みんなの議会

小樽市議会 令和2年第2回定例会 2020年6月16日

これからの観光施策について

2020年6月16日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「これからの観光施策について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
佐々木秩 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 17番 佐々木秩

2項目め、これからの観光施策について伺います。一つ目は、今後の経済・観光復興策について。昨年度の小樽市観光入込客数の概要が発表されました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2月、3月が大幅に落ち込み、結果、年間入込客数は 699 万 1,800 人で、7年ぶりに 700 万人を下回りました。今年度に入っても同じ状況が続いています。観光分野での回復に当たっては、いきなり外国人観光客がどっと帰ってくるというようなことは考えられません。まずはリピーターが多くを占める札幌圏からの観光客に戻ってきてもらうことが第1弾となるというのが大方の考えです。一方で、いまだ新しい感染者が出ている札幌市との往来に不安を持つ市民感情も根強いものがありますし、一時、市長も心配されておられたようです。それらを踏まえながら、感染予防対策と経済・観光復興策のバランスをいかにとっていくかが市の役割、市長の手腕ということになるでしょう。こうした経過の中で、感染予防対策と経済・観光復興策のバランスについて、市長のお考えをお聞かせください。また、そのために現段階でも道や札幌市との連携協議がポイントになるのではないでしょうか。現在の対応はどうなっていますか。また、今後の本市経済観光復興への道筋をどのように描いていますか。感染再々拡大のおそれがある中で、クルーズ船観光など、なかなか先が見通せない分野も多いですし、国や道の対応次第というところもありますが、ぜひ市には、市民に未来の展望を示しながら進んでほしいと思い、お聞きします。続いて、オーバーツーリズムについて伺います。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が激減していますが、いずれ回復し、以前にも増して多くの外国人観光客をはじめ、多くの来訪者が小樽にやってきてくれる日を待ち望んでいます。そのときに備え、あえて今、観光の負の側面であるオーバーツーリズムについてお聞きしておきます。私の地元朝里では、今年2月くらいまではJR朝里駅に多数の海外観光客があふれ、ホームや線路上-71-でJRの運行に支障を来す行為が繰り返され、近所のお宅の敷地にまで侵入、ごみを捨てていかれるというような状況がありました。このような状況が市内各地域で見られたそうです。現在は落ち着きを取り戻していますが、また繰り返されるのであれば、観光客が戻ってくることに抵抗感を持つ市民も多いようです。こうしたオーバーツーリズムと言われる状況について、本市での事例や地元住民、迷惑を被った方からの御意見等は把握をしていますか。この課題については、受け身の応急処置的な対策に終始するのではなく、長期的な視野に立った観光地マネジメントの一環として、様々な側面に目配りをしながら対策に取り組むことが求められます。そこで、市としてのこれまでの事例に対する対応とその効果についてお聞かせください。観光庁が示した「持続可能な観光先進国に向けて」には、本市でも設立を進める観光地域づくり法人DMOの目的の一つに、オーバーツーリズム対策を含めた環境整備をすること、とあります。小樽版DMOもその役割の中にオーバーツーリズム対策を含めた環境整備が位置づけられていますか。また、新型コロナの影響でストップしていますが、市が導入を検討している宿泊税には、オーバーツーリズム対応はその使用目的に含めて考えているのかも伺います。この項、三つ目、サイクルツーリズムについて伺います。令和元年第2回定例会において、サイクルツーリズムについての質問をしました。サイクルツーリズムとは、自転車を活用した観光の総称です。初めに、前回質問以降の進捗について御説明ください。同時に、観光振興室に限らず、自転車活用に関わる市役所庁内外の状況などについて、把握している動きもあれば示してください。今、またこの件を取り上げた理由は、前回からサイクルツーリズムを取り巻く状況がさらに進展しており、世界的な自転車活用推進の動きに小樽市が乗り遅れないようにとの思いからです。サイクルツーリズムは、今後確実に伸びていくコンテンツであるという、市場の成長性は世界的に認められています。その根拠として、そもそもスポーツ系自転車のブームが続いていること。以前、面野議員の質問にもありました 2021 年ATWS、アドベンチャートラベルワールドサミットの北海道開催が決定したこと。これにより北海道の自転車を含むアウトドア観光が世界各国に示され、以後の北海道観光復興の起爆剤として期待されます。三つ目、ウィズコロナ、アフターコロナの中でもサイクルツーリズムはリスクの軽減にもつながる考えであることが広く認知されてきたことです。現にヨーロッパ各国政府や自治体が外出制限を緩和した後の感染防止策として、自転車活用の政策を相次ぎ打ち出しています。自転車通勤で感染リスクを下げるほか、大気汚染や市民の肥満も抑えられるという環境配慮と健康志向の一石三鳥を狙う政策です。国も 2017 年5月、自転車活用推進法、続いて、道では北海道自転車条例が施行し、その活用を推進していることも挙げられます。よって、本市もサイクルツーリズムに積極的に取り組むべきときです。以前に議会で質問した際には、坂道の多さ、一部通行上の安全性で懸念があるという理由から、活用に消極的な答弁にとどまりました。果たして坂道の多さは弱点でしょうか。小樽の坂道の多様さ、それが持つ歴史やストーリー性は、今やサイクリストだけではなく、観光客にとっても立派な観光コンテンツです。さらに、電動アシスト自転車の中でもスポーツタイプのものを指すEバイクなど、坂道克服のための技術革新が急速に進み、既に弱点ではなくなり、むしろ坂道を楽しい体験に転換できるのです。実際に私自身がEバイクを購入し検証中ですが、地獄坂ですら難なく登ることができました。札幌市でもシェアバイクに導入されていますし、世界的にもスポーツアクティビティの一つとして認知されてきています。-72-次に、安全性の懸念についてですが、石狩市はいち早く石狩市自転車活用推進計画を策定し、市街地において自転車が安全、快適に走行できる自転車走行環境の改善、サイクリスト受入れ環境の充実を図っています。本市でも自転車活用推進計画を策定することで、北海道開発局や後志総合振興局とも連携、支援を受けながら、道路や標識の安全環境整備などを行うことができるのです。以上、市が懸念されていた点について申し述べましたが、さらには長距離走行が可能なため、小樽をゲートウェイとした後志への周遊ルートが描けること、DMOでの着地型観光商品を販売すると示されましたが、現地体験のコンテンツになり得ること、特にEバイクは様々なニーズに応えられます。これら、多様な展開も期待できます。さらに付け加えると、市民のコロナ以後の通勤・通学手段の多様化、健康増進、CO2削減等に貢献します。以上の考えを踏まえ、改めて市のサイクルツーリズムについての御所見を伺います。その上で自転車活用推進計画の作成を改めて前向きに考えていただき、まずは市の姿勢を示すために市内の事業者や公共施設、機関と提携して、各ポイントにサイクルラックの設置やトイレの提供など、あまり費用をかけずに取り組めるところから始めてはいかがでしょうか。今動けば、まだ自転車活用推進のための各種計画をリードする立場に立てます。御検討をよろしくお願いします。2項目め終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、これからの観光施策について御質問がありました。初めに、今後の経済・観光復興策についてですが、感染予防対策と経済・観光復興策のバランスにつきましては、現在、全国的な緊急事態宣言は解除されたものの、北海道としては札幌市と他地域との往来については、ステップ1である6月 18 日までは慎重な対応を求めている状況にあります。本市は札幌市と隣接し、観光や通勤など社会経済活動においては一つの圏域であると考えており、そのためステップ2となる 19 日以降、札幌市などから来樽される観光客の増加を期待しているところでありますが、一方では往来の増加により、感染拡大のリスクも高まることから、市民や経営者の皆さんが感染防止のために新しい生活様式を日常に取り入れ、継続していただくとともに、北海道や札幌市とは、これまで以上に緊密な情報交換等を行い、互いの状況等を把握するなど、連携を図ってまいりたいと考えております。次に、本市における経済観光復興への道筋につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束には時間を要するため、段階的に誘客を図っていく必要があるものと考えております。そのため、まずは既存の観光事業者の事業継続を支援することが喫緊の課題であり、併せて市民による観光消費を喚起するため、宿泊施設市民応援キャンペーンを実施してまいります。次のステップとしましては、札幌を中心とした道央圏や近隣の市町村から、徐々に道内・道外へと国内客の誘致を図ってまいります。また、海外からの誘客につきましては、一定程度、時間を要すると思われることから、本市の魅力の発信や情報提供を継続するとともに、新型コロナウイルス感染症の収束状況を見極めながら、海外キャンペーンなどの誘致施策を行ってまいりたいと考えております。次に、オーバーツーリズムについてですが、まず、本市におけるオーバーツーリズムの状況につきましては、近年JR朝里駅付近に多くの外国人観光客が訪れ、線路内で写真撮影をしたり、周辺住民の自宅敷地内に勝手に入っている状況や、また船見坂でも車道で写真撮影をする危険行為が行われている状況について把握をいたしております。特に冬期間には、これら地域を訪れる外国人観光客が急激に増加-73-する傾向にあり、迷惑に感じているという市民の方からの声が寄せられております。また、朝里駅付近の地域の方から直接お話をお伺いしましたところ、民家の壁にもたれ写真を撮影したり、窓から室内をのぞいた形跡があったなどという報告も受けております。次に、これまでの事例に対する対応と効果につきましては、本年1月の春節前に船見坂及び朝里駅付近の状況に対応するため、多言語による注意喚起の貼り紙をそれぞれ作成いたしました。これらの貼り紙を電力会社の御協力を頂き、船見坂及び朝里駅付近の電柱に掲示をしたほか、朝里駅付近の住民宅にも配布をし、活用していただくようお願いをしてまいりました。朝里駅付近では、職員が配布中にも多くの外国人観光客が住民の敷地に入り込んでいる姿を散見したため貼り紙を指し示したところ、理解を示し、その場から離れていただけました。住民の方からも同じ状況があったと伺っており、一定程度の効果は認められるものと考えております。次に、小樽版DMOのオーバーツーリズム対策につきましては、国が示している観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドラインにおいて、観光地域づくり法人の目的として、観光で地域が稼げる仕組みづくりやオーバーツーリズム対策を含めた環境整備をすることによって地域経済を持続的に成長させ活性化させることであると位置づけられており、本市のDMOにおきましても、その役割としてオーバーツーリズム対策も位置づけられていくものと考えております。次に、宿泊税の使途としてのオーバーツーリズム対策につきましては、宿泊税の使途は本市の観光振興に資する事業に活用されるものであり、具体的には今後開催される有識者会議において協議していただく予定でありますが、観光地の除排雪や景観の保全などと同様に、オーバーツーリズム対策も観光客の受入れ環境の整備の一つに当たるものと考えております。次に、サイクルツーリズムについてですが、まず、令和元年第2回定例会以降の進捗につきましては、昨年8月に開催された第8回自転車利用環境向上会議in北海道・札幌の全体会議に本市職員を派遣し、海外のサイクルツーリズムや自転車利活用についての情報収集を行ったほか、観光協会においても札幌市で開催されたサイクルツーリズムに関する会議に出席したと聞いております。また、北海道からの照会により、自転車活用に関する行事等について定期的に全庁調査を行っておりますが、これまで該当する行事等はありませんでした。次に、本市のサイクルツーリズムについての所見につきましては、議員が御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、市民のライフスタイルも変化をし、Eバイクをはじめとする自転車の活用については可能性があると認識をいたしましたけれども、本市においては坂道が多く、道路も狭隘であり、安全面での懸念があるものと考えております。次に、自転車活用推進計画の策定とサイクルラック設置などにつきましては、計画の策定に当たっては関係者の御意見を伺うため、各道路管理者のほか、各種交通事業者や警察、自転車関係団体、一般市民を含めた協議会を開催し、さらに市民へのアンケートを実施しながら策定作業を進める必要があるため、一定の時間や費用も要すると考えられますので、ニーズを見極めた上で判断をさせていただきたいと考えております。また、サイクルラックの設置などについては、観光協会をはじめ観光事業者ともサイクルツーリズムについての情報を共有するとともに、ニーズの把握に努めながら、設置場所や財源についても調査をしてまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和2年第2回定例会 2020年6月16日 議事録 PDF(87ページ) 間違いを知らせる