小樽市議会 平成31年第1回定例会 2019年2月25日
財政問題について
2019年2月25日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「財政問題について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 19番 林下孤芳
平成 31 年第1回定例会に当たり、立憲・市民連合を代表して質問いたします。まずは財政問題についてであります。私は3期 12 年間、小樽市議会議員を務めさせていただき、4人の市長と議論を闘わせてまいりましたが、その間、一貫して小樽市の財政をめぐる課題は、常に歳入不足に悩み続けてきたことでありました。私が初当選させていただいたときには、三位一体改革で地方交付税が大幅に減額され、全国の多くの自治体が軒並み財政危機に陥る中で、夕張市が財政破綻し、市民からは、小樽市を絶対に財政破綻させてはならないと市政に関心が高まり、多くの新人議員が誕生しました。当時の山田市長は、国に対する抗議の意味を含めたかどうかは今では定かではありませんが、自治体としては異例の赤字予算を組み、全国的にも大きく取り上げられておりました。しかし、国は、赤字国債の増発などによる財政危機の解決は国際公約であるとして、国の財政危機を優先し、地方自治体に対する財政措置は行わず、全国市長会などの反発を招き、結果的に政権交代につながったと思われます。当時の民主党政権は、地方の自立を掲げ、事業仕分けなどで無駄を省き、一括交付金による地方財政に対する措置を実施することで多くの自治体が財政の健全化を達成し、小樽市も財政調整基金を積み立てるまでに財政の健全化を達成しました。2012 年暮れの衆議院選挙で政権復帰を果たした安倍総理は、国の財政再建を棚上げし、デフレ対策として世の中に出回るお金をふやせば、物価が上がり景気がよくなる、企業業績が改善し、賃金も上がるという経済学者の進言に基づくアベノミクスを強力に推進しました。市場も歓迎し、円安、株高が急速に進み、日銀の規制緩和で大量の紙幣が供給されましたが、その効果は大企業や大都市に偏重し、地方自治の税収効果や物価も賃金もほとんど上昇することなく、国債が増発された分、現在は日本の財政再建に対する国際的な信用不安が増してきているのではないかとの専門家の指摘もあります。雇用問題も、この6年間で非正規雇用の労働者は増加が続いており、賃金の上昇は最低賃金の上昇分にとどまり、その結果、大都市と地方、大企業と中小企業の業績や賃金の格差が拡大し、政府は、経済成長に伴う人手不足を主張していますが、地方では経済効果も限定的で、人口の流出も続いています。このことが、今また地方自治体の税収不足に深刻な影響を与えることが懸念されるのではないかと思われます。小樽市も、国の方針がこのまま続くとすれば、人口減少や高齢化がさらに進み、税収不足により財政運営が再び行き詰まることが心配されます。迫市長は早速、昨年 11 月に、今後7年間の小樽市収支改善プランをまとめました。今後の歳入不足を補うための事務事業費の削減、職員定数の適正化、手数料・使用料の値上げなど、市民にもその対処法を明らかにした市長の収支改善プランは、歳入不足からの脱却の処方箋として評価されますが、前市長の3年半を除けば、歴代の市長は乾いた雑巾を絞るという財政健全化努力を続けてきた結果であり、それでもなお経常収支比率の改善には至らず、むしろ硬直化は進んできたのではないかと感じています。国も、これまで行政のスリム化と地方の人口減少に歯どめをかけるための施策と称して、市町村の合併を強力に進め、道内では 212 市町村を 179 市町村まで減らしましたが、かつてない広いまちが誕生するなどの動きがありましたが、これらの結果を見る限り、行政経費の縮減や人口減少に歯どめがかからず、成果に疑問が残されてきました。国は、さらに昨年、複数の自治体でつくる圏域を新たな行政主体に位置づける構想に着手したと報じられておりますが、こうした国の施策に従うだけでは、地方自治体の展望は開かれないのではないかと思います。私は、課税制度の見直しと地方の実情に合わせた税の使い道を判断できる一括交付金を国に求めていくことが、地方自治体の再生の一つになるのではないかと考えています。そこで、2012 年ごろは、一括交付金や地方交付税の増加により地方自治体の財政は急速に健全化を達成したと思いますが、過去5年間、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税の推移はどのようになっていますか、お示しください。次に、国の一般会計税収は 60 兆円にも達すると言われ、過去最高の水準になったと言われていますが、これは景気の回復や賃上げが追い風になっていると分析されております。そこで、過去5年間の個人と法人それぞれの市民税収入の推移をお示しください。次に、市税収入を見れば、国の言っているような景気の回復や賃上げによる大きな効果は余り感じられず、多少の増収があったとしても、本市ではそれを上回る地方交付税の減額が続いており、経費の節減や歳入増の新たな努力で黒字に転ずることは極めて難しいと思います。今後、経常収支比率の改善のためには、どのような取り組みをしていかなければならないと考えているのかお示しください。私は、経常収支比率が他都市と比べ小樽市は極端に高いことに注目し、視察の際には、視察先でいただいた資料で経常収支比率に注目してきましたが、視察先では質問の前に、小樽市は全国的に有名な都市で観光客も非常に多く、うらやましい限りですが、なぜ経常収支比率がこれほど高いのかと逆に質問され、答えに窮したことがあります。こうした調査を踏まえ、同規模の自治体や小さな自治体を比較しても、小樽市は経常収支比率が断トツに高いことは明らかです。いずれにしても、基本的な国の地方財政対策の方針が変わらず、十分な地方交付税総額の確保が図られない限り歳入不足が続き、経常収支比率の改善は難しく、市長が今後政策に生かすべき予算は極めて限定されたものにならざるを得ないことになります。小樽市は、人口減少対策や災害対策、老朽化している公共施設の更新や耐震化、庁舎の建てかえなど多額の予算を必要とする喫緊の課題がめじろ押しに迫っております。これらに対応する財源の確保のために、国に対してどのような要望をしていく必要があるとお考えなのかお示しください。以上で1項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
林下議員の御質問にお答えします。ただいま、財政問題について御質問がありました。初めに、過去5年間の実質的な交付税の推移につきましては、1,000 万円単位で申し上げますが、平成 25 年度 192 億 9,000 万円、26 年度 190 億円、27 年度 186 億 1,000 万円、28 年度 178 億 4,000 万円、29 年度 176 億 6,000 万円となっており、減少傾向にあります。次に、過去5年間の市民税収入の推移につきましては、現年課税分の収入済額を 1,000 万円単位で申し上げますが、個人分は、平成 25 年度 42 億 3,000 万円、26 年度 42 億 6,000 万円、27 年度 42 億 1,000万円、28 年度 42 億 1,000 万円、29 年度 42 億 4,000 万円となっております。また法人分は、平成 25 年度 14 億円、26 年度 13 億 6,000 万円、27 年度 13 億 3,000 万円、28 年度 13 億 1,000 万円、29 年度 13億 6,000 万円となっており、個人分、法人分ともにおおむね横ばいとなっております。次に、経常収支比率の改善に向けた取り組みにつきましては、経常収支比率は財政構造の弾力性を示すものであり、この比率が高いということは財政構造が硬直化していることを示しておりますが、本市の場合は、人口減少などにより、市税や普通交付税などの一般財源収入の伸びが期待できない中で、今後も社会保障の充実などにより扶助費の増加が想定されることから、この比率を引き下げることは容易ではありません。しかしながら、事務事業の見直しによる経常的な経費の節減を行うなど、小樽市収支改善プランにある取り組みを着実に推進する一方で、子育て支援や産業振興策により人口減少に歯どめをかけ、税収の確保に努めるなど、自主財源の確保に向けた取り組みを進めることによって、経常収支比率の改善を図ってまいりたいと考えております。次に、財源確保のための国に対する要望につきましては、国では地方の財政需要を一定程度見込みながらも、近年においては我が国の好調な経済動向から、地方税収の増などを見込むことにより、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税を減少させております。しかしながら、人口減少対策や老朽化施設の更新などの喫緊の課題を抱える地方の財政運営には、財源調整と財源保障の機能を持つ地方交付税の確保が極めて重要であることから、必要な地方交付税総額の確保について、引き続き北海道市長会などを通じて強く要望してまいりたいと考えております。