小樽市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月7日
避難所運営の在り方について
2020年9月7日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「避難所運営の在り方について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 松田優子 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 松田優子
3項目め、避難所運営の在り方について伺います。早いもので、北海道胆振東部地震から昨日で丸2年がたちました。小樽は比較的自然災害が少なく、あっても局地的です。しかし、この北海道胆振東部地震では時間の長短があったにせよ、全市民がブラックアウトで被災し、市民生活に打撃を受けました。これにより幾つかの避難所が開設され、また、旅行で本市に来られていた方の避難所対応も迫られるなど、それまでの防災対策を見直さねばなりませんでした。情報伝達しかり、避難所運営しかり、高層建物の給水断絶等、課題が幾つも見つかり、以後、その課題解決に向け取り組んできました。そこで、昨年は地域住民の方も参加し避難所開設訓練を行い、今年度はそれを受けて避難所運営訓練、また、冬季避難所体験訓練も行う予定と聞いています。このように避難所の開設、運営に目を向けた途端、本年初頭より全国的に発症した新型コロナウイルス感染症は、感染防止という観点から避難所の収容人数の見直しや備蓄品の見直しなど、新たな避難所運営マニュアルの改正が必要となりました。これらを受けて、私たち公明党小樽市議会議員団は、先日、指定避難所の一つを視察させていただきましたが、幾つかの課題が見えましたので、それらについて質問をさせていただきます。まず、新型コロナウイルス感染症のような感染症対策として、今までの備蓄品に加え、新たに備蓄しなければならなくなったものがあると思いますが、それらの備蓄品は何があるのか伺います。また、避難所における備蓄品を見せていただきましたが、備蓄基準が曖昧なように思いました。例えば、暖房用の石油ストーブは1台しかなく、聞けば、どこの避難所でもストーブは1台だといいますが、広い体育館にストーブ1台ではあまりにも心もとない気がいたします。避難所の大小によって備蓄されている数では過不足が生じる懸念があり、避難者の年齢状況によっては独自の準備も必要だと思います。避難所備蓄品のうち食料品やストーブの数量は、どのような基準で決めているのか。また、食料品の賞味期限や灯油の備蓄期限のチェック方法についても伺います。小樽市の場合、避難所は小・中学校の校舎が多いと思いますが、備蓄品保管場所の確保の問題もあります。備蓄品を1か所で保管できず、分散して保管しなければならない避難所もあり、そのためにはどこに何があるのか、保管場所の周知も徹底する必要があると思いますが、この点についての認識をお聞かせください。感染症対策として3密防止の観点から、定員の見直しや災害内容によって指定避難所ではなく、親せきや友人、知人宅が避難所になる場合もあると考えます。このため、災害物資の届け先が増える場合もあり、どのように対応するのか検討する必要があると思いますが、この点についての御見解をお聞かせください。いざというときは、やっていないことはできませんし、たとえやっていたとしてもパニックに陥った場合はできないことも多々あり、ある程度のシミュレーションも必要です。だからこそ日頃の避難訓練が大事になってきます。その際、市職員だけではなく、地域、町内会等を巻き込んでの避難訓練が必要-34-と思われます。市職員は数が限られていますので、互いの役割分担を決め、また1、2年ごとに行うなど、定期的に訓練すべきであり、女性の視点での避難所対策も大切です。それをモデルケースとして他の地域の住民に公開すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。さて、昨今の自然災害の状況を見ていると、高齢者施設における被害が甚大で、多くの高齢者が犠牲となっていることは本当に痛ましい限りです。本年の九州南部を襲った記録的豪雨で、特別養護老人ホームの入所者が多数お亡くなりになりましたが、福祉施設などでは避難確保計画が義務づけられているにもかかわらず被害が防げなかったことは本当に悔やまれます。先般の報道によれば、内閣府では災害時に自力避難が困難な障害者の逃げ遅れを防ぐため、今後対策を拡充する方針を決めたとあります。具体的には、ケアマネジャーら福祉職と連携を強化し、一人一人の避難方法を事前に決めておく、個別計画を促すとのことですが、調べによれば自力避難が困難な住民をリストアップした避難行動要支援者名簿に載せた全員の計画を作成した市町村は、昨年の6月時点で全体の 12%のとどまっているといいます。そこで伺いますが、小樽市における避難行動要支援者名簿の作成状況と個別計画の作成状況はどうなっているかお示しください。もしも避難行動要支援者の個別計画の作成が進んでいない場合は、その要因をお聞かせくださるとともに、解消に向けてどう取り組むのか伺います。ともあれ、災害時には情報共有が大切になってきます。昨年行われた避難所開設訓練では、手話のできる方が訓練に参加されており、大変よかったと思います。聴覚に障害のある方は、見た目ではその障害が分かりにくいため、周囲からの手助けが遅れる場合があります。私は、かつて委員会で聴覚に障害のある方だと一目で分かるように、聴覚障害者用のバンダナの配付をお願いいたしましたが、あまりよい返事はいただけませんでした。これについては、障害者手帳交付時に配付している市もあるようです。このバンダナの配付の検討をお願いいたしますが、この点についての御見解を伺います。今般の九州地方の大雨による自然災害では、新型コロナウイルスの感染を避けるため、他県からの災害復旧のボランティアを制限せざるを得なくなり自前での復旧作業を余儀なくされ、復旧にかなり時間を要するなど、自助、共助、公助の在り方も新たな課題となりました。迫市長は就任直後、北海道胆振東部地震が発生し、対策本部を立ち上げるなど大変な御苦労をされ、そして就任2年目には新型コロナウイルス感染症対策とともに、市内活性化の支援策の打ち出しなど、またもや御苦労されていると思いますが、市民の安全・安心を守るのは行政の首長として当然のことですので、これからもよろしくお願いいたします。以上で、3項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、避難所運営の在り方について御質問がありました。初めに避難所運営についてですが、まず、感染症対策としての新たな備蓄品につきましては、非接触型体温計やアルコール消毒液、液体せっけん、フェイスシールドなどがあり、現在購入に向けて手続を進めているところであります。次に、避難所における備蓄品の数量につきましては、食料品は北海道が平成 30 年2月に公表した地震の被害想定に基づき、本市で震度6クラスの地震が発生した際の最大避難者数約 6,000 人を考慮し、不測の事態に備えて 8,000 人の3食分として、約2万 4,000 食の備蓄をしております。ストーブは電池点-35-火式のものを各避難所に最低1台を基準に 68 台配備しており、加えて小・中学校などには 35 台の赤外線ヒーターも配備し、合わせて 103 台の暖房機器を備蓄しているところであります。また食料品の賞味期限や灯油の備蓄期限のチェック方法につきましては、食料品は備蓄期限管理表を作成し、賞味期限切れの防止に努めており、灯油は避難所となる施設で平時に使用している燃料を利用することを基本としておりますので、災害用の備蓄は特にしておりません。次に、避難所での備蓄品の保管場所については、小・中学校などの避難所を開設する職員に対しては、各避難所の見取図を配布し、その中で備蓄品の保管場所を示すことで周知を図っております。今後は避難所を運営する職員にも分かりやすいよう、各避難所の玄関付近等の見やすい場所に備蓄品の場所を示す見取図や、避難所運営マニュアルなどを配置できるよう、各避難所の施設管理者と調整を進めてまいりたいと考えております。次に、指定避難所以外の場所へ避難した場合の対応につきましては、今後感染症の発生リスクを避けるため、安全が確保できている自宅や親せき、友人宅などに避難する場合が想定されることから、自助の観点から最低3日、できれば1週間分の必要な物資を備蓄していただくよう、平時より啓発するとともに、在宅避難時等において物資が不足する場合は、指定避難所へ取りに来ていただくなど、市民の皆さんに御協力をお願いすることを考えております。次に、避難所訓練の実施方法につきましては、今年度は避難所運営訓練、冬季の避難所体験訓練の開催を予定しておりますので、事前に市職員と地域住民との協働の仕組み、女性の意見を参考とした避難所運営の在り方など、一定の整備をした上で御協力が得られた地区において訓練を進めてまいりたいと考えております。また他地域の住民に対する現場での一般公開につきましては、感染症拡大のリスクを考慮いたしますと、今年度は難しいものと感じておりますので、市のホームページなどで訓練の様子を広く公開してまいりたいと考えております。次に、高齢者等要支援者避難対策についてですが、まず本市における避難行動要支援者名簿の作成状況につきましては、要支援者名簿は平成 25 年6月に災害対策基本法が一部改正され、市町村長にその作成義務が課されたものであり、平成 27 年6月から当該名簿の作成事務を行い、年2回の更新を続けているところであります。また、個別計画の作成につきましては、努力規定とされていることもあり、現時点では本市において作成に至っていないのが実情となっております。次に、避難行動要支援者の個別計画の策定が進んでいない要因につきましては、策定に向けた検討を進める中で、策定必要数に加え、避難支援等関係者の選定、避難経路の決定などについて、本市の社会福祉協議会、地区民生・児童委員など、関係者との膨大な調整業務が想定されるなど、多くの課題があることから、いまだ具体的な策定業務に着手できていない現状にあります。今後におきましては、どのような進め方をして策定していくべきか、まず庁内関係部署による検討会議を開催した上で共通認識を醸成するとともに、協力体制を構築して個別計画の策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。次に、聴覚障害者用のバンダナの配付につきましては、道内主要都市の実施状況を調査したところ、石狩市で実施していることから、今後、道外の実施状況を把握するほか、障害のある方の意見などもお聞きしながら、引き続き、検討してまいりたいと考えております。