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小樽市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月14日

介護者への支援策について

2021年9月14日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「介護者への支援策について」質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。

質問者
松田優子 議員
答弁者
市長 迫俊哉、教育長 林秀樹

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 松田優子

介護者への支援策について伺います。私は、かつて介護と子育てを同時に行うダブルケア問題の課題や支援策について議会で質問させていただきました。しかし、そのときは認識としてはあるものの、市の関係部局にもその時点では相談事例がなかったことから、当時の市長の答弁も今後政府が行う実態調査の結果を調査し研究していくという消極的なものでした。しかし、近年、高齢化や晩婚化、晩産化などによりこの問題は顕在化してきました。ダブルケアに携わっている世代は社会的に現役世代であることが多く、その負担は女性に集中していると見られ、男女とも平均年齢は40歳前後で、30歳代から40歳代だけで全体の8割を占めると言われています。小樽市におけるダブルケア問題について、現在、相談体制や直近の相談件数などがどのような状況になっているのか、お示しください。なお、このダブルケアは広義で捉えると障害や病気のある家族・親族など近しい関係の下で複数人をケアしている多重ケアの実態があると思われますが、その点についての御認識を伺います。-69-私の知人は、働きながら両親の介護に加え、市外で暮らす独り身のおばの介護まで担わなければならなくなりました。そのおばは他人からの働きかけに拒否反応があり、公的介護を受けるために必要とされる要介護認定さえままならず、その知人は頭を抱えています。市内に身内がおらず、市外在住の方がキーパーソンになる場合もあると思いますが、本市におけるその実態とそのキーパーソンに対し市としてどのように対応されるのかについてお聞かせください。そういった深刻な介護者問題に加え、今また新たな介護者の課題が見つかりました。それがヤングケアラーという問題で、ヤングケアラーという言葉は幼き介護者と訳され、18歳未満の子供が大人の代わりに家事や介護など家族の世話をすることを言います。本年5月に発表された厚生労働省と文部科学省の連携プロジェクトチームによる中高生を対象に実施したアンケート調査結果によれば、中学校2年生の約17人に1人、高校2年生の約24人に1人がヤングケアラーと判明したとありました。そうなると、どちらも1学級に1人か2人は何らかの形で介護を担っているということになり、その内容は本人もそれほど深刻にとらわれることなく、お手伝いという意識程度で介護を担っている児童・生徒もいれば、介護のために学校を休まなければならず、そのまま不登校になった児童・生徒もいるといった深刻なケースもあると言います。今、教育現場では不登校の問題がありますが、その要因の一つに介護問題もあると聞いてショックを受けたのは私だけではないと思います。そこで伺いますが、小樽市内の中学生にはこのプロジェクトチームからの調査があったかどうかと、この国の報告書に対する小樽市教育委員会としての認識についてお聞かせください。そして、さらに深刻なのは、この調査によると教員が生徒の介護負担に気づいた原因で圧倒的に多かったのは、本人からの話であるということです。つまりこの問題は周囲の大人が能動的に察知して発覚するのではなく、誰にも相談せず1人で悩んでいるケースが圧倒的に多いことにほかなりません。これは子供の将来を左右する問題だけに、何でも気軽に相談できる環境づくりが求められていると考えますが、教育現場としてのこれらについての認識をお聞きいたします。ともあれ、北海道でもプロジェクトの報告を受け、独自で調査を行うことを決めた札幌市を除いた道内公立中・高約700校の中学校2年生、高校2年生約5万人を対象に調査すると言っていますので、その結果によってさらに多様な課題が見えてくるのではないかと思います。小樽市としてもその課題を見据え、教育現場と関係部局でしっかり連携を取り、課題解決に取り組んでいただきたいと思いますが、その点についての御見解を伺います。また、介護者支援策について道外自治体の状況を調べてみますと、愛知県では、国が発表した実態調査では小学生が含まれていなかったことから、全公立小・中学校、高校の小学校5年生、中学校2年生、高校2年生のうちの1割に当たる約1万5,000人を対象に、本年11月と12月の2か月間でアンケート調査を行うほか、ケアラーの経験を持つ県内在住の大学生らへのヒアリングを行い、当時の心境や望む支援策などを聞く予定だと言います。なぜそこまで細かく行うかと言えば、ヤングケアラーを取り巻く環境は複合的な要素が絡み合い、当事者や関係者に必要な情報提供と支援策が求められるからだとしています。小樽市でも今後同様の調査が必要になるのではないかと考えますが、そのことについての御見解をお聞かせください。そして、埼玉県では、昨年3月に日本初のケアラー支援条例が成立され、この条例の中で18歳未満を対象としたヤングケアラーに対する配慮も記載されていると言います。また、神戸市では、市として、こども・若者ケアラー支援担当課を設置し、その対象は20歳代も含めており、本年6月からは全国初となるこども・若者ケアラーに特化した相談窓口を開設し、この2か月で45件もの相談が寄せられ、その一部は関係機関と連携し支援につながった例もあるとのことです。そんな中、空知管内栗山町議会では、-70-本年3月に全国の市町村で初めてケアラー支援条例案が全会一致で可決され、4月1日から施行されました。この条例実現のキーマンである社会福祉協議会事務局長の談話によれば、介護保険制度はあくまでも介護を必要とする人を支援するもので、健康や孤立、離職などケアラーが抱える多様な問題はカバーできていないことから、介護する側も守るために条例制定の機運を高めたと言います。そして、注目すべきは、今後在宅介護が主流になることを見据え、介護離職防止の一環として、この条例には従業員が仕事と介護などが両立できるよう、事業所内の環境整備に努めることを事業者の役割に挙げているということです。このように他の自治体の事例はケアラーの孤立を防ぐものとして学ぶことが多く、今後しっかりと介護者の実態を把握し、介護者支援策に取り組んでいただきたいと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、介護者への支援策について御質問がありました。初めにダブルケアについてですが、まず本市における相談体制や相談件数などにつきましては、現在福祉総合相談室や子育て世代包括支援センター、地域包括支援センターにおいてダブルケアについての相談を受けており、相談があった際にはその内容を互いに共有することとしております。現時点でこのダブルケアそのものについての相談はありませんが、それぞれの相談支援を行っている中で、高齢者の介護と子育ての両方を行っている世帯の事例を2件把握しております。次に、多重ケアの実態に対する認識につきましては、福祉の相談を受けていく中で、例えばお一人で高齢の親と障害のある家族の介護を行っているなど、複合的な課題を抱える多重ケアの事例があることは承知をいたしております。次に、市外在住の方がキーパーソンとなっている実態と市の対応につきましては、現在、地域包括支援センターの介護相談においては、家族や親族からの相談のうち2割程度が市外在住の方からの相談となっており、身近に家族等の支援者がいないという実態があるものと認識をしております。また、市外在住の家族等から電話などにより市が相談を受けた際には、地域包括支援センターを通じ、介護の代行申請やその後の支援につなげるなど、家族等の負担の軽減に努めております。次に、ヤングケアラーについてですが、まず課題解決の取組につきましては、北海道で実施をしている調査結果により、ヤングケアラーの現状と抱えている課題を整理したいと考えております。また、ヤングケアラーが抱えている課題は子供本人だけではなく、その世帯全体が抱えている課題でもあるという認識に基づき、教育をはじめ福祉、介護、子育て部門など関係部局と連携をして支援をする体制を構築してまいります。次に、本市におけるアンケート調査等につきましては、北海道で現在実施をしている調査のほか、札幌市においても同様の調査が行われておりますので、それらの結果を注視してまいります。その上で独自のアンケート調査等の実施により本市の傾向を把握するのか、あるいは関係者との協議等により潜在化している個別案件を把握して支援につなげていくのか、方向性について検討をしてまいりたいと考えております。次に、介護者の実態の把握と介護者支援策につきましては、今後介護を必要とする方がますます増加し、介護者が抱える課題が複雑化することも見込まれることから、その実態把握に努めるとともに、他都市の事例なども参考に地域や関係機関と連携しながら支援策について検討してまいりたいと考えております。-71-(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)

松田議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、介護者への支援策について御質問がありました。初めに、ヤングケアラーについてですが、まずプロジェクトチームからの市内中学校における調査と国の報告書に対する市教委の認識につきましては、本調査は国がヤングケアラーと思われる子供の実態をより正確に把握するため、昨年12月に全国の公立中学校、高等学校を無作為に抽出し、各学校の2年生を対象に学校や個人が特定されない形でアンケート形式により実施したものであり、本市では抽出された中学校1校を対象に調査が実施されました。国の調査報告書によりますと、世話をしている家族がいると回答した割合が中学校2年生で5.7%、高校2年生で4.1%であり、その中には家族への世話をほぼ毎日している中高生は5割弱、1日平均7時間以上世話をしている中高生が約1割存在するという結果となっておりますことから、ヤングケアラーと思われる子供の割合が思いのほか多いと感じており、自分自身がヤングケアラーであるという自覚がない者もいることなど、表面化しにくい課題があることを教育関係者が理解した上で、子供たちをサポートしていく必要があるものと改めて認識したところでございます。次に、何でも気軽に相談できる環境づくりにつきましては、ヤングケアラーを早期に発見した上で支援を行うことが重要であり、特に学校の教職員は子供と接する時間が長く、日々の変化に気づきやすいことから、ヤングケアラーを発見しやすい立場にあります。そのため、学校においては教職員のヤングケアラーに対する理解促進を図るとともに、そのことを意識した上で日常の会話や定期的な教育相談、アンケート等を通じて子供たちが気軽に相談できる体制づくりに努めていくことが必要であるものと考えております。

出典:小樽市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月14日 議事録 PDF(87ページ) 間違いを知らせる