小樽市議会 平成30年第3回定例会 2018年10月2日
今後の市政運営について
2018年10月2日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「今後の市政運営について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 髙橋龍
第3回定例会に当たりまして、立憲・市民連合を代表し、質問いたします。去る8月 26 日の小樽市長選挙において、迫俊哉市長が誕生し、新たな体制づくりに取り組まれているところと認識しています。行政の継続性という観点で考えると、一気に変えることが難しい点も出てくるかとは思いますが、言わずもがな、市民の皆様にとって、よりよい行政運営が図られるべきでありますし、どのように立て直しが図られるか、注目を集めているところと存じます。そこで、まず、この項目では、市長公約やこれまでの議会で質問をしてきたことなどを踏まえて、今後の市政運営について、お聞きしていきたいと思います。初めに、人口減少対策について伺います。平成 28 年6月 30 日の予算特別委員会において、人口減少について、次のような質問をしました。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040 年には、本市の人口は7万 4,000 人にまで減少すると言われているが、そのときに想定される問題点及び対応策はどのように考えているのかと。その際に、企画政策室からの御答弁は、少子高齢化が一層進む見込みであり、地域経済も縮小する一方で、社会保障費の増加が想定される。税収減も見込まれる中で、老朽化した公共施設の維持・更新にも対応していかなければならないという課題もある。行財政の効率化を図る一方で、その時々の経済社会情勢に対応した対策を講じる必要があるとのことでした。その後、前市長から人口がそこまで落ち込むことに対してのビジョンを持ち得ていないとの御答弁がありました。他方、地域経済の循環や商店街の活性化などには触れており、その点については賛同するものの、肝心の人口が減っていくことに対しては、具体には語られませんでした。そこで、迫市長にお伺いいたします。人口減少に歯どめをかけるための政策はもちろん進めていかなくてはなりませんが、それでもなお、今の本市の状況を鑑みると、今後も人口が減っていくのは動かしがたい現実としてあるわけです。行政サービスの質をできる限り落とさないことは理想です。しかしながら、効率化、業務圧縮、または現行サービスの見直しなどによるコスト削減を図った上で、社会インフラの大きな転換もせざるを得ない状況にもなってくるのかとも考えます。人口減が進む中で、小樽市が今後、生き残っていくために、まちとしてどのような将来像を考えますか。先般、人口減少対策についての小樽商科大学との共同研究の結果が示されました。私も拝読いたしましたが、一朝一夕にできるものでも、行政のみでどうにかできる問題でもないということは、皆さん共通認識としてお持ちのところであると思います。そして、転出を食いとめるための市民ニーズの把握、逆に、隣接する札幌市などからの人口流入をふやすための方策、出生数の増加策など、課題はまだまだ多いものと認識しております。そこで、その研究結果を踏まえてお聞きしますが、これまで想定していなかった結果はもたらされましたか。それを受け、新たに考えていかなければならない事項や政策的に進めていくことがありましたら、お示しください。さらに、商大からのアドバイスといいますか、御提言を実際の市政運営に対してフィードバックしていくに当たり、今後の連携はどのように図っていくのか、お聞きします。このような共同研究を足がかりに、産学官それぞれの強みを生かした連携を行って、人口減少に歯どめをかけられるよう、取り組んでいただきたいと望みます。次に、観光についてお聞きします。本市の基幹産業である観光関連分野の成長は、小樽全体の成長であるといっても過言ではありません。迫市長の公約の中に、観光客の回遊性を高めて、中心市街地のにぎわいづくりを行うとありますが、その手法について、お考えをお示しください。今後の小樽観光を考えていく上で、もちろん現在好調なインバウンドの入り込みを確保することも重要です。ただ、国際的なトレンドとして、本市への観光が選ばれている側面もあり、そのブームが落ちついてしまったり、今回のような地震などの災害によって、急激に減ってしまう懸念もあります。その中で、観光入込客数の目標設定、どこの地域からどのくらいの規模の集客を行うか、そして、そのマーケティング手法など、本市が行っていく戦略について、お聞かせください。さらに、観光関連産業を伸ばしていくに当たって、より効率的な組織運営を行っていくための仕組みづくりは必須であり、本市としてもかねてより小樽版DMOの形成を進めてきています。私も、議会において質問をしてまいりましたが、現状は観光振興室と小樽観光協会が同じ建物にいるというところかと存じます。今後に向けて、どのようなスキームをつくっていくのかは、観光産業の成長、方向性を決める重要なものであると認識しています。迫市長が経済政策を重視していく上で、早いタイミングでDMOの方向性を示していかなければならないと考えます。小樽版DMOの次のステップとして、組織的に何か変えていきたいと考えていることはあるのでしょうか。今後、強化するべき点など、現状と照らし合わせた上でお答えください。現状の観光協会方式の全国的な課題としては、関係者の巻き込みが不十分であること、データの収集と分析の不足、民間手法の導入が不十分などと言われています。小樽に全てが当てはまるわけではないでしょうが、DMO形成に当たり、注力をすべき点からそれほどそれてはいないものと感じます。また、マーケティングに主軸を置くDMOの組織ができた後は、マネジメント主体のDMCについても進めていかなければならないとも考えますので、発展的な進め方をしていただきたいと思います。次に、雇用について伺います。市内のさまざまな業種で働き手が不足しているとたびたび耳にします。以前は、介護や医療など、特定の業種で慢性的に人員が足りない状況でしたが、それが多様な業種に及んでいます。同時に、現在、仕事をしておらず、探しているという方、転職をしたいという方も多くいる中でも、マッチングが図られていないというすれ違いが起きてしまっています。そのミスマッチを解消しなければ、結果的に札幌などに働きに出てしまい、生産年齢人口の流出にもつながっています。今ほど申し上げた医療や介護、保育などは、社会的な理由に起因して、業界全体として労働力が不足する、いわばマクロ視点でのミスマッチです。それと対比して、求人側と求職側のニーズの違いによるミクロ視点のミスマッチが近年、増加傾向にあると認識しています。そのミクロ視点的ミスマッチの原因の一つに、小樽市内の賃金の安さが挙げられると思います。人手は足りず、求人募集をしているけれども、給与水準は札幌より低いことで、求職者から選ばれづらくなっているという現状について、課題解決のために小樽市は何を行っていきますか。必ずしも金銭的なものだけが仕事を選ぶ理由ではないのは確かですが、隣の町に行けば、同じような仕事でも待遇がいいとなれば、どうしても比較されてしまうのも事実です。給与水準を上げていく方策はいかがお考えでしょうか。または、労働環境や働き方、やりがいなど、ほかの面で補っていくという考え方もあるかと思います。中小企業振興基本条例もできたことですから、ほかの町ではなく、本市で働くということの魅力を打ち出していく必要性を感じます。見解を求めます。先ほどの人口減少対策の項目にもかかわってきますが、札幌市では、人口減少対策のため、市議会や有識者、若者世代が参加した「さっぽろ未来創生プラン」ができ上がりました。このプランでは、結婚、出産、子育ての支援と並ぶ二本柱として、安定した雇用の確保が掲げられています。この考えは、当然、本市にも当てはまるもので、将来の本市を担う若者世代の雇用の場を創出していくことは喫緊の課題でありますので、将来的な施策を打っていただくよう、お願いいたします。次に、日本遺産についてお聞きいたします。本年5月に「荒波を越えた男たちの紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」のストーリーで、本市も追加認定を受け、第2回定例会では、日本遺産関係経費も補正予算が組まれています。今後においては、一層の市民周知が不可欠です。さらに、以前より申し上げてきましたが、認定がゴールではなく、観光資源としての活用や文化財の保存にいかにつなげていくかが重要なわけです。そして、それを通して、シビックプライドの醸成が図られていかなければなりません。そこで質問いたしますが、北前船については寄港地フォーラムなど、自治体間の広域連携には結びついていますが、観光振興や文化財の保全の観点での動きがございましたら、お示しください。また、シリアル型については、道内の産炭地や鉄鋼、鉄道、そして港にかかわって、炭鉄港のストーリーも空知地方の自治体や室蘭市とともに申請に向けて御尽力いただいていると認識しております。そこで伺いますが、炭鉄港の申請についての進捗はいかがですか。関係自治体とは、その後、具体な話を詰めていますか。北前船同様に、認定を受けた後の連携をスムーズに行う見通しは立っていますか。シリアル型だけではなく、本市としては、歴史文化基本構想の作成と地域型の日本遺産申請に向けて取り組んでいるところです。シリアル型の中では語られていないストーリーはまだ残されていると思いますし、その掘り起こしや市民周知により、さらに郷土愛を深めていくことは、まちの活性化にもつながるものと確信しております。それにかかわって、このたび、地域型のストーリー作成を見据えて、「あなたが考える小樽の日本遺産とは」と題して御意見を募集し、8月 31 日に締め切ったところと認識しています。応募の数、御意見の内容、それに対しての本市の見解を差し支えない範囲でお示しください。この意見募集のように、市民協働で進めていくことは、大いに賛同するところです。この後、地域型の動きが本格化するタイミングで、歴史文化基本構想とのすり合わせやストーリーのプロットを練っていく作業、タイトルのコピーライティングなど、文筆業のようなフェーズに移行していくことと思います。専門性の高い作業ですが、内部、外部からの日本遺産担当への支援体制は整っているのでしょうか。日本遺産の認定後、大きな動きや明確な経済効果が見えないという地域も多いと聞き及んでおりますが、本市は既に観光地として抜群の知名度を誇っており、経済分野との関連づけは行いやすいと考えます。その中で、日本遺産がほかのコンテンツに埋没しないよう、うまく事業を推進していくことが求められております。次に、この項最後になりますが、ドローンについて伺います。ここ数年で急速にドローンの活用が進んできました。単純な撮影だけでなく、防災や測量、農業分野またはレースのようなエンターテインメントとしての使い方もあり、個人での所有も珍しくないものとなっています。そのような中、小樽運河や水族館など、人が多く集まる場、本来飛ばしてはならない場所で勝手に使用してしまうケースが出てきています。多くは、海外からの観光客だそうで、機体を操縦している方を見つけることが困難なケースもしばしば見受けられるということです。墜落事故の危険性もあるため、禁止区域の中でも特に観光客の多い場所などに禁止の看板を設けたり、逆に飛ばしていい場所をマップで示すなど、何らかの手段を講じる必要があると考えますが、いかがですか。とはいえ、うまく活用することで、いろいろな面で有益なものであることも確かです。当別町では、商工課内にドローン係が設置され、規制と活用についての窓口になっています。こうした状況も鑑みると、本市でも担当部署の設置を前向きに検討していただきたいと考えますが、いかがですか。また、仮に、庁内に担当を置くとなった場合、どこの部署に開設するのが妥当だと思われますか。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
髙橋龍議員の御質問にお答えいたします。ただいま今後の市政運営について、御質問がありました。初めに、人口減少対策についてですが、まず、人口減が進む中で、本市が今後生き残っていくための将来像につきましては、観光振興による消費の拡大を初めとしたさまざまな分野の産業の振興を図り、税収を確保することで、子育て世代が魅力と安心を感じられる環境づくり、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられる環境整備など、市民の皆様の生活や暮らしを守る公共サービスをできる限り維持することを第一に考えるとともに、コンパクトで効率的なまちづくりを目指し、人口減少下においても、市民の皆様が安心して安全に暮らせる夢あふれる元気な小樽を目指してまいります。次に、小樽商科大学との共同研究の結果につきましては、科学的分析手法により、本市への満足度や定住志向などに影響する要因が明確になったものと考えております。また、この結果を受けて、政策的ターゲットが子育て世代であることから、子育て世代包括支援センターの設置について検討を進めるほか、産業、教育など、多分野にまたがる提言がなされていることから、それぞれの分野を関連づけながら、庁内横断的に人口減少対策の検討を進めてまいりたいと考えております。次に、今後の小樽商科大学との連携につきましては、共同研究会としては終了しておりますが、今後についても研究結果の解釈や疑問点についての御教示など、引き続き御協力をいただけると伺っておりますので、市で事業を検討する中で、さまざまなアドバイスをいただけるものと考えております。次に、観光についてですが、まず、観光客の回遊性を高めて、中心市街地のにぎわいをつくる手法につきましては、中心市街地とは小樽駅や花園銀座商店街から梁川通り商店街までの花園・稲穂かいわいを想定しており、運河や堺町周辺からこのエリアへの観光客の回遊性を高めていく方法として、商店街や市場の特性を生かして魅力づくりを進めながら、例えば、各商店街特有の魅力ある店舗に焦点を当てたり、特色のある食をカテゴリー別につないだり、さらにそれらをメディアを通して発信するなど、観光協会や各商店街と協働して、国内外の観光客の楽しみ方を多様化していくことを考えております。次に、観光入込客数の目標設定と戦略につきましては、まず、観光入込客数については、その数自体にはこだわっておらず、今後、高い目標値を設定することは考えておりません。むしろ観光客の満足度の向上を図るとともに、従来から課題とされている時間消費型、宿泊滞在型観光への移行を進め、観光客の観光消費をふやし、本市経済への波及効果を高めることが重要と考えております。集客戦略については、本市観光の下支えとなっている道内客に向けては、札幌市で開催される小樽物産展と連携したキャンペーンなどの実施や市内で四季を通して行われる各種イベントの情報発信を進め、リピーター客の増加を図ります。道外客に向けては、本市に数多くある映画やテレビドラマのロケ地に食の魅力を絡めたロケツーリズムや本市の特色を生かした教育旅行の誘致を進めます。海外におきましては、訪日観光の成熟市場である台湾、香港、韓国、中国に向けては、インターネットなどを活用した新たな情報の発信、成長市場であるマレーシア、フィリピンなどに向けては、現地の旅行博覧会に出向いて直接PRするなど、それぞれの国・地域に応じた誘致宣伝事業に取り組んでまいりたいと考えております。次に、小樽版DMOの設立に向けた現状と今後の強化点につきましては、平成 29 年度から観光振興室と観光協会が同一の建物で密に情報を共有しつつ、協働して業務を進めております。それと同時に、それぞれの事業の洗い出しのほか、観光協会の安定財源確保に向けた収益事業などについて、協議を進めているところです。今後、まずは、観光協会の組織体制の強化を図るとともに、小樽商工会議所や小樽物産協会などの関係団体の意見も聞きながら、将来の観光地経営を見据えた本市ならではの収益モデルの試行など、次のステップに向けて、できることから進めてまいりたいと考えております。次に、雇用についてですが、まず、求職者に選ばれづらい現状への対応につきましては、主に高校生などの若者が企業見学会やインターンシップなどを通じて、市内企業に対する理解及び認識を深め、地元への定着を図る取り組みを進めるほか、今年度からは新たに大都市圏での合同企業説明会の開催を予定しております。次に、給与水準を上げていく方策につきましては、本市が働く地域として選ばれるためには、給与水準の向上は重要であることから、観光を基軸に地場産品のブランド化や物産展などを通じた国内外への販路拡大、中小企業等の振興など、総合的な取り組みを進めることで、企業収益の改善につながり、本市における給与水準の高まりが期待できるものと考えております。次に、本市で働くことの魅力を打ち出していく必要性につきましては、本市は豊かな自然や歴史、文化、町並みなど、魅力ある観光都市として国内外に知られており、これらに加え、子育てや教育などの充実した生活環境について、移住や観光プロモーションなどの機会で発信し、小樽で働き、生活することの魅力を理解いただくことは重要であると考えております。また、小・中学校においては、職場体験を通じて、市内企業を知る機会を創出するとともに、子供たちの地元に対する理解や愛着心を育むキャリア教育を実施しており、この取り組みが地元への定着や一度小樽を離れた方がUターンするきっかけになることを期待しております。次に、日本遺産についてですが、まず、北前船の日本遺産に係る観光振興や文化財の保全の観点での動きにつきましては、観光振興に結びつけるため、本市の学芸員が北前船と本市のかかわりを東京のカルチャー教室で講義し、受講者にツアーで来ていただくほか、東京都渋谷区で開催される寄港地各地の産品を試食するイベントに本市からも出品し、それらの取り組みを通じて、本市の魅力を発信し、観光客の誘致につなげてまいりたいと考えております。また、文化財の保存に当たっては、日本遺産の事業としては、独自の支援制度はありませんが、今回、構成文化財となった建物は、指定歴史的建造物であるため、本市の既存制度を活用していただくなど、適切に保全がなされるよう働きかけてまいります。次に、炭鉄港の申請についての進捗につきましては、7月 13 日、岩見沢市において、関係自治体、各観光協会及び商工会議所などが一堂に会し、第1回炭鉄港推進協議会・幹事会合同会議が開催されました。その中で、来年の申請を目指して取り組んでいくことなど、今後の方向性を参加者全体で確認しており、スムーズに進められていくものと考えております。次に、地域型ストーリー作成を見据えた意見募集につきましては、応募は1件で、内容としては、民間が主体となり、昭和の初めに田園都市構想を目指して、東小樽で行われた開発により、桜のランドマークとして整備されたロータリーやその開発の際に移築されたとされる銀鱗荘を日本遺産ストーリーに加えてはどうかとの意見がありました。今後のストーリー作成の参考となる貴重な御意見と捉えております。次に、日本遺産担当への支援体制につきましては、今後、専門性の高い作業も生じてくることから、それに対応できるよう、教育委員会や庁内の関係部局との連携はもとより、商工会議所などの関係団体のほか、専門性を有した民間企業のお力もかりながら、日本遺産認定へ向け、体制を整えてまいりたいと考えております。次に、ドローンについてですが、まず、ドローンの飛行に関する注意喚起につきましては、御指摘にあるような事案は把握しておりませんが、実態を把握した上で、関係機関などと協議しながら、対応について検討を進める必要があるものと考えております。次に、ドローンの担当部署につきましては、ドローンに関する問い合わせなどの対応窓口を設ける必要性は認識しておりますが、本市に直接的な規制等に関する権限があるわけではありません。そのため、現時点では、どの部署で対応するのが適当なのかの判断には至っておりませんが、今後、庁内において調整を図ってまいりたいと考えております。