小樽市議会 令和3年第1回定例会 2021年3月2日
地方自治体のICT化について
2021年3月2日、小樽市議会の一般質問で、高橋克幸議員が「地方自治体のICT化について」質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。
- 質問者
- 高橋克幸 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 高橋克幸
次に、地方自治体のICT化推進とRPAの活用についてであります。-67-まず、地方自治体のICT化推進であります。総務省は令和2年12月25日、自治体デジタル・トランスフォーメーション、いわゆるDX推進計画の概要が発表されました。この計画策定の目的が次のように表記されております。政府において決定されたデジタル・ガバメント実行計画における自治体の情報システムの標準化・共通化など、デジタル社会構築に向けた各施策を効果的に実行していくためには、国が主導的に役割を果たしつつ自治体全体として足並みをそろえて取り組んでいく必要がある。そのため、総務省はデジタル・ガバメント実行計画における自治体関連の各施策について、自治体が重点的に取り組むべき事項・内容を具体化するとともに、総務省及び関係省庁による支援策を取りまとめ、自治体DX推進計画として策定し、デジタル社会の構築に向けた取組を全自治体において着実に進めていく、となっております。重点取組事項は6点あり、自治体の情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化、AI・RPAの利用促進、テレワークの推進、セキュリティー対策の徹底であります。これらについてどのように認識されているのか、見解を伺います。このような国の動向を受け、北海道においてもデジタル化対策が重要政策に加えられ、今後、地方自治体のICT化が着実に、しかも数年のうちに進むものと考えます。先進地である他都市では、ICT推進課などの専門組織を構成し、推進計画や実行計画の策定や、庁舎内の調整まで行っているところもあるようでございます。本市においてもICT化推進に向け、今後、ICT化推進計画の策定や求められる具体的なデジタル政策について、専門的な組織チームが早急に必要と考えますが、見解を伺います。次に、RPAの活用についてであります。先ほど述べた自治体DX推進の重点項目の一つがRPAなどを活用したデジタル自治体行政の推進であります。RPAとは、人間の仕事をソフトウエアロボットに代行させて業務を自動化し、生産性向上を図る仕組みのことであります。具体的には、自治体の定型的かつ膨大な作業量が発生する業務プロセスについて、RPAを活用し自動化・省力化し、これにより自治体職員の稼働時間の削減効果やミスの軽減、行政サービスの向上、さらには自治体職員の働き方改革にもつながると期待をされております。RPAの活用については、これまでの議会でも他都市の具体例を挙げ、何回も質問・提案をしてまいりました。昨年、第3回定例会一般質問において、私の質問に対し、市長は次のように答弁されました。費用対効果の見込まれる業務の洗い出しにつきましては、業者から伺った話やデモンストレーションを通じ、費用対効果が見込まれる業務を選定し、年度内に予定している実証実験に向けた準備を進めているところでありますという内容でありました。この第3回定例会以降の経過と準備状況、実証実験、そして検証のスケジュールについてお示しください。いずれにしてもこのRPAの活用については、先進事例にもあるように効果が大きいものと考えます。さらに、先ほど述べたように、政府が大きく方針を打ち出し推進しているデジタル政策でありますので、本市も導入に向けて早急に検討すべきと再度提案いたしますが、市長の見解を伺います。次に、GIGAスクール構想についてであります。令和3年度の予算にはGIGAスクール構想関連、GIGAスクール関連事業費が計上されておりますので質問いたします。文部科学省ではICTを活用した教育を推進するため、GIGAスクール構想を掲げ、この実現パッケージも公開されました。GIGAスクール構想とは、内閣府が提唱したSociety5.0時代に生きる子供たちの未来を見据え、児童・生徒向けの1人1台学習用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想であります。この構想についてどのように認識をされているのか、改めて教育長の見解-68-を伺います。1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークというハードは構想の土台であり、デジタル教科書や教材、AIドリルなどのデジタルコンテンツ類というソフトとICTを活用推進するための体制という指導体制が重要な点であります。そこで、この3点について伺います。まず、ハード面として、学校ICT環境の整備状況について伺います。1人1台の学習用端末ですが、現在の整備状況について、小学校、中学校別にお示しください。また、いつから児童・生徒の手元に行き渡るのか、今後の予定をお答えください。高速大容量の通信ネットワークの整備についてですが、現在まで校内LAN等の工事が進められていると思いますが、どのような状況なのか、小学校、中学校別にお示しください。また、工事はいつまでに終了するのか、供用開始できるのはいつなのかお答えください。次に、ソフト面についてであります。以前にも紹介しましたが、2014年に学校のICT活用の先進地、佐賀県武雄市へ公明党会派で視察してまいりました。1人1台のタブレットを活用し、武雄式反転学習「スマイル学習」を全ての小学校で実施しております。スマイル学習の特徴は、以前のものと比較して、1点目に授業転換が早い、2点目に協働学習が濃密、3点目に子供の理解度が高いなど、3点言われております。小学校の教員の意見では、まず学習意欲が高まりました。予習教材は分かりやすく面白いのでしっかり自宅で勉強してきます。予習しているから授業も分かりやすく参加しやすいのですという内容でありました。スマイル学習を支えているのは、予習教材と授業計画であると言われております。つまり、ハードを導入しただけでは効果はないと考えます。タブレットを活用してどのように学習を進めていくかなど、ソフト面を充実させていくかがポイントであると思います。文部科学省では、小・中・高等学校におけるICTを活用した学習の取組事例が掲載されておりますので、ぜひ参考にしてほしいと考えます。今後の取組として、小樽全体で底上げできるようにするために、ソフトの充実をどのように取り組まれていくのか、今後の考え方や目標、そして今後のスケジュールなどお示しください。次に、指導体制についてであります。指導体制とはICT活用教育アドバイザーや民間企業の外部人材によるICT支援員など、ICTを活用・推進するための体制であります。本市では、どのような体制を考えているのかお示しください。また、教育委員会では情報推進会議を設置し、各学校から選出されている教育情報化推進委員と共にICTを活用した推進会議を行っているようであります。これまでの経過と今後の内容及びスケジュールについてお答えください。次に、ICTを活用した家庭学習についてであります。昨年、コロナ禍の中、学校が臨時休業となった期間があり、休業中の学習の遅れが大きな問題となりました。そのような中、上越教育大学附属中学校での取組が紹介されておりました。同校では10年前からICTを活用した学習の研究がスタートし、2016年には1人1台の端末を活用した学習が行われてまいりました。このタブレット端末を効果的に活用し、主体的な学びや思考を深めている様子を毎年ICT公開授業として地元の保護者や関係者に公開されているようであります。学校の臨時休業に当たっては、未履修分の授業についての学力保証と学習習慣の確立に向け、長年のICT活用のノウハウを生かしながら、学校と家庭をつなぐ遠隔授業を行ったようであります。取組の主な内容として、ビデオ会議のアプリのインストール、自宅に通信環境がない家庭にはWi-Fiの貸出し、教科ごとの専用メールアドレスとグーグルのクラスルームを使用した授業などであります。このような取組は参考になると思います-69-が、どのように認識されているのか、見解を伺います。また、今後、様々な理由による臨時休業についての学習対策と、不登校児童・生徒の学習環境の対策の一つとして検討が必要と考えますが、教育長の見解を伺います。3項目め、終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、地方自治体のICT化について御質問がありました。初めに、地方自治体のICT化推進とRPAの活用についてですが、まず、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に重点取組事項として挙げられている6点につきましては、行政サービスにおける住民の利便性を向上させるとともに、業務の効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上に振り向けるためのものであり、本市としてもしっかり取り組んでいかなければならないと考えております。次に、ICT化推進に向けた専門的な組織の設置につきましては、本市におきましても国が推進しているデジタル政策に対応する必要性を十分認識しているところであります。国の動きに迅速に対応していく必要がありますが、現時点ではその業務量の総体が明らかになっておりませんので、当面の対応といたしまして、総務部にデジタル化を担当する専任職員1名の配置を検討しているところであります。次に、RPAの活用に向けた第3回定例会以降の経過等につきましては、実証実験への参加4部署を対象に、令和3年1月13日、14日の2日間で、業務を自動化するためのシナリオ作り講習会を行ったところであり、3月中旬までをめどに実証実験を行ってまいります。令和3年度においては、必要に応じて他の部署での追加実験を行いながら、秋頃までに費用対効果を検証していく予定としております。次に、RPA導入に向けての検討につきましては、実施した実験の作業時間削減効果や実験参加部署の意見、導入に関する費用や業務の継続性、他の業務への拡大の可能性などを検証し、導入効果が見込まれる場合には、令和4年度に向けて関係予算を計上したいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
高橋克幸議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、地方自治体ICT化の推進について御質問がございました。初めに、GIGAスクール構想についてですが、まず、GIGAスクール構想についての認識につきましては、Society5.0時代の到来が予測され、これからの社会生活の中でICTを日常的に活用することとなると考えられております。そのような環境の下、子供たちが生きていくために必要な資質・能力を育むためには、学校においてもICT環境を整備し、効果的に活用していくことが必要であるものと考えております。これらの状況に加え、いまだ終息が見られないコロナ禍において、子供たちの学びを保障できる環境を実現するため、教育の情報化を推進していくことは重要であると認識しております。次に、1人1台の学習用端末の現在の整備状況につきましては、小学校が17校中5校、中学校が12校中11校で整備が終了し、残りの学校については、初期設定などキッティング作業を経て、全ての子供たちに行き渡るのは年度内を予定しております。次に、高速大容量の通信ネットワークの現在の整備状況につきましては、小学校が17校中1校、中学校が12校中11校で整備が終了しております。また、供用開始するために高速通信ネットワーク整備と同時進行で、充電保管庫の搬入と新たなインターネット回線の新設を進めており、全ての学校の通信環境-70-が整うのは今年度内を予定しております。次に、ソフトの充実につきましては、本市では文部科学省のGIGAスクール構想に対応した端末とソフトを導入しており、文書作成や表計算、プレゼンテーション作成、全員が意見を書き込めるホワイトボードのほかに、ウェブ会議ツールなど、様々なソフトによりICTを活用した教育を実践していくこととしております。今後、学習指導要領の改訂などさらなる取組が求められる際には、新たなソフトの必要性について検討してまいりたいと考えております。次に、ICTを活用・推進するための体制につきましては、昨年の10月からGIGAスクールサポーターを活用し、学校における環境整備の初期対応としてセキュリティーポリシーの作成や端末の使用に関するマニュアルの作成など、本市における1人1台端末の導入に向けて取組を進めているところであります。また、次年度に向けましては、整備された端末を効果的に活用するため、引き続き、サポーターによるICT活用研修講座を開催するとともに、各学校へ派遣し、教職員向けの端末操作やソフトの活用方法などの講習会を実施してまいります。さらに、日常的な教員のICT活用の支援を行う必要がありますことから、ICT支援員を新たに配置し、授業支援や教材作成支援、情報モラル教育に関する出前授業などを行うなど、指導体制を強化してまいります。次に、推進会議のこれまでの経過と今後につきましては、市内全小・中学校のICT担当者が参加した小樽市教育情報化推進会議において、GIGAスクールサポーターを講師として構想の実現に向けた取組について学ぶとともに、実際に端末を使用し、共同編集作業や小テストの実施及び集計作業の体験、ウェブ会議ツールを活用したオンライン体験などを実施しております。また、コロナ禍に対応した研修として、サポーターが作成した端末の使用に関する動画や、道立教育研究所が本市のために作成した動画などを用いた各種研修をオンデマンドで配信しております。今後も、ICTの活用に向けた様々なニーズに合わせた研修を実施していくとともに、定期的に推進会議を開催し、各教科等での端末の効果的な活用方法等を協議するなど、教職員の指導力向上に努めてまいります。次に、今後の臨時休業における学習対策などにつきましては、まず上越教育大学附属中学校での遠隔授業の取組の見解につきましては、児童・生徒が主体的に学ぶことにより学力向上の効果が期待できることや、家庭における学習習慣の定着が図られるなど、コロナ禍における学習対策としても先見的な取組であると認識しております。次に、今後の臨時休業における学習対策につきましては、本市においては間もなく1人1台端末が配備されますことから、休業になった際には端末を自宅に持ち帰りオンライン授業や学習動画の配信等を行い、自宅に通信環境のない家庭については、教育委員会からルーターを貸与し、児童・生徒の学びの保障に努めてまいりたいと考えております。次に、不登校児童・生徒の学習環境の対策につきましては、これまで行っております登校支援室の訪問型支援に加え、今後、1人1台端末を活用したオンライン授業や個別の教育相談、さらには各学校からの授業のライブ配信を行うなど、学習環境の充実を図ってまいりたいと考えております。