小樽市議会 平成30年第1回定例会 2018年2月27日
行政評価について
2018年2月27日、小樽市議会の一般質問で、秋元智憲議員が「行政評価について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 秋元智憲 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 秋元智憲
行政評価について伺います。行政評価は 1980 年代に欧米で始まり、我が国においては 1995 年、三重県で行われた事務事業評価が初めと言われております。各自治体における行政評価の導入目的は、行政の効率化や職員の意識改革、市民満足度の向上などでありますが、全国の自治体では導入から年数を経てマンネリ化や職員の評価疲れ、当初の目的を達成したとして行政評価自体を廃止するところもあるようです。また、評価手法や目的が曖昧なために職員への理解や浸透が期待していたほどではなかったなど、さまざまな課題も出てきております。試行から6年が経過し、その経験や市民ニーズの変化などを踏まえ、今後目指すべき方向性をどう考えているのか伺いたいと思います。今言ったようなほかの自治体で起きているような問題はないのか伺います。また、職員の制度理解や趣旨の理解がどの程度進んでいるのか具体的な例をもとに説明してください。次に、施策評価についてです。平成 28 年度から導入した本市外部評価では、公募で選ばれた市民が委員となり、2年の任期で試行という形で評価を行ってきました。平成 29 年 10 月 17 日付の小樽市行政評価市民会議の報告書や議事録も読ませていただきましたが、各委員の皆さんが市民目線での意見、評価をされていて、それ自体は市民と行政との協働の観点では大変に意義のあることと感じます。しかしながら、小樽市行政評価市民会議がまとめた小樽市行政評価報告書では、任期1年目は施策評価や市民会議の進め方などに関して大勢の意見、その他の意見という形で市民の視点からの意見を取りまとめ報告し、2年目は意見の提示だけではなく市民会議としての意見の取りまとめと評価判定を行う方法を模索しました。結果としては、いずれの施策においても市民会議としての評価判定には至らなかったとしています。まず、施策評価を実施する原部、原課として、施策を評価するに当たり、市民会議にはどのようにかかわってきたのか説明してください。また、判定に至らなかったことについて、どう改善を図るつもりなのかお答えください。次に、評価委員についてです。本市の行政評価市民会議は、議長を除いて9名の市民公募で選ばれた方々により評価作業を行ってきました。外部評価委員の構成は、他市を見ると、住民主体型、専門家主体型、住民・専門家の混合型などがありますが、本市は住民主体型の委員会制をとっております。それぞれの委員構成のメリット、デメリットについて説明し、市として住民主体型を選んだ理由についてお答えください。次に、評価の視点についてです。平成 27 年度まで行われてきた行政評価の視点は、事業評価において市が実施する妥当性など、事業の優先性、緊急性、事業の有効性、事業の効率性であり、28 年度は施策評価とそれまで行ってきた事業評価の視点で評価が行われました。しかし、29 年度になると評価の視点がかなり簡略化され、施策目標の達成度を判断するために重要な事業評価の視点がほぼ削られております。なぜ、このような形になったのか、理由を説明してください。一般的に外部評価は公平・公正な視点による評価が可能になり、中立的な判断、評価結果を導き出せるものと考えますが、外部評価導入に当たり幾つか課題があるとも思っております。その一つとして、今回、行政評価市民会議の方々が指摘しているように、「施策や構成事業の目的や目指すべき方向性の明確化や、評価の根拠となる成果指標や目標値設定の工夫、さらに行政評価をも想定した総合計画の策定などが必要と考えます」とされ、このことからも準備が十分でない中、外部評価が行われ、事業の判定に至らないという結果を招きました。以前から行政評価について質問し、提案してきましたが、本市で初めて外部評価を導入するに当たり、何もノウハウもない中で施策評価を行うことには無理があるのではないかと感じていましたし、担当者にもその意見は伝えてまいりました。会派として視察した他市を例に挙げ、議論もしましたが、その中で評価手法が有識者からも評価されている大野城市を参考にし、フルコスト計算書診断を用いた評価のような制度の確立も要望しました。フルコスト計算書診断は、決算データをもとに収支をまとめたシートを利用した事業評価であり、視察の際もその効果や実績も伺うことができました。また、大野城市では外部評価として第三者評価方式を導入。質の高い公共サービスの提供と効率的な行政運営をするツールとして定着しているといいます。本市においても、市が行う一つ一つの事業が、社会の変化や市民ニーズに対応できているか、費用対効果の観点から妥当な事業なのかを見きわめ、より質の高いサービスを市民に提供するためにフルコスト計算書を用い、事業費の妥当性、人件費の妥当性、場合によっては受益者負担の妥当性までも診断し、これから展開する政策、施策、事業に結びつけていくことが重要であり、今後も歳入の減少が見込まれる本市では、事業を見直す視点として今まで以上にシビアな評価を実施するべきだと考えます。評価委員も、これまでの市民公募委員に加え、専門知識を有した委員の選定を念頭に、例えば行政書士や企業経営者、コンサルタント等の方々にも入っていただき、これまで行ってきた外部評価をより質の高い、よりよいものに進化させるべきときではないのかと思います。有識者を含めた市民と専門家の混合での委員会の実施を行い、小樽版行政評価システムを構築することを提案しますが、市の考えを伺います。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、行政評価について御質問がありました。初めに、試行から6年が経過しての今後の目指すべき方向性につきましては、次期小樽市総合計画策定の基本方針において、成果を重視した目標管理型の市政運営を推進するため、行政評価と一体となった計画の運用の仕組みを構築することとしております。このため、平成 28 年度及び 29 年度に行った施策評価の実施結果を踏まえると、成果指標の不足などにより的確に評価できないという問題もあることから、指標の充実を図るなど行政評価の仕組みの再構築を図ってまいりたいと考えております。次に、行政評価を続けてきた中で生じた問題につきましては、これまで事業評価調書の書式を頻繁に見直したり、施策評価を新たに導入するなど試行錯誤を繰り返してきたため、評価手法についての職員への浸透、定着がまだ不十分な面もあることや、評価調書の作成に時間を要するなど職員の負担感が少なからずあることへの懸念を感じております。しかしながら一方で、これまで 314 事業の事業評価を実施し、要改善など何らかの見直しをすべきと評価をした 87 事業のうち、評価に内容に沿った見直し等が平成 28 年度までになされたものは 56 事業あり、職員の事務事業の点検、見直しに対する意識の向上に一定程度寄与できたものと考えております。また、施策の評価の導入に際し、評価の過程に市民会議を設置し、市民と所管部局職員が施策について直接対話する機会を持つことなどにより、改めて行政評価制度自体や施策における事業のあり方などについて、市民目線での新たな視点に触れることができたものと考えております。次に、行政評価市民会議における施策の所管部局のかかわり方につきましては、まず市民会議では、各所管部局から一時評価を行った評価調書に基づき、施策の概要や取り組み内容、評価の理由などを説明し、その上で委員と所管部局とで直接質疑応答を行いました。その後の意見等の取りまとめと評価につきましては、所管部局が退席した後、当該会議の委員のみで行いました。また、評価判定に至らなかったことに対する改善策につきましては、当該市民会議からも評価判定の根拠となる適切な成果指標が不足していることが大きな要因として指摘をされておりますので、現在進めております次期総合計画の策定において、施策目標に対する達成状況をより的確に効果測定ができるように、さまざまな成果指標の洗い出しを行いながら、適切な設定となるよう努めてまいりたいと考えております。次に、外部評価における委員構成のメリット、デメリットにつきましては、住民主体型のメリットとしては、行政評価の透明性の確保が図られるほか、市の取り組みに対する満足度など市民の視点からの評価を多く得られるものと考えられます。また、デメリットとしては、一般的には行政運営上の必要性を十分理解した上での評価や統計的な分析、他都市との比較など専門的な見地からの評価は得られにくいことなどが考えられます。一方、専門家主体型につきましては、おおむね住民主体型とは逆のメリット、デメリットがあるものと考えられます。さらに、住民・専門家の混合型につきましては、ただいま申し上げました双方のメリットを期待できると考えられますが、評価を行う会議において、視点の違いから議論がかみ合わないなどのデメリットが考えられます。また、本市が住民主体型とした理由につきましては、施策評価の導入目的の中で、市民への説明責任の確保と職員意識のさらなる醸成を掲げており、市が実施する評価の過程に市民参加の場面を設け、その場面において市民と直接に対話し、業務改善に対する職員意識の醸成、向上を図ることを目的としたためであります。次に、評価の視点につきましては、施策評価の導入に当たっては、これまでの事業評価による個々の事業単位での評価では複数の事業における優先性などの比較検討が困難であるため、事業のスクラップアンドビルドがなかなか進まない状況にありました。このため、評価の視点を事業から施策レベルに上げ、施策目標の達成状況を点検することで、施策を構成する事業間の比較検討を行うこととなり、事業のスクラップアンドビルドを進めることが可能になると考えております。この施策評価の過程でそれぞれの事業の優先性や緊急性、有効性、効率性等を考察することになるため、施策評価においても事業評価の視点は削られていないものと考えております。次に、有識者を含めた市民と専門家の混合での委員会の実施につきましては、依然として厳しい財政状況の中、これまで以上に行政資源の効果的な配分と効率的な行政運営を求められていると認識しており、今後とも行政評価を有効に機能させていくことが重要であると考えております。このため、行政評価の仕組みの再構築を図る際には、先ほども申し上げましたとおり、施策目標に対する達成状況をより的確に効果測定できる成果指標の設定に努めるほか、外部評価委員会などのあり方を含む評価手法についても検討を進め、次期総合計画の成果指標と連動した目標管理型の行政評価システムの確立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。