小樽市議会 平成30年第4回定例会 2018年12月11日
高島漁港区の観光船事業について
2018年12月11日、小樽市議会の一般質問で、中村誠吾議員が「高島漁港区の観光船事業について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 中村誠吾 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 中村誠吾
次に、森井市政の失敗の二つ目、高島漁港区です。この問題は、失敗というよりは森井前市長の故意ではないかと疑いたくなるような問題ですが、しかし、小樽市としては条例違反の意思決定をする段階で失敗をし、議会で問題になってからも失敗をし続けるという結果になったのではないでしょうか。先ほど紹介した「失敗の本質」では、日本軍が戦前において高度な官僚制を採用した最も合理的な組織であったにもかかわらず、その実態は、官僚制の中に情緒性を混在させ、インフォーマルな人的ネットワークが強力に機能するという特異な組織であることを示しているという記述があります。本来、市政においては、条例の基準を合理的に判断し、意思決定をしなければならないはずです。にもかかわらず、市長の後援会幹部というインフォーマルな人的ネットワークが強力に機能してしまったのが、この失敗の大きな原因ではないでしょうか。ただ、この高島漁港区の問題は、今も継続して、いわば失敗し続けているのです。まず市長にお聞きしたいのは、この高島漁港区の違法な許可の原因は何でしょうか。次に、この問題の最終目標です。観光船事業者には原状回復をしてもらい、観光船事業をやめてもらうということでよろしいでしょうか。先ほど来、定例会での答弁では粘り強く指導していくということですが、観光船事業者は高島漁港区の問題に関し、過去に指導に従ったことはありますか。私はもう行政代執行も含めた手段を検討すべきだと思います。強制的に原状回復を行った後に、当然、裁判になるとは思いますが、その裁判の中で市の責任も含めて議論していくのが、最も合理的で最終的な決着となると思いますが、市長は行政代執行を含めた手段は検討するおつもりはありますか。この問題をしっかり解決し、森井前市長の責任を明らかにしていくことは必要だと思いますので、難しい仕事であるのは間違いないですが、適切に後始末をしていただくようよろしくお願いします。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、高島漁港区の観光船事業について御質問がありました。初めに、違法な許可の原因につきましては、さきの第3回定例会以降、私としても高島漁港区における観光船事業に係る産業港湾部の対応のてんまつを記した報告書を確認するとともに、当時の担当者から説明を受けました。この報告書は、前市長も内容を確認し、決裁しているものでありますが、その中で、観光船の無許可係留が始まった当初、港湾室の認識としては観光船事業が前市長の後援会幹部がかかわる案件であったため、政治的に慎重な対応が必要であるとの判断のもと、平成 28 年5月 17 日に、前市長と前副市長に対して、事前に報告したと記載されております。報告の内容としては、既に事業者が、高島地区袖護岸の車どめに無許可で穴をあけて、Uフックを取りつけて係留している状況であること。また、港湾室の考え方としては、水産ゾーンにおける観光船事業は港湾計画上、好ましくないこと。港内の安全航行の観点から事業者と漁業関係者との安全運航に関する協定締結の必要性などについて説明したとのことです。この際、前市長からは、市漁協、機船組合などに迷惑がかからないように、また観光船事業者に対しても一方的にだめだというのではなく、相手方が納得できるように説明する必要があるとの指示がありました。この打ち合わせを踏まえ、港湾室としては港湾法や管理使用条例及び分区条例に照らし、一連の手続の許可をすることを前提に、法的な取り扱いを再度整理することとし、その後の許可につながったものと考えられます。この報告書などから、私としては、まず第一に、前市長が港湾室から観光船事業者が無許可で船舶を係留していることについて報告を受けた際、港湾管理者たる市長としては、即座に是正措置を港湾室に指示しなければならない立場であるのにもかかわらず、これを怠り、相手方が納得できるように説明する必要があるとの指示をすることは、本来あってはならないことだと考えております。確認の結果、一連の許可等については、最終的には港湾室の判断で行われたようではありますが、その前段で、前市長が無許可係留是正の指示を出さず、観光船事業者に対して理解を示したともとれる発言をしたことが、結果的にその後の港湾室における法令違反につながった一因になっているのでないかと考えております。次に、観光船事業をやめてもらうことにつきましては、観光船事業者に対して本年4月 27 日付で不利益処分の決定を通知し、港湾施設管理使用条例に基づく運河護岸・物揚場護岸登録、港湾施設占用許可(水面)等の許可取り消し処分を行いましたので、観光船は高島地区袖護岸や浮桟橋を設置し、係留することはできなくなりました。また、観光船事業に係る建築物については、分区条例に適合するよう用途の変更または撤去を命じているものの、現時点で是正措置は講じられていない状況ではありますが、今後、事業者がいずれかを選択して是正措置を履行し、観光船事業として、建築物の利用がされなければ、是正措置が完了することとなります。ただし、自己所有地を利用して観光船を運航することについては、北海道運輸局への海上運送法第 20条第2項に規定する、人の運送をする不定期航路事業の事業開始届け出を受理されると可能であり、港湾計画において、水産ゾーンに位置づけていても、法的強制力を持たないことから規制をかけることはできませんが、その際においても漁業関係者との間で漁業権や安全航行の確保に関する協定を締結するよう指導は必要と考えております。次に、観光船事業者は指導に従ったことはあるかにつきましては、事業者がこれまでに市の指導に従ったものは、無許可で高島地区袖護岸の車どめに取りつけたUフックの撤去、車どめの取りかえ及び休憩棟に保管した観光船の移動であり、建築物の是正措置と係船環撤去については、いまだに指導に従っておりません。次に、行政代執行を含めた手段の検討につきましては、これまでも何度か顧問弁護士に、本件についての行政代執行の行使が可能であるか否かを相談しておりますが、その際、弁護士からは行政代執行法第2条の規定によると、義務者が命ぜられた行為を履行しない場合、他の手段によって、その履行を確保することが困難であり、かつ不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、代執行の要件を満たし可能となるが、現状では難しいのではないかとの御意見をいただいております。しかし、現在においても是正措置が講じられていないことから、改めて弁護士に相談しているところであります。