が行われると思いますが、外部人材も含め、どのような体制で取り組まれるのか今後の課題や問題点も含め、お示しください。次に、全庁業務量調査についてであります。この調査は令和3年 11 月から令和4年1月の期間に行われ、対象部署は全庁で 77 課について実施されました。調査結果では年間作業量時間、約 204 万時間のうち、正規職員の対応が必要な業務、コア業務は全体の約 30%で、コア業務ではないもの、ノンコア業務は全体の約 70%を占めており、ノンコア業務の中でも専門性が不要で定型的な作業は全体の約 37%、また、正規職員の業務のうち、ノンコア業務は約 60%を占めているという結果が報告されました。この報告についてどのように受け止められているのか、改めて見解を伺います。次に、今年度の取組についてであります。-116-調査結果に基づき、分析を基に方向性も提案されており、市としてそれに沿った内容で進めていくようであります。主な内容として、正規職員がコア業務に専念できる状態を目指すことで住民サービスの向上につなげていく、そのためにノンコア業務を最小化し、正規職員をコア業務へシフトさせる必要がある。ノンコア業務のうち、専門性が不要で定型的な作業は限りなく自動化やBPO(外部委託)に進める、ノンコア業務に従事している正規職員は、担い手の見直しやBPO(外部委託)などでコア業務にシフトさせるという内容であります。これについて認識共有するためにどのように取り組まれていく予定なのかお答えください。方向性として、全体像には異論はないと思いますが、問題は各論として、どの部署で、どのように業務改革を進めていくかが重要であります。外部事業者に、さらに具体的な調査、分析、改善策の提案を委託するとのことですが、委託業者の選定方法と今後のスケジュールについてお示しください。今後、業務負荷の軽減や効率化が期待できる業務を市と受託者で協議するとなっておりますが、どの程度の業務選定を予定しているのか、RPAやBPO(外部委託)との関連はどのようになっているのか考え方をお示しください。また、RPA導入の場合について、業務改革の推進部門である財政部行財政改革担当とデジタル推進室との連携はどのように検討されているのかお示しください。関連して全体のDX推進体制ですが、他都市ではDX推進の体制として、DX推進委員会やDX推進本部などを設置し、副市長を最高情報統括責任者として、補佐官は専門的知識を有する外部人材とし、各部長級と各部署一名ずつDX推進リーダーを任命し、DX推進部門も含め、これらの構成員によって進められているところが多いようであります。本市の体制はどのように考えられているのか見解を伺います。次に、小樽の縄文遺跡に関連してであります。令和3年7月 27 日に開催された第 44 回ユネスコ世界遺産委員会において、北海道・北東北の縄文遺跡群を世界遺産に登録することが決定しました。令和4年7月には世界遺産登録1周年記念のシンポジウムが札幌で開かれ、基調講演として世界遺産と縄文遺跡群の役割、パネルディスカッションとして、「縄文世界遺産 これからのまちづくりと文化観光を考える」などが行われたようであります。この世界遺産の縄文遺跡について、専門家は二つの価値を挙げられております。一つは、狩猟・採集・漁労を生業の基盤に定住を達成し、成熟した縄文文化へ発展を遂げた精神文化の様相を伝承する無二の存在であること。二つ目に、約1万年間もの長期にわたり気候変動や環境変化に適応し持続可能な定住を実現した、自然と共生した人類と環境との関わり、土地利用の形態を示す顕著な見本であると言われております。まず、この縄文遺跡の世界遺産についてどのように認識されているのか、市長、教育長の見解を伺います。次に、縄文遺跡の周知と学習であります。小樽の縄文遺跡について、世界遺産の遺跡群には含まれておりませんが、同様な縄文時代の縄文文化が発見された遺跡が多くあります。小樽市教育委員会発行の小樽市歴史文化基本構想に詳しく記載されており、また、小学生対象には教材「小樽の歴史」があり、とても分かりやすい内容となっております。小樽の縄文遺跡について市民の関心度、認知度はあまり高くないと思われますが、これまでどのように周知されてきたのか、縄文の世界遺産も含めお示しください。また、小学校では教材「小樽の歴史」について、どのように学習されているのかお答えください。さらに、遺跡のある地元の小学校では総合的な学習などで特徴的に縄文遺跡を学習されている事例があればお示しください。-117-さて、「小樽の歴史」の終わりの項に次のように記載されています。「この小樽の歴史は、わたしたちが小樽でくらしていくのに大切なことを教えてくれています。みなさんには、小樽のよさを理解し、学びの場を広げてほしいのです。そして、貴重な歴史をもつ小樽に生まれ育ったことを誇りをもって未来につなげていくことを願っています。」と締めくくられております。私はこの文章に感銘を受け、さらに小学校での学習の必要性を再度認識したところですが、これについてどのように受け止められているのか、学習の必要性も含め、教育長の見解を伺います。次に、縄文文化の企画展についてであります。縄文時代は使われていた土器の特徴などから、古い順に草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の六つの時代に分けられております。この縄文については、日本の考古学の発端として、東京大学初代動物学教授のエドワード・シルベスター・モースの大森貝塚の発掘により始まりました。明治 11 年この調査報告で名称がコード・マークド・ポタリーであり、白井光太郎という学者が日本語で「縄紋土器」と訳し、定着したようであります。最近、この語源を使用した企画展が小樽で実施されました。令和4年1月8日から3月 31 日までの3か月間にわたり、小樽市総合博物館本館において企画展「Cord Marked Pottery 小樽・余市の縄文文化」という名称で貴重な縄文土器の展示が行われました。小樽の縄文遺跡について、北海道の他の遺跡と比較して特徴的な内容があるように聞いておりますが、総合博物館ではどのように把握されているのか、見解を伺います。この企画展示について、世界遺産との関係も含め、どのような考えで企画されたのか、経緯と理由をお示しください。また、企画展に来訪された方々からは、どのような意見や感想があったのか、分かる範囲でお答えください。さらに、このような企画展について、今後どのように検討されているのかお答えください。次に、小樽の縄文遺跡の認識についてであります。小樽の主な縄文遺跡について、教材「小樽の歴史」などの資料では次のような記述があります。小樽で最も古い家の跡が見つかった遺跡は塩谷小学校近くの塩谷3遺跡で、およそ 8,000 年前、縄文早期の遺跡であります。また、約 6,000 年前には村と言われる集落跡の手宮公園下遺跡があり、さらに約 3,500 年前につくられた忍路環状列石、ストーンサークルがあり、この遺跡は昭和 36 年に国指定史跡となっております。この忍路環状列石、ストーンサークルは緩やかな斜面を平らな面に造成し、南北 33 メートル、東西22 メートルの楕円形に石を配置してつくられております。隣接する忍路土場遺跡との関係から、全国的に有名な遺跡であり、縄文時代の生活を知ることのできる重要な遺跡であります。また約 1,600 年前、続縄文時代の人々が岩に刻んだものが手宮洞窟で、1921 年(大正 10 年)国指定史跡となりました。昭和 24 年には保存用の木造の覆いがつくられましたが、発見以来 120 年が経過し、風化やや剥落の進行を防止し、貴重な文化財である手宮洞窟を後世に伝えるために昭和 61 年から 10 年の歳月により、平成7年に手宮洞窟保存館が完成しております。この洞窟は北の玄関口がこの小樽の海岸線にあったことを示す重要が遺跡であるということが示されております。これらも含め、多くの小樽の縄文遺跡についてどのように認識をされているのか、市長、教育長の見解を伺います。小樽の縄文遺跡の保存と活用についてであります。北海道では、「北海道における縄文世界遺産の活用のあり方」が 2021 年に発表されています。その概要版で「第3章 北海道における縄文世界遺産の現状と課題」の「2 北海道の優位性」、「(2)身近に存在する縄文遺跡」で次のように記載がされております。日本国内には、約9万の縄文遺跡が存在するが、北海道にはその1割近くを占める約 7 千か所以上にも上る遺跡があり、北海道が誇る自然や食など他の地-118-域資源と結びつけた活用を図る余地は大きいとあります。また「第4章 北海道がめざすもの」の「1 将来像」、「遺跡でつながる新たな価値創造空間、北海道」の中で、「厳しくも豊かな北海道の自然のなかで育まれた「北海道の縄文」の価値に光を当て、その価値を「ストーリー」として紡ぎ、訪れる多くの人々に共感や感動を与えられるよう資源として磨きあげることで、新たな「価値」を創造し、地域に交流と賑わいを創出していくことをめざします。」とあります。このように、「北海道の縄文世界遺産の活用のあり方」の中で、他の地域資源と結びつけた活用を図る余地は大きいという表現があり、全道の各地にある縄文遺跡の交流や結びつきが必要と読み取れるところでありますが、小樽市として他地域の縄文遺跡の交流や結びつきについてはどのように考えられているのか見解を伺います。また、将来像で「遺跡でつながる新たな価値創造空間」とありますが、これについては小樽市としてどのように認識されているのか見解を伺います。小樽の縄文遺跡の保存と活用については、日本遺産に認定された文化財などで比較すると厳しい状況にあると思います。小樽市歴史文化基本構想の中で、文化遺産という大枠で記載されていますが、縄文遺跡についても同様の考え方と思いますので、何点か伺います。「第5章 小樽文化遺産の保存管理の指針」「①小樽文化遺産の多様な価値を見出す。(調査・研究)」とありますが、縄文遺跡について調査、研究は、これまでどのように行われてきたのか、大学などの教育機関との連携や今後の考え方もお示しください。「②小樽文化遺産の特性に沿った保存管理と活用を図る。(小樽文化遺産の保全と管理、周辺環境の保全)」とありますが、忍路環状列石、ストーンサークルについて伺います。先月、同遺跡の見学に行ってまいりました。以前にこの遺跡を見学された方から意見を伺いましたが、自分も同感した内容でしたので、何点か質問いたします。まず、遺跡の土地と進入道路の所有者についてお知らせください。遺跡付近は農地が隣接し、遺跡自体の土地がぎりぎりのため、写真と違い広がりがなく、縄文時代を想像しにくく、できれば他地域のように縄文時代を思わせるような工夫が欲しいとの要望でありました。駐車場がないこと、道路が狭隘であるなどでありますが、駐車場や周辺の環境整備についてどのように考えられているのか、お答えください。また、見せ方の工夫について検討が必要と思いますが、見解を伺います。文化財の保存と活用について、産学官の連携が必要と思いますが、今後の考え方についてお示しください。「③小樽文化遺産を支える人々の輪を広げる。(情報の発信と次世代の人材育成)」とありますが、現在では情報の発信が重要な時代であります。SNSやホームページなどの活用などが考えられますが、縄文遺跡についての情報発信はどのように行われてきたのか。また、今後の課題や問題点も含め、お示しください。さらに、次世代の人材育成も重要であります。文化財については専門的な知識を持つ人材が必要であり、その確保と次世代の人材育成の取組が大切でありますが、これらについてどのように考えられているのかお示しください。以上、再質問を留保して私の質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
高橋克幸議員の御質問にお答えをいたします。初めに、DX推進に関連して御質問がありました。まず、認識共有と機運醸成についてですが、これまでの研修会等における内容につきましては、本市行政情報アドバイザーによるDXに向けた他市事例を交えた講演、担当職員による自治体DX推進計画についての説明や事業者による行政情報分析ツールの説明を幹部職員に向け実施したほか、一般職に向けて自治体DX推進計画の説明を複数回実施したところであります。今後対応すべき大きな課題であるとの意識は、庁内で共有できつつあると認識をしており、今後におきましても、リーダーシップを発揮し、進めていかなければならないものと考えております。次に、職員全体の認識共有などの状況につきましては、先ほどの御答弁のほか、基幹システム標準化に関わる現課担当者の選定や、デジタル推進アドバイザーによる困り事相談会による課題解決への支援、オンライン申請ツールやRPAの導入説明会などを行っておりますことから、一定程度進んでいる状況にあると認識をしておりますが、特定の部署や取組に限定をされており、濃淡はあるものと考えております。職員全体の認識共有という観点からは、ただいま申し上げた濃淡が課題として挙げられるため、今後ともデジタル化を自分ごととして納得できるような説明会や、より職員が相談しやすい取組を進めてまいりたいと考えております。次に、内部人材の育成につきましては、デジタル推進室へ配属することによる実務経験での育成が中心にはなりますが、これには一定程度の時間が必要となることから、専門職員としての配置を含めて検討してまいりたいと考えております。短期的にはデジタル化への学びとして、今年度の職員研修では「デジタル技術を活用した業務改善研修」を実施したほか、地方公共団体情報システム機構J-LISが実施するオンライン研修の受講を促しているところであり、先ほど御答弁申し上げた相談会なども通じて、デジタル人材の育成を図っているところであります。次に、RPAについてですが、まずRPAの推進につきましては、職員の身体的負担が少なく、正確な処理が可能なため今後においても広く活用を推進していきたいと考えておりますが、一方で新しい取組のため不慣れな職員もいることは事実としてあると考えております。RPAの実証実験において、事業者の支援を受けながらシナリオ作成を行った結果、理解が深まった面もありますので、今後においてもデジタル推進アドバイザーを含むデジタル推進室などからのサポートも一定程度必要であると認識をしております。次に、今年度のRPA関連事業の経緯、経過につきましては、本年5月にプロポーザルによりRPAシステム構築業者を選定、6月に契約をし、8月までにRPAの環境構築を行ったほか、職員向けの操作説明会を実施したところであります。また、今後のスケジュールなどにつきましては、RPAに合わせて使用されるAI-OCRの使用希望調査や事業者の支援の下、RPAのシナリオを8本程度作成する予定であり、現在、希望業務の募集を行っているところであります。次に、業務量調査の結果を踏まえたRPA導入につきましては、業務量調査によってRPAの活用が軽減された場合は、先ほど申し上げましたシナリオ作成支援の枠組みを活用することも検討しております。なお、現状では現課職員のみで作成することに困難さが伴うため、事業者の支援を求められない場合の対応方法が課題と認識しております。次に、全庁業務量調査についてですが、まず調査結果報告につきましては、行政に対するニーズの多様化や複雑化が進む中、限られた職員で効率的、効果的に業務を行うためには業務フローの見直しやデジタル技術の活用などが必要であることから、職員一人一人が業務改善の必要性を認識し、業務改善を前に進-120-めていかなければならないものと考えております。次に、業務改善についての認識の共有につきましては、幹部職員を対象に業務量調査を実施した事業者から説明を受け、調査結果に基づく当市の現状と今後進めていく改善の方向性について共通認識を持ったところであります。また、職員に業務改善の必要性と方策について理解を深めさせるため、職員を対象にした研修会の開催を予定しているところであります。次に、委託業者の選定方法につきましては、本年度実施する業務改善推進調査分析業務の委託業者は公募型プロポーザルにより、最適提案者を選定し、契約をしたところであります。今後のスケジュールにつきましては、現在、調査分析を行う対象業務を選定し、担当課へのヒアリングを終えたところであり、令和5年度への予算反映を検討するため、委託業者から改善策の提案を年内に受け、類似業務への活用案を含めた最終報告書については、令和5年2月に提出されることになっております。次に、業務選定につきましては、業務量調査に基づき、業務負荷の軽減や効率化を期待できる業務を五つ選定したところであります。また、RPAや外部委託につきましては、業務プロセスの見直しの中でこれらが改善策として最適であるという提案がなされた場合に、費用対効果も含めた実施について検討したいと思います。次に、RPAの導入に向けた行財政改革担当とデジタル推進室の連携につきましては、改善策としてRPAの活用の提案を受けた場合はその費用対効果や具体的なシナリオ作成について、両者で協議を行いながら進めていくことになります。次に、DX推進に係る体制につきましては、現状では職場横断的な組織はありませんが、他都市の取組などを参考に、より効果的な組織の立ち上げに向けて検討を進めてまいります。次に、小樽の縄文遺跡に関連して御質問がありました。まず、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産の認識についてですが、縄文遺跡の世界遺産に対する私の見解につきましては、津軽海峡を挟む北海道南西部と北東北を一つの文化圏とした縄文遺跡群が北海道で初めての世界文化遺産として認められたことは、新たな視点の文化観光を進める上で大変喜ばしいことと考えております。次に、小樽の縄文遺跡の認識についてですが、多くの縄文遺跡に対する私の見解につきましては、市内には縄文文化、続縄文文化を含め多数の遺跡が存在し、その中には国指定史跡が2か所、道指定史跡が1か所含まれております。これらの遺跡は、小樽に人々の暮らしが始まったときから伝えられた貴重な文化遺産であると認識しており、地域に残されたこれらの遺跡を保全・活用することが重要であると考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
高橋克幸議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、小樽の縄文遺跡に関連して御質問がございました。まず、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産の認識についてですが、縄文遺跡の世界遺産に対する見解につきましては、17 の大規模な縄文遺跡が構成資産として認定されたものであり、1万年以上にわたる採集、漁労、狩猟による世界的にもまれな定住生活、祖先崇拝や自然崇拝などの精神文化が高く評価されたものと認識しております。このたびの遺産登録により、北海道の縄文文化が世界に認識されましたことから、本市の縄文遺跡についても国内外の方々に訪れていただけるよう取り組んでいく必要があるものと-121-考えております。次に、小樽の縄文遺跡の周知と学習についてですが、まず、本市の縄文遺跡のこれまでの周知につきましては、総合博物館運河館において、忍路土場遺跡で出土した縄文土器などの資料と、忍路環状列石の模型を常設展示することにより、訪れる方々に学習機会を提供しているほか、生涯学習プラザでは、はつらつ講座での職員による講話や粘土を使った縄文土器づくりなどを開催してまいりました。また、令和2年には、総合博物館のフェイスブックを活用した「博物館講座」で、縄文文化の情報を配信しているほか、令和3年3月に発行した「小樽の文化財」では、忍路環状列石や地鎮山環状列石などの縄文遺跡を紹介し、市のホームページにも掲載しております。その後、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録される見込みとなりましたことから、令和3年度から北海道縄文のまち連絡会に加盟し、各市町村の縄文遺跡を紹介するパンフレットに本市の忍路環状列石を掲載しているほか、令和3年 10 月には、小・中学校の女性学級との合同事業として本市と余市町にある縄文遺跡の見学会を行うなど、世界遺産登録に伴う関心の高まりを意識しながら周知に努めているところでございます。次に、小学校における教材「小樽の歴史」を活用した学習につきましては、児童一人一人にふるさと小樽への理解と郷土への誇りや愛着を育むことを目的として、小学校5年生の総合的な学習の時間の年間指導計画に教材「小樽の歴史」を活用した学習を位置づけ、本教材に沿って学習を行うとともに、学芸員等の外部講師を招聘し、より興味、関心を高めるための授業を行っているところであります。次に、遺跡のある地元の小学校における学習の事例につきましては、忍路中央小学校の今年度の取組としては、実際に忍路環状列石を見学し、外部講師から詳しく説明を受けながら、授業を実施したところであります。また、今後は北海道立埋蔵文化財センター職員を講師とした「考古学教室出前講座」を計画しており、全児童を対象として、忍路土場遺跡の様子や出土した遺物について学ぶとともに、体験的な学習として勾玉づくりを行う予定であります。次に、教材「小樽の歴史」を活用した小学校での学習の必要性につきましては、教育委員会といたしましては、子供たち一人一人がふるさと小樽に対する興味関心を持ち、正しい理解を深める学習は小樽の未来を担う人材を育成するため、とても大切なことであると考えております。今後も、教材「小樽の歴史」を活用しながら、郷土への誇りと愛着を育むふるさと教育をより一層充実してまいります。次に、縄文文化の企画展についてでありますが、まず小樽の縄文遺跡の特徴的な内容につきましては、小樽を含めた北後志地区の特徴で申し上げますと、縄文時代の前期から中期にかけての時代のもので、東北北部と密接な関係を持つ円筒土器の分布圏の北限に当たり、その分布圏の中で黒曜石などが移動しており、当時の海を挟んだ交易の様子を知ることができる遺跡群であるといった点であります。また、後期にはストーンサークルが多く築造された地域でもあり、その密集度だけではなく、立地や構造からストーンサークルの変遷も知ることができるほか、低湿地遺跡も多く発見されており、貴重な木製品なども出土していることが特徴であると考えております。次に、総合博物館本館の企画展の開催の経緯と理由につきましては、企画展「Cord MarkedPottery 小樽・余市の縄文文化」の開催理由は、世界遺産認定で、縄文文化への関心が高まったこと、その中で「世界遺産構成資産に含まれていない小樽の縄文文化は価値が低いのか」といった誤ったイメージを持たれることへの懸念から開催を決定したものであります。また、総合博物館では、しばらく考古学系の企画展を実施していないため、市内の遺跡、遺物の情報を公開する機会が少なかったこと、よいち水産博物館が改修による休館のため、土偶などの特徴的な資料の借用が可能となりましたことから、この時期に開催したものであります。-122-次に、企画展を観覧された方々の意見等につきましては、今回の企画展は道内外のいわゆる「縄文マニア」の方からも注目をされ、常設展示で公開していない縄文前期の円筒土器を4ケースにわたり展示したコーナーの迫力のほか、展示室内の床に一部を原寸大で表示した忍路環状列石の大きさに改めて驚く方や、余市町を含めた土偶の多様性への関心などの声があり、SNSへの投稿も多くございました。総合博物館の企画展につきましては、小樽の縄文遺跡の新たな知見や発見などの調査を進め開催について検討していくほか、運河館の常設展示の手法を工夫するなど、情報発信に努めてまいりたいと考えております。次に、小樽の縄文遺跡の認識についてでありますが、多くの縄文遺跡に対する見解につきましては、先ほどお答えいたしましたように、小樽を含めた北後志地区の縄文遺跡は、東北北部と密接な関係を持つ円筒土器の分布圏の北限に当たること、ストーンサークルが多く築造される地域であったこと、大量の木製品が出土したことなどが道内他地域と比べた特徴として挙げられます。さらに通常は、調査後、埋め戻されてしまう遺跡が多い中、ストーンサークルや縄文文化に続く続縄文文化の手宮洞窟など、目に見える形で遺跡が残されているという大きな特徴がございます。この特徴は、教育普及活動や文化観光など、まちの魅力発進に大変有効なアピールポイントとなりますので、小樽に暮らした人々の生活を考える貴重な文化財として今後も活用してまいりたいと考えております。次に、小樽の縄文遺跡の保存と活用についてですが、まず、他地域の縄文遺跡との交流や結びつきにつきましては、縄文時代の遺跡を有する地域との結びつきを深め、全道各地に広がる縄文文化を一体的に捉えて、情報を発信することが有効と考え、昨年度、北海道縄文のまち連絡会に加盟したところであり、道内約 30 市町村とともに、それぞれの地域の縄文遺跡を紹介するパンフレットの配布やスタンプラリーを共同で実施しております。また、本年1月から3月にかけては、余市町との連携の下、総合博物館本館において企画展を開催したところでありますが、今後も遺跡を有する地域との連携を図りながら、本市の縄文遺跡の魅力を発信してまいりたいと考えております。次に、北海道が示した「遺跡でつながる新たな価値、創造空間」につきましては、令和3年3月に北海道が策定した「北海道における縄文世界遺産の活用のあり方」の中で、北海道が目指す将来像として示されたものと承知しており、本市におきましても、縄文遺跡文化の価値に光を当て、地域に交流と賑わいを創出していくといった将来像として、理想的なものであると考えております。次に、市内の縄文遺跡の調査・研究につきましては、忍路環状列石や手宮洞窟の発見は、幕末まで遡り、それ以来、調査・研究が行われております。特に、戦後、昭和 24 年に東京大学の駒井和愛氏などにより、地鎮山環状列石の発掘調査が行われております。昭和 60 年からは北海道埋蔵文化財センターによって、忍路土場遺跡の発掘調査が行われ、大量の土器や木製品が出土いたしました。大学など教育機関との連携につきましては、昨年からは東京大学、明治大学の研究者が出土した土器の分析を通じて、当時の食生活を考察する調査が行われ、縄文文化に関する新たな知見が得られることが期待されており、それに協力してまいりました。これらの研究により、本市の縄文文化の新たな魅力発信につながることが期待されますので、今後も各大学との調査研究に積極的に協力してまいりたいと考えております。次に、遺跡の土地などの所有者につきましては、遺跡の土地は国が所有しており、遺跡前の進入道路は小樽市が所有しております。次に、駐車場や周辺の環境整備と見せ方の工夫につきましては、忍路環状列石周辺は農地として利用されているほか、進入道路以外に市が所有する土地もありませんが、駐車場や看板、周囲との緩衝地帯など、遺跡を見学していただくための環境づくりが課題であると考えておりますので、今後どういったことが可-123-能なのか検討してまいりたいと考えております。次に、産学官の連携につきましては、縄文遺跡の保存、活用に当たっては、デジタルアーカイブや保存修復、調査、研究などのほか、他地域の遺跡と連携したツアーの開発や国内外の魅力発信といった遺跡を活用した文化観光の推進などが考えられますが、そのためには市教委だけで取り込むことは難しいことから、今後、市長部局をはじめ大学や産業界の力をお借りするとともに、国や他の自治体との連携を図ることも大切であると考えております。次に、縄文遺跡の情報発信につきましては、これまで、常設展示、フェイスブック、ホームページ、パンフレットの配布などにより情報発信を行ってまいりましたが、私たちの周知方法では幅広い方々に届いていないのではないかと考えております。このため、今後の情報発信に当たっては、より多くの方々の目につくよう、また興味を持ってもらえるよう代替や見せ方の工夫が必要であると考えております。次に、専門的な知識を持つ人材の確保と次世代の人材育成につきましては、本市の歴史や文化などの魅力を伝えるおたる案内人などのボランティアガイドの方や、遺跡に興味・関心を持つ市民の皆さんを対象に、市教委の学芸員や外部講師による小樽の縄文遺跡の学習会を新たに実施することなどにより、今後の文化観光の推進に向け、縄文遺跡の内容や価値を開設できる人材を育てていく必要があるものと考えております。また、小学校における教材「小樽の歴史」を活用した郷土への誇りと愛着を育むふるさと教育や、実際に遺跡を訪れる体験的な学びの場を継続するなど、考古学や小樽の縄文遺跡への興味・関心を深めてもらうことが将来の人材育成につながっていくものと考えているところであります。(「議長、11 番」と呼ぶ者あり)
再質問 11番 高橋克幸
再質問を2点ほどさせていただきます。まず一つは、DX推進についてですけれども、全体のDX推進体制について市長に伺いました。御答弁では、いま横断的な体制はないのだという答えでしたけれども、少し心配になりました。大丈夫なのかと。一応令和7年という第一段階の縛りがあるわけで、それに向かって今は具体的なスケジュールだとか、いろいろな体制づくりをやっていかなければならないと私は認識しているのですけれども、市長の御答弁によると、なかなかそういう横断的な組織がないと答えられてしまうと、大丈夫なのかというのが先に立ちます。各セクションでは一生懸命RPAにしてもやられていると思うのですけれども、では、全体像として、どこまで、どのように進めていくのか、司令塔的な役割、決定機関というようなものがなければ、予算を組むにしても全体像から見てどうなのかという議論もできないわけです。それを考えると、これは私はもうできるだけ早く組織体制をつくるべきだと思っておりますので、この点について、再度御答弁をいただきたいと思います。それから、2点目は、縄文遺跡についてであります。私も、質問を構成するに当たり、縄文文化というのはあまり詳しくないものですから、改めていろいろな書物を読んだり、それから、小樽市歴史文化基本構想を改めて読み直したりしました。さすが、日本遺産申請の前提条件に、この基本構想がなっているということで、しっかりこの文化財の内容ですとか、背景だとか、具体的な資料として、すばらしい内容だと改めて感じました。また、前から頂いていた教材「小樽の歴史」、これは日本遺産の申請をやっているときには後半は読んだのですけれども、前半の縄文の部分を飛ばしていまして、改めて読み直して、小樽にこれだけ歴史の深いそういう文化財があるというのを再認識しました。-124-御答弁では児童・生徒の学習についても、この教材を使ってやっているのだというお話を伺いましたので、大変安心しました。また、こういう歴史、考古学みたいなものは、まず知らなければ興味も湧きませんし、どういうものか分からないわけで、私もこれ読み返しながら実感をしましたのでそのとおりだと思います。一つだけお聞きしたいのは、最後にお聞きした情報発信です。やはり当然興味のない方も多くいらっしゃるので、あまり発信されても目につかないというのもあるかもしれませんけれども、世界遺産ということで昨年度から大分趣が私は変わってきたのではないかと思っています。教育長が御答弁されたように、多くの方々になかなか届いていない、引っかかっていないのではないかというような御答弁でしたので、私もそのように思いました。情報発信については、やはり専門家の方々の御意見を伺ったほうがいいのかと。こういうツールというのはやはりつくり方があるみたいで、どうやったら人々の心に刺さっていくのか、届いていくのかというのを専門的にやられている方も多くいらっしゃると聞きますので、いろいろな機会を捉えてぜひこの辺の工夫をぜひしていただきたいというのが一つと、それから、各地域の北海道内にある縄文遺跡を持っている各地域との連携、これは、私はすごく力になると思うのです、やり方によっては。ですから、このパイプを太くしてほしいと思いましたので、今後考え方について、この2点についてお答えいただきたいと思います。以上、再質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
高橋克幸議員の再質問にお答えをさせていただきます。DXの推進に当たって、組織横断的な体制を早急に整備すべきでという御質問だったかと思いますけれども、現在、私たちはDXの推進に当たりまして、部長会議でその時々の課題などについて話合いはさせていただいておりますが、今後具体のスケジュールがこれから進んでまいりますと、やはり議員の御指摘のとおり、職場横断的なDX化を推進するための組織は必要になってくるものと考えております。先ほどの御答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、他都市の取組などを参考にし、また人選などもどういったメンバーで構成していくのがいいのか、そういったことを早急に整理をいたしましてできるだけ早い時期に職場横断的な組織を立ち上げて円滑に事業を進めていきたいというふうに思っているところでございますので、御理解をいただければと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
高橋克幸議員の再質問にお答えをさせていただきます。2点ほど御質問がございました。まず情報の発信でございます。御答弁でもいたしましたけれども、いろいろな取組をやっているつもりではありますが、俗に言う縄文ファンの方には非常に浸透はしているものの、一般の方になかなか広がりが見られないという課題は私どもも思っておりますので、そういう御答弁をさせていただきました。議員御指摘のようにどのような方法をすると目につくのか、それから興味を持ってもらえるのかというところ、これからいろいろ考えていかなければなりませんけれども、議員御指摘ありました、専門家の方にも御意見を聴いてみるのもいいのではなかろうかというお話ございました。私どもにも文化財審議会という各方面の顕著な方がおりますので、その委員の皆様にもこの辺の発信の仕方について聞いてみたいと-125-思っているところでございます。私どもも例えばポスターを駅の前面に掲示して、ここにこういうものがありますよというような、少しインパクトのあるような広告はどうだろうかなど、そういうようなことも話をしてはおりますけれども、それが本当にタイミング的にいいものなのかどうなのかというのもございますので、今後その辺を専門家にも聴いてみたいと思います。それから、縄文文化の関係、北海道の他の市町村との連携ということでございますけれども、私どももやはり、ほかの一生懸命取り組んでいる市町村とタッグを組みながら、いろいろな文化観光だとか、そういうものに取り組んでいくということは非常に大切だと思っていまして、そういったことから昨年度ではございますけれども、北海道縄文のまち連絡会に入りまして一緒に取組を進めておりますし、道の文化財担当課ともいろいろやり取りしながら、いろいろな取組を進めているところでございます。今後とも強いパイプを持ちながらこの課題に取り組んでまいりたいと考えております。そういった意味で、市教委としてもかなりねじを巻いて頑張らないとならないと思っておりますので、今後ともそういった気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。