小樽市議会 令和3年第4回定例会 2021年12月7日
財政問題について
2021年12月7日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「財政問題について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 横尾英司
次に、財政問題についてお伺いいたします。初めに、財政状況についてお聞きします。小樽市の財政状況は、すぐに地方公共団体の財政の健全化に関する法律に定められた財政健全化団体や財政再生団体となるわけではありませんが、このまま財源対策を行わなければ将来的に早期健全化基準に該当し、財政健全化計画の策定が必要となり、住民サービスにも大きな影響が出ることが想定されています。このため、平成30年11月に小樽市収支改善プランを策定し、具体的な収支改善に向けた取組を進め、他会計・基金からの借入金の計画的な償還を継続しながら、目標として収支改善取組後の収支の黒字化、さらにそれぞれの年度において発生する財政需要に柔軟に対応するために財政調整基金の確保を図ることとしています。このような財政計画では、中期の財政収支の見通しに基づいて財政目標値を設定しなければならないかと思います。バランスの取れた財政運営とするためには、単年度における収支を改善し、健全性を維持した上で、弾力性を高めて政策的経費に使える財源を確保し、その上で中長期的な財政運営の安定性のために財政調整基金を適正額まで確保しつつ、後年度の財政負担の適正化のために地方債残高を適正額まで低減させることを目指すことが重要です。健全性は実質収支比率、弾力性は経常収支比率、安定性は財政調整基金残高、財政負担の適正化は地方債残高が指標になると考えます。小樽市におけるこれらの直近の数値と近年の傾向、また、それぞれの適正な値についての見解をお示しください。現在、今後40年間の小樽市の財政における支出に大きな影響を与える施設関連経費が見込まれた計画が次々と策定されています。令和3年2月に策定された小樽市学校施設長寿命化計画においては、今後40年間にかかる学校施設関係経費は年間平均15.6億円程度となり、今後10年間の平均は12.7億円となり、過去5年間の学校施設関連経費である年間12.1億円とほぼ同等の財政負担となるという結果となりました。小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画においても、中長期的な期間、令和2年度から40年度のうちに想定される事業等に係る事業費を試算し、事業量及び事業費が時期的に偏在する等、試算結果に問題がある場合は将来にわたる事業が可能となるよう実施時期を調整し、各事業の実施時期を決定するとされています。さらに、公共施設や並行在来線、第3号ふ頭を含む港湾整備など、人口減少、少子高齢化が進む小樽市の今後40年、50年先まで施設を活用し、また起債償還など30年先まで将来世代への負担を残すこととなる事案が多くあり、それと引換えに将来の小樽市にとって必要なものを残すのか、場合によっては残されても困るものとなるのか、大きな分岐点に立っていると考えられます。国立社会保障・人口問題研究所の推計で、19年後の2040年には6万9,422人、また並行在来線の検討資料では、この社人研推計準拠等による推計で約30年後の2050年には5万2,475人、約40年後の2060年には3万8,414人という人口になるとされている小樽市の財政の規模や健全性などは、厳しいという見通し程度であり、明確にはなっていないと私は考えます。当面必要となるこれらの事業の建設費用等の負担は、計画的に平準化することはできても、それに伴う起債償還は平準化することは難しいと考えますが、今後これらの負担に小樽市の財政は耐えていくことはできるのでしょうか。見解をお示しください。また、財政の見通しを正確に把握することが難しい長期にわたって影響がある政策上の判断について、財政面においてはどのように判断するのでしょうか、見解をお聞かせください。次に、ふるさと納税についてお聞きいたします。-56-ふるさと納税がスタートしてから13年がたち、利用規模は年々拡大し寄附先の各地域には歳入増加だけではなく、様々な効果がもたらされているそうです。例えば、お礼の品の導入により地場産業が活性化し新たな雇用が生まれたり、災害時にはスピーディーな被災地支援やその後の復興に寄与したり、さらに自治体の知名度アップにつながるシティープロモーション、観光促進に制度を積極的に活用し移住者増加を実現した自治体もあります。人口減少、地方消滅時代をいかに乗り切っていくかという命題を抱える地方都市などにとって、その鍵を握るのが域内の消費を伸ばす要因となる交流人口の確保ですが、まちのファンを増やすきっかけづくりにふるさと納税を活用している自治体もあると聞いています。そこでお聞きいたしますが、小樽市でふるさと納税を導入してからの歳入増加以外の効果として事例があればお示しください。ふるさと納税を収受する側である自治体にとって最も重要なのが企画です。ふるさと納税をする人の多くは、返礼品が目当てであるということは魅力ある返礼品をどれだけ用意できるかが重要であり、バリエーションも必要となります。また、GoToトラベルでふだんはなかなか行かない高級旅館に予約が集中したというお話もありましたが、ふだんはなかなか買えない値がさのある返礼品から、ちょい買いができる安価なものまでそろえたほうがいいですし、その土地の特産品は当然として、ほかでは手に入らない品や由緒、いわれがある品、ストーリーがあるオリジナルな品を用意するという方法もあります。ほかにも、ふるさと納税サイトに表示される返礼品の並べ方にも工夫したりしています。例えば、最初は高額な納税返礼品から並べて毎月人気度をチェックして、高いものから目立つように並べていくとか、さらに「人気集中」とか、「残り僅か」とか、「残り30点」というようなタイムリーな告知をすることによる誘導効果などを図ったりしています。このように、ふるさと納税に関しては企画次第で億単位の税収が入ってくることになりますので、有力な産業がなく、人口減少に悩む自治体にとってこんなに効率のよいものはなく、返礼品の商品企画やアピールがいかに重要であるか計り知れません。さらに、情報発信が重要であり自治体のウェブサイトにも、LINEにも、フェイスブックにも情報を流し、ふるさと納税特設サイトなどへ誘導し、自治体内にも広く知らしめて新しい商品開発の提供を求めていくことや、メディアが注目するような活動で記事を書くなど必要な要素を並べていくと、企画、設計、商品開発、マーケティング、営業というものになり、通常のビジネスと変わりなく、今後、実際に必要なのはこのようなビジネスの視点、経営の視点かと思います。そして、自治体としての戦略性、商品企画、販売企画、運営企画など任される担当職員をさらに置くなど、小樽市においてもふるさと納税に対する組織体制や人員の充実が今後必要となると考えますがどのようにお考えですか、見解をお聞かせください。ふるさと納税は域外からのお金であるため、その使い道については柔軟かつ大胆に考えてもよいのではないかと考えます。根室市では、一般公募を中心に主に30歳代、40歳代の現役世代を中心とした幅広い分野や職業の人にメンバーとなってもらう会議体をつくり、使い道についての議論、提案を行い、このような取組を通じて地元の住民がまちづくりへの関心を高め、今までなかなか手当てできなかった地域課題にも焦点を当てて議論することが可能となっていると聞きました。例えば、子育て世代の女性に絞って直接意見を聞くとともに、当事者意識を持ってまちづくりを一緒に進めたりするような仕組みをつくり、子育て世代の女性がほかの市区町村ではなく小樽市で子育てをしたい、子育てをするなら小樽市でと実際に感じてもらうような施策を実施するために、ふるさと納税を活用して進めていくような柔軟な使い道も検討してはいかがかと思いますが、見解をお聞かせください。以上、2項目めの質問を終わります。-57-
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、財政問題について御質問がありました。初めに、財政状況についてですが、まず財政運営における各指標の直近の数値と近年の傾向及び適正な値につきましては、令和2年度の決算では、実質収支比率は0.7%、経常収支比率は96.9%、財政調整基金残高は約24億1,200万円、市債残高は一般会計で約446億6,100万円であり、近年の傾向といたしましては、実質収支の標準財政規模に対する割合は低く推移をし、財政構造の硬直化により経常収支比率は高く推移している状況にありますが、財政調整基金残高は近年の実繰入れによる減はあるものの、20億円以上の年度末残高を維持しており、市債残高については過去の借入れ分の償還終了により減少傾向にあります。また、それぞれの値については目標値の設定などは行っておりませんが、可能な限り財政調整基金の繰入れに頼らず、実質収支の黒字化が図られるよう引き続き収支改善に努め、同基金残高の確保や経常収支比率の改善を図ってまいりたいと考えております。次に、今後予定される建設事業に係る公債費の償還に将来にわたって本市財政が耐えられるのかにつきましては、複数の大型建設事業を同時期に実施した場合、その償還時期が重なることにより、結果として単年度に多額の一般財源が必要となり、現在よりも厳しい財政状況になることが想定をされます。そのため、計画された事業の実施に当たっては、その優先度や事業費、財源の有無などを十分に検討し、将来の公債費負担に留意する必要があるものと考えております。次に、長期にわたり影響がある政策上の判断について、財政面においてどのように判断するかにつきましては、将来に向けて持続可能なまちづくりを行っていくためには、公共施設の長寿命化などの将来の建設事業や不測の財政需要などの様々な政策課題に対応していく必要があります。そのため、歳入においては、増加が見込まれるふるさと納税のさらなる推進。歳出においては、事業の厳選や実施時期の検討のほか既存業務の改善・効率化を進めながら、行政コストや職員負担の縮減を推進することで収支改善を図り、今後必要と見込まれる財源を確保し、本市として進めるべき政策課題の実現の可能性を判断してまいりたいと考えております。次に、ふるさと納税についてですが、まず歳入増加以外の効果につきましては、返礼品協力事業者からは、インターネットを活用した新たな販売方法の実現や、寄附者からのニーズに対応した新たな商品開発など、ふるさと納税の活用によって商品力、企画力、販売力が高められていると伺っております。このことから、地元特産品等のPR及び販路拡大による地域経済の活性化に一定の効果があったものと考えております。次に、組織体制や人員のさらなる充実につきましては、本市の魅力発信及び特産品の販路拡大が地域及び市内事業者の活性化につながることから、今年度より市内事業者との関わりが深い産業港湾部へ所管部署を移管し、組織体制を見直すとともに民間経験のある専任職員を配置したところであります。年度当初から新体制の下、事業者と打合せを重ね、魅力ある返礼品開発に向けた取組を積極的に進めているところであり、寄附額も順調に増加をしておりますが、新たな行政需要や行政課題への対応もあり、現時点で組織の見直しや人員配置は難しいものと考えております。次に、ふるさと納税の使い道につきましては、本市では、これまでも寄附者の意向を尊重し寄附による応援をいただいたことにより、新規事業や事業の拡大を進めることができるという考えの下、毎年度の予算編成の議論の中で活用事業を選定しているところであります。今後におきましても、持続可能な-58-まちづくりを行うための新たな施策や、重点的もしくは継続して取り組む必要がある施策へ活用してまいりたいと考えております。